今週のキン肉マン特別読切-拉麺男誕生!!(前編)

今週のキン肉マン
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 今回は残念ながら本編休載です。その穴埋めとして用意されたのが、『闘将たたかえ!!拉麺男ラーメンマン』の第一話(前編)です。

 『闘将!!拉麺男』は、月刊誌のフレッシュジャンプに連載されていた作品で、一時期は『キン肉マン』と平行連載になっていました。その当時のゆで先生は、ハンパなく忙しかったそうです。ホント、ご苦労さまです。

 でもって、その連載のきっかけとなったのがこの作品です。もともとは当時のジャンプの名物企画であった読切作品賞レース『愛読者賞』にエントリーした作品が、この『闘将!!拉麺男』だったんですよ。

 これが大ウケして、10作品中2位になったのかな? そのご褒美にゆで先生は読者と一緒にアメリカ旅行に行っています(笑)。ちなみに1位は高橋陽一先生の『100メートルジャンパー』でした。当時のアメリカ旅行のレポートが以下にあります。

 このときは「アメリカか~、いいな~」と単純に思っていましたが、大人になった今感じることは、「締め切りに追われる中、よくこんな時間を捻出できたな」という、スケジューリングの面倒くささであり、当時の関係者の苦労を先に心配してしまいます(苦笑)。

 そして新しい月刊誌『フレッシュジャンプ』が企画されたときに、その編集長に中野さんが就任したんですよ。ええ、いわゆる“アデランスの中野さん”です(笑)。中野さんはゆで先生を発掘して育てた大恩人編集者なんですね。

 その中野さんが立ち上げる『フレッシュジャンプ』、当然目玉作品がほしいじゃないですか。その目玉として白羽の矢が立ったのがゆで先生であり、愛読者賞で評判のよかったこの『闘将!!拉麺男』だったんですよ。

 私はこの作品を友人の鈴木くん(仮名)の家にあったジャンプで読みました。面白かったですね~。まず主人公がラーメンマンという時点で斬新でした。本編の『キン肉マン』では脇役だった彼が、主役に躍り出るという設定に大きな高揚感を得たことを覚えています。

 よくよく考えると、これが私の“スピンオフ作品初体験”だったんですね。今では当たり前のようにスピンオフ作品がありますが、当時は少なかったと思います。この斬新な設定により、ゆで先生は愛読者賞での好成績をグッと引き寄せたと思いますね。

 そして現在でも年に数回執筆される『キン肉マン』のスピンオフ作品ですが、その源流はこの『闘将!!拉麺男』にあると思っています。ゆで先生もこの手法に楽しさと手応えを感じたからの、現在の読切執筆に繋がっているのではないでしょうか。

 もっともこの『闘将!!拉麺男』は、“スピンオフ作品”というよりは、“パラレル作品”という立ち位置に近いですけどね。本編と別物語扱いですので。

 前置きが長くなりました(苦笑)。本題に入ります。物語は単純明快です。悪党に惨殺された父親の敵を討つべく、拳法の達人に弟子入りした息子が修行をして強くなり、その大願を果たすという物語です。あ、終わっちゃった(苦笑)。

 とはいえ、ミートくんのような子ども時代のラーメンマン、謎の拳法家、集中力を利した百歩神拳、俊敏性を養うトンネル、火中の釜の移動など、一癖も二癖もある設定がその単純な物語に大きな演出を与え、読者を楽しませてくれます。

 これは映画『ベストキッド』にも通じる演出法です。『ベストキッド』では、ワックスがけやペンキ塗りが、実は空手の特訓であったという演出でした。

 『ベストキッド』は1984年の作品なので、1982年の作品である『闘将!!拉麺男』の方が早いんですよね。『ベストキッド』、実はラーメンマンの影響を受けたか(笑)?

 そして最後の修行で、なぜ彼の額に“中”の文字が刻まれているかの理由がわかります。あれは焼印だったんですね。ある意味根性焼きの類いです。

 これを初めて見たときは「なるほど!」と、妙に納得してしまった記憶があります。単純な小学生でした(笑)。

 ただこのときの文字が“屁”とか“恥”だったらどうしたんだろうと心配したことはナイショです(苦笑)。

 そして仇討ちのシーンは後編となりますね。ちなみにラーメンマンについてもう少し知りたい方は、よろしければどうぞ。

 その他気になった点は

  • 中国拳法4達人の中のひとりに中野さん(笑)。
  • 普段着がパンイチのラーメンマン。
  • フォルムがほぼミートくんな幼少ラーメンマン(笑)。
  • 大岩をのせた腕立ては余裕で幼児虐待(笑)。
  • 美来斗利偉ビクトリー”はちょっと暴走族っぽいっす、老師。

 こんなところです。後編の感想はこちらからどうぞ。

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コメント

  1. 柩幸 より:

    男塾で伊達や死天王、大豪院邪鬼のスピンオフを宮下あきら先生ではなく別の方が描いておられるので……
    それらのスピンオフを描いておられる方も宮下あきら先生がお描きになる男塾の豪快さや面白さを全く変えず劣らずの作品なのでそうした作品イメージを変えることのない漫画家さんに、闘将!!拉麺男の続編を描いて欲しいな、とか思ってます。
    玉王との最終決戦や、ゆでたまご先生の読み切り「デスゲーム」の主人公を拉麺男に置き換えた話とかを(笑)デスゲーム拉麺男には五歌仙から洩れたジャッキー・リーや春雨も出て欲しいです(笑)

    この時点の老師はあまりデフォルメされた感のある外見ではなくリアルな劇画的なもので結構良いですね。最後のニコッで厳しさのなかにあった優しさが感じられて、本当に好きです(笑)個人的に陳老師はカメハメと並ぶ理想の老人キャラ&師匠キャラです……。

    • アキラ アキラ より:

      柩幸さん、こんにちは。

      そうなんですよね。スピンオフって、必ずしも作者本人が描かなければいけない、というルールがあるわけじゃないんですよね。

      それこそ本編すらそうで、例えばちばあきおの名作『プレイボール』は、現在コージィ城倉の作画で『プレイボール2』が連載されており、楽しく読ませてもらってます。

      スピンオフを含めたすべての作品を、すべて同一作者が描こうとすると時間的にも体力的にも限界があるし、それこそ構想は山ほどあるのに、結果的には世に生み出されることなく終わってしまうというリスクもあります。

      そう考えると、キン肉マンも信頼にたる他の作家さんに描いてもらってもいいのかもしれません。

      実はゆで先生も、ゆくゆくはキン肉マンも、アメコミのように作者が死んでも誰かが続けてくれるような作品になれば嬉しいとおっしゃっていました。そんな選択肢もありですよね。

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