第71回 ザ・マンリキ

オレ流超人批評
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両肩に巨大な口金を備えた工具超人。相手を締め付けるレバーハンドルは、実はとんでもない力を秘めていた? さらにはそのレバーハンドルと彼の名前の相関性も明らかに!?
出身 スウェーデン
超人強度 721万パワー
必殺技

スクランブル・バイス

主な戦績 アレキサンドリア・ミート○
ウォーズマン●

シレっと登場超人

 彼は『キン肉星王位争奪編』において、ゼブラチームの先鋒として初登場しました。

 この王位争奪編で初登場をする超人というのは、大概フード等を取り去って、ジャジャーン! と登場するパターンが多いです。

 そりゃあね、読者に対してドーンと目立って自身をアピールした方が、インパクトは強いですからね。そうしたいですよ。

 しかし彼はカメラがパンしたときには、すでにミートをいたぶっているシーンの一コマでシレっと登場するという、なかなかに地味なデビューをしています(苦笑)。

 これは次鋒のモーターマンも同様でしたので、ゼブラチームとしてはゆで先生に

ちょっと…演出方法で他チームとの差が激しいのではないのか?

と、苦情の一つでも言いたくなるような、雑な扱いのデビューだったと言えるでしょう。

フォルム

 そのフォルムは、工芸で使用される“万力”をモチーフにしています。

 皆さんご存知の通り、万力は部材を固定して作業をしやすくしたり、接着面を圧着したりする工具です。

 おそらく超人募集に応募した投稿者は、技術家庭科の授業のときにでも、モチーフとしての利用を思いついたのでしょう。

 ひょっとしたら実習で部材を挟んだはいいものの、締め付けに力を入れ過ぎて、その部材を破壊してしまった経験があるのかもしれません。

 そしてそんな万力の持つ、強力な圧力に魅せられて、

これで敵を挟んで…

グリグリグリと…グフフフフ…

なんて想像を巡らせていたのでしょうか(笑)。

 さらにはそのときのニヤけ顔をクラスメートに見られて

…どうした!?

なんてツッコまれたりした、恥ずかしい思い出もあるのかもしれません(苦笑)。

 ただこのザ・マンリキ、口金の部分がえらく長い仕様になっています。例えるならば、クワガタの大アゴでしょうか。

 これは中井画伯のアレンジだと思われるのですが、秀逸なアレンジでしたね。マンリキの体が大きく見えることに加え、凄味の効果も増しています。

 また“超人を挟む”という点においても、これくらいのスペースは構図的にも必要で、この“大アゴ型”バイスは、攻撃における合理性と、彼の象徴たるフェイバリットの強調を同時に満たしていたといえるでしょう。

 その他、個人的に

何気に細かいなぁ

と感心したのが、彼のコスチュームです。

 彼の出身地はスウェーデンなのですが、それはスウェーデンが“木工の国”といわれるほど、木工が盛んであるからだと思われます。

万力=木工器具=木工の国=スウェーデン

という連想ゲームが働くからでしょう(笑)。

 しかしながら彼のコスチュームは、アメリカ西部のカウボーイが着用するような紐付きのチャップス(革製のズボンカバー)に見えます。

 ですので、彼のスタイルを見ては

なんでスウェーデンの超人なのに、スタイルはアメリカ西部なんだろう?

と、この統一感のなさにずっと違和感を感じていたのですが、先日やっと理由がわかりました。

 とっくに気づいている方もいるとは思うのですが、あれってスウェードファッションだったんですね。そう、皮革を起毛させた茶色いアレです。

 スウェード加工の技術はスウェーデン発祥なので、マンリキのあのファッションはその出身地と見事にリンクしていたんですよ。

 いやホント、それについ最近気づいて、考案者のデザインへのこだわりにあらためて舌を巻いた次第です。気づくの遅いかな(苦笑)?

ファイトスタイル

 ファイトスタイルは、彼のフェイバリットである『スクランブル・バイス』に比重が大きく設定されているといえるでしょう。

 つまり彼の象徴たる“万力”部分に一点集中した闘い方であり、それ以外は

  • ドロップキック
  • コブラツイスト
  • ローリングクレイドル

など、超人プロレスとしてはどちらかというと地味な部類の技を好んで使用しています。

 それだけに、玄人受けは狙えるものの、コアファン層であるちびっ子ウケは難しい闘い方だったといえるでしょう。

 となると、やはり

フェイバリットである『スクランブル・バイス』で、いかに読者を魅了できるか

に勝負がかかってくるわけです。

 ではその“彼の象徴”たる『スクランブル・バイス』について、少し掘り下げていきましょう。

スクランブル・バイス

 『スクランブル・バイス』は見ての通り左右の口金で相手を挟み、それを締め付けることで相手を痛めつける技です。

 似たような技ではジャンクマンの『ジャンク・クラッシュ』や、ガンマンの『エルクホルン・シザース』、デストラクションの『アバランチャー・クラッシュ』などがありますが、マンリキの『スクランブル・バイス』は、それらと決定的に違う点があります。

 それは上記の技が“瞬間の圧殺”で相手にダメージを与えるのに対し、マンリキのそれは“持続的な圧殺”である点です。

 つまり瞬間的に最大の圧力を加える技ではなく、ジリジリと圧力を増やしていき、最終的には相手を圧殺するという、拷問性が強い技だといえるでしょう。

 もう一つ、他の類似技にないこの技の大きな特徴は、

てこの原理で威力を倍増できる

という点です。

 てこの原理は皆さんご存知の通り、力点に力を加え、支点を中心とした回転運動により、作用点に大きな力を加えることができる原理です。

 図のように、支点から力を加える力点の距離が遠いほど、少ない力で作用点の重りを持ち上げることができるわけです。

 マンリキの場合は、左肩のレバーハンドルがその装置ですね。これがてこの原理となり、少ない力で大きな圧力をかけることができるわけです。

 つまり彼はこの原理で、自身が持つ以上のパワーで相手を締め付けることが可能なんですね。

 それは彼が持つ超人強度・721万パワー以上の力で敵に圧力を加えられるということを意味しており、もし支点から力点までの距離を、作用点までの距離と比べて10倍の長さで確保できたならば、

721万 × 10 で7210万パワーっ!

なんていう、いわゆるザ・マンリキ版“ウォーズマン理論”を展開でき(笑)、それは火事場のクソ力発動時のスグルをも凌駕する威力の『スクランブル・バイス』を炸裂させることができたのかもしれないわけです。

 そしてこのことは、彼の『スクランブル・バイス』という技が

超人強度は生まれたときから死ぬまで不変である

という、この作品における大原則を物理の力で打ち破るという、

実はとても画期的な仕組みの必殺技!

であったのではないかと、密かに感じているんですよ。

 いや、積算根拠が薄弱な“ウォーズマン理論”による1200万パワーよりも、よっぽど正確な計算結果を担保しているのではないでしょうか(苦笑)。

彼の名前の秘密

 このように、彼は己の超人強度を物理的に増幅できる機構をもつ超人なわけです。

 そして…私は気づいちゃったんですよ。実は彼の名前が、この特性を如実に表していた、という事実に。順を追って説明しますね。

 彼の名前はザ・マンリキです。

スウェーデン出身なのに、なんで名前は日本語なんだろう?

という疑問はおいといて(笑)、さっそくその日本語に変換してみましょう。

ザ・マンリキ ➡ ザ・万力

 当然こうなるわけです。そして…万力の“力”の部分を英語に変換してみましょう。

ザ・万力 ➡ ザ・万パワー

 あっ!! なんか、なんか彼の名前が…

名前じたいが超人強度みたいだぞ!

と感じませんか!?

 しかも“ザ”と“万パワー”の間の“・(中黒)”がいかにも

どんな数字が入るのかな?

という、変数スペースに見えませんか? 

 もし彼の名前がそのような秘密を持っていたとすると、通常時の彼の名前は

ザ・721万パワー

(ザ・721マンリキ)

となり、てこの原理で2倍のパワーを得たときは

ザ・1442万パワー

となり、さらに10倍のパワーを得たときは

ザ・7210万パワー

という超人に変化するんですよ!

 そう考えると、彼の名前と彼の特性が見事にリンクされていて、とても深い名前の意味を持った超人に見えてきませんか(笑)?

 そしてそんな特性を持つ超人が、“ウォーズマン理論”といわれる“パワー増幅理論”を先に実践し、結果を残したウォーズマンの復活戦で相まみえたのは、ある意味大きな因縁であったのかな、なんて感じてしまいました。

“ござーい”の衝撃

 そういうわけで、もしこの視点で両者が闘っていたとしたら、

100万+100万で200万パワーっ!

いつもの4倍のジャンプで800万パワーっ!

なんの、721万×2で1442万パワーっ!

こしゃくな!

3倍の回転を加えて2400万パワーっ!

甘いわっ!

力点の距離を4倍にして、

721万×4で2884万パワーっ!

なんていう、“ウォーズマン理論”におけるガチンコの攻防が繰り広げられたのかなあ、なんて妄想が膨らむんですよ(笑)。

 ただこの試合はどんなに洗練された、印象的な攻防が行われていたとしても、

ござーい!!

がすべてを持っていってしまったので、前述したような妄想が実現したとしても、少し霞んでしまったかもしれませんね(苦笑)。

 それくらいファイティング・コンピューターの

ござーい!!

は衝撃的でしたから…(笑)。

おわりに

 以上、ザ・マンリキについての考察でした。

 どちらかというと目立たない超人でしたが、“てこの原理”という点でフィーチャーすると、オンリーワンでなかなか興味深い超人であったことがわかりますね。

う~ん、そうかもしれないけどさぁ…

別に『スクランブル・バイス』に限らず、てこの原理を応用した技なんて他にもたくさん…

 はい、そこ! おしゃべりをやめるように!!

『腕ひしぎ逆十字』だってさあ、てこの原理で…

 はいはい、まわりの皆さんに迷惑なので、私語は謹んで!!

それこそ関節技なんて、すべててこの原理が…

 はい、ザ・マンリキ、オンリーワンな“てこの原理超人”でしたねっ!! ではまた!! サヨナラ!!

今回は秋山さん、harmonics-squeal666さん、TKマンさん、SEGAさん、マリルレロさんほか、たくさんの方からリクエストをいただきました。ありがとうございました。

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