圧倒的な刻の神への信仰心で何度でも立ち上がってくるエル・カイトたち。これに対し満身創痍のゼブラたちは、ロールシャッハ・ドットで完全なるシンクロを実行! 最後の勝負に出る!!
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ゼブラのターニングポイント?

洗脳によるチームワークを、信頼によるチームワークで超えろ
というマリポ監督の指示により、マリキータマンのロールシャッハ・ドットによるシンクロを試みたエグゾセミサイルズ。これによりマリキータマンの斑点柄が、ゼブラ柄に変化していきます。
いや~、オメガ編では敵の心理状態を読んで精神攻撃をするためのツールだったこの技を、タッグにおいて相棒の気持ちとシンクロさせるために使うとは…まさに逆転の発想。ゆで先生、ホントにうまいよなあ。
そしてこのマリキータマンの技が、ゼブラの旗振りで発動されたことも興味深いですね。そう、前回ネットをザワつかせた(笑)“お手てつなぎ”アクションです。
私が興味深いと思った理由は2つありまして、それは
- ゼブラがマリキータマンの戦闘特性をきちんと把握していたこと
- 自分の思考を筒抜けにすることを許すほど相棒を信頼していたこと
という点です。
前者はゼブラの視野の広さと、切替力を賞賛したいんですよね。彼が自らこの行為に出たということは、マリキータマンの能力をきちんと把握していた、ということになります。
突然のタッグ結成、そして絶体絶命のピンチを迎えた余裕のないこの場面で、相棒の能力まで戦略に入れるゼブラの視野の広さには脱帽です。
それはもちろん過去に直接対戦をし、痛い目にあわされていたので経験値が高かったから、ともいえるのですが、そんな苦々しい技を受け入れようとする切替力も素晴らしいなと。だってねぇ、普通だったら

あの忌々しい技か…
と、少し躊躇しそうなものじゃないですか。このあたり、彼の高いプライドが少し緩和されたのかなあ、なんて思うし、彼の成長を感じさせるんですよね。
後者はゼブラ自身の思考を、他人に筒抜けにされることを許したことが意外で。というのも、王位争奪編までの彼は、人の気持ちを金で買っていたような人物だったんですよ。

つまり彼は人を信じること、信頼することとは対極に位置していたキャラクターであり、ゆえに自分の心の内を丸裸にすることなんて、決してしなかったはずなんです。それこそマリポ監督の

信頼によるチームワークを確立しろ
という指示については、一番抵抗を感じるキャラのはずなんですね。
ところが今回の彼はそれを自ら解禁し、自分の考えをさらけ出すことに踏み切ったわけです。
これはキン肉マンゼブラというキャラクターが大きく変化をしたというターニングポイントであり、かなり記念碑的な行動だと思うんですよね。
つまり自身のキャラを180度回転させるような行為であり、それはマリキータマンという相方を信じられるという気持ちが芽生えたからこその行為なのでしょう。
そう考えると、この“お手てつなぎ”という行為は、王位争奪編当時の彼では理解不能だった、正義超人の信頼の証である
友情のシェイクハンド
という行為の、彼なりのオマージュだったのかな、とも感じましたね。

シンクロ完了!
そんなシンクロ行為は、とうとうマリキータマンの顔面の斑点までもゼブラ模様に変化させ完了。

お前の言いたかったことは…これだろう?
とマリキータマンが確認をすると、

ああそうだ。
ここからが最後の反撃だ…
と、二人が肩を貸し合いながら立ち上がり、最後の反撃の狼煙をあげます。
この肩を貸して起き上がるという描写も、何気ない描写なのですがたまらないですね。お互いがお互いを助け合い、協力している様がヒシヒシと伝わってきます。
そしてそんな二人を見ていると、心身ともに齟齬のないシンクロが完了していることがわかろうってもんです。
ここで松井アナは起き上がる二人を

まるで双子のようだ~っ!
と例えていますが、これは外見的な部分を見て発した言葉だと思われます。
でも我々は彼らのシンクロ完了をヒシヒシと感じているので、

双子のように気持ちがシンクロしている!
という、内面的な理由も加味して松井アナの比喩をとらえてしまいますよね。まさにエグゾセミサイルズ、フィニッシャーに向けて準備完了、といった感じです。
ただ頭の片隅でほんのりと

でもマリキータマン、ゼブラというよりはスイカみたいだ!
と感じていたことは秘密ですよ(苦笑)。

シンクロニシティ勝負
対するエル・ドミノスは

刻の神の加護を受けた我ら魂の同調を超えることなど

旧式の無能超人どもなんぞにできやしない!
と、やや完璧超人の選民思想を思わせる発言からのニールキックでエグゾセミサイルズを上空へカチあげると、先に見せたツープラトン『バーバリアンスカルイグニッション』の体勢へ。
そしてまるで『マッスル・ドッキング』のような構図でお互いの座標を合わせ、

寸分の狂いもない神へ捧げる必殺技をくらえーっ!
と、ゼブラとマリキータマンの激突を狙います。
う~ん、この“神へ捧げる”という言葉遣いに、やはり洗脳というか狂信めいた心理状態を感じますね。
しかしシンクロ率100%充填完了をしたエグゾセミサイルズは

魂の同調なら

オレたちの方が上だーっ!
と叫び、ゼブラの

オレがやろうとしていることはわかっているな
という問いかけに対し

ああ、お前の心は全て理解している!
と自信満々に返すマリキータマン。相棒の力強い返しを受けて

そうこなくては!
とゼブラは反応し、エル・ドミノスのホールドをお互いに解除することに成功。
そして逆に体勢を入れ替えながら

オレの考える最高のツープラトン!
今のお前ならその形が見えているはずだ~っ!
とゼブラがエル・カイトの背に乗ると、

ああ見えるぜ、ハッキリとなあーっ!
と、マリキータマンもドミネーターの背にライディング。
これら一連のやるべき行動について、お互いに一言も口にせずに体が動いているのがすごいです。これぞロールシャッハ・ドットを利用した、ゼブラが言うところの“魂の同調”!
アイコンタクト、第六感という今までの以心伝心とはアプローチの仕方が違う、彼らだけの有線シンクロニシティ!

相手の特性を潰すツープラトン!
そして待ちに待ったエグゾセミサイルズのツープラトンですが、これはもうダブルのマッスル・インフェルノを使ったもので確定でしょう。
おそらくは二つのサーフィンが勢いよく近づき、エル・ドミノスの頭部同士を激突させる技だろう、と予想したら…なんと二つのサーフィンは、鎖のロープを挟んで上下対になって合体。そして

いくぞ相棒!

心得た!
という掛け声とともに、ロープを挟んで階段の手すりに乗って滑るスケボーの技『レールスライド』のように滑空。その摩擦力でエル・ドミノスの胴体をガリガリと削っていきます。
そしてコーナーにさしかかると次のロープに移動し、ロープを挟んだ鏡像状態でガリガリ滑空(笑)を継続。
こんなツープラトンはちょっと予想していませんでした。というのも、合体したらすぐにドン! という固定観念があったからなんですね。ところが発動してからが意外と長い(笑)。
しかもこれ…カンナで身体をずっと削られているようで、地味に嫌な時間帯だなあ。ある意味一発の衝撃技よりも、拷問性が強い感じの残酷なツープラトンですね。

ただそれにはきちんと理由がありました。それは

鎖のロープで延々と擦られたら、回復できまい!
という、エル・ドミノスの“超回復”対策でした。なるほど~、彼らの超回復能力が追いつかないくらい継続したダメージを与え、最後にトドメを刺すという、二段階フェイバリットを考えついたんですね、ゼブラは。
ある意味理にかなったお膳立てフェーズといえますよね。そしてそんな下地を施した上で、とうとう

ようし、加速はMAX
に達し、

そろそろ総仕上げだ!
とエグゾセミサイルズはロープから離れ、場外の柱へ超スピードで一直線。

お前たちの命運もここで尽きる!
シンクロニシティ・インフェルノーッ!!
と、豪快にエル・ドミノスを柱に激突させ、次回に続くです。
これは…さすがに決まったでしょう。超回復能力を追いつかせることなく、強烈な一撃を食らわせましたからね。次回、エル・ドミノスがどのような散り方をするのかに注目です。
それは超回復能力を発動できないほどの一発KOなのか、それとも超回復能力を発動させるも、とても回復が追いつかずに結果KOなのか。
前者ならば問答無用な迫力満点のインパクトがあるし、後者でも必殺技の特性が効いた感じがして、相手チームへの完全攻略感が増します。これはどちらに転んでも、エグゾセミサイルズに損はないかな?
その他気になった点
その他気になった点は
- 現地、けっこう野次馬が集まってきているな(笑)。
- マリキの顔の斑点が歪む様は、グジュグジュに泣いているようだ。
- マリキータマンは、顔の模様を変えるだけで新しいキャラがデザインできるな。
- 激突の瞬間、おめめパッチリなエル・カイト(笑)。
- 『シンクロニシティ・インフェルノ』は、逆さ担当のマリキの方が難しそう。
- どうやら某坂46とは関係がない模様(笑)。
- 今回監督の出番は2コマのみ。無言。
- ケンダマンの出番は…ゼロ(泣)。
こんなところです。次回、エル・ドミノスのその後と、残っていた新たなる敵との会話で話がどう進むのか楽しみです。
まだ闘いが続くとなると、マリポ監督&ケンダマンの出番ですからね。それとも予想外の援軍が到着するのか…?
そして今回“信頼”というアップデートをはたした、元守銭奴(笑)のゼブラさんについて詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
超人批評の最新版をお読みになっていない方は、こちらのブロッケンJr.(Ver.2)をどうぞ。スグル第二シリーズが開始されて、弱かった彼は成長したのか? について考察しています。
来るべきアニメ化についての、演出における雑感も書いてみました。原作忠実路線と昭和ギャグ路線、どちらがよいのか論争となっております。
まあ先日新作アニメのティザーPVがリリースされたので、なんとなく方向性は見えたんですけどね。もしご興味ございましたらばこちらもどうぞ。
さらに…! 最新刊『キン肉マン83巻』が絶賛発売中です! バベルの塔編の完結巻といってよいでしょう。まだ手に入れてない方はぜひ。 ではまた。


コメント
>エル・ドミノスの頭部同士を激突させる技だろう、と予想したら…
自分もそう思ってましたね
マリキ=シンクロ×ゼブラ=インフェルノなんですから
そしたらまさかかんなで削る過程が入るとは!
さすがゆで先生、俺たちの想像と物理法則を超えてくる!
そこに痺れる憧れ(ry
さすがにこれでフィニッシュでしょう
次回エルドミは刻の神勢の情報を漏らすのか
はたまた狂信を声高に叫んで散るのか
そして新しい時間超人は表れるのか、気になりますね!
uzukiさん、こんにちは。
やはり激突系だと思いますよね~。削り工程はまったく予想できませんでしたね。
私もこれでフィニッシュだと思います。次回のストーリーモードに大注目ですね。
ロープが鎖でなければ成立しなかったと考えれば時間超人の回復能力打倒は未だ未完成ですよね……。
この超回復能力、やはり厄介……。
柩幸さん、こんにちは。
そうですね、鎖だからこその攻略ですよね。また違った環境の場合、あの超回復能力には悩まされそうですよね…。
ダブルインフェルノ、鎖ロープでつたう残酷系の技に持っていきましたね。流石に決まりだと思います。
マリキータは飛行能力があったから逆さ担当が勤まったかな?ロールシャッハドットの使い方もまた幅が広がりましたね。
MKさん、こんにちは。
見ているこちらも痛くなるようなフィニッシュでしたね。私もこれで決まりだと感じています。
ロールシャッハ・ドットの新しい使い方は、角度と変えつつも説得力も十分で、ゆで先生さすがだなあと感じました。