今週のキン肉マン第422話-最後の欠片は…!!

今週のキン肉マン
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「カピラリア光線照射砲」で鍵穴を封鎖。宇宙の崩壊を一時的に抑えている間に、全ての元凶である刻の神を叩く。そのためにキン肉マンたちが持つカピラリアの欠片を差し出すよう求めるザ・ワンだが。

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夏のGⅠ、不発!!

 ザ・ワンの提案を聞き、沈黙するリアル・ディールズ。それを見たザ・マンは

ヤツの言葉にウソはないだろう。姑息な手を使う男ではないことだけは私が保証する。案ずるな

とザ・ワンをフォロー。やはりリアル・ディールズをザ・ワンの提案に導くよう、裏回しを買って出ます。

 そんな重鎮の一言はやはり大きく、リアル・ディールズは保持するピースを目の前に一斉に掲げました…って素直か! 素直なのか(笑)!

 というのも私、このピースを出す出さないが、ザ・マン派になるかザ・ワン派になるかのイベントだと勘繰っていたんです。

 そんなほのかな予測があったからこそ、前回

なんてお遊びをしたのですが…まさかの同着(笑)! 本命も対抗もあったものじゃない。この結果にJRA、問い合わせ殺到ですよ(苦笑)。

猛牛の立ち位置

 ただ…彼らのこの行動で、怪鳥パトラッシュの上に突っ伏しているバッファローマンは、少しは気が楽になったのかな…? というのも、この行動はスグルたちがザ・ワンに歩み寄ったことを意味するわけですからね。

 となると、バッファローマンの裏切り行為が、実質裏切りでなくなることになります。だって自分の仲間だった連中が、寝返った相手とベクトルを同じくしたわけですから。

 そんな感じで彼の罪?(とは私は思わないが…) が軽減されたのはよかったのですが、

オレ、あんなに悩んで決断したのに!

という思いも生じてしまうかもしれません。彼のあの苦しみは何だったのか、無意味だったのか…そんなやるせない気持ちです。

 でも歴史を紡ぐという行為は、往々にしてこんなものなのかもしれないな…とも思います。あと数時間早くそれがわかっていたら、あと一日待っていたら…!

 そんなタイミングの繰り返しで歴史はできているのでしょう。今回のバッファローマンは少々不憫ですが、このようなマクロな視点で見ると、仕方のないことなのかな…とも感じます。

 …と、勝手に彼についてああだこうだ言っていますが、今回の彼は突っ伏したまま一言もしゃべっていないんですけどね。ダメージが大きくてそれどころじゃないのかも(苦笑)。

嗚呼、ジェロニモ

 そして吸い上げられたリアル・ディールズのピースは、巨大化しつつ照射砲の一部となっていきます。やっぱり拡大するのね(苦笑)。

 ただここで一つ問題が…まあ皆さんお気づきでしょうけど(苦笑)。

オラのピースは埋め込まれてしまって簡単に手放せないだ!

という問題です。これについては前回から

これ…ジェロニモどうすんだよ…?

深刻じゃんよ?

という悲観論と

まあうまいことピースだけ取り出せるんだよ、きっと

という楽観論が読者の中で巻き起こっていたと思うんです。

 個人的には後者だと思っていました。彼の胸からピースだけがス~ッと抜け出ていき、

サヨナラ、一瞬だけのオラの切り札…

てな感じかな、と思っていたんですよ。と同時に

これでまたジェロニモは弱体化…つまり超人軍団の一軍から降格か…

なんて、ちょっとせつない予想もしていたんですよね。

 そんな想像が渦巻く中、彼がとった行動とは…

でも心配無用ズラ。

オラ自身がピースになってあそこを塞ぐだ!

 ゲェェ~ッ!! ジェロニモ、まさかの人柱志願!! これは予想のはるか上をいく展開ですよっ!? いやいやアナタ、それはお人よしが過ぎますって!!

 このくだりを見て思い出したのが、五重のリングが崩れたときに、一人でそれを支えたときのジェロニモです。あの時も彼は自己犠牲を買って出て、先輩正義超人を助けたんですよね…。

 そして人柱志願をするときのセリフが…健気すぎる!

だって刻の神を倒せばあの砲は崩壊することはないんだろ?

じゃあ問題ないズラ。

アンタたちは必ずやってくれる。オラはそう信じている

 ああ、ダメだ、ジェロニモ。そんな汚れのない目でこっちを見ないでくれ…!!

 その純真で澄んだ瞳は、日々の生活で汚れ切ったオジさん読者には眩しすぎて耐え切れないよ…(苦笑)!

 そして今まで暴言を吐かれまくったアシュラマンに対しても、泣けるセリフを口にします。

オラはオラができることをやるだけ。なあアシュラマン。

サンシャインもそうやって逝ったんだろ?

 この論調で言われると、さすがのアシュラマンもぐうの音もでません。それくらいこの試練におけるサンシャインの散り様は、彼にとって冒してはならない尊いものだからです。

 そして最後に彼は

いろいろあったけど、最後には認めてもらえたようでオラ嬉しかっただ!

と、因縁浅からぬ、どちらかといえば痛い目ばかりにあわされてきた相手に対し、清々しいほど純粋な表情で自身の心中を語るのです。

 こんなキラキラした詰め寄られ方をされたら、さすがの悪魔もタジタジですよ(苦笑)。このシーンに限っては、完全にアシュラマン、ジェロニモに一本取られた感じです。

 うがった見方をするならば、彼のピュア攻撃は今までアシュラマンにされてきた仕打ちに対する、形を変えた報復なのではないかとすら思えますね(苦笑)。

▲オールレンジ攻撃です(笑)。

 こんな感じでカピラリア光線を放つ前に、360°全方位に純粋光線を放ちまくり(笑)、心の内をすべて語った彼は

ウ~ララ~!

とジャンプ一番、人型ピースと化してカピラリア光線照射砲にフェードインし、それを完成させるのです。

 そしてその後はザ・ワンが目論んだ通り、大穴にカピラリア光線が照射され、照射砲自体が大穴を塞いでその吸引が止まりました。

 しかしその代償は大きく、ピースの中のジェロニモは白く燃え尽きた灰のように気絶し、次回に続く、です。

 いや~、かなり悲しい結末となりました。白い灰になったジェロニモは生きているのか…それとも…いやいや、衝撃による一時的な活動停止、と取りたいですね。

 そして今回は…いくつか思うところがありますね。それは

  1. ピース、全部集まってないけど問題
  2. 自己犠牲という名の戦力外通告について
  3. 派閥分裂について

の3点です。これらについて少し考えてみましょうか。

ピース、全部集まってないけど問題

 これについては皆さんも

???

という感じではないでしょうか。

 カピラリア光線照射砲は108のピースに分解されたからこそ、そうおいそれと照射できないよ、それが安全装置なんだよと、かつてのザ・マンは言っていました。それこそ

その一つを私が持っている限り、さらに安全性が高い

とでも言いたげでした。

 ところがどうでしょう。今回の照射砲組み立て時において、たしかにリアル・ディールズのピースは差し出されましたが、ザ・マンのそれは差し出された描写がありません。

 さらに言えば、空席の神のピース、刻の神のピースが揃っていません。つまり108のピースは揃っていないんです。

 しかし照射砲は出来上がってしまった。そう、それはまるで上記設定はなかったかのような話の進み方なんです。

 このことは、昨今のキン肉マンにしては珍しいくらい設定が粗いし強引です。ただここまで粗い設定も妙なので、ひょっとしたら腑に落ちる回答が次回あるのかもしれませんが…。

 現段階で私が思いつくことは

  1. 108に近しい数のピースでも照射砲の再建が可能
  2. 描写されていないだけで、全部のピースが集まっていた

という考え方です。

 1については、これによって照射砲の威力や効力が少しダウンする、という設定かなあと。ただこれを是としてしまうと、ザ・マンが語った安全装置の意味がほぼなくなります。

なんだよ、安全装置ユルユルじゃん…!

という失望感ですよね。工具や機器の安全装置がこんなにユルユルだったら、PL法が適用されて、即訴訟&謝罪ですよ(苦笑)。

▲大問題です(苦笑)。

 となると…2か。我々が認識していないだけで、ザ・マンとしては

え? オレのも渡したぜ?

見てなかった?

という感覚なのかもしれません。そして空席の神のピースと刻の神のピースについては

  • 空席の神のピース…持ち主不在でザ・ワンが管理していた
  • 刻の神のピース…実は下天時に持っていくのを忘れていた(笑)

という状態だったのかもしれません。この刻の神、意外とおっちょこちょいな神様なのかも(笑)。

 いずれにせよ、あまり格好の良い設定ではありませんね。ここはやはり、我々のナナメ上をゆく理由づけをお願いしたいところです。

自己犠牲という名の戦力外通告について

 今回のジェロニモの行動は尊いです。それ以外に言葉が出てきません。

 しかし、しかしですよ。そのような感傷にふけった考え方を横に置き、残った現実だけを見ると、

ジェロニモ…事実上の戦力外通告だよな…

と思ってしまうんです。そう感じた方、たくさんいらっしゃると思います。というのも、過去にも似た状況ってあるんですよね。パッと思いつくのは

  • キン肉マンを生き返らせるために、命を投げうったウルフマン
  • プラネットマンを倒すために、自分もろとも攻撃させたウォーズマン

でしょうか。そしてここに、今回のジェロニモの自己犠牲が追加されるわけです。

 この3名の行動とそれに伴う結果として共通することが

  • 物語の序盤での自己犠牲である
  • 自分が犠牲になることで新展開を迎える(もしくは物語が継続できる)
  • 自分は新展開で活躍の場がない

という点です。

 注目すべきは最後の“自分は新展開で活躍の場がない”でしょうか。これは自己犠牲を行うともれなく付いてくる現象で、まるで

今から30分以内にご購入された方には、もう一つプレゼント!

というテレビショッピングのサービスのようでもあり(笑)

二ついらねえから半額にしてくれ!

という気持ちになるのと同じくらい、いらないサービスなのです(苦笑)。そしてそのサービスは事実上の“リタイヤ宣言”に他ならないんですね。

▲違うぞ、ジェロニモ…

 ほら、皆さんには聞こえるのではないでしょうか。

オレ…黄金のマスク編で、かなり最初の方でサービスしてもらったぜ

私も五重のリング編でサービスしてもらったな

という、彼らの含蓄あふれる体験談が(苦笑)。そしてここにジェロニモが

オラ、刻の神編でサービスを受けるズラ

と、新たなサービス体験者となったのです。

 特に今回のジェロニモは、ある意味人間タイムリミットでもあります。照射砲が吸引に耐え切れず壊れるのが先か、それとも刻の神を倒すのが先か…。

 つまり“時間制限”という設定に、人の命をのせることで、読み手のハラハラドキドキ感をアップさせているんですね。状況としては、高圧電流が流れる田園コロシアムでのミートくんのパーツと近しいかもしれません。

 この展開は、彼が今後は闘いという役割ではなく、演出という役割を与えられたキャラとなったと言ってもよいでしょう。

 しかし闘うことがメインストリームである超人にとって、その扱いはある意味屈辱だと言わざるを得ません。それだからこそ

ジェロニモ…事実上の戦力外通告だよな…

という思いを、我々は強く感じてしまうのですね。そして

オラ、刻の神編でサービスを受けるズラ

と言う彼に対して

なんで!?

なんでお前ばかり…!!

と我々が振り上げた拳に向かって、彼がもし

だってオラは人柱だから

と口にしたならば、それはちょっと可哀想すぎます。 ほんのりと「うまいこと書いた」と思っちゃったけど(笑)、この仕打ちは切なすぎますよ!

 新展開のしょっぱなで人柱になって、そのシーズンが終わる直前まで真っ白な灰状態が確定なんですよ? もうスタートからゴールまで、おはようからおやすみまでずっと人柱。ライオンの製品じゃないんですよ、彼は!

 特にジェロニモ推しのファンにとっては悪夢だと思うし、心中察して余りあるんですよ。ですので、どこかで救済措置を用意してほしいなあと思いますね。

派閥分裂について

 今回のジェロニモ人柱展開によって、リアル・ディールズの派閥分裂という方向性は、現実的ではなくなったように感じます。

 それくらい彼が残ったメンバーに託した想いは大きいし、しかも尊いものです。それだけに、託された側が仲違いをしているような展開は、興ざめ以外の何物でもありません。

 ですので、ザ・マン軍とザ・ワン軍は大同団結しか選択肢がないのではないでしょうか。

 ただしワンマンズの戦略上、軍勢を二手に分ける可能性はあります。二方向から進軍をするという戦略において、便宜的なグループ分けを行うのです。

 これだったら一致団結したマインドかつ、新鮮な人員配置を演出することが可能です。その流れでロビンマスクがザ・ワンの近しいポジションに収まる、なんてことが実現されるのかもしれませんね。

 もちろん、その二つの軍がピリピリとした緊張関係をもちながら独立志向で動く、という演出はできなくなりますけどね。

その他気になった点

 その他気になった点は

  • ザ・ワンのバックショットからの表紙、カッコいいな。
  • 最終点にザ・マンがドーンといるのがまたいい。
  • アメーバみたいなピース。
  • ピースは「土」「キ」型が多い(笑)。
  • …あれ? 片目出しのネプがだんだんイケメンに見えてきた(笑)。
  • サンシャインのミイラ顔は、表情表現の中でも屈指だと思う。
  • ジェロニモのジャンプを見てマリオを思い出した私を許してください(苦笑)。
  • 光線の照射、砲の移動等のオペレーションは誰がやっているのだろうか。
  • バッファローマン「オレ…ただの背景になってない?」
  • 怪鳥「クエ~ッ、クエ~ッ」

 こんなところですかね。勇気ある行動をとったジェロニモについて、復習をしたい方はこちらをどうぞ。

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コメント

  1. ( 雨) より:

    更新お疲れ様です

    割とすんなり欠片が集まったのはちょっと拍子抜けでしたね
    もうちょっと押し問答があるかと思いました

    抜けている欠片に関してですが、マンの欠片はネプが出発時に渡されているので、行方知らずなのは刻の神分の1つだと思います

    ジェロニモの自己犠牲の精神はテリーマン以上な気がします
    ワンマンズも(そこまでしろとは言ってない…)と思ってそうです

    • アキラ アキラ より:

      ( 雨)さん、こんにちは。

      私もリアル・ディールズのあまりの素直さに拍子抜けしてしまいました(苦笑)。
      ただ彼らは天界の有様を見て、ザ・ワンの提案ごもっとも! と感じてしまったのかもしれません。また、あのバッファローマンが弟子入りするくらいだから、ザ・ワンは信用できると思い、素直にピースを手放したのかもしれませんね。

      そして…ザ・マンのピース、ネプへの移譲はすっかり忘れていました…お恥ずかしい…ご指摘ありがとうございます。

  2. uzuki より:

    ジェロ、まさかの人柱
    考察通りたぶんストーリーの演出装置となりそうだから
    可能性はほぼゼロだろうけど次回ワンかマンのどっちかがジェロを助け出さないものか
    そんでヘボ牛さんはいったいいつ復活するのか

    • アキラ アキラ より:

      uzukiさん、こんにちは。

      ジェロニモ、せつない役割になりますね…おっしゃる通り、なんとか助けてほしいですね…

  3. 下等超人 より:

    このままジェロニモが離脱しなかった事を考えればスムーズに理解できる思いますよ。
    レインボーシャワーなんか打てる超人がいたら刻の神と一緒に出てくる敵さん達もたまりません。だから退場かなと想像します。
    夏のGI実は同着じゃなく1番の人だけ鼻差で負けてません?w

    • アキラ アキラ より:

      下等超人さん、こんにちは。

      たしかにおっしゃる通り、レインボー特性はチートではありますよね。見せ方を誤ると、作品がしらけてしまう可能性も高いです。
      そして…ニンゲンダカラだけ、たしかにハナ差で負けてますね(笑)。

  4. MK より:

    ジェロニモについて、カピラリアの破片を回収されたらどうなるのだろう?と思っていましたが自身がピースになって塞ぐことは考えてませんでした。

    ですがこれはこれでジェロニモらしいと思いましたし、後に神の手によって復活できそうなので良かったと思います。
    カピラリア光線が発射されて鍵穴をふさぎましたがカピラリアの威力がそれほど強くなさそうな描写でしたので全てのピースではなかったから鍵穴を塞ぐにとどまったのかな?と思いました。

    • アキラ アキラ より:

      このシリーズが終われば復活する可能性がありますね。でもその間ずっと活躍できないのは…(泣)。
      たしかにカピラリア光線の照射表現、そこまですごくなかったですよね。最大出力なのに(笑)。

  5. 式部省 より:

    ジェロニモの体のいい退場はまあいいんですけどリアルディールズの面々は随分冷たいですね。
    ロビンとウォーズマンは同じ正義超人だし、ネプチューンマンは王位争奪戦で共闘した仲なのに全然気にかけていませんからね。
    サンシャインが生きていたら餞の言葉くらいかけてくれたんでしょうか。

    • アキラ アキラ より:

      ジェロニモの「なら大丈夫だ」という汚れのない目に気圧されてしまったのかもしれませんね。
      特にアシュラマンは正面切って純粋ビームを食らってしまいましたからね…

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