純和風テイストの忍者ゲーム
当時絶好調のアイレムの忍者ゲームです。“アイレム無双(笑)”時代の一本と言えるでしょうか。
前年にセガの『忍-SHINOBI-』にどっぷりとハマった身としては、イケイケのアイレムがリリースしたこの忍者ゲームに手を出さないという選択肢はありませんでしたね。
ゲームのテイストは純和風で、『忍-SHINOBI-』がアメリカンでハリウッド的な舞台から始まったことと比べると、とても渋めでした。
それは面が変わっても一貫しており、
- 廃寺
- 無人の峠道
- 枯野原
- カラクリ屋敷
といったような、寂しげで退廃的な雰囲気を醸し出し、そこにチャラついた要素は一切ありません。
そう、この『最後の忍道』はとても硬派なテイストの忍者ゲームだったわけです。
オプションとしての分身
プレイヤーキャラはジャンプ力が極めて高く、画面から画面に飛び移る浮遊感や、その操作感がとても爽快でした。この雰囲気は『影の伝説』を思わせますね。
そして“分身の術”という名のオプションを2体までつけることができ、攻撃力を倍加できることが特徴的でした。
『グラディウス』で一般的となったオプションを、“分身の術”と置き換えたアイデアには脱帽でしたね。
うまい置き換えだな~
と思いましたからね。
切り替え自由な主武器
そして武器は刀・手裏剣・爆弾・鎖鎌の4種類があり、自由に切り替えて使うことができます。
この攻撃スタイルも新しかったですね。
今までのゲームでは、一つの武器をアイテムとしてゲットし、変更タイミングがくるまでは半ば強制的にそれを利用する、といった攻撃方法が一般的でした。
『R-TYPE』を例にすれば、“反射レーザー”を取ったらそれを使い続け、“対空レーザー”が出現するまではそれを変更できない、みたいなシステムです。
しかし『最後の忍道』では、はじめからプレイヤーに4種の武器を与え、シーンによって選択させるという“ゲームの自由度”を提案したわけです。
グラフィックスも当時のアイレムらしく、とても美麗でした。寂しげで不気味な暗さをよく表現していた、という意味での美麗さなんですけどね。
個人的には1面ボスの“阿修羅”のでかさと緻密さに心を奪われました。当時は『デジタルデビル物語 女神転生』の影響で、神話や仏像にも興味が出てきていた頃だったので
渋くてカッコいいぜ~
と、高校生らしからぬ美的感覚を持ち始めていましたね(苦笑)。
おわりに
ただ難易度が高くて、私の手には負えないゲームでもありました。2面をクリアできなかったですからね。
そこでバーチャルコンソールでPCエンジン版のこのタイトルを見つけ、再度チャレンジしてみました。
ライフ制となり、難易度が下がっているPCエンジン版でしたが、それでも4面くらいまでしかいけず、高校時代の借りを返すことはできませんでしたね。
諦めきれない私は、今度はPCエンジンminiに収録されている同タイトルを、任意セーブとリセット技を駆使してとうとう攻略、念願のクリアをいたしました。
エンディングで主人公・月影の正体がわかるのですが、それがなかなかに衝撃的かつホロリとさせます。このあたりも渋い演出なんですよね~。
しかしながら“アーケードモード”でのクリアまでにはさすがに至っておりません。難易度が鬼畜レベルだったので、残念ながら気力が続きませんでした(苦笑)。
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