今週のキン肉マン第413話-バッファローマンの選択!!

今週のキン肉マン
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圧倒的実力差を見せつけたザ・ワンは、自分のもとで正しい系譜の力を継ぐべきだとバッファローマンを勧誘。勝ち目のない闘いを続けるか、進化の可能性を手にするか…バッファローマンの選択は!?

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祝!スグルシリーズ通算800回!!

 え~、今回の感想に入る前に、このスグル新シリーズ413話目で、スグルシリーズ通算800回をめでたく迎えることができましたことを、お祝いしたいと思います。

 いや~すごい。1979年に始まった第一シリーズが387話。そして2011年に始まった第二シリーズが413話。すでに第二シリーズが第一シリーズを、話数で上回っているんですね。

 そして何よりもすごいことが、干支が一回りした連載期間を経ても、第二シリーズはまだまだ今が全盛期ってところです。本当にゆで先生、神がかっているな、と思いますね。

 そんな素晴らしい作品を40年にも渡って提供し続けてくださるゆで先生に、おめでとうございますという祝福の意と、ありがとうございますという感謝の意を送りたいと思います。

 次は1000回に向けて突っ走りましょう!!

誘惑光線・クラッ!

 さあ、話を本題にもどしましょうか。ザ・ワンから

ザ・ワン
ザ・ワン

こっちに来い!

という誘惑光線を受けたバッファローマン。彼がどのような決断を下すのか、全世界が注目をしていたわけです。

 そしてザ・ワンはそのスカウティングを確固たるものにするために、あらたな口説き文句を速射砲のように繰り出すのです。

ザ・ワン
ザ・ワン

バベルの塔の試練では、皆然るべき神と出会い気づきを得た。それは必然だ

ザ・ワン
ザ・ワン

この試合の筋書きの鍵を握っているのはお前だよ

ザ・ワン
ザ・ワン

力が欲しいのだろ?

この私に負けないほどの

 か~っ、惑わすねえ、ザ・ワンの旦那(苦笑)! ここでバッファローマン、将軍サマの指令である

神をも超える新たな力を手に入れろ

が脳裏をよぎってしまいました。そりゃよぎるよね。そしてトドメは

ザ・ワン
ザ・ワン

選択の余地がどこにある?

答えはすでに決まっているはず

と来たもんだ。

 う~ん、これはまずいですよ? できればここは超神対策本部長殿からの

惑わされるなと言っておるーっ!!

という一喝が欲しいところ(苦笑)。これは…美女の誘惑に負けた男子の如く(笑)、フラフラと行ってしまうのか? バッファローマン! 早見優の誘惑光線に負けるな(笑)!

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悩める男の男前な選択

 しかしここでバッファローマンの脳は正しい答えを導き出すためにフル回転です。そして彼が出した答えは…

なんて男前なんだっ!!

と、われわれ読者が拍手喝采をするものでした。そう、彼の結論は

決して譲れないものがある。それが粉微塵に砕け散るまでは、お前ごときの軍門に下るわけにはいかねぇんだよ!

という、スグルとの友情、そしてリアル・ディールズとして、超人の代表としての立場を守ることを第一義に置いたのです。

 そこに損得勘定はなかったんですね。己の信念、そして矜持こそを最大の判断基準とし、超神サマを、しかもそのリーダーたる調和の神を“ごとき”扱いですよ!

 これは痛快です。よくぞ言ったぜ、バッファローマン!!

 ただその結論に至るまでに、少し揺れているのが彼らしいというか(笑)。悩まずに脊髄反射並みのスピードで

お前ごときの軍門に下るわけにはいかねぇんだよ!

と啖呵を切っているわけではないですからね(苦笑)。

 それはサタンに誘惑された時、正義超人のすごさを感じて仲間になりたくなった時、キン肉アタルの男気に惚れた時、将軍サマのカリスマ性に再度魅了された時と同様に、今回もちょっとフラフラしちゃうんです。

▲フラフラしがちな猛牛(笑)。

 でもその悩める姿こそがバッファローマンというか、粗野に見えて意外と優柔不断なところに人間味があるというか。その様を見て

あいつ、図体はデカいくせにはっきりしないんだよな

とは言えませんよ。だって…彼は登場キャラの中でも、人生のターニングポイントが突出して多いんですもん(笑)。

 それについてポロリと口にしてしまったのが

これ以上仲間を裏切るマネができるものか!?

という自問自答だったのでしょう。彼は彼なりに、これまでの所属変遷について負い目があったのかもしれません。

 ただ前述したように、彼はその機会が多すぎたキャラでした。

 ですので彼の行動を日和見主義と揶揄するのではなく、自身の置かれた環境を常に真剣に考えて行動する、純粋なキャラだと評価してあげたいのです。

 ただそれを“浮気性”とイジるのは少しだけ面白いので、たまにそうしちゃうかもしれませんが(苦笑)。

スグルとの信頼関係

 そして彼を思いとどまらせた要因は、自己反省の他に二つ。

  1. スグルとの信頼関係
  2. 超人の代表という責任感

というものでした。

 どちらの要素も、彼がザ・ワンの誘惑を跳ね返した理由としては胸熱い理由です。ここで直近のスグルとのエピソードである

お前は何があろうと、私にとって永遠の友達だ

が彼の抑止力になったことは、なかなかに感動的です。

 というか、マグニフィセント戦直前のあのやりとりが、ここでの伏線になるとは…お見事。

 そしてスグルという存在が、バッファローマンの中でどれだけ大きな位置を占めているのかがよくわかるわけですよ。

嬉しかったんだ

と素直に言葉にするバッファローマンもステキですが、スグルというキャラクターの懐の深さ、超人としての器量の大きさを感じさせずにはいられません。

 さすがは主人公、と唸ってしまいます。

超人の代表という責任感

 そしてもう一つ、彼の超人代表としての責任感。これ…実は意外だったんですよ。彼の口からこんな大きなくくりでの使命感が出てくるとは…。

 この考え方って、かなり大きな組織におけるリーダーの考え方じゃないですか。種族全体の将来を決める、そして導く立場にいる者の考え方なんですよ。

 そして彼はその役割を担ったことに対して、大きな責任感を感じている。それは7人の悪魔超人としてキン肉マンを襲撃した時には、明らかになかった考え方です。

 下手をすると、彼の他の7人の中に、彼ほどの使命感、責任感を持ったメンバーが何人いるか…ぱっと見ウォーズマンくらいなんじゃないかな…? ロビンはその先の対スグル戦に頭が飛んじゃってるし(苦笑)。

 サンシャインに至っては、ある意味子どもの嫉妬心でメンバー入りしていますからね(苦笑)。

 いや、サンシャインの人間味あふれるその行動は否定しないですよ? それはそれで微笑ましくて大好きです(笑)。

 ただそんな中でのバッファローマンのこの意識の高さというものは、ちょっと突出しているかなって。それはやはり、将軍サマからの

神をも超える新たな力を手に入れろ

という指令が、本当に効いているんだと思います。この実質的後継者指名が、彼に団体の長、そしてそれに伴う責任感を芽生えさせたんですね。

 言うなれば、『悪魔超人株式会社(笑)』の係長クラス(7人の悪魔超人のリーダー)だった彼が、転職を繰り返し、『完璧超人始祖編』において、部長待遇で戻ってきた。

 そして必死で働いている最中、ガンマン戦で

次期社長はお前だ!

と、現社長から名指しされたわけですよ。

 そして同業他社である『株式会社正義超人』の社長であるキン肉スグルと、『パーフェクト・コーポレーション㈱』の専務であるネプチューンマンと一緒に、“超人消滅”という同業市場の危機に、会社という枠を超えて共闘をしている感じでしょうか(笑)。

 例えるならば、アップルが生み出したiPhoneに対し、日本製のガラケー市場を守るために主要3キャリアが大同団結をしている感じです。

▲守るぞ、ガラケー市場(笑)!

 あのときはガラケーが木端微塵に駆逐されましたが(泣)、今回はガラケー市場を何としても守らねばなりません。それがバッファローマンの

全地上の超人代表

という責任感なのでしょう…ってあれ? 何の話してたんだっけ? 経済の話だっけ(笑)?

出番が早すぎる奥義

 こんな感じで自分の気持ちの整理がついたバッファローマンは、とてもふっきれた表情でiPhoneザ・ワンに対して

決して譲れないものがある。それが粉微塵に砕け散るまでは、お前ごときの軍門に下るわけにはいかねぇんだよ!

と啖呵を切るんですね。

 そして迷いがなくなったバッファローマンは、四度目のハリケーン・ミキサーを敢行。

 ただ…これは効かない。絶対に効かないよ、バッファローマン! だってザ・ワンはまだ平常心のままだから…。

 やはりというか、ザ・ワンは動揺することなく、堂々と真正面からレッドブル状態に。そして楽々とバッファローマンの突進を後方へ弾き飛ばします。その様はまるでクワガタ同士の相撲のよう(笑)。

 しかしバッファローマンも策なくして特攻をしたわけではなかったようです。弾き飛ばされた勢いを利用し、そのままコーナーにロングホーンを引っかけて回転運動に移行。

 これは…現段階での、彼の最大奥義である『ハリケーン・ギガブラスター』へのセットアップ!

…スレッガーさんかい? 早い! 早いよ!

 思わずカイ・シデン、前回に引き続き二回目の登場ですよ! 全国の読者の方々にも彼からの無線、聞こえましたよね? はっきりと(苦笑)。

 いやいや、無理だって、バッファローマン! あせりは禁物だよう!! ただ彼の

過去最高の相手だった男を撃破したこの一撃が効かなきゃ…オレの命もここまでだーっ!!

という悲愴感たっぷりの雄叫びにただならぬ気配を感じたのか、ザ・ワンはとうとう腕組みから両手を構えるディフェンスの体勢に入りました。

 そしてこのときに発した怒号がなかなか厳しい。

ザ・ワン
ザ・ワン

ザ・マンの弟子ごときを倒した技で、この私を倒せると思うな!

ですからね。“弟子ごとき”ってあのガンマンを、さらには悪魔将軍をはじめとする完璧超人始祖全員を愚弄したのに等しい発言なわけですよ。いや、これは後々問題発言として引っかかってきそうだな。

 それともあれかな? 数分前に自分が“ごとき”扱いされたことに対する報復かな(笑)?

炸裂! 強烈フェイバリット!

 ただ皆さんの予想通り、奥の手である『ハリケーン・ギガブラスター』はそのロングホーンをガッツリと受け止められて勢いを殺され、バッファローマンは上空に放り投げられます。

 そして逆にザ・ワンの角を背中に突き刺した形でのハイジャック・バックブリカー状態からの、膝立脳天落下技たる『ハルモニアデストラクション』が炸裂! そして次回に続く、です。

 うわぁ~、バッファローマン、角が一本欠けちゃったがな! そしてまさしく絶体絶命…大丈夫だろうか…。

 ちなみに“ハルモニア”とは“調和”のことで、彼を冠する技がはじめて飛び出たことになります。しかもその後に“デストラクション(破壊)”とつけているので、“調和の破壊”という技なんですよね。

 ですので技名だけ聞くと

…あれ?

自分を指し示す“調和”を自ら“破壊”しちゃうの?

という、妙な自虐感を感じちゃったりもしますね(苦笑)。

 それともあれですかね? バッファローマンの闘う機能を保っている肉体や精神力の調和をぶっ壊す、という感じなんですかね。

 ですので、次回冒頭からそのバランスが崩れる表現があるかもしれません。

あれ…?

足が…足がうまく動かん!

といったような、運動機能の不完全伝達や、

ひっ…ホーリーロッド!!

という恐怖心による精神的な不調があるのかもしれません。

…!! もう、またこのイジりですか!

何回か前に「もうやらない」って言ったじゃないですか!!

 ゴメンなさい。本当にゴメンなさい(苦笑)。

今後の展開を考える

 まあ冗談はそこまでとして、二人の現状を考えてみましょう。

 両者の体力の持ち点を仮に10点満点だと仮定すると、ザ・ワンが10点、バッファローマンが2…いや、下手したら1点という数値が出てきそうなところです。いや、ホントにしんどい展開です。

 とはいえ、まだバッファローマンにも反撃の余地はあるとふんでいます。というのも、

  • まだエクストラパワーを放出していない。
  • つまり8000万パワーを伴った『ハリケーン・ギガブラスター』ではない。
  • バッファローマンは角が折れてからが本番(笑)。

という事実があるからです。そうなんですよ、彼はまだ体を発光させていないんです。

 そしてもう一つ。個人的に思うところがあるんです。それはザ・ワンが『ハルモニアデストラクション』をかける際に口にした

ザ・ワン
ザ・ワン

食らうがいい

これがお前の系譜の力だ

というセリフなんですね。この“系譜の力”というフレーズに引っかかったんです。

 このフレーズを聞いて思ったんですけど、この試合は

正しい系譜を間違った系譜が凌駕する

という景色を我々に見せたいのかな、なんて感じたんですよ。

 前回私は“ザ・マン → 悪魔将軍 → バッファローマン”の系譜を

ザ・ワン
ザ・ワン

お前理系受験なのに、懸命に文系科目を勉強しているよ?

と例え、極論的にアインシュタインが

ノーベル文学賞を目指して持てる時間の全てを費やし、懸命に小説を書いてま~す

と言っているようなものだと言いました。

 しかし今回のバッファローマンの選択は、この

ノーベル文学賞を目指して持てる時間の全てを費やし、懸命に小説を書いてま~す

が現実のものとなり、アインシュタインがノーベル文学賞を獲得する様子をわれわれに見せようと舵を切ったことに等しいわけです。

 それはその行為の破天荒さと、尊敬する師匠と弟子との関係性に対する意地を貫く痛快さを、われわれに提供しようとしているんですね。

 そして実は私、思い出してしまったんですよ。将軍サマがバッファローマンに対して

神をも超える新たな力を手に入れろ

と口にする直前に

キン肉マンではなく、

わが流れを汲むお前が先に…

と前置きしていたことを…!

 この“わが流れを汲む”とは、“わが系譜を汲む”とナチュラルに言い換えることができます。つまり将軍サマは、

正当なる系譜の伝承でなくとも、バッファローマンならば神をも超える新たな力を手に入れられる

と言っていたのではないのかな、なんて。

 実は将軍サマはわかっていたのかもしれません。バッファローマンが文系ではなく、理系(笑)だということを。

 それでもバッファローマンのポテンシャルならば、

オレの教えを活用すればノーベル文学賞は取れる

という考えだったのかもしれません。

 裏を返せば、正統な系譜の伝承なくとも、彼は十分にそれ以上の成果を出せる超人だと、将軍サマに評価されたわけですよ。

 そしてそのハイブリッドな系譜の伝承が、正統な系譜の伝承結果を上回るというカタルシスを、われわれに提供してくれるのかもしれません。

 それは雑草魂、もしくは意地とド根性、もしくは突然変異を表現する闘いになるのかもしれませんね。そう、その物語はド直球の、完全少年マンガ展開ですよ、はい。

その他気になった点

 その他気になった点は

  • リアル・ディールズがほぼ全員、自身に関連ある相手をあてがわれたのは、超神側の配慮だったのか…?
  • もし目論見が外れてたら、どう対応するつもりだったんだろう?
  • 調和の神の相手がジェロニモになっちゃったりとか(笑)。
  • 「ゴメン、ちょっと目ぇつぶってて!」とかお願いして、その間にメンバーを入れ替えたりするつもりだったのかな(笑)?
  • 「イクスキューショナーを早く呼んでこい!」みたいな。
  • あ、リングの下の居住空間は、その指示を出すコントロールセンターだったのかな(笑)?
  • ザ・ワンからも、将軍サマからも指差されて大変、バッファローマン(笑)。
  • 今回はバッファローマンの珍しい表情がたくさん拝めましたな。
  • ふっ切れた表情、いいなあ。
  • バッファローマンが円運動を始めた時、リング中央にポツンとたたずむザ・ワンの姿にジワる(笑)。
  • 要経過観察、みたいな(笑)。
  • ガンマン、過去最高だって! よかったね!!
  • 「ボッハーッ!」に「ボスリャ!」。新しいワン語。
  • 普通の人の「ハーッ!」と「ソリャ!」だろうか(笑)。
  • ホーリーロッドが2本ともお腹突き抜けてんのよ。痛いって(泣)。

 こんなところでしょうか。絶体絶命のバッファローマンを応援したい方はこちらでの復習もおススメです。

 超人批評の最新版を読みたい方は、こちらのケビンマスクーその2もどうぞ。

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