『クレセントムーンブリッジ』から脱出したロビンマスクは怒涛の反撃を開始! ランペイジマンもエングレイバーで対抗しようとするが、ロビンマスクはそれをタワーブリッジでへし折った――!!
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“つめ”の思い出
仰天の方法でランペイジマンの『パニッシュメントエングレイバー』をへし折ったロビン。これにはさすがの超神サマも苦悶の表情。
う~ん、これは再生不可みたいですね。負傷箇所であるどってっぱらと背中には、✕マークに血が滲んでいますからね。というかエングレイバー、血が通っていたんだ(苦笑)。
ここでロビンは手を緩めることなく、ランペイジマンの負傷箇所にチョップの嵐。その行動動機が

詰めの甘い闘いはもうしない!
という、過去の教訓を存分に活かしたものであるところに、ロビンの覚悟のほどを感じますね。
そしてこの“詰め”というフレーズから、個人的にはアメリカ遠征編における、ダイナマイト・パイパー戦を思い出してしまいました。

こ…このつめだ……
このつめがあれば…
というシーンです。
あの頃から彼は、ずっとスグル戦での自身の過ちを反面教師にしていたんですね。ちなみに私はちびっ子だった当時

爪? ロビンはスグル戦の時に爪がなかったのか⁉ 深爪?
と、大きく勘違いをしていました(笑)。でも…ロビンの視線も思いっきり爪を見ていたと思うんですよね。そして我が息子も同様の勘違いをしていたようです(笑)。
そしてそんな彼の行動を、ランペイジマンは

弱点を狙うのは定石。
お前の行動は正しい
と支持。自身がどんなにピンチに陥ろうとも、そのロビン愛は継続中です(笑)。この試合、ロビンはずっと褒められながら闘っていますね。こんなにいい気分で闘いができる環境も珍しいです。
しかしそのセオリーが逆に

お前の動きを読ませてくれる
という論理でランペイジマンはその流れを断ち切り、繰り出した技は…ランペイジマン最大のフェイバリットである『カシードラルボンバー』!

新たな盟友と出会えたのに殺さねばならぬとは残念だ
とロビン大好きながらも、「それとこれとは別」とでも言うような無慈悲な選択。そしてそれを実行できる胆力こそが、超神たる所以なのかもしれません。
ただ…ロビンのフィニッシュホールドがまだ複数残されている状態でそれを出すということは…展開的には完全にロビンが有利だと、逆に感じましたね。
ですので

脱出できない!
とまともにそれを食らったシーンを見ても、

…まだいけるはず…!!
という安心感がありました。
エクストラパワー考
そんな我々の想いに応えるように、

埋まるのはもうこりごりだ…

これ以上暗い地中に埋まるわけにはいかない

ヤツとの決着を再びつけるまで!
と体を発光させ、打ちつけられた状態から見事に復活。
正直な話、あれだけ完璧に決まった『カシードラルボンバー』でKOされなかった理屈がよくわからないのですが、一つ言えることは彼の体の発光現象でしょう。
これはいわゆる“火事場のクソ力”もしくは“友情パワー”というエクストラパワーの発動なのですが、ロビンの場合はもう一つありますよね。そう、
です。
これらのパワーはその差異が定義されていないので、すべてが同じもの、同じ源泉なのかもしれません。
ただ根本は同じだとしても、それを発動するキャラによってディティールが違うという方が、作品としてはより個性が出て面白くなるのかもしれません。例えば
- キン肉マンは超人強度が爆上がりする
- ロビンは防御力が爆上がりする
- テリーは筋力がリミット超えする
みたいな感じだったらどうでしょうか。
つまり漠然としていたエクストラパワーに個性をつけ、その超人特有のブーストにするという位置づけです。
そうなることで、圧倒的に弱いキャラが、そのブースト能力を強キャラの弱点にうまくぶつけることで、奇跡の勝利を演出することが可能となります。
しかもそれは理論的に説得力があるので、見る目が肥えてきた大人のキン肉マンファンにも受け入れられやすいのではないかな、なんて感じました。
そしてそのエクストラパワーの個性づけの第一歩が“メイルストロームパワー”で、ロビン王朝の伝統にしていくという設定もありなのではないでしょうか。
もちろんそのような細かい設定のない、勢いだけのエクストラパワーである方が、『キン肉マン』という作品には合っている可能性も高いので、一概によい方法だとも言えないんですけどね。
それによって作品の豪快さ、シンプルさを殺してしまうのも少し怖いです。なんとも難しいところです(苦笑)。
能力偏愛主義者?
そして自身最大のフェイバリットが効かなかったランペイジマンですが、精神的なダメージを受けるどころか

そうこなくちゃ!
さすがは私が見込んだ逸材・ロビンマスク!
と、逆に大喜びです。
もう…ロビンにベタ惚れのランペイジさんからしたら、彼が何をしても喜びに変わってしまうんですね(苦笑)。おそらくロビンがオヤジギャグを言っても大喜びなのでしょう。

ロビンのチヤホヤされ具合が逆に恐ろしくなってきましたよ(笑)。
これをみると、ランペイジマンが“能力偏愛主義者”であることがよくわかります。自身の理想にベクトルが合っており、さらにその方向で能力が傑出した者に対しては、惜しみない愛情を注ぐわけです。
このような彼の性質で一つ確実にわかることが、
ということです。
闘いにおいて“感情”は不要だとし、その道を極めようとした完璧超人。そしてその教えのボスであるザ・マン。さらにはそのザ・マンが所属していた超人の神々。
つまり神々にとっては、“愛”などという感情は無用の長物という感覚が一般的なのかもしれないわけです。
そんな中、ランペイジマンはエリアは限定的かもしれませんが、“愛でる”ということを隠そうとしません。それは神々の中ではレアなタイプなのかもしれないのです。
そして彼は、愛でるべき対象が成長する様を、心から喜べるという気質を持っている。これって…改心したザ・マンと、同じベクトルなんじゃないかな…なんて思ってしまいました。
つまり彼とは分かり合うことが容易、ということにはならないでしょうか。
フィニッシュ甲子園(笑)
さて、ともあれ最大のピンチから脱出したロビンは、とうとう最後のシメのムーブに入ります。私を含めネット内で囁かれていたシメ技候補は
- ブリティッシュ・スティール・エッジ(本命)
- ロープワーク・タワーブリッジ(対抗)
- OLAP(大穴)
といったところでしょうか。
そんな我々の期待を背負う中、ロビンが繰り出したムーブは…あれ? 見たことのない、腕を固めたパイルドライバーのような体勢に。
ここからはフィニッシュムーブの流れに沿って、私の脳内感情変遷を列記していきたいと思います。

エングレイバーがあると邪魔され通用しなかった技

邪魔されない…?
つまりは密着技!
(✕ロビンスペシャル)

お前という最高の相手で試したかった
(上空へほん投げる)

空中!? これは…!
(◎B・S・エッジ)
(△R・W・Tブリッジ)
(✕OLAP)

原点であったこの技に戻るべきだと考えた
(上空へジャンプ)

原点…!!
(◎Tブリッジ)急浮上↑
(△R・W・Tブリッジ)
(✕B・S・エッジ)

ツイステッドタワーブリッジ!!

…!!
まさかの改良版タワーブリッジ!!
こんな感じでした。みなさまの脳内の変遷はいかがだったでしょうか(笑)?
甲子園で例えると『OLAP』は2回戦で、『ブリティッシュ・スティール・エッジ』は準決勝で、『ロープワーク・タワーブリッジ』は決勝戦で敗れ、優勝は弱点補強をし、校名も“共学になったので…”みたいな理由で? 少しリニューアルされた古豪校でした(笑)。

そしてこの甲子園(笑)の中で、ロビンは現在感じている心情を赤裸々に告白していますね。ファンとしては彼の超人としての歴史を走馬灯のように感じ、しんみりとしてしまうところなのですが、結論は

もう一度キン肉マンと闘いたい!
という、彼の切実なる願いに集約されるんですよね。
まさに痛々しいほどの想い、そして願い。ここにきて感じるのは、

このシリーズの最終戦て…キン肉マンvsロビンマスクなんじゃ…
という思いです。
調和の神、第3勢力、エネルギー保存の危機…いろいろと問題がある今シリーズですが、まわりまわって最後に行われるのはキン肉マンvsロビンマスク!
ちょっと流れ的に外れすぎていて、納得のいく道筋をつけることは難しいのかもしれないけど…そう勘ぐってしまうほど、最近のロビンの主張は力強いですよね。
そしてフィニッシュムーブに移る際に、ロビンがきちんとランペイジマンに対するリスペクトを口にしている点が印象的です。

お前という信頼に足る神
という言葉は、ランペイジマンのロビンに対する真摯な賞賛がきちんと彼に伝わっていたからこそ出たものなのではないでしょうか。
そしてそれは目標とする男に勝てる能力が自分にはあるのか、という深刻な問いに対し、確度の高い査定と回答をしてくれる相手として認めたことを意味し、ランペイジマンにとっては

超人ごときに認められても嬉しくないよ
という憎まれ口はでるかもしれないけど

でもお前なら別だ
と、これまた喜んでしまうロビンの一言だったかもしれません(笑)。
超神サマの新技レビュー
そんなドラマの中、最後に決まった『ツイステッドタワーブリッジ』は、空中で一度ランペイジマンの体が捻じれ、その状態でタワーブリッジに捕らえかつ落下する
- 捻じれで筋肉と筋にダメージ
- タワーブリッジで関節ダメージ
- 落下→着地で衝撃ダメージ
といったトリプルダメージ技、つまり三重殺フェイバリットとなりました。
そしてその威力の凄まじさは、最後のコマに集約されています。もうものすごいド迫力で、鬼神のごときロビンの表情が印象的ですね。
また、被害者側のランペイジマンの腹は完全に裂け、そのやられっぷりは前述したダイナマイト・パイパーを彷彿とさせます。これ…相当なやられっぷりですよ…(汗)。これは…さすがに決着でしょう。
そしてそんな状態でもランペイジマンの断末魔がまたイカしているんですよ。

お前は本当に楽しい超人だな

神の名において言葉を下してやろう

お前こそが最高の乱暴者だ
そうきたかぁ~! この場面で闘いの序盤で交わされていた

どちらが本当の乱暴者か勝負だ
というセリフに対する回収が行われたわけです。う~ん、粋だねぇ、ランペイジマン! まあ

いや、質問に対する回答としてはどうなのよ…?
と少しばかり疑問符が浮かんだかもしれませんが(笑)、要は
という解釈でよいのでしょう、きっと(笑)。
そして気になるのはランペイジマンの生死ですかね~。技を食らった感じだと、十分死亡の可能性有り、という表現ですけど…ランペイジマンがここで消えるのはもったいないなあ。
なんとか瀕死ステイタスで保ってもらい、後に復活してほしいです。そしてランペイジマンとロビンマスクのタッグなんて結成されたら…たまらんですよね。
チーム名ですか? チーム名は…そうですね…
でいかがでしょうか。え? ランペイジマンがちょっと可哀想(笑)?
その他気になった点
その他気になった点は
- エングレイバー、細胞分裂でできているんだな…。
- 珍しいロビンの縦回転ニールキック。
- いまだにロビンがどう絡めとられているのかよくわからない『カシードラルボンバー』(笑)。
- ロビン、ランペイジマンともに、『パニッシュメントエングレイバー』を『エングレイバー』と略しているところがちょっと面白い。
- 両者共本能的に「…長いな」と思っているのでしょう(笑)。
- 水、砂に埋もれた経験を持つロビンマスク。たしかにこりごり(笑)。
- 腕をクロスさせて空中に投げるのは、『ビッグベン・エッジ』を彷彿とさせる。
- 4人並ぶと子どもっぽさが目立つブロッケンJr.(笑)。
- 最終頁の迫力がすごいな。オープニングの睨み合いとエンディングのフェイバリット炸裂。どちらの大ゴマも迫力があるって…すごいな、中井画伯
こんなところですかね。おそらく次回は乱暴者合戦のエピローグでしょう。襟を正して待ちたいと思います。ではまた。


コメント
決め技の予想は外れました…が、やはりタワーブリッジ系の技ではあった(苦笑)
しかしまあ描写のエグいこと…
あとはランペイジマンの生死がどうなるかですね
これで殺してしまったら…正直正義超人としてどうなの?ってなりますね、いくら神相手とはいえ
ただでさえ今回のロビンの闘い方はとても後進には見せられないようなラフさがありましたから、ボテちん辺りにはそれも込みで非難されそうですが(苦笑)
ターキーさん、こんにちは。
最後のページ、鬼気迫る迫力がありましたよね~。そしてランペさん、生きていてほしいです。
今回のロビンは貴公子ぶる余裕もなかったのかもしれませんね。そしてそれくらいスグル戦を渇望しているのかな、とも感じました。
とりあえずエングレイバー=肉は確定したわけですが
今度は血管とかどうなってるんだろうと
まあ超神だし、血管とか以前にロボ超人よりロボしてる超人もいるから気にしたら負けですか
>エクストラパワーに個性をつけ
でもこれならあのウォーズマン理論も説明つくんですけどね
色々掛けてるけど要は気合、と明言化できまする
ランペイジマンの最後のセリフは断末魔というより告白ですよね
こいつ完全にデレた!と思いましたよ
そういや超神って死ぬんですかね
なんとなくのイメージですけど魂が天界に帰って
生首状態に戻るだけな気もします
uzukiさん、こんにちは。
エングレイバーの構造、気になりますよね(笑)。そしてエクストラパワーについては、そろそろ体系化の時期がやってきたのかなあ、とも思います。本文中に書きましたが、諸刃の剣かもしれませんがね。
超神の死についてはよくわからないですね。もし生首に戻るのならば、下天のリスクがあまり意味がないような気もします。