【注意】
この記事には
作品の感想が記載されています。
場合によっては
意としないネタバレとなりうるため、
読み進める場合には
十分ご注意ください。
また、著作権保護の見地から
この記事をご覧いただく前に
①Webサービス版
②紙媒体の購入
等でオリジナルの作品を読み終えてから
以下の記事を読み進めることを
お勧めいたします。
今回はビッグボディの自己主張がすごかったですね。あのフェニックスを相手にして、真っ向から怒鳴りつけていましたから。まあ、これについてはまた後で触れるとして、頭からいきますか。
スグルとミートが到着して、ここでまた3名のキン肉マンが集ったわけですが、相変わらずスグルだけが情報弱者というスタンスは変わりませんね。
オメガ・ケンタウリの六鎗客編にて、フェニックス、ゼブラ、マリポーサ、ビッグボディの4名が登場したときも、同様にスグルだけ露骨にのけ者にされていたのを思い出します(笑)。
超神のボスともいえる調和の神も、スグルには興味がある様子です。「ほほう、あの男が」と口にする時点で、スグルが一目置かれていることがわかりますね。
そして試合は続行されますが、BP砲の不利な状況は変わりません。ビッグボディがマイティハーキュリーズの餌食になり続けます。
ここでノートリアスの口から2本の巨大牙が出現するのですが、これを見たほとんどの方が
…セイウチン?
と思ったのではないでしょうか(笑)。
一応サーベルタイガーの牙ということらしいのですが、これはどう見てもセイウチンの“セイウチトゥース”ですよね~(笑)。
ということで、ガオン似でセイウチトゥースを持つノートリアスは、やはりⅡ世寄りのイメージが濃厚なキャラということになってしまいました。
イデアマンはメキシカンな関節技を披露。オヤジで関節技使用という、より渋めなキャラ構築にシフトしていきます。目指すは藤原組長的なポジションなのでしょうか(笑)。
そしてビッグボディのやられっぷりに対してフェニックスが歯に衣着せぬダメ出しをするや、ビッグボディの自己主張が始まります。このやりとり、かなりいいですよ。
というのも、絶対的リーダー格であるフェニックスに対し、ビッグボディも歯に衣着せぬ反論をするものだから、なんか爽快なんですよね。これはビッグボディの“遅れてきた反抗期”といってもいいかもしれません(笑)。
ここで一旦過去を振り返ってみましょうか。フェニックスは昭和時代の『キン肉マン』におけるラスボスキャラです。相対するビッグボディは、そのラスボスの噛ませ犬になって、不名誉な誹りを受けた不憫キャラです。
つまり当時の力関係、キャラランクから考えると、二人の間には数億光年くらいの差があったはずなんですよ。そんなヒエラルキーの中、ビッグボディがフェニックスと対等に会話をするなどということは、到底あり得ないことなんです。
しかしながら、平成末期、そして令和のビッグボディはキャラの成長率がハンパないため(笑)、その距離を一気に縮めてきました。そして
もうオレはフェニックスに遠慮する必要はねえ!
と高らかに宣言したのが、今回の“遅れてきた反抗期”に思えるんですよ。
このシチュエーションを見て思い出されるのが、1982年に起きた長州力の“噛ませ犬発言事件”ですね。
ずっとくすぶっていた長州が、当時のスターレスラーであった藤波に「オレはお前の引き立て役じゃねぇっ!」と噛みついたあの事件ですよ。え? 知らない? だったら今度、『オレ流80’s』で書きますよ(笑)。
あれはですね、とても痛快だったんですよ。その痛快さを、この令和の『キン肉マン』で味わえるとは…これ、ゆで先生も多少はオマージュしたのかなぁ?
それともアレですかね? マンガ家がよくいう「キャラが勝手に動く」って現象なのでしょうか。キャラが本当に確立されてくると、作家が考えなくても言葉を発し、動いてくれるらしいですから。
そういったことでビッグボディが反抗期を迎えたのだとしたら、これは親であるゆで先生に対する反抗でもありますよね。
よくもこのオレを、あんな扱いにしてくれたな!
という。
でも仮にそうだとしたら、ゆで先生は逆に嬉しかっただろうな。
あのビッグボディが、こんなにも生き生きと動いてくれるなんて…
みたいな(笑)。
でもホント、ビッグボディとフェニックスのやりとりは痛快でしたよ。
余計なことは言うな。闘いに集中しろ
バカかお前! 策もなく突っ込むな! 考えて闘え!
もうお前には任せられん
なぜオレの命令が聞けん!?
と、常に高圧的なフェニックスに対し、
説教はやめてもらおうか。オレにはオレのやり方がある
フザけんな! タッグとはそういうもんじゃねぇだろうが!
オレはお前の部下じゃねぇ。あくまで対等の関係で組んだ同盟だ
それを勝手にお前色に染めようとしてんじゃねえよ!
お前の高慢ちきな態度を、せめてこの試合中だけは改めろ!
それができない限り、オレはオレの好きなようにやらせてもらう!
と、毅然とした態度、論調で反論するビッグボディ。
ブラボー。まさにスタンディング・オベーション(笑)。しかもビッグボディの反論が、いちいち理にかなっています。
まさか知性を売りにするフェニックスが、おバカの脳筋さんに論破されるとは。でもそこにシビれるポイントが満ち満ちており、我々は拍手喝采をしてしまうわけです。
このことはビッグボディの自我の目覚め、そしてマイレボリューション宣言という形でクローズアップされるのですが、裏を返すとフェニックスにとっては、指摘された弱点を克服するチャンスを与えられたことになります。
自己中心的で高慢ちき。自分が一番頭が良く、偉いと思っている。でもそれでは人はついてこない。そんな現実をまざまざと思い知らされ、克服すべき課題として与えられたわけです。
そしてそれは、BP砲がタッグとして進化するための、必要条件ともなったわけです。なぜならば、ビッグボディは
高慢ちきな態度を改めない限り、協力はしない
という要求を突きつけているからです。
ただそれは逆にいうと
態度を改めてくれたら、協力するよ
と言っているのに等しいわけで。
ですので、フェニックスがプライドを捨てて、歩み寄りの態度を取れれば、BP砲は大きく進化することが約束され、マイティハーキュリーズに勝利することが確約されるわけですね。
また、それによりフェニックスもキャラとして成長をできるわけです。
というわけで、このタッグ戦はBP双方のキャラ成長を観察できるという視点でも楽しめる形となりました。今後の彼らの言動から目が離せません。
その他気になった点は
- 『サーベルタイガースープレックス』、名前はカッコいい。
- フェニックスの言動は、本当に高慢ちきだ(笑)。
- 「もうひとりの御仁にも」というイデアマン。“御仁”て…さすが理性あるやつは丁寧(笑)。
- “命令”のフレーズでキレるビッグボディ、カッコいい。
- そこからのエルボーは、ホント長州の噛ませ犬発言行動。
- 「お前の高慢ちきは今に始まったことじゃねぇが」→拍手喝采。
- 「せめてこの試合中だけはその態度を改めろ」→大人の態度すぎて拍手喝采2。
- 結論。ホレるぜ、ビッグボディ(笑)!
こんなところでしょうか。しかしビッグボディ、魅力あふれるキャラに成長していますな。そしてキン肉マン最新刊74巻、絶賛発売中です!
コメント
まぁ普通パートナーに対して「命令」なんていいませよね。その時点で私としてはフェニックスの知性に疑問符(?)が……まぁ今に始まったことではありませんが(苦笑)
これ、フェニックスがビッグボディを発奮させるために演技しているんじゃないかと思いました。
命令なんて言葉はワザとでしょう
もしも素で言っているなら、知性の名は返上しないと(笑)
知性だから演技な気もするし
マンモスマンがあんたが頭を下げた、なんて言ってたから
素で命令してる気もする
というかエルボー食らった後の表情からすると素で言ってそう
自分も素で言ってると思います。
職場にも頭は切れるけど、いつも上から目線で周囲に接して、反感買ってる人間って見かけます。
戦国武将でいうなら、石田三成ですかね。
本人は良かれと思って口を出すけど、それで相手の神経を逆なでしてしまう御仁。