ゼブラのタッグパートナーに志願したマリキータマン。死闘を繰り広げたからこそ理解できるリスペクト精神で、先の闘いのわだかまりを払拭したゼブラは、マリキータマンとのタッグを承諾した!
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マリキータマンの転がし技術
お互いの気持ちをさらけ出した、謎のラブコメ展開(笑)でタッグ結成が決まったエグゾセミサイルズ。
自身の要望が叶った結末に

お前と共に闘えるとは
急ぎ戻ってきた甲斐があったぜ
と、マリキータマンがご満悦な表情をすると

何がエグゾセミサイルズか。
勝手な名前を付けおって
と、マリキータマンの身勝手さをチクリと皮肉るゼブラ。前回、読者が

マリキータマンってば意外と用意周到(苦笑)!!
と総ツッコミした点をしっかりと代弁してくれます(笑)。
しかしこのマリキータマンの食い気味な言動に対して

だが悪くない
とまんざらでもないご様子。まさかのお気に入りかい(笑)! 花の慶次か! 花の慶次なのか!

そしてこのゼブラに対するマリキータマンの返しもすごいです。

キャミキャミ
お前なら気に入ると思った
付き合ってんのかい(笑)! 付き合って5年の円熟カップルかい!
まあね、彼はロールシャッハ・ドットで相手の心理状態を読むことができるので、相手を喜ばせることは、実はお手のものなのかもしれませんが…にしてもマリキータマンの転がし具合がすごすぎる(笑)。
この数コマのやり取りを見ただけでも、マリキータマンの人心掌握術の高さが垣間見えます。二人のやり取りを観察してわかることは
- ゼブラは威張り続けている
- マリキータマンはゼブラをのせている
- 結果、物事がマリキータマンの思う通りに進んでいる
という構図でしょうか。
とにかくですね、プライドが高く、王様気質なゼブラの自尊心を、マリキータマンが絶妙にくすぐってうま~く操作しているんですよ(笑)。
しかもそのくすぐり方が、スネ夫がジャイアンにするような、あからさまな太鼓持ちじゃないんですよね(笑)。彼はあくまで

オレたちは対等だぜ
というスタンスを維持しながらも、相手をおだてて一歩下がってあげるんです。
これによって、彼はゼブラに従属することなく、彼を自分の思い通りに操り始めているんですよ。なかなかすごいですよね、これ。
こうなると、逆にゼブラは滑稽です。彼は自分がてっぺんだと思って動いているのに、実はおだてられて操られているという…ゆえに彼が尊大な態度をとればとるほどその滑稽さは増してしまうんですよね。
第二シリーズからのゼブラは、この尊大な態度がひとつの個性としてクローズアップされてきたように思います。
4王子の中で自尊心が高いキャラと言えば、フェニックスの独壇場だったのですが、彼は謙虚さを学びそれを実践できるようになったため、第二シリーズからはその個性がトーンダウンしたんですね。
ゆえにゼブラが繰り上がりでその座に就いてしまった、という部分が大きいでしょうか。言うなれば“意識高い系の世代交代”といった感じです(笑)。
しかしその座はキャラ特性としては損をする立ち位置であるため、ゼブラさんのお早い謙虚学習にも注目してしまうところでしょうか(苦笑)。
タッグ名命名文化
対する時間超人コンビも、マリキータマンに触発されたのか、タッグ名命名のシンキングタイムが始まります。その時にドミネーターが

デビュー戦の記念にいいかもな
という理由をあげているところが、妙に無邪気でかわいかったりして(笑)。
なんて詩集を出してしまいそうな勢いです(笑)。このあたり、生まれたてのピュアさがまだ残っているのかな? 俵ドミ(笑)。

するとエル・カイトが即座に

なら二人の名をとって
エル・ドミノスと行こうか?
という洒落た案を提案です。エル・カイトもなかなか反応が早いですね。それを

いいだろう、決まりだ!
と、秒で賛同するドミネーターの反射速度にも驚愕ですけどね(笑)。世間知らずだから、何でもよく聞こえるお年頃なのかな?
でもあれですね、最近の『キン肉マン』では、タッグ戦が始まる前にタッグ名を決めるという儀式が一般化しましたね。特に初タッグを組む二人が上記エル・ドミノス同様の会話をする様がパターン化してきました。
でも読む方としても、その儀式を実は楽しみにしていたりするんですけどね。やはり作品の醍醐味ですからね、タッグチーム名。
そしてこの儀式におけるキャラクターの仕草やセリフ一つ一つが、それぞれのキャラに深みを与える、ちょっとした読者へのサービスにもなっているんですよね。古くは

ワルの血がアイドルに進化したという意味で、ブラッド・エボリューションズなんてどうだ?

ちょいと面映ゆいが、そいつはいただきだぜ!
なんて胸躍る会話で楽しませてもらいました。このやり取り、二人のイケイケ具合が感じられて、いつ見ても微笑ましいです。
マニア心をくすぐるサプライズ
そんな試合前儀式が終了し、試合を公式戦にすべく宇宙超人委員会のヘリも到着。その介入を両チームとも承諾し、ついに運命のゴングを待つばかり…ってちょっと待った!
ヘリに乗っているメンツ、なにげにすごくないですか? 宇宙超人委員会からは委員長の名代たるギアラ、レフェリーにはあのレッドシューズマン! そして…このアナウンサーは…誰だ(苦笑)?
どっかで見たことが…あれ? あの人か? 超人オリンピック ザ・ビッグファイトのBブロックでアナウンサーを務めた…やまのて私鉄さんの隣にいた…松井アナ!
これはわからんですよ、ゆで先生(苦笑)! おかげでコミックス、昔のから順にパラパラしちゃいましたよ! いや~衝撃です。
そしてこのトリオがなぜに選ばれたのか…それが今回のタイトルと密接な関係があったんですね。今回のタイトルは“バベルの裏の遭遇戦!!”。つまりこの闘いの時間軸は、バベルの塔の決戦と被っているということがわかります。
そしてメインのバベルの塔には、吉貝アナや委員長が現地入りしています。よって裏かぶりのこちらには、松井アナやギアラが向かったという細かいディティールだったんです。
いや~、まさかこんな物理的な状況を利用して、懐かしのキャラを登場させるとは…オールドファンを喜ばせる、ゆで先生のニクい演出です(笑)。痒い所に手が届くなあ、もう。
神の使い考
そんなマニア心をくすぐるサプライズを経て、カメラはリング内へ。先発はドミネーターとゼブラ。

オレが行く!
と自分本位の先発を買って出るゼブラに対し

キャミキャミ
了解だ
と、あっけらかんとリングサイドに引き下がるマリキータマン。
この言動もね~、冒頭に書いた“転がしの技術”をいかんなく発揮しているんですよ。完全にゼブラを掌の上で転がしています、マリキータマン(笑)。この気遣いで、ゼブラは気持ちよく闘えるんですね。
そしてとうとう運命のゴング。スグルシリーズにおける、時間超人の記念すべきデビュー戦です。
まずはじっくりとリング中央で手四つから。この力比べでドミネーターは

オレたちは刻の神から多大な期待を受けて、腐ったこの世を丸ごと潰すという使命を授かった、超人の究極進化形!

すなわち現代における本物の神の使い!
と、自分たちが生まれた存在意義を口にします。
つまり刻の神は、作り出した新しい兵隊(超人)に対し、上記のような刷り込み教育を行っているということが明らかになりました。
もちろんそれが刻の神の思想の100%であることはないでしょう。おそらく新時間超人軍の尖兵と思われる彼らには、彼の深い真意までは伝えていないでしょうからね。
ただ“神の使い”という表現は、以前の4王子にも似たような状況が当てはまるし、完璧超人始祖もそのような立場をにおわす発言をしていた記憶があります。
4王子には邪悪神が、完璧超人始祖には慈悲の神(ザ・マン)がその背後に控えていたわけで、神に従属して闘いを繰り広げている構図は、エル・ドミノスとあまり変わりがないわけです。
ただし、その立場でも4王子と完璧超人始祖は、己の考えをきちんと持って闘っていた点で違いがあるかと思います。現状ではエル・ドミノスの二人は、刻の神に対して盲目的である雰囲気が強いですからね。
口の悪さとプライド
そして試合はパワーに勝るドミネーターが、肩の鋭い鋲をゼブラの腹に突き刺して先制攻撃。絵面的には、これだけでかなり致命傷な感じもします。
でも考えたみたら、ドミネーターもケンダマンに『カップアンドキャノン』でお腹を貫かれているから、イーブンなのかな? とはいえ、痛々しいなあ。
しかしそこでゼブラは

パワーはある…
だが頭は悪そうだ
と何事もなく腹のトゲを抜くや、ドロップキックを一閃。そして

生まれたばかりの短い人生で申し訳ないが、撲殺させてもらおうか!
と、得意のパンチ攻撃の乱打です。
…悪い! 口が悪い(苦笑)!! 前回のマリキータマン戦で開花した、彼の皮肉たっぷりな口の悪さが今回も炸裂です。
なんかもう…完全に彼の個性と化してきたよなあ、悪口。しかもワードチョイスがけっこう辛辣なのよ、彼(苦笑)。この試合でいったいいくつの悪口が炸裂するかにも、注目ですね。
するとドミネーターはパンチの嵐をかいくぐってゼブラの足を取り、テイクダウンに成功。
そのまま足四の字固めの体勢に入り、自身はブリッジをして威力を倍増させる『ドミネーター式フィギュアフォーレッグロック』でゼブラを固めます。
イメージ的にはザックセイバーJr.の『ヨーロピアン・クラッチ』の足四の字バージョンでしょうか。“○○式”という技名が、プロレス好きの心を揺さぶる部分がありますね。

そして無防備なゼブラの腹めがけてエル・カイトがフライング魚雷を落とすツープラトン『ブラッドオーシャンダイブ』を敢行して次回に続く、です。
さあ、先にツープラトンを仕掛けてきたのはエル・ドミノスでした。ゼブラは腹にトゲが刺さったダメージがあるので、この魚雷はそこをダメ押ししたエグさがありますね。
このあとの注目は、やはりマリキータマンのフォローがどんな感じになるのか、でしょうか。ただゼブラは4王子一、プライドが高いキャラになっちゃったからなあ…彼が助けに来てもすげぇ怒りそう(苦笑)。
おそらくはゼブラがもう少し精神的に成長しないと、エグゾセミサイルズ、黄色信号だと思います。万が一のときには頼むぞ、色気漂う大人のセコンド・マリポーサ(笑)。
その他気になった点
その他気になった点は
- とても嬉しそうに“エグゾセミサイルズ”言うゼブラ(笑)。
- アナウンサーのモデルは、当時の編集担当の松井氏なんだろうな。
- ギアラってスグルシリーズは初登場か? この子、利発そうなんだよな。
- レッドシューズマンも久しぶり!
- 彼の両替時のポーズは「われわれには真似のできないしろもの」(笑)。
- 委員会の提案にサムズアップで答えるマリポーサ。色男すぎる。
- ゴングの「カァァン」の書き文字は、音が広がる感じがしてよき。
- 技巧の神が見初めたのは、けっこう最近の話ですよ、ドミさん(笑)。
- ゼブラはもう『セイント・マッスルパンチ』って叫んでくれないのかな(笑)?
- 足四の字に対するリアクションが昭和なゼブラ(笑)。
- エグゾセミサイルズ、先にミサイル打たれちゃった(苦笑)。
- 今回も背景と化したケンダマン。大丈夫? 息してる(苦笑)?
- はやくお家に返してあげて(笑)。
こんなところで~す。次回、エグゾセミサイルズがどんなミサイルで迎撃するかに注目です。ゼブラの過去の悪口ミサイルを予習したい方はこちらからどうぞ↓(笑)。
4王子一、プライドが高くなってしまった(笑)ゼブラさんを復習されたい方はこちらから↓。
また、超人批評の最新版を読みたい方は、こちらのケビンマスクーその6(最終回)もどうぞ。“ケビンマスクとは何だったのか”について考察しております。
そして…! 最新刊『キン肉マン83巻』が9月29日に発売決定! 今から要チェックだ!! ではまた。


コメント
感想と考察ご苦労様です。
毎回、面白く読ませて貰っています。
前回はカップル成立まで漕ぎ着けた二人
でも、オレ様系彼氏であるゼブのせいで、ちょっと不穏な空気
助けて、大人の色香の人!
みたいな、少女漫画ストーリーが前回のアキラさんの考察から思い浮かべてしまいます(笑)
時間超人コンビも二人の仲をハラハラしなが見守ってそうですけが
ゼブとマリがゴールインする=時間超人コンビの敗北、ですからね
生まれたばかりで、こんなドキドキが止まらないデビュー戦をやらなくてはいけない彼らに同情します(笑)
奥多摩さん、こんにちは。
いつもお読みいただきありがとうございます。
私のおふざけ感想に想像を膨らませていただき、恐縮です(苦笑)。
そしてゼブマリのゴールインはたしかに自分たちの敗北。ドラマに食いついている場合じゃないですよね、時間超人コンビ(笑)。
マリキータの掌の上で転がされるゼブラという考察、なるほど!
マリキータは人間関係においてもテクニシャンである、と
しかしゼブラはなかなかに幸先悪いスタートになってしまいましたね
煽てられて上機嫌で戦い始めたらカウンター食らってアオリでも美味い事言われて踏んだり蹴ったりですな
さすがに負ける事はないと信じたいですが刻の神軍勢のデビュー戦でもあり
強さを見せつけに来るだろうから少なくとも苦戦は必至
痛み分けの可能性もチラチラしていて予断を許しませぬ
uzukiさん、こんにちは。
技でもテクニシャン、人間関係でもテクニシャンです(笑)。ゼブラ、しっかりしないと技巧の二つ名、取られてしまいそうですよね(苦笑)。
個人的にはエグゾセミサイルズの勝利かな…と感じています。
とうとう逆マッスルインフェルノが見れるのかエルさんが風をなびかせ空を飛びゼブラをフラフラ状態で乗せるそして落下したときに下降技で決める。
ヘリにレッドシューズマン乗ってたけど降りてこないレフェリー意味あるんかいなと疑問に思いますが上空でココア飲みながら見物するのかもしれませんね。
エル・カイトさん腕だらんとさせて戦う体制で脱力みたいで面白かったです。
下等超人さん、こんにちは。
レッドシューズマン、たしかに上空からレフェリングできるのか問題がありますね(苦笑)。
エル・カイトさんの両腕ダラリノーガードスタイルは、私も少し気になっていました(笑)。
アキラさん、こんばんは。
ギアラの初登場っていつですか?
たけさん、こんにちは。
少年時の彼はたしかⅡ世の9巻で、ミートの昔話、幻のスグルVSテリーに出てきたと思います。
青年時はミンチが出てきたときかな…?
本編では勝利がないゼブラを勝たせたいだかなエグゾセミサイルズが勝利するとは思えていますが、取りあえず今は時間超人達のターンとなっていますね
勝てそうな安心感はあるものの、まさかの敗北もあり得るので、ゆで先生達がどの様に盛り上げるのか、手腕を楽しみにしております
訂正:勝たせたいだかな→勝たせたいだけに…でした♀️
ブースカさん、こんにちは。
私もできればゼブラに勝たせてあげたいですね。ただし、エル・ドミノスは時間超人の一発目なので、インパクトも残したいでしょうし…おっしゃる通り、油断はできない状態ですよね、ゼブラ。
タッグ戦、始まりましたね。
エル・ドミノスも最初から高度な技巧とツープラトンでイニシアティブを取ろうとしていますね。四の字固めのブリッジは今見るプロレスで威力を倍増させる方法で使っていますね。
ゼブラも最初から結構な傷を負っていますが、まだマリキータが入らないのはゼブラはまだ大丈夫と信頼があるからかな、と思います。
MKさん、こんにちは。
序盤攻め込まれるのは、このマンガでは勝てるパターンだと思います。そう考えると、いけるかもしれませんよ、エグゾセミサイルズ!