ネプチューンマンの忠実な従者。しかしその正体は…!! 彼の衝撃のカミングアウトに肉薄!

出身 | 日本 |
超人強度 | 5000万パワー |
必殺技 | 武道爆裂キック メガトン・キング落とし |
主な戦績 | 超人師弟コンビ○ (ヘルミッショネルズ) 2000万パワーズ○ (ヘルミッショネルズ) ザ・マシンガンズ● (ヘルミッショネルズ) |
作品史上最大級のどんでん返しを披露した超人
“主客転倒”という言葉がありますが、まさにそれを地でいった超人が彼、ビッグ・ザ・武道です。
彼が『夢の超人タッグ編』における黒幕・ネプチューン・キングであったことは、これを読んでいる方は当然ご存知だとは思います。
しかしながら、この“武道 = ネプキン = 黒幕”という大どんでん返しを、早くから予想できたという読者はおそらく皆無であったのではないかと思われます。
それほど彼のネプキンへのカミングアウトは唐突、そして衝撃であり、多くの読者を混乱に陥れたというイメージがあります。なにせそこを起点として、完全にキャラが変わってしまっていますからね(笑)。
今回は彼のカミングアウトがなぜこんなにも衝撃的だったのかを考察してみたいと思います。
徹底した地味行動による欺き
超人師弟コンビの対戦相手として、あの妙ちくりんなフードを取り払って姿をあらわした彼は、その後派手なパフォーマンスでその個性を大きく開花させたネプチューンマンと比べると、一貫して地味な行動および役回りに終始してきました。
結果的にはこの地味な行動のひとつひとつが、衝撃のカミングアウトのための布石だったというわけです。彼の地道な従者ぶりが読者の目を見事に欺き、

武道はネプチューンマンを引き立てるための脇役

クロスボンバーを成立させるための人数合わせ

まあつまりはデクの棒
というイメージを見事に演出したのです。
ではその見事な演出ぶりを検証してみましょう。
武道の地味演出検証
①原始的な格闘スタイル
まず彼の格闘スタイルですが、オリジナルの必殺技を複数持つネプチューンマンに比べ、彼は殴る、掴むといった、原始的な技がほとんどです。
シリーズ後半に唯一『武道爆裂キック』という、自身の名がついた技を披露しますが、それ以外は「グオオオオ~」とか「ウオオオオオ~」という雄叫びを伴った、荒削りな攻撃しかしていません(笑)。
この不器用さの演出は、かなり彼をノーマークにさせる威力を持っていたと考えられます。
②弟子の命令にキレない精神力
また、本来弟子であるはずのネプチューンマンの命令を、キレることなく従順にこなしてきた精神力も特筆物です。
おそらくこのタッグトーナメントに参加する前に、彼とネプチューンマンとの間には、綿密なミーティングがあったことでしょう。

キ、キング、いくらなんでもそれは…できません…!!

グロロロロ…しかしやってもらわねば、我々の野望は成し遂げられん

し、しかし…キングに命令をするなんて!!

グロロロロ…気にするな。そのくらい耐え忍べぬほどワシは狭量ではないぞ
みたいな(笑)。そして彼は見事に弟子の無礼に、辛抱強く耐え忍んだわけです。
さすがテームズ川で数十万年も跡継ぎ候補との出会いを辛抱強く待っただけのことはあります。元祖出会い系超人の面目躍如たるところでしょうか(笑)。
そしてこの演出にも読者はコロリと騙されたわけです。
③首領自ら雑用を率先垂範
その他、彼はリング外でも様々な雑用もこなしています。
練習用のショベルカーを手配したり、カメハメとドクター・ボンベの墓場荒らしをしたりと、およそ位の高い立場であれば決して手を染めないであろう汚れ役も含めて、自ら率先して行動しています(苦笑)。
おそらく彼はショベルカーのレンタル代を、そこらの郵便局辺りからせっせと振り込んだことでしょう。また、夜中にスコップと懐中電灯を持ち、墓場で汗を流したに違いありません。
こういったネプチューンマンに対するかいがいしい行動の演出が、さらに

武道はマークしなくてよい
と、読者に対して刷り込みをさせたと思われます。
ノーマーク確立からのカミングアウトの衝撃
このように、“武道 = ノーマーク超人”というイメージを地道に確立していった彼は、満を持して己のカミングアウトを行い、キン肉マン史上最大ともいえる大どんでん返しを成立させたわけです。
これを成功させた要因は、イメージのギャップを最大限に活かしたことに尽きるでしょう。実はあまりに唐突にキャラ設定が変更したために、私はジャンプを読んでいてとまどってしまった記憶があります。
マスク狩り予告を遂行できず、うろたえるネプチューンマンに喝を入れる武道にまず

????
と混乱。さらに

えーい、みぐるしいぞ!!

しずまらんか、ネプチューンマン!!
と、あのネプチューンマンに対して発言する剣道男に違和感ありあり。
武道の行動や言動がまるで理解できず、めくったページを数ページほど戻して読み返してみても

…???
ですよ(笑)。とりあえずまたページをめくってやっと

そ、そういうことだったのか~~~っ!?
と、物語を理解できたほどです(遅いよ)。
つまりそれは頭の切り替えにかなりの時間を要するほどに、刷り込まれていた武道のイメージを大きく、そして急激にブッ壊した展開であったわけで。
そのことに当時中学生だった私の頭はなかなかついていけなかったわけです。
そう、あれは暑い暑い夏休みだったなあ。その号のジャンプの付録には『キン肉マンマスク狩りポスター』がついててさ…(遠い目)。
超人界のジキルとハイド
カミングアウトしたあとの彼は、もう完全に別の超人でした。ボロボロに崩れた剣道マスクを手に取り

さあ、キングよ、早くマスクをつけてください
と、素敵すぎる無茶をいうネプチューンマン(笑)が突然敬語を使い出し、タッグのイニシアチブは完全にネプチューン・キングに移ります。
このような強引なくらいの“主客転倒”がわずか1週のうちに行われ、その後に内乱罪を起こす某カルト教団の教祖を先取りしたような風貌の彼は、今まで従者として目立たずに抑圧されてきた己を解放するかのごとく、悪辣ファイトを存分に振るい始め、堰を切ったかのごとくよく喋るようになるのです。
その姿はまさに超人界のジキルとハイドといったところでした。
衝撃を生んだ本当の理由とは?
とまあいろいろごちゃごちゃと彼の衝撃カミングアウトの要因について考察してきましたが、ホントはね、もっと単純な理由が予想できるんですよね…。
つーかゆで先生、“武道=ネプキン”って設定、唐突に思いついて実行したんでしょ?(笑)。だからあんなに慌ただしい展開になったんですよね(苦笑)? そうですよね!?
※今回は八佐丸さん、胡乱さん、豚骨マンそルジャーさん、キン骨マングレートさんほか、たくさんの方からリクエストをいただきました。ありがとうございました。


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