【キン肉マンアニメ化 】原作忠実? お笑い追加? 演出表現の問題について。

オレ流雑感
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 2023年3月17日、40年ぶりにキン肉マンが新作でアニメ化されることが発表されました。

 このニュースがリリースされたときは、肉ファン界隈がお祭り騒ぎになりまして、

い、いつから放送⁉

局は? 放送時間は?

いやいや、Netflixかもしれないぞ!

どのシリーズから?
初期から? 始祖編から!?

声優さんは誰になるのかな?

神谷さん、やってくれるかな!?

と、そりゃもう蜂の巣をつついたような大騒ぎでした…まあ仕方ないよね(笑)。

 そんな大きな期待に包まれたこのニュースですが、その後の第二報がまだリリースされていない(2023年9月14日現在)ため、上記疑問はまだ解消されておりません。

TVアニメ『キン肉マン』完璧超人始祖編公式サイト
さあ、伝説の続きを始めよう―。『キン肉マン』完璧超人始祖編2024年テレビ放送!

 そして上記疑問以上に、このアニメ化に期待をしている方々が気になっていることが…

どんな演出表現になるのかな?

だと思うんですよ。平たく言えば

原作忠実再現なのか?

旧作アニメのように、アニメのオリジナル要素が入るのか?

という興味です。この違いで作品のテイストが大きく変わりますからね。

 そしてこの演出上の違いは、アニメ化を期待しているファンの満足度を大きく左右する大命題でもあるのです。

 ですので、今回はそこに焦点をあてて、私なりの雑感を書いてみたいと思います。

優勢なのは原作忠実再現派?

 まず前述した演出表現について、皆さんがどちらを望んでいるのかをX(旧Twitter)で調査してみました。その結果がこれです。

 これを見る限り、ファンが望んでいる演出は圧倒的に

原作忠実再現

のようですね。

 これは2019年にYouTubeで発表された、『キン肉マン連載40周年記念 ストップムービー』の完成度が素晴らしかったことも、その要因の一つなのでしょう。

 いや~、あらためて視聴しましたけどカッコいいです。キャラデザ、カラー、構図と、原作に近しいクオリティでホレボレしますよね。

 特に未アニメ化の『完璧超人始祖編』と『オメガ・ケンタウリの六鎗客編』の部分については、

もし新たにアニメ化されたら、こうなるんだろうなァ↗↗

と、映像公開当時の我々の心をアゲアゲにしてくれました。それだけに新作アニメについては

  • 中井先生に激似のキャラデザで
  • 中井先生の描いたコマとコマを
  • フルカラーの動画でつなぎ
  • 嶋田先生が生み出した最高のストーリーを
  • 最高の声優陣で臨場感たっぷりに演じてもらう

という要望が強くなっているのでしょう。

 それはまさに、ミシュランより星を付与された名店のレシピを手に入れた人が、レシピ通りに名店の味を忠実再現する行為に似ています。つまり

ゆで先生が創った最高の作品に、変な味付けをする必要はない!

すでに最高なんだから!

というファンの想いが強いわけです。

▲ものすごいシュプレヒコールです(笑)。

 私もこの路線を突き詰めた、究極の原作忠実再現アニメはとても観てみたいです。というのも、私は40年前に旧作アニメがリリースされたとき、余計なギャグパートが入ったテイストが好きではなかったからです。

 もうね…話の腰を折るというか、せっかくシリアスな流れなのにぶち壊しにするというか…

お前らのドタバタやる暇があったら先に進め!

みたいな不満があったんですよ。

 ここで断っておくと、私は実はリアルタイムで旧作アニメをじっくりとは観ておりません。

 放送時間と習い事が重なっており、観るに観られなかったのです。ただ、たまにタイミングよく観ることができたり、再放送を目にすることはありました。

 そんな少ない視聴機会でも、あの連中…はっきり言いましょうか(笑)、キン骨マンとイワオ、そして五分刈刑事のドタバタコントには辟易していたんですね。少ない接触機会でも、ですよ(苦笑)?

 そんなキン骨マン嫌いをテキストに起こしちゃったのがこれ↓なんですけどね(笑)。

 20年前の私、さんざこき下ろしています、彼(汗)。

 これについては先ほどのアンケートの書き込みでも同様の意見が多く、ギャグ要員や要らん引き延ばしアニオリ茶番に辟易する、という厳しいご意見が多かったです。みんな感じることは一緒だったんだな(苦笑)。

 それ以外にも、実はキャラクターのデザインや、配色が違っていることすら不満だったんですよ、私。

ウォーズマンのこのディフォルメラインが気に入らん

とか

ロビンは白銀やぞ

みたいな(苦笑)。キャラデザをもっと中井先生のタッチと色に寄せてほしかったんですよね。

 ですので、そのような細かい部分を妥協しなければいけないことも、無意識下でのストレスだったんです。もうね、

どんな原作原理主義者だよ…

くらいの勢いです(笑)。つまりは作品を変に子どもっぽくアレンジしてほしくなかったんです、私は。

 このように、ちびっ子時代からゴリゴリの原作原理主義者だった私にとって、やはり新作アニメではその再現性に大きな興味をもってしまうわけです。

 私はアニメをあまり観ないので詳しくはないのですが、昨今観た数少ない経験からすると、この要望を満たしていたのは『ジョジョの奇妙な冒険』だったのではないかな、と思います。

ほお~~、これは原作が動いているみたいだ…

と、感心しましたからね。ですので、あのくらいのクオリティをキン肉マンの新作アニメでも求めている自分がいるんですね。

お笑い要素は不要?

 では旧作アニメのようなお笑い要素の多い演出は、新作アニメにおいては

お呼びでない

なのでしょうか。

 個人的な見解を述べると、

いや…実はこっちの路線もありかも…

というのが、今現在の私の偽らざる気持ちだったりします。

さっきと言っていることが違うでしょうがっ!!

この裏切り者!

 そうですよね。そうなりますよね(苦笑)。いやいや、ちょっと聞いてくださいよ。順を追って説明しますから…(汗)。

 皆さん、TVアニメ放送40周年を記念して、旧作アニメの『キン肉マン』全137話が、今年(2023年)の7月8日からYouTubeで公開されているのはご存じですよね?

YouTube
作成した動画を友だち、家族、世界中の人たちと共有

 よい機会なので、私も毎日視聴させていただいているんです。上述したように、私はリアルタイム時にガッツリと視聴できなかった人なので、実は今回が初めてのガッツリ視聴に近しいんですよ。

 そんな半ば初見、だけどキン骨マンのウザいコントくらいは知っている…というステイタスでじっくりと観た感想は…

くだらねぇギャグについつい笑ってしまう…

やべえ、ふざけた部分が面白いかも…(笑)

というものでした。

 当時のアニメスタッフは、シリアスなシーンにもガンガンにギャグを織り込んでくるし、ストイックなキャラすらも、お構いなしにギャグ要員にしています。これが初見の私には衝撃で。

バッファローマン、ここまで崩しちゃうのかよ!

みたいな(笑)。

 例の三人組のドタバタコントは今でもやや食傷気味なのですが、当時ほどの嫌悪感はないというか。それを含めて許せちゃう自分がいたんです。

どんな原作原理主義者だよ…

と幼少期に言われていた、この私がですよ? これには自分でもびっくりしました。

 だって…この演出って、言うなればストイックさを絵にかいたようなザ・マンやネメシス、はたまたザ・ワンすらも、作品中で変顔をさせたり、ズッコケさせたりしているようなものじゃないですか。

▲ストイックキャラには高い壁か。

 これを新作アニメでやられたら…それこそ原作に対する最大の冒とくですよ。怒り心頭ですよ。でも…私の脳はそれを

受け入れます

と言っちゃっているんです。ホント、びっくりです。どうしたんだ、アキラ(笑)!

 私がなぜそんな心境に至ったのか、自分自身を深堀すると、その理由は2つありました。それは

  1. 原作パロディが混在している特殊な面白さ
  2. とにかく初見のちびっ子にウケそう

という理由です。以下に詳述しますね。

原作パロディが混在している特殊な面白さ

 旧作アニメを観ていて気づいたんですけど、この作品って

原作と原作パロディを融合させた稀有な作品

なんですよ。原作をアニメ化するという主軸ラインに、原作のパロディをかけ合わせちゃっているんです。

 言うなれば、この原作パロディは2次創作に近いです。オリジナルのキャラを利用したパロディ・ギャグ作品は、それこそ多くの方々が趣味で制作しているじゃないですか。

 先ほどリンクしたX(旧Twitter)の例だって、そこだけを切り取れば、すべてパロディ作品だと思うんです。感覚的には同人誌ネタに近しいですよ(笑)。

 ところが旧作アニメでは、それを公式の制作スタッフがやってしまっているんです。そして驚嘆すべきことに、それを本編にねじ込んでしまっているんですよ(笑)!

 これっておそらくですけど、今までに例がない、稀有な演出法だったのではないでしょうか。

 だって『北斗の拳』のアニメに、『北斗の拳イチゴ味』がちょいちょい入ってくるんですよ? ありえないですよね、絶対に(苦笑)。

 逆に言えば、こんな演出方法が可能なアニメって、古今東西のアニメ作品を見渡しても『キン肉マン』以外にほとんど存在しないんです。これってすごくないですか?

 では、なぜ『キン肉マン』という作品だけが、こんな芸当が可能なのでしょうか。

 これは『キン肉マン』という作品が、ギャグマンガから格闘マンガにジャンル変遷したという特殊な経緯があるためだと思われます。

 つまり始まりがギャグマンガなので、ギャグが共存してもよい、という土壌が作品にあるんですね。

 また、作者であるゆでたまご先生ご自身が

キン肉マンはギャグマンガだよ

と、ジャンル認識されている点も大きいと思われます。ですので、ご自身の作品がより“笑える”アレンジをされることに、異常に寛容なんです(笑)。

 このように、ご本人が旧作アニメを心から楽しんでおられるし、アニメスタッフの遊び心溢れる演出を否定するどころか、歓迎しているんです。

 正直な話、旧作アニメは原作崩壊している部分が多々あります。しかしそれが原作に対する冒とくでないことは、上記コメントのように、ゆで先生ご自身が証明しちゃっているんですよ。

 そしてこのような環境があるからこそ、旧作アニメは他の作品では到底真似できない、稀有で奇跡的な演出を可能にしたのではないかと思われます。

 ですので、この演出方法は『キン肉マン』という作品が持つ、

唯一無二の大きな強みなのではないかな?

と思うのと同時に

その強みを捨てるのはちょっともったいないな…

なんて思ってしまったんですよね…(苦笑)。

とにかく初見のちびっ子にウケそう

 旧作アニメを視聴していると

これ、絶対にちびっ子を夢中にさせる

と、いまさらながらに思うんですよね。どう考えてもちびっ子が大好物なネタが盛りだくさんじゃないですか(笑)。

 もちろん私はちびっ子当時でも“原作原理主義者”だったので(笑)、この演出はNGでした。

 ただそれはなまじ原作を読み、作品を崇拝していたからであって、もし原作を読んでいなかったら、この演出を素直に喜んでいたかもしれないのです。

 おそらくですが、原作を読まずにアニメからキン肉マンに触れた方は、あのドタバタ寸劇やズッコケる悪役も楽しかっただろうし、各超人のアニメカラーにも愛着を持ちながら『キン肉マン』という作品にのめりこんでいったと思われます。

 そして一番重要なのは、この演出方法で作品にのめりこんだちびっ子たちの集合体が、あの“一大キン肉マンブーム”を呼び起こし、食品や日用品を中心として、キン肉マングッズであふれかえった社会現象を作り上げたという事実です。

 つまり何が言いたいかというと

原作原理主義では、ちびっ子たちにはちょっと内容が難しいよね…

でも旧作アニメ演出方式ならば、令和キッズというご新規ファンを数多く開拓できるかもしれない!

そしてその令和キッズは幼少期の記憶をもとに、大人になってもキン肉マンを愛してくれるかもしれない!

つまりそれは『キン肉マン』という作品を、サスティナブル(持続可能)なコンテンツにすることである!

ということです。

 令和にあの昭和の熱狂が甦ったのならば、『キン肉マン』というコンテンツはあと10年、20年とファンの裾野を広げ、元気よく生き続けると思うのです。

 そしてその考え方は

大人たちだけが楽しめるという、閉じた世界でのコンテンツでよいのか?

という、私なりの問題提起でもあるんですよね。また、それ以外にも単純に

ちびっ子が「キン肉マン、キン肉マン!」と楽しんでくれる姿はとても微笑ましいし、見ていてほっこりする

という感情もあるんです。おそらくですが、この感情は自分が親になったから芽生えたのかな、とも思いますね。

 令和の時代にキン肉マンのスナックやアイスが販売され、キャラがプリントされた子ども服がイオンのキッズ衣料コーナーに普通に並ぶ。学校ではキン肉マンの鉛筆を使うちびっ子がいて、キン肉マンの自由帳にキン肉マンの絵を描く。

 お昼にはキン肉マンのお弁当箱を広げて、ママが作ってくれたキン肉マンのキャラ弁をキン肉マンのお箸でいただき、隣の子とキン肉マンの話でキャッキャする…どうですか皆さん、こんな世界。とても魅力的ではないですかね?

▲ちびっ子にもあの経験をさせてあげたい…

 そんな昭和のあの時代をプレイバックするためには、今回のアニメ化を、あの時代のテイストにしてもいいんじゃないかな、なんて思っちゃうんですよね。

ターゲティングから新作アニメを考える

 このように、二つの演出方法についての雑感を述べてきましたが、個人的な結論としては

どっちでも大丈夫だぜ!

という心境なんです。先のアンケートでも

と、意外と「どっちでもOK!」層が多いんですよね。要は

面白くて盛り上がればそれでいいよ

という方々が、ある程度いらっしゃるということです。これは制作サイドにとっては、心強い結果だと思われます。どちらに転んでも“大ハズレはしない”ってことですからね。

 では少し視点を変えて、感性による演出法の好き嫌いではなく、商業的な視点からこの演出法をみてみましょう。

 そもそも論で、ゆで先生や制作スタッフ陣が、今回のアニメ化においてどの層をターゲティングしており、アニメ化に付随するどのような商業展開を望んでいるかによって、演出方法に差が出てくるはずです。

 また、放送時間帯が何時になるのか、放送形態やプラットフォームがどうなるのかによっても大きく影響を受けるでしょう。つまりこの考え方でいくと

  • 内因的な因子(原作者・制作側の要望、ターゲッティング)
  • 外因的な因子(放送時間、放送形態、プラットフォーム)

という環境に分けることができるわけです。

内因的な因子を考える

 内因的な因子を考えた場合、ターゲティングは現在のコア読者層である“大人”とするのが自然だと思われます。もっと言えば私のような“団塊ジュニア世代”ですね。

 この層は熱心かつ人口も多く、SNS等で口コミを率先して行ってくれます。さらにはメインの労働層であるため、自由にできる金銭も備えています。つまり

商業的成果が高い

ターゲットであり、一番ハズレのないコンサバなターゲティングだといえるでしょう。

 この場合の演出方法は、間違いなく“原作忠実再現”となる確率が高いです。そしてそのやり方は、昨今のアニメ業界の常識であるようにも思えます。

 しかしながら、ここでゆで先生が昭和熱狂ブームの再現や、令和キッズの取り込みを、アニメ化の最重要指針としていたら、どうなるでしょうか。

 普通の考え方をしない作家、それがゆでたまご先生の特徴だと考えると、この選択肢はゼロではないような気がします。

もう一度映画館で、ちびっ子たちに主題歌を熱唱してもらうんや!

なんて(笑)。

 もちろん少子高齢化の社会ですので、令和キッズは母集団が小さく、商業的なターゲットとしては、団塊ジュニア世代には適いません。

 しかしキッズをとりこにすれば、そこにはもれなく親がついてきます。その親が子どものために様々な子ども向けキン肉マングッズを購入し、さらには

キン肉マン…懐かしいな。

まだ連載してたなんてビックリ!

今度マンガも読んでみるか!

キン肉マンって名前は知ってたけど、結構面白いのね。

タダで読めるみたいだし、読んでみようかしら

なんて、大人のご新規さんを増やす可能性も出てくるのです。

 そして、当然コアなファン層に対する商品開発も、これまで以上に進むでしょう。そう考えると

  • 子ども用キン肉マングッズの売上↑
  • コアファン用キン肉マングッズの売上↑

という、ダブルの面での商業的成功を生むことになり、結果

商業的成果が一番高い

という状況が生まれる可能性があるのです。ややギャンブルですけどね。

 そしてこれを狙った場合の演出方法は、当然“ギャグを多く取り入れた演出”になる確率が高いです。やはりそのスタイルで一大ブームを呼び起こした前例と実績は大きいですよね。

 となると、そのスキームを踏襲するのは自明の理なわけです。

外因的な因子を考える

 外因的な因子としては、その放送スタイルやプラットフォームがあげられます。

 もしキー局地上波で放送されるならば、その放送時間が演出を決める大きな要因となるでしょう。仮に放送時間が

テレビ局
テレビ局

日曜日の朝10時の枠となります

であれば、これはもう令和キッズをターゲティングするしかありません。夕方の6時放送でも同じですよね。これが

テレビ局
テレビ局

深夜24時の枠となります

であれば、団塊ジュニア世代をターゲティングすることになるでしょう。

 ただ昨今のアニメは民放キー局放送枠の法外なお値段を嫌い、金額の安いTOKYO MXやその他地方局の詰め合わせパックで全国展開するパターンも多いようです。

 この場合、多くの人口をカバーするという理由で、主力は都心のTOKYO MXになると思うのですが、現在の番組表を見る限り、日曜日の10時にアニメの枠を取るような文化はなさそうです。

▲2023/9/17時点でのTOKYO MXの番組表

 となると、この場合は

休日の朝は、家族でキン肉マン!

という、昭和なノリは難しいかもしれませんね。

 また、Amazonプライムやネットフリックスといった動画サブスクでの放送となるならば、おそらくは団塊ジュニア世代をターゲッティングするのではないでしょうか。

 もちろん、昨今のちびっ子はサブスクも普通に使いこなすので、令和キッズターゲッティングもあるかもしれません。

 しかしながら、誰でも観られるわけではないので、ちびっ子ブームを起こすには、少々プラットフォームとしては弱いかもしれませんね。

 仰天案としては

プラットフォームはYouTubeです!

なんてこともあるかもしれません。

 YouTubeの広告収入だけで制作費がペイできるかはわかりませんが、ゆで先生はパイオニア精神の持ち主なので、なくはないかな、なんて思っちゃいます(笑)。

 このように、内因、外因といった視点から演出方法を考えると、自然と合う、合わない、商業的に有利、不利が見えてきます。

 はたしてゆで先生、そして制作サイドがどのような選択をしてくるのか、楽しみですね。

アキラの要望は?

 以上のことを踏まえた上で、私の個人的要望を述べさせていただくと

2バージョン作ってくれないかな?

です(笑)。そう、原作忠実テイストと、旧作アニメテイストの二つを作ってほしい、それが私の理想です。

んなことできるわけないでしょ!

 ですよね、ですよね。でもね…やりようによっては可能なんじゃないかな、とも思っているんですよ。

 そのヒントは、昨今のドラマに多い、本編ストーリーのほかに制作される番外編ドラマや、本放送にカットされたシーンを加えた、“ディレクターズカット”にあると思っています。

 そのスキームを順序立てて説明しますと

  1. 原作忠実アニメを作りながら、カットしやすい形でギャグシーンも入れ込む
  2. ギャグシーンをカットしてつなげたものを“原作忠実版”とする
  3. ギャグが含まれた方を“ディレクターズカット版(旧作アニメテイスト版)”とする
  4. 放送時間、プラットフォームによって、商業的に効果的な方を本放送として放送する
  5. 本放送で不採用となったバージョンを“特別バージョン”として、付加価値をつけてコンテンツ化し、リリースする

となります。図解するとこんな感じでしょうか。

▲これが究極のオレ流新作アニメ(笑)。  ©東映アニメーション/ゆでたまご

 これであれば最大公約数のファンが納得できるし、原作と原作パロディが混在できるという、キン肉マンという作品の稀有な強みも活かせます。また、ちびっ子ファンの裾野を広げることが可能です。

 もちろんこんなことを要求すれば、制作サイドからは

こ○す気かっ!!

と、めちゃくちゃ怒られそうですけどね。

 でもやればアニメ界初です。そして…いろいろとパイオニア好きなゆで先生です…期待しちゃいません(笑)?

おわりに

 以上、キン肉マンの新作アニメ化に対する私なりの雑感でした。

 この雑感を書くにあたって、7月から無料視聴が開始されたYouTubeの影響は、かなり大きかったと言わざるを得ません。

 そしてそのサービスは、私に旧作アニメに“原作×原作パロディ”という稀有な価値があることを気づかせてくれました。

 また、毛嫌いしていたはずの旧作アニメのギャグテイストを、年齢を重ねた今では許容できるようになっていたことにも気づかせてくれました。

 さらにその二つの発見は、私を“80年代の熱狂ブーム再来”という夢を見る楽しみを生み出してしまったのです。

 おそらくですが、この件がなければ私の新作アニメに対する望みは

原作忠実再現一択!!

だったでしょう。

 そう考えると、今回の旧作アニメ無料放送は、新作アニメの演出方法がどちらに転んでも

大丈夫、受け止められるよ、オレは

という、私にとっては絶対に不満が起きないという素晴らしい心理状態を形成してくれたといえるでしょう。この境地に至ったのは、ある意味幸せなことなのかもしれません。

 さあ、はたして結果はどうなるのか。次の情報のリリースが楽しみですね。ではまた。

2023年10月2日追記
アニメ化発表から半年経過して、ティザーPVがリリース! すごいクオリティですね!

コメント

  1. uzuki より:

    >キン骨マンとイワオ、そして五分刈刑事のドタバタコント
    少しでも原作に追いつかせないための尺稼ぎだったんでしょうけど
    ちょっと長くてくどいんですよね
    だから自分はどっちでもOKに投票しましたけど
    ギャグはあくまで短めでお願いしたい
    理想はバッファさんの一発二発散髪みたいなシリアスに一瞬入るギャグみたいな感じかな

    • アキラ アキラ より:

      uzukiさん、こんにちは。

      私もuzukiさんと考え方が似ていますね。原作忠実なグラフィックス、ストーリーを基本とし、合間に、散髪のようなピリッとしたギャグを入れるくらいでもいいかな、なんて(笑)。

  2. きぃ より:

    アキラさん、こんにちは。Ⅱ世のアニメでも凛子と友達2人やガゼルマンによるギャグがちょくちょく挟まれてた記憶があるので新アニメでもこのテイストがあるかもしれません。入れるにしてもくどくならない程度でお願いしたいですが(笑)

    ところでアキラさんのお子さんも爆笑してたという旧アニメのOPの「走る、すべる、見事に転ぶ」のくだりは私も当時面白くて大好きでした(笑)

    • アキラ アキラ より:

      きぃさん、こんにちは。

      2世のアニメは観たことがないのですが、凛子たちがギャグ要員だったですね。おっしゃる通り、私もくどくならない程度の切れ味鋭いギャグは入ってもいいと思います。
      子どもたちの話、よく覚えてましたね(笑)。まだ当時は幼児でしたが、オープニングのアニメだけみて大笑いしてましたから(笑)。

  3. ぼく、ブースカれす より:

    前にTwitter(今だに全くなれない現・x)で旧アニメ版について、嶋田先生が書いていた際に私が返信した時、今は消えてしまいましたが(スクショ撮っておけば…)、内容は「数年前、DVDで初代〜Ⅱ世を改めて通して観たら、Ⅱ世のアニメ版は作画とギャグのセンスが相当上がっていて楽しめました」といった事を書いたところ、嶋田先生は「実はⅡ世のギャグは私もアイデアで一枚噛んでいました」と返信が来ました
    嶋田先生、ギャグセンスの高さに驚かされましたよ

    • アキラ アキラ より:

      ブースカさん、こんにちは。

      そうでしたか、嶋田先生、Ⅱ世のアニメではギャグ監修されていたんですね。私、Ⅱ世のアニメもあまり見たことがないので、機会があれば見てみたいと思います。
      貴重な情報、ありがとうございます。

  4. 奥多摩 より:

    アニメ化、楽しみにしています。
    旧作アニメのギャグパートだと、真弓・ハラボテの掛け合いが好きでしたね。
    重要な地位にいる二人が、いい歳して子供みたく喧嘩してるのは微笑ましい一幕でした。
    そんな二人ですが、悪魔将軍戦では委員長が自らリング下に入って正義超人に助力したり、それを真弓が涙ながらに労いながらも、やはり二人して憎まれ口を叩きあうなど、ドラマ性もあったアニオリ展開も印象に残っています。

    • アキラ アキラ より:

      奥多摩さん、こんにちは。

      やはり対象年齢が如実に小学生でしたからね。ギャグ路線はやりやすかったと思います。ただ今回は対象が完全に大人なので、需要は原作忠実なのだろうなあ、と思いますね。
      本文でも書いた通り、両方作ってほしいです(笑)。

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