今週のキン肉マン第375話-絶望に瞬く光!!

今週のキン肉マン
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 身をもって機械超人の恐ろしさを知るウォーズマン。絶望的な状況の中、キン肉マンは自分がウォーズマンと初めて対峙した時の絶望感を共有できたことで、また深くわかり合えたことを喜び―!?

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太陽と化したスグル

 自覚ゼロの天才的アドバイスで、ウォーズマンの不利な流れに待ったをかけたスグル。

 そんな彼の天然エールに対し、バッファローマンは

どんな状況でも希望を失わない。

それがお前の強さ、そしてオレたちが学んだ強さ。

なあ? ウォーズマン。

と、その影響力の強さを補足します。

 そしてそれに対してウォーズマンも

まさにその通り。

そしてそれがオレたち正義超人の強さの秘密でもある!

と完全同意。

 いやはやベタボメされてんな、スグル。信頼する仲間からこれ言われたら至福でしょう。

 でも彼らがそのようにスグルを評することについて、読者たる我々も

そのとおおおお~~りっ!!

って思っちゃいません? 私は思っちゃったんですよね。

 それはバッファローマンとウォーズマンの発言が、キン肉スグルというキャラクターの魅力の芯の一つを食っているから、だと思うんですよ。

 世の中にはたくさんのスーパーヒーローがいますが、ここまで発する言葉に仲間を鼓舞する力があるヒーローは稀だと思うんですよね。

 しかも本人にはそのつもりがない場合がある、という天然のキャラ特性が、彼をより唯一無二のスーパーヒーローたらしめているんです。

 ベタな言い方をすれば、彼はもうすでに“太陽”なんですよ。みんなに生きる糧を、光を与える太陽。そしてそれは全方位放射で平等な光。

 ただそれを行うにはキャラの説得力が必須で、昨日今日出てきたヒーローにはとてもじゃないけどできないんですよ。

 それはまさに連載開始から40年、地道にその器や包容力を積み上げてきたキャラクターだからこそ可能な、それこそ超人的な説得力なんですね。

 いや~、スグルがなぜこんなにも愛されているヒーローなのか、あらためて再確認させていただきましたよ。

ロボ超人二人の価値観の相違

 そんなエールを受けて発奮し、心機一転、気合の攻撃を繰り広げたウォーズマンですが、さすがの超神にはすぐには通用しません。

 それどころか

万策尽きて特攻とは、真のポンコツと成り果てたか

と、その感情に任せた攻撃方法を、コンピューター超人とは相反する行動だと強烈に罵倒。

 あらゆるウォーズマンの攻撃を読み切り、それらをすべて迎撃すると

使わぬ頭なら破壊しても文句はないだろう

と、パンチの嵐 ➡ 閂スープレックス ➡『神技・ブラックオニキススクィーズ』でウォーズマンを締めあげます。

 う~ん、この攻防はかなり対比的ですね。

 お互いがコンピューターを有するロボ超人でありながら、片や演算に忠実なファイト、片や精神論の有意性を見出したファイト。

 ある意味この闘いのテーマであり、どちらのファイトスタイルが優れているのか。それを問われているようです。

またもや降りそそぐ太陽の光

 そんなウォーズマン劣勢の中、それを救ったのはまたもスグルの激。

私たちは散々見てきてよく知っているじゃないか。

この世に絶対はないことを!

そんな絶対の中に潜む穴を探す努力を希望と呼ぶ!

だから希望がある限り闘い続ける!

それが正義超人魂だーっ!!

 この激に背中を押され、ウォーズマンはまたもや奮起。

 自らの体に傷をつけ、首筋の切れた配線から放電。その自傷行為に気圧されたオニキスマンのスキをつき、『ブラックオニキススクィーズ』から脱出するウォーズマン。

 しかしながらその代償は大きく、力が抜け片膝をつき、肩からは煙を放出。

 それは前回書いたウォーズマン形態変化の

  1. アーマーの亀裂
  2. ヘルメット・顔面の凹み
  3. 関節ユラユラ
  4. 発煙・帯電 ←イマココ!
  5. 異音(ゴー、ヒュー、ギュー)
  6. 再起動リブート

フェーズ4に至ります。まだ関節はユラユラしてませんけどね(笑)。

ウォーズマンが選んだ闘い方

 そしてオニキスマンは『オニキスパルバライザー』でトドメを刺そうとするも、なんとウォーズマンは折れて動かないはずの、右腕のベアクローでそれを防御。

 予想外の動きに動揺したオニキスマンのスキをつき、今度は左手のベアクローでオニキスマンのどてっぱらにそれを突き刺します。

 突然ウォーズマンの行動を読めなくなったオニキスマン。そして

コンピューターに勝つ方法は…コンピューターを始動させないこと

本能で放つ技にはどんな計算も通じないーっ!!

と、強烈なキャプチュードをウォーズマンが放って次回に続く、です。

 おお…ま~たゆで先生がミラクルなストーリーテリングを放ってきましたよ。

 かつてウォーズマン自身が経験した、スグルによるロボ超人攻略法。あの時はラーメンマンのアドバイスでした。

コンピューターに勝つ方法は…コンピューターを始動させないこと

 少年時代に経験した、友情パワーおよび正義超人魂の真骨頂として燦然と輝くエピソード。そして幼き心を奮わせた懐かしき感覚。

 このやりとりをここで再現されるとは…唸らずにはいられませんよね…(苦笑)。これも40年の歴史という熟成がなせるストーリーテリングなのでしょう。

 そしてこの流れの前にきちんと

私たちは散々見てきてよく知っているじゃないか。

この世に絶対はないことを!

というフリをきちんと入れているところに、ゆで先生の技術の高さが見てとれます。

 なぜならば、これを超人オリンピックのキン肉マン VS ウォーズマンに当てはめて考えてみればわかると思います。

 “散々見てきた”というのは、“完璧だったウォーズマンのコンピューターがアナログのスグルに敗れた”という事実を指しています。

 そして“この世に絶対はない”とは、“計算や予測が100%正しいわけではない”ということを言っているわけです。

 つまりスグルは暗に

それを一番身に染みて経験したのはお前自身だろう? ウォーズマン?

と言っているわけですね。

 そんなメッセージを瞬時に理解し、その打開法を経験値から繰り出したウォーズマン。それは正義超人はシングルマッチにおいても、チーム戦で闘っていることの証明でもあります。

 そして彼は本能とコンピューターとの、ハイブリッド戦略でオニキスマンに対峙することを選択。

 ここにコンピューター一辺倒で闘うオニキスマンとの違いが如実に示されたので、それが大きな化学変化を起こし、予測を凌駕する展開に期待したいですね。

その他気になった点

 その他気になった点は

  • 田園コロシアムの激闘の過去があるだけに、バッファローマンとウォーズマンの会話はいつも何かワクワクさせる。
  • ウォーズマンのハイキックを、股割シットダウンで避けるオニキスマン。
  • 露出頻度が異常に高い、ゆで先生お気に入りの“かんぬきスープレックス”。
  • 苦しいと歪むウォーズマンの目。仮面のわりにはなかなかの軟質素材(笑)。
  • スグルのエールは理想論で青臭いかもしれないけど、嫌味がない。
  • それが彼の今まで築き上げてきた強みでもある。
  • ここでキャプチュードを選んでくるゆで先生のセンスの良さ。

 こんなところでしょうか。

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コメント

  1. MK より:

    ウォーズマンも反撃の糸口が見えましたね!本能で放った技は計算できない、から入りましたので私も対キン肉マン戦を思い出しました!
    もしかしたら今シリーズは神側が心を失いかけているので(天界の危機?)心を取り戻す、取り戻させるための戦いでもあるのでは?と思いました。

  2. uzuki より:

    配線切ってファイトスタイルを変えるというロボ超人ならではの策
    やはりゆで先生はすごい
    このままウォーズマンが一気に決めるのかオニキスマンが超神の意地を見せるのか
    次週も目が離せません

    >苦しいと歪むウォーズマンの目。仮面のわりにはなかなかの軟質素材(笑)。
    師匠のロビンからして鉄仮面の上から汗流せる器用な人ですから

  3. アキラ アキラ より:

    みなさん、こんにちは。

    昨今のゆで先生は、培われた潤沢な資産をうまく利したストーリーテリングが絶妙ですよね。

    マンガを読んでいる年齢層のセグメントやターゲッティングがしっかりとできているというか。

    かなり頭を使ってお仕事をされているなあ、という印象です。

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