高硬度の素材で全身をコーティングし全身凶器と化したウォーズマンの鋲を粉砕したペシミマン。だがウォーズマンも硬度の壁を打ち破らんと渾身のスクリュー・ドライバーを仕掛けた——!!
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技名の威力
最終戦闘モードでの二刀流ベア・クローを駆使したスクリュー・ドライバーを放ったウォーズマン。この技を

スクリュー・ドライバー改!
サイクロン・ドライバーッ!
と命名し、その一矢に全身全霊をかけます。
サイクロン・ドライバー…やばい、技名が思いのほかカッコよくて、これだけで気分がアガっている自分がいる…(笑)。
いや、確かに前回の引きで

ウォレッガーさんかい? 早い! 早いよ!
と、奥の手を先出しした展開にとてつもない不安を覚えた私ですが、この『サイクロン・ドライバー』という名称だけで

あれ!? これひょっとしてイケる??
と思ってしまったことは秘密にしといてください(笑)。いや~、名前の持つ威力ってすごいな。それだけで希望が見えてくる。
口の中をヤケドさせる超人
そんなロボ超人渾身の一撃に対するもう一方のロボ超人は

ニキニキ賭けに出やがった、面白い!

そのギャンブル、乗ってやろうじゃねぇか~っ!
と相手の心意気を全身で受け止め、真っ向対抗。ウインドミルを使った高速回転からの蹴りで、こちらもサイクロン状態で応戦します。
ペシミマン…君って…気持ちのいい男だな。姑息な面がまったくないよ。ホント、見かけはクールな破滅主義者だけど、中身はアツアツじゃないですか。冷めたたこ焼きだと思ってパクついたら、中身めっちゃ熱くて口の中を思いっきりヤケドするレベルだよ!
もうね、相手がこんなにも気持ちのいい受け止め方してくれて、それで力負けするんだったら…ちょっと仕方ないかな、なんて不覚にも思っちまいましたよ(苦笑)。

いやいやいや、ダメよ~、ダメダメ。そんな甘いこと言っちゃダメダメ(笑)。今回はウォーズマン、必勝なんですから。絶対に勝ちをもぎ取るんですから!
そんな二つの竜巻は、ボクシングのクロスカウンターのように正面から大激突。ウォーズマンのスケールベア・クローのリーチとペシミマンのカポエイラ式キックのリーチ、どちらがより大きな衝撃を与えられるのか…でもシルエットとなったそのシーンでは、いまいちその判別がつきづらい。
解説のザ・マンリキも

この勝負…勝ったのは…⁉
と、ヘリの中から固唾を飲んでその結果を見守ります。相変わらずインカムを口元に寄せづらそう(笑)。
そんな緊迫した中ページをめくると…ああ~っ、わずかにペシミマンのリーチが長く、ウォーズマンのベア・クローは数ミリ届いていない!! ここでペシミマンは

このギャンブル、オレの勝ちだ
と勝利宣言。
そしてペシミマンのカウンターを食らったウォーズマンの装甲は砕け散り、ファイナルトランスフォーメーションモードの実質的解除と共にダウンを喫するウォーズマン。その眼からは光が消え、リング内にはダウンカウントがこだまします。
これは…終わったかな…やはり五大刻超えは難しかったか…いやいや、まだだ。まだ終わらんよ! まだダウンカウントの最中で、ゴングは鳴っていないんだから…! と、必死で自分を鼓舞する私…皆さんだってそうだったでしょ(泣)?
好感度ダダ上がりの男
そしてこのダウンカウント中に、ペシミマンは自身の思想を口にします。その内容が…かなり聞かせるものでした。順を追ってみていきましょう。
まずは遠吠えをする狼のような岩壁に向かって口にした一言。

この装具は失敗だったな。
あそこのクソ所長どももさぞかしガッカリしているだろう
と、狼の部屋のプライドを、ズタズタに引き裂きます。これが…実はけっこう痛快でして。正直これを聞いた瞬間、

ペシミマン、ありがとう…
ってな感情が芽生えてしまったんですよ。というのも、このセリフに彼がウォーズマンを慮っている気持ちがヒシヒシと感じられたからなんです。要は彼のセリフの裏に

テメーら、よくもオレのダチで遊んでくれたな
という心情が見えてしまったんですよ。
たしかにこの最終戦闘モードは、ウォーズマンの危機を結果的に救ってくれました。ただその力は彼の意思を度外視して組み込まれたものであり、いうなれば同意なしのモルモット能力だったわけです。
だからこそ彼はその扱いに涙を流したわけだし、その気持ちが痛いほどわかったペシミマンが、その非人道的な行為をした相手を痛烈に罵倒したようにも思えるんですね。
もちろん実際はそんな個人単位でのセンチな気持ちはまるでなく、単にロボ超人をモルモット扱いすることに憤慨するという、全体的な視点で彼らを罵倒したにすぎないのかもしれません。
ただ…私には彼がウォーズマンをかばっているように見えてしまったんです。そしてそこにまた、彼の魅力を見つけてしまったんですね。

そして彼は続けて

でもそれでいい…人を平気でオモチャ扱いするヤツらは全員失意に暮れればいい
と、自身の溜飲が下がったと感じられる言葉を口にします。
先ほど私はウォーズマンのことを“モルモット”と表現しましたが、彼はそれを“オモチャ”と表現しました。このあたりの感性の類似もね…

ああ…ペシミマンは私と同じ気持ちを持っているのかも…
というシンパシーを感じてしまったんですよね~。これでまた彼の好感度がアップしてしまいました。
ペシミズムを地で行く男
さらに彼は自身の思想を主張します。

だからオレは神が嫌いだ
これ…けっこう衝撃的な一言ですね。というのも、彼は刻の神の側近である五大刻の一人であるため、我々は彼らが刻の神に心酔していると、盲目的に理解していました。それなのに、まさかの神否定。
これにはダウン中のウォーズマンも思わず

神…だと?
とピクリと反応。それくらいこの発言は衝撃的でした。と同時に

おっしゃ、ウォーズマン、まだ意識ある…!
と、まだ試合終了に至らないという兆しがうっすらと見えたことに、私の心が躍り始めます。
そしてペシミマンは神否定の理由を、以下のように続けていきます。

そうさ、オレも含めて超人なんてどいつもこいつも今のお前と大差ない

超人はみ~~~んなヤツらのオモチャさ

おかしな容貌でこの世に生まれ、人間どものような暮らしもできず、誰もがこの地上でもがき苦しみ生き続けている
…名前の通り、すごく厭世的な思想ですね。これこそがまさしくペシミズムです。一体全体、彼は今までどのような人生を送ってきたのか…!
時間超人とは
ここで私、確信しました。彼ら五大刻は、生まれたばかりの超人であって、生まれたばかりの超人ではない、ということを。
…何を言っているかというと、
彼らにはモデルの超人がいる!
というもので、基礎となるモデル超人が刻の神の特殊能力によって、時間超人として再生してきたという考え方です。そして…彼らには再生前の記憶が残っている場合があると。
イメージ的には『HUNTER×HUNTER』の幹部キメラアントです。ほら、人間のころの記憶がうっすらと残っていたキメラアント、いたでしょう? それに近しい状況なのかな、と。
でないと今までペシミマンが語っていた経験談の辻褄が合いません。その場合、ファナティックはやはり…ではないかと。そして彼は記憶が残っていない方のキメラアントなのかもしれません。

いや~、私は前に
ファナティックタイムリープ説
を激推しし、ファナティックが魔時角を折って過去に戻り、記憶を失ってザ・マンに仕えたのがサイコマンであるとの予想に激しく賛同していました。
しかしここにきて、それが少し揺らいできてしまいました。もちろん上記の説はとても面白くて美しい展開なので、今でも推したいです。ただ今回のキメラアント説もかなり捨てがたいかな、と。
もしこのキメラアント説が正しいのであれば、ファナティックがジャスティスマンとネメシスを生け捕りにしたのも、すごくきれいに説明がつくんですよね。刻の神はキメラアントの女王のように、既存の超人を繭に入れて、新たな超人として再生させる能力があるのかな、なんて。
そしてそれこそが、ザ・ワンマンズが憂慮していた

刻の神は禁断の超人製造術を復活させた
につながると思うんです。
そう、刻の神は超人を新規製造するだけではなく、素材となる超人をパワーアップさせて再生製造するという、タブーの上にさらなるタブーを掛け合わせたものに手を出してしまったのではないかと。
つまり刻の神軍は新規超人と、再生超人の混成軍なのかなあと。エル・カイト、ドミネーター、ガストマンなどは新規超人で、ファナティックやペシミマンが再生超人、みたいな。そんな想像が一気に膨らんでしまいました。
He is Pessimiman!
では神を否定するペシミマンが、なぜ刻の神の側近として働いているのか。その理由がまた衝撃的でした。

神が嫌いだからこそ、全ての神と袂を分かち、超人という哀しみと矛盾にあふれた存在全てを無に帰そうとしている“刻の神”にオレは付いた

ヤツも神のひとりではあるが、それでも神の中では一番マシだ

どうせなら気に入ったヤツのオモチャになって、この世の終わりを見届けてやる。
それがオレの時間超人としての矜持! 最後に残ったなけなしの自我ってやつだ
なんとも凄まじき負の方向への達観! そして世捨て人としてのマインド! まさにペシミマン!! ここまで思想と名前が一致しているキャラクター、久しぶりじゃないかな?
彼にとって、コワルスキー長官たちと神々は同列なんですよ。弱者をオモチャにする方向性が一緒という意味では。そのスケールの大小が違うだけで。そしてスケールの小さい方には、自分の力で叩きのめすことができるけど、スケールの大きな神々には抗うだけ無駄だと達観しているわけです。
いやはや、なんとも徹底した矜持を持っていますよ、彼は。そしてその理屈、理解できなくもないところがまた手に負えないというか。
だって誰だって自分の境遇や世の中を悲観したことってありますもんね。明らかにマイナス方面なんですけど、共感はできてしまうんですよ。自分の力じゃどうにもならないでしょ、みたいな(苦笑)。
ある超人との比較と光明
そしてこのようにシラけた気分で神嫌いを標榜する彼を見て、私はある人物を思い出してしまいました。それは
オメガマン・アリステラ
です。
彼もまた神(ザ・マン)の気まぐれ(と彼は感じていた)によって一族を窮地に貶められたため、神々に対して大いなる敵意をもった人物です。
そして彼は、その恨みを“神超え”によって晴らそうとしたわけですね。それがいわゆる『オメガ・ケンタウリの六鎗客編』だったわけです。
つまりアリステラとペシミマンは、ともに神に対する憤慨を抱きつつも、その対象に対して
- アリステラ…反抗してアイデンティティを再興する
- ペシミマン…隷属してアイデンティティを消去する
という、真逆のアプローチを採っていることに気づかされるのです。

ただこれに気づくと、一筋の光明が見えてくるんですよ。それは神嫌いの先輩(笑)であるアリステラが、フェニックスやソルジャーと闘うことで分かり合い、スグルとの“友情の握手”を通じて別の価値観に開眼し、完全にわだかまりを解消したという事例です。
つまり“神嫌い”の思想を激変させたという実績が過去にあるので、今回もやりようによってはペシミマンの悲観思想も氷解させることができる、という算段が立つのが光明だと思うんですよね。
しかも相手は言うほど刻の神に心酔していないときている。それどころか

ヤツも神のひとりではあるが、それでも神の中では一番マシだ
という、かな~り緩いフックでの結びつきなわけです。裏を返せば、彼は状況的には宗旨替えをさせやすいとてもイージーな相手、ともいえるのではないでしょうか。
つまりはそんな相手に対し、

キミの悲観をクリアできる希望があるよ!
とプレゼンし、それが彼の腑に落ちればよいわけです。そうすれば我々が望んでいる

ペシミマンを刻の神軍から一本釣り!
という展開も夢ではないと。
では彼を誰が釣り上げるのか。決まってるじゃないですか。ニコライ君ですよ! ニコライ・ボルコフがそれをこれからやるんです! もうね、ダウンしている場合じゃないでしょ、これ(笑)!
倍率ドン⁉
そして一通り自身の矜持を語ったペシミマンは、

なあウォーズマン、お前ならオレの気持ちがわかるだろう?
と振り返り、ダウンしているウォーズマンに同意を求めますが…なんとそこにウォーズマンがいない! 忽然と姿を消したウォーズマンは、実はペシミマンの背後に向かってジャンプしていました。
さらにペシミマンの同意の要求については

わかるわけにはいかない
と、完全にそれを拒否。そのままペシミマンの背中に馬乗りのように着地すると、両脚で相手の両脚をロック。さらに両腕をチキンウイングに絞り上げるこのムーブは間違いなく…伝家の宝刀、パロ・スペシャル!!
出たーっ、電光石火の最終フェイバリットがついに炸裂! これに対してペシミマンは、

ニキキ…お前も懲りん男だな。この技なら…
と、序盤の『ブラッケンド・オーバーラーダー』から脱出した方法、つまりファイヤーバードを発射することで技から逃れようとしますが、それを読み

無駄だ!
と上から強烈な圧をかけて不発にしたウォーズマン。おかげでペシミマンの両腕は、“グシャ”という音とともに、デフォルトより内側にめり込ませられることに。
これは前回の逃げパターンは通用しない、という理屈よりは

お前はさっきのコーティングでファイヤーバード内の備蓄エネルギーを大量消費した
という、燃料不足による非ベストエフォートという理屈のようです。いずれにせよ、相手もエネルギーが枯渇したという認識により、ウォーズマンは

今のお前ならパロ・スペシャルは通用する!
と、自身のフェイバリットに自信を見せます…え~と、自身の自信ってシャレではないですよ? 偶然です(苦笑)。
一気に不利な体勢となったペシミマン。しかし彼はまったくもって動揺しないんですよ。

ニキニキ、オレの秘策を逆手にとったこの反撃、見事だウォーズマン

じゃあオレも突っ張るしかねぇなぁ。自慢の秘策に倍プッシュだ!
と、このピンチに飄々と抗おうとするんです。
なんだろうな、超人という種の境遇にはめちゃくちゃ悲観的なくせに、闘いについてはまったく悲観的じゃないんですよ、彼。もっと悲観してよ、もう。パロ・スペシャル食らってんだからさ(苦笑)。
どちらかというと、このピンチを楽しんでいるかのようです。さすがは五大刻の中のサイヤ人。

へへへ…でもよ、こんなやばいときだってのにわくわくしてきやがった……!
ってやつですよ(笑)。私は以前に“彼は闘いに関して純真”と考察しましたが、これでまたその考察がより堅固になったような気がします。
そしてやはりこの期に及んでも彼のワードチョイスや言葉遣いがたまらなく魅力的です。

じゃあオレも突っ張るしかねぇなぁ
もお~っ、飄々としてかつニヒルなんだから~っ! 突っ張るってアンタ、どこの高校よ(笑)! 嶋大輔か!『男の勲章』なのか! たった一つの勲章なのか(笑)!

自慢の秘策に倍プッシュだ!
なんだよ、突っ張ってるくせにそのかわいい言葉遣いはっ! “倍プッシュ”ってなんだよ! 通っている高校で流行ってるのか! それとも“倍率ドン! さらに倍!!”ってことか!『クイズダービー』か!『クイズダービー』なのか(笑)!

こんな感じで、めちゃくちゃ緊迫した場面なのにツッコミの嵐でしたよ、もう。でもツッコませてくれる彼がなんとも憎めないというか。逆に愛らしいというか。どんどん好きになっちゃいます(笑)。
そんなステキな彼が繰り出した倍プッシュの正体は…ドロドロとしたさらなる粘液の放出でした。それを今度は自分ではなくウォーズマンの方にまとわりつかせて次回に続く、です。
つながり成長する闘い
さあ、とうとう最後の攻防に差し掛かったという感じでしょうか。このパロ・スペシャルをめぐる攻防の優劣で、二人の勝敗が決まるのでしょう。
ただこの状況を作ったのは、ダウンしていたはずのウォーズマンが、“神”というキーワードに反応した途端にフィジカルが復活したからです。ここはね、やはりフィーチャーせずにはいられないですよ。
ではほぼKO状態だった彼をここまで突き動かしたモノは何だったのでしょうか。それは、

気に入った神ならオレにもいる

維新の神オニキスマン。
この試合前あんたと出会えたことの意味を、オレはこの男にぶつけてやりたい!
という願望をもって、ペシミマンの心のドアをノックしたいという使命感だったのだと思います。
つまり死に体だった彼を突き動かしたのは、オニキスマン戦で得た彼の矜持、ということになります。ひいてはそれはオニキスマンの教えでもあり、オニキスマンが彼を救ったともいえるでしょう。
これがね、もう本当に胸熱くて。つながっているんですよ、ウォーズマンの闘いというのは。ただ漫然と立ち塞がる敵を打ちのめすだけではなく、次につながる教えや経験値がふんだんに盛り込まれているんです。

つまりそこには“成長”という目に見えない描写が、しっかりと刻み込まれているんですね。さらにはそれらをきちんと物語として展開させるゆで先生の手腕…もうお見事というほかはないでしょう。見ていて本当に心地いいです。
そしてこの状態こそが、前述したニコライによるペシミマンの一本釣り開始のゴングでしょう! ここで彼はオニキスマン戦で学んだことをペシミマンに全部ぶつけて、

キミの悲観をクリアにできる希望があるよ!
という世界線を納得させ、腹落ちしてもらうに違いありません。そこではきっと、

おかしな容貌でこの世に生まれ、人間どものように暮らしもできず、誰もがこの地上でもがき苦しみ生き続けている
というような境遇すらも

すべては使う者の心がけ次第…ならばオレはそれを誇るべき強みにしたい
という前向きな思考に変換すべきだと、ペシミマンに強くプレゼンするのではないでしょうか。
そしてその思想戦が、パロ・スペシャルの攻防に乗っかった形で展開するのではないでしょうか。パロ・スペシャルの攻撃、ファイヤーバードの粘液。この二つのせめぎ合いが、そのまま二人の思想のせめぎ合いとなるわけです。
そしてもちろん勝つのは…ウォーズマンですよ。その勝ち方がパロ・スペシャル・ジ・エンドなのか、それとも新しく改良された変形パロ・スペシャルなのか。それこそOLAPを彷彿とさせる、激アツなパロ・スペシャルなのか。
もしOLAPだとしれば、またSNS界隈はお祭り騒ぎになりますね、きっと。でもそんな展開を期待しちゃってる自分がいますよ、ホント。
超回復問題について
あと懸念すべき点は…問題の先送り状態となっている、ペシミマンの“超回復”ですかね。これがある限り、どんなに大きなダメージを与えても勝てないですからね。
でもですね…実は私、これまでのペシミマンの言動を見て、

彼はあえて超回復を使わないのではないか…?
と感じてきているんですよ。
というのもですね、先ほど書いたように、彼は闘いに関してものすごく純真なんですよ。そしてリアクションは竹を割ったように気持ちがいいし、姑息面がまったくない。つまり彼の戦闘スタイルと、チートすぎる“超回復”が両立しないんですね。
ですので、パロ・スペシャルによって仮にペシミマンが大ダメージを受けたとしても

超回復なんざ使わねぇぜ、オレは

なぜ⁉

別に。嫌いなんだよ、アレ。ズルいだろ
と飄々と口にして、敗北を選ぶような気がするんです。それくらい精神的に気高いキャラクターだということです。
これが現実となったら、ペシミマン、めちゃくちゃカッコよくないですか? もしそうなったら私、一生ついていきますよ、ペシミ兄さんに(笑)!
でもって使える能力を嫌いだからとあえて使わない、ニヒルで尖ったキャラクターが誕生するわけですよ。これもまたキャラメイキングとしては、とても効果的で魅力的な演出になると思いませんか?
しかもこの展開の利点としては、仮に記録上はウォーズマンが勝利したとしても、そこには

だが超回復能力を使われていたら、オレの負けだった
という、ペシミマン勝利の世界線のマージンを伴った注釈が併記されることになり、ペシミマンのキャラの価値が落ちないんですよ。
そしてその注釈は、ウォーズマンとペシミマンとの誇り高き闘いの絆を思い出させる一文として永遠に可視化されるわけです。そう、それこそがニコ&ニキの“&”の役割を担うという、無限の可能性を帯びているわけですよ。

もしそんな展開になったとしたら、私的にはもう100点満点ですね~。
その他気になった点
その他気になった点は
- いつもながらその場で技名をひねり出す超人たち。アドリブ力強すぎ(笑)。
- 二人とも三半規管が強いのかな?
- 技を出し終わった後、二人してゲ○吐いていたらどうしよう(笑)。
- ○ロでつながるシンパシーが発生したりして(笑)。
- ニコ&ニキじゃなくて、ゲ…ごめんなさい。調子乗りました(苦笑)。
- 二人の風圧で影響を受けて揺らぐヘリ。
- マンリキさん、恐怖でアワワしなくてよかった(笑)。
- ウォーズマンはビッグブーツをカウンターで食らった感じかな?
- 嶋田先生「中井くん、描くのだいぶ楽になった?」
- 中井先生「ありがとう、相棒! 本当にありがとう!」
- ベア・クローが一本だけ残るのは、ポーラマン戦を彷彿とさせる。
- あの一本が、最終的な勝敗を握っている可能性もあるなあ。
- 相変わらず禍々しさを感じさせるノックのダウンカウントフォント。
- ワ~ン、ツ~。ヨレヨレ(笑)。
- 憔悴しているだろう、三バカトリオも見たかったな(笑)。
- 天を指差すペシミマンのポーズは、FMWにいたサブゥーを思い出す。
- ペシミマンは悲哀を感じさせるな…。
- ペシミマンの身の上話の間は止まるダウンカウント。
- 「ン?」ってかわいい(笑)。
- 「貴様…いつの間に?」って、かなり時間を与えてましたぜ、兄貴(笑)。
- ペシミマンの手首は太くて持ちづらそうだ。
こんなところでしょうか。ウォーズマン、もう少しだ。頑張っておくれ。
お知らせ
超人批評のご案内
超人批評では新作がアップされております。今回は99回目の超人批評にあやかり、99の数字を胸に刻む男・スペシャルマンの再批評です。
オレ流超人批評というコンテンツにおいて、初めて世にヒットした『カナ・スペ』。当時は彼らに対するディスりがメインのテキストだったので、今回あらためてフラットな視点で彼を再批評してみました。ご興味ございましたらぜひどうぞ。
そして今回もちょろっと登場してくれた、解説のザ・マンリキさんを復習してみたい方はこちらをどうぞ。
現役時代の彼の考察を、ふんだんにまとめておりますよ。
アニメ・キン肉マン感想のご案内
さて、2025年1月12日より『アニメ・キン肉マン 完璧超人始祖編』のSeason2が始まりました。それについての感想も書いてみましたよ。
今回は第19話『鋼鉄の不沈艦!!』です。
第19話では、ロビンマスクの前半生を描いた質の高い回想シーンが堪能できます。同時にネメシスにゴキブリと蔑まれた彼が、ゴキブリ上等で現在の矜持を真摯に語るシーンがとても熱い! まさにロビンんのカッコよさを堪能せよ、という回になっています。
そしてこれを機に10年以上前の原作連載時の感想も蔵出し! 当時の私がどんな的外れな予想をしていたのかを晒すことで、時代を超越した笑える感想となっております。ご興味出た方はぜひ↓。
キン肉マン以外の雑文のご案内
キン肉マン以外でも興味深いコンテンツを探している方はこちら↓なんていかがでしょうか。
光栄の名作ゲーム『蒼き狼と白き牝鹿・ジンギスカン』の思い出語りです。“オルド”という伝説的なシステムを採用したがために、全国の思春期男子学生たちが

お、お、お~~~~っ!
となってしまった(笑)タイトルを、その壮大さも含めて考察しております。あの当時の甘酸っぱい記憶を振り返りたい方はぜひどうぞ。
新刊のご案内
そしてコミックスは4月4日に、最新刊88巻と『読切傑作選2015-2023』が同時発売! 表紙も公開されました!

ペシミマンの公式カラーが本邦初公開ですね。そして読切はウルフマンやカレクック、そしてキン肉バスター誕生秘話も収録されている模様。これは盛りだくさんで楽しみです。 それではまた。



コメント
アキラさんこんにちは
今回のオメガマン・アリステラとの関連に関しては納得させられました。
ペシミマンのもう一つのモチーフではないかと個人的に思ったのが、
ペシミマンはウォーズマンのifの姿、もっと具体的に言えばザ・ビッグファイトでキン肉マンを破り、勝利していたらこんな感じになっていたんじゃないかと言う点でした。
当時のバラクーダはロビンファンには申し訳ないですが、アレな所もありましたし、ウォーズマンも孫のいる死刑囚を残すなど、バラクーダに反発している所もありました。
しかし、30分の制限時間がなく、あのままウォーズマンが勝利していたらどうなっていたか?
ウォーズマンはバラクーダに内心反発しつつも、優勝させてくれた恩人であり、古巣の所長達よりマシだとして、そのままバラクーダの弟子というか、部下をやっていたように思えて仕方ありません。
そう言う意味ではペシミマンはもう1人のウォーズマンと言えるのではないでしょうか。
タロウさん、こんにちは。
ペシミマンがウォーズマンのifであるとの考察、興味深いですね。
実は私はターボメンの超人批評で似たような考察をしておりまして、ターボメンが正義超人たちのような友情パワーを受けずに育ったウォーズマンの姿、との持論を展開しております。
ただもしウォーズマンがスグルに勝っていたらどうなっていたのか…そのifは想像したことがありませんでした。たしかにバラクーダはそのままつけあがり、ファイトスタイルを変えずに間違った方向を突き進んでいた可能性はありますね…。
ペシミマンが一気にペシミマンに!
超人である事に絶望し世界を壊したいから刻の神につく
しかも再生超人説だと今からは想像もつかない初登場時のダウナー状態にも合点が良く
何がしかがあって超人の生から解放されたのに時間超人として再生されちゃあやってられないですよ
バトルジャンキーなのもそれの憂さ晴らしもあったりして
そしてそれゆえに未来を託されたニコは負けるわけにはいかなくなりました
超回復はパッシブっぽいのでペシミマンの性格上使わないもあり得ますし
次回とうとう勢力図が動くのか!?
そう言えばゆで先生、ペシミマンの人気ぶりにちょっと戸惑っている感じでしたね
いやあれだけ魅力的なキャラを無自覚に描いてたんすか嶋田先生?ってなりましたよ
パッシブじゃなくてアクティブでした
uzukiさん、こんにちは。
ペシミマン、思った以上にペシミストでびっくりしましたね。神々に翻弄されることへの嫌気が彼の破滅主義の源泉っぽいのですが、そうじゃないよってことに目が覚めれば、仲間になりそうな気がします。
嶋田先生、無自覚なんですかね(笑)? もしそうだとしたら天才ですよ、やはり(笑)。
感想、お疲れ様です。
ペシミマン、ロボ超人だけでなく、超人そのものにペシミズムを感じていたとは驚きでした。
私もてっきり、刻の神の強烈な信者と思っていましたが
アキラさんが言及していた様に、より俯瞰的に物事を捉えていたんだなと
神々に、奇妙な形態で創られたというセリフで真っ先に思い出したのがジャンクマンです
超人批評で語られてましたが、あのジャンクハンドは不便なんてものじゃりませんからね
彼からすると本当にふざけんなよと、せめてアタッチメント式にしろと、モニターの向こうで激しく賛同してるのではないかとw
あるいはザ・マンが超人作成法を封印したのも、超人パワーの濫用だけでなく、そのような粗製乱造が原因の一つだったのかもと想像してしまいます
今回は本当にウォーズマンに勝って欲しいですね
オニキスマン戦で得た、ロボ超人としての新たな知見
それに邪悪神みたいな身勝手な連中ばかりじゃなく、本当に超人たちの事を考えている神々もいるんだと伝えて欲しい
ペシミマンの至った絶望とウォーズマンの示す希望
その思いの深さのぶつかり合い
…ペシミマンがここまで深く掘り下げられたキャラなので、ちょっと不安が拭えないんですよね
オレもモニターの向こうで激しく賛同しているぞ!
ペンチマンも相当ペシミズムを抱えていそうです(笑)。
奥多摩さん、こんにちは。
そう、本当に名が体を表していてびっくりでした。そして狂信者でないことにもびっくりで。かなりいろいろと自分で考えて、自分の選択肢で生きる超人ですよね。今は破滅思考ですが…。
ジャンクマンは自分の体について、文句を言ったことがあるんですかね(笑)? あとペンチマンもそうですよね。彼らがもし神々による粗製乱造の結果なのだとしたら、ちょっとかわいそうです。まるでファミコンブーム真っ盛りの時代の、玉石混交のソフト開発みたいで(笑)。
そしてペシミマンがこのような思考である以上、やはりウォーズマンの役割が重要となってくると思います。ロボ超人の中ではトップクラスに高潔な彼が、絶望を希望に変える役割を担う。実はこの試合のテーマはこれなのではないか、とも思えてきました。
アキラさんこんにちは
今回は大和魂1本勝負的な真っ向勝負ですごくいい試合展開だなと思っていたのですがペシミマンの出自の謎の方が気になってしまいました。アキラさんの考察通り元になった超人がいたのか?創造してから偽りの記憶を植え付けたのか?色々考えてられますね!
自分の予想は(全然当たりませんが…)
ペシミマンの回想では天界の神々に謁見してるようなので何か特別な立場の超人なのかなって思いました。徳川御三家のように神に欠員が出たら補充されるとか、もしくは天界と神々を守る神の騎士団みたいな組織があり元その一員なのかなとか妄想してます。調和の神が五大刻を知ってるような言い方をしたのも面識があるからなのかなと思います。そして超回復を使わないのも彼の性格もありますが、そもそも使えないのではないでしょうか?
世界を崩壊させた後、未来にとんで世界を創世する気がないのも未来に行けないから、つまり彼は時間超人ではないと予想します。
(まぁ、そんな事はないと思いますが…笑)
アトールさん、こんにちは。
今回の話で感じたのは、いろいろな出自方法の時間超人がいるのかなあ、ということです。けっして単一的な過程ではなく、キャラによってさまざまである、というか。それによってキャラごとにバラエティ豊かな思想やポジションがあてがえるので、作品的にはこの方がいいのかもしれませんね。
アトールさんの予想も興味深いですね。神を守る騎士団というと、完璧超人始祖がそれにあたるのかな、と。そして各神ごとにそんな構図があるとすれば、世界がまた一層広がりますよね。