アーケード版『最後の忍道』の思い出。

オレ流ゲームレビュー
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純和風テイストの忍者ゲーム

 当時絶好調のアイレムの忍者ゲームです。“アイレム無双(笑)”時代の一本と言えるでしょうか。

 前年にセガの『忍-SHINOBI-』にどっぷりとハマった身としては、イケイケのアイレムがリリースしたこの忍者ゲームに手を出さないという選択肢はありませんでしたね。

 ゲームのテイストは純和風で、『忍-SHINOBI-』がアメリカンでハリウッド的な舞台から始まったことと比べると、とても渋めでした。

 それは面が変わっても一貫しており、

  • 廃寺
  • 無人の峠道
  • 枯野原
  • カラクリ屋敷

といったような、寂しげで退廃的な雰囲気を醸し出し、そこにチャラついた要素は一切ありません。

 そう、この『最後の忍道』はとても硬派なテイストの忍者ゲームだったわけです。

▲白土三平臭漂う、渋すぎるゲーム画面

オプションとしての分身

 プレイヤーキャラはジャンプ力が極めて高く、画面から画面に飛び移る浮遊感や、その操作感がとても爽快でした。この雰囲気は『影の伝説』を思わせますね。

 そして“分身の術”という名のオプションを2体までつけることができ、攻撃力を倍加できることが特徴的でした。

 『グラディウス』で一般的となったオプションを、“分身の術”と置き換えたアイデアには脱帽でしたね。

うまい置き換えだな~

と思いましたからね。

▲分身という名のオプション

切り替え自由な主武器

 そして武器は刀・手裏剣・爆弾・鎖鎌の4種類があり、自由に切り替えて使うことができます。

 この攻撃スタイルも新しかったですね。

 今までのゲームでは、一つの武器をアイテムとしてゲットし、変更タイミングがくるまでは半ば強制的にそれを利用する、といった攻撃方法が一般的でした。

 『R-TYPE』を例にすれば、“反射レーザー”を取ったらそれを使い続け、“対空レーザー”が出現するまではそれを変更できない、みたいなシステムです。

 しかし『最後の忍道』では、はじめからプレイヤーに4種の武器を与え、シーンによって選択させるという“ゲームの自由度”を提案したわけです。

 グラフィックスも当時のアイレムらしく、とても美麗でした。寂しげで不気味な暗さをよく表現していた、という意味での美麗さなんですけどね。

 個人的には1面ボスの“阿修羅”のでかさと緻密さに心を奪われました。当時は『デジタルデビル物語 女神転生』の影響で、神話や仏像にも興味が出てきていた頃だったので

渋くてカッコいいぜ~

と、高校生らしからぬ美的感覚を持ち始めていましたね(苦笑)。

▲迫力満点の阿修羅

おわりに

 ただ難易度が高くて、私の手には負えないゲームでもありました。2面をクリアできなかったですからね。

 そこでバーチャルコンソールでPCエンジン版のこのタイトルを見つけ、再度チャレンジしてみました。

 ライフ制となり、難易度が下がっているPCエンジン版でしたが、それでも4面くらいまでしかいけず、高校時代の借りを返すことはできませんでしたね。

 諦めきれない私は、今度はPCエンジンminiに収録されている同タイトルを、任意セーブとリセット技を駆使してとうとう攻略、念願のクリアをいたしました。

 エンディングで主人公・月影の正体がわかるのですが、それがなかなかに衝撃的かつホロリとさせます。このあたりも渋い演出なんですよね~。

 しかしながら“アーケードモード”でのクリアまでにはさすがに至っておりません。難易度が鬼畜レベルだったので、残念ながら気力が続きませんでした(苦笑)。

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