第9回 アシュラマン

オレ流超人批評
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魔界のプリンス。超必殺技・阿修羅バスターに弱点はあるのか?
出身 インド(魔界)
超人強度 1000万パワー
必殺技 阿修羅バスター
阿修羅稲綱落とし
竜巻地獄
主な戦績 テリーマン△
キン肉マン●
ニューマシンガンズ○
(はぐれ悪魔コンビ)
マッスルブラザーズ●
(はぐれ悪魔コンビ)
サタンクロス△
B・エボリューションズ○
(ザ・デモリッション)

出世超人アシュラマン

 アシュラマンは『キン肉マン』に登場する歴代キャラの中で、そのキャラ設定において一番出世したキャラではないでしょうか?

 彼は“悪魔六騎士”の一人として初登場しますが、その扱いは決して目立ったものではありませんでした。

 しかし当時実力ナンバーワンと謳われたテリーマンを圧倒し、キン肉マンのフェイバリットであった『キン肉バスター』をも凌駕する『阿修羅バスター』を披露してからというもの、その個性は限りなく開花していきました。

 一見いちげん超人から主要キャラへの昇格を決めた彼には、あとからあとから様々な設定が追加されます。

 はじめは単なる“六騎士の一人”でしかなかった彼ですが、キン肉マン戦では“クモの化身”、マッスルブラザーズ戦ではなんと“魔界のプリンス”にまで昇格します。まさに出世魚超人といえるでしょう。

 インド出身という設定はどこにいった? という突っ込みもありますが、まあいいや(笑)。

 さて、彼がここまで主要キャラになり得た要素は、大まかにいって2つあったと思います。

主要キャラになり得た要素

かつてない身体能力を保有

 阿修羅像をモチーフにした三面六臂の身体は、それだけでもう反則ものでした。特筆すべきはその三面にそれぞれ個性を持たせたことです。

 いわゆる阿修羅面“笑い”、“怒り”、“冷血”の三面ですが、このおかげでアシュラマンは3つのキャラに自在に変化できるという、他のキャラが持ち得ないアドバンテージを得ることができました。

 各面を使い分けるということは、ストーリーに幅を持たせることにつながるからです。

 また、6本の腕も大きな個性となりました。単純な計算でいけば、普通の超人の3倍の攻撃力を手にすることになるし、なんといっても6本腕ならではの攻撃方法が、他の超人との差別化につながりました。

 その最たる技が『阿修羅バスター』でしょう。まあ6本腕ならではの攻撃は、初代の『キン肉マン』よりも『キン肉マンⅡ世』のほうで多く見受けられますが。

 そしてなんといっても“その身体能力に嫌悪感を抱かせない”ところにもポイントがあると思います。

 例えばどんなに強く描写される超人がいたとしても、その強さがとんでもない凶器に頼っていたり(機関銃とか)、わけのわからん変形をしたりしたものだと、正直ひいてしまうんですよ。

 つまり“三面の顔”、“6本の腕”とういう身体能力は、そういった突拍子もない能力とは違い、人間的な部分を残した特殊能力なので、違和感なくそのスゴ味が伝わったのだと思います。

やっぱり大きい『阿修羅バスター』の存在

 これは大きいと思いますね。初代『キン肉マン』を通じて、キン肉マンの必殺技の代名詞といえばやっぱり『キン肉バスター』だと思うんですよ。

 もちろんその後『キン肉ドライバー』『マッスル・スパーク』といった必殺技も登場しましたが、『キン肉バスター』にはかないません。

 いわば『キン肉マン』というマンガにおける看板技ともいうべき『キン肉バスター』をさらに進化させた『阿修羅バスター』という技を与えられた時点で、彼の出世は確定したようなものでした。

 この技をゆで先生が考案したのか、当時の担当編集が考案したのかはわかりかねますが、とにかく『阿修羅バスター』の登場は、その後の『キン肉マン』というマンガを展開していく上での大きな武器になったことには間違いがないと思います。

 主人公の技を大きく凌駕するという事実、脱出不可能という言葉に説得力を感じさせるその画期的なデザイン、そしてその破壊的威力。どれをとっても衝撃度が段違いです。

 『キン肉マン』における数ある必殺技の中でも、1・2を争うヒットではないでしょうか。

 余談ですが、『アルティメット・スカー・バスター』という、やはりキン肉バスターを模した必殺技をもつスカーフェイスもまた、『キン肉マン』においては“勝ち組”の一人だと思います。

個人的な苦言

 以上のように、『キン肉マン』というマンガにストーリーの幅をもたせた彼の功績は、とても大きいと思います。

 「描くのがめんどくさい」と作画担当の中井画伯から嫌がられている彼ですが(笑)、その扱い易さのおかげでしょうか、2004年現在『キン肉マンⅡ世』では大活躍をしています(いささか不死身すぎて困りものですが)。

 ただ…彼が冠を取ったときの頭はどうにかならなかったのでしょうか…仏像つながりなのでしょうか、あのボツボツした大仏頭…。

 バッファローマン(ハゲ)といい、なぜゆで先生はやる必要ないイメージダウンをやってしまうのでしょうか。

 大仏頭に装身具がないあのアシュラマンのダサさ加減といったらもう。何人の人が幻滅したのかなあ。もったいないなあ。

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