今週のキン肉マン特別読切-拉麺男誕生!!(後編)

今週のキン肉マン
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 今回は残念ながら本編休載です。その代わり、以前掲載された『闘将たたかえ!!拉麺男ラーメンマン』の第一話の後編がアップされました。前編の感想はこちらからどうぞ。

 親の仇である毒蛇コブラ党を倒すべく、超人拳法を修行し、免許皆伝となったラーメンマン。今回はその初陣にて親の敵討ちとなります。

 『闘将たたかえ!!拉麺男ラーメンマン』におけるミート的ポジションである、シューマイも後編から登場です。常にパンイチ状態で生活をしている、なかなかの貧乏少年です(笑)。

 ラーメンマンは、自分と同様毒蛇党に父親を殺されたシューマイに自身を投影させ、彼の協力を得て毒蛇党殲滅作戦を開始。罠を仕掛け、地形や自然現象を利用するなど、その後連載される『闘将!!拉麺男』ではあまり見られない闘い方を初陣では行っています。

 おそらくこの時点では“闘龍極意書”のアイテム特性を、“孫子の兵法”や“六韜りくとう”といった、古代中国の兵法書のイメージで設定していたのではないかと思われます。

 ですので、寡兵をもって大軍を打ち崩す、というストーリー構成をゆで先生は採用したのでしょう。それでも目視で台風の到着時刻を、秒単位で予想できるのはすさまじいですが。ラーメンマンにかかっては、どんな気象予報士もお手上げでしょう(笑)。

 ラーメンマンは台風の到着を4時間29秒後と見積もっていますが、そもそも論で毒蛇党がタイミングよくこれくらいの時間帯で戻ってこなかったら、どうするつもりだったのでしょうか。

 と、今でこそそんなツッコミをしてしまいますが、リアルタイムでこれを読んでいた当時は、素直にこの作戦に感動していましたけどね(笑)。台風の目の中が無風である、ということも、これで知った記憶があります。

 この作戦にシューマイは「ほんとに大丈夫なの?」と心配をしていますが、これは当時のちびっ子読者の気持ちの代弁ですよね。小学4、5年生であれば、まだまだラーメンマンの目論見というのは謎に見えたはずです。

 そういった視点で見ると、この読切の構成がとても秀でていることがわかります。主人公の行動にクエスチョンマークを漂わせておき、その後の答え合わせにて痛快な出来事が起きるという、なかなかによくできた展開です。さすがは『愛読者賞』で2位を獲得した作品だけあります。

 この作戦についてラーメンマンは「わたしの作戦は完璧だ!」と自信満々に発言していますが、なにやらその口調が完璧超人めいて見えるのは私だけでしょうか。

 まさかその数年後に、完璧超人の首領ドンたるヘル・ミッショネルズにズタボロにされるとは、夢にも思っていなかったでしょう。あ、別の話だから関係ないか(笑)。

 そして兵法というか、戦術でのシーンが終了すると、仇敵である毒蛇党の首領である3兄弟との闘いに移ります。ここからは格闘技のシーンですね。いわゆるその後の“美来斗利偉拉麺男ビクトリーラーメンマン”たるムーブを披露してくれます。

 その中でもエポックメイキングな技が『百歩神拳』ですね。何かしらの元ネタがあったとは思うのですが、“手を触れずして百歩先の敵を攻撃する”という必殺性は、当時としてはかなり新しかったです。

 これ…無敵じゃん! と思いましたからね(苦笑)。また“修行をすると見えない敵の動きも可視化できるようになる”という表現も、サラッと織り込んでいます。ここで“ラーメンマンが精神的にも強化されている”と見ることもできます。

 最後は命乞いのふりをした悪党が、結局は襲ってくるというベタな流れなのですが、ラーメンマンはその命乞いを本気で信用する、というシーンが描かれます。

 あまりにも純粋すぎる復讐者に対し、子ども読者ですら「ウソだろ!?」と思うのですが(笑)、それが彼の聖人性というか、絶対正義たるキャラクターを与えています。この後に連載される『闘将!!拉麺男』において、彼は完全なる聖人君子として描かれていますが、その基本設定がここでなされたとも言えるでしょうか。

 そしてその純粋すぎる復讐者を助けたのが、マスコットキャラであるシューマイです。彼が注意を喚起してくれたおかげで、ラーメンマンは危機を脱することができました。最後の最後でシューマイに重要な役割を与えることで、彼のキャラクターとしての必要性を説明しているんですね。

 また、読者年齢に近いシューマイに活躍の機会を与えることで、読者の共感をより得る作品に仕上がったともいえます。結局はこのお手柄で、彼は連載作品においてもメインキャラクターの座を勝ち取ることになります。

 この読切作品が掲載された当時は、ちょうど本編でテリーマンVSザ・魔雲天が終わったころです。ラーメンマンとしては、その身を“救世主メシア”として隠していたころで、その素顔を公にできないころでした。

 ですので、この機に大体的にラーメンマンを描けるというのは、ゆで先生としても楽しかっただろうし、ラーメンマンを求めていた読者にとっても嬉しかったのではないでしょうか。ちなみにラーメンマンについてもう少し知りたい方は、こちらをどうぞ。

 その他気になった点は

  • あの深さの落とし穴を短時間であれだけこさえる超絶穴掘り能力(笑)。
  • デカブツ蛇九ジャンクにとって、あの落とし穴はすぐに脱出できる深さ(笑)。
  • 事前に書いた丸印は、“ここに罠があります”と告白しているに等しい。
  • ラーメンマンとシューマイは、台風で吹き飛ばされないのかな?
  • 『幻惑夢壁』発動時、股下を覗かれないようにきちんと膝立ちする蛇九ジャンク

 こんなところですかね。

コメント

  1. 柩幸 より:

    百歩神拳と言うと奇面組の五十歩百歩神拳も思い出します(笑)
    拉麺男が百歩神拳以外で初めてシューマイに見せた超人102芸の後方風車……今思えば後々シューマイが派生技らしき背面風車や回転龍尾脚を見せるのは面白いですね。
    拉麺男第一話前後編……。休載時にこうした過去作品を掲載してくれるのは結構嬉しいです……。
    最新刊のゆで問答でゆでたまご先生、思い入れのある作品としてSCRAP三太夫を挙げておられたので、いつかまた休載時にSCRAP三太夫のバトルマン編とか掲載してくれたら嬉しいかなとか思いました(笑)
    ロビンマスク復活前後にはロビンメモの読み切りとかも個人的には掲載して欲しいかなぁとも(笑)ロビンメモは話自体短いですが……。
    マッスルリターンズの単行本が手元にないので、また何かしらでロビンメモ読んでみたいんですよね……(笑)
    あれ、ブロッケンJr.の弱点が右肩なのが興味深くて……カーメン戦が後を引いてるんだろうな……と思うと……。ラーメンマンはやはりこめかみですし(笑)

    • アキラ より:

      柩幸さん、こんにちは。

      奇面組の“五十歩百歩神拳”、面白かったですね。怒裸権榎道(どらごんえのみち)でしたよ、たしか(笑)。

      私もラーメンマンの後方風車は、その後の回転龍尾脚を思い出しました。あの技でシューマイが主役になる回もありましたよね。

      ロビンメモの話は、ムック本の『キン肉マン熱闘スペシャル』における、特別書下ろしでした。4色オールカラーで心躍りました。おそらく本棚をあされば出てくるはずです(笑)。

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