画期的・心眼システム
前作である『飛龍の拳』は、友人から借りてめちゃくちゃにハマったタイトルでした。
のちに『ストリートファイターⅡ』で花開く、対戦型格闘ジャンル黎明期のゲームで、1対1のいわゆるタイマン勝負を中心としたゲームでした。相手はコンピューターのみですけどね。
その対戦システムは“心眼システム”というもので、自分や対戦相手のスキが表示された瞬間に、攻撃や防御を行い、その一瞬の判断を誤った場合はダメージを受ける、というシステムでした。
このシステムは今でも画期的だと思っていまして、連続して続くスキの突き合いは、反射神経が大きく物を言う分、本当の格闘の雰囲気を味わうことができ、とてもスリリングでしたね。
そんなどハマリシステムを継承したこの『飛龍の拳II ドラゴンの翼』は、リリース発表からとても楽しみでして、予約までした記憶があります(笑)。
実際にプレイした感想は、演出が派手になって、よりエンターテインメント性が増しながらも、核となる“心眼システム”の楽しさは損なわれていないな、といった感じでした。
中二病を刺激する演出
派手な演出の最たるものは、今回からキャラクターが変身するようになったことです。
そのデザインがなかなかにカッコいいんですよ。聖闘士星矢というか、『天地を喰らう』の趙雲子龍というか、中二心(当時高二だったけど)をそそるデザインです(笑)。
そして今回からは、主人公である龍飛には4人の仲間(龍戦士)が合流し、チームとなって敵と闘うストーリーとなりました。
その展開は少年ジャンプ黄金期の、ヒットの方程式に準じており、当時の私ではなかなか抗うことは難しかったです(笑)。
ちなみにこの4人はその後の続編でも主要キャラとなり、このタイトルでそのキャラクター設定の基礎が構築されることになりました。
中毒性の高いBGM
また、何気にBGMが素晴らしいです。
音源が良い、ということではなくて、曲そのものに中毒性があり、今でもオープニングや戦闘シーンの曲を口ずさむことができます。
このソフトの広告では、BGMについて
とあり、かなり虎の威を借る狐のような表記にずっこけた記憶がありますが(苦笑)、しっかりと結果をだしているのでよしとします(笑)。
ちょっと誇大広告?
ただ当時のカルチャーブレーンの広告は、上記のような誇大広告といっても否定できないくらいのギリギリさで攻めている印象はありました。子ども心にも
ちょっと広げる風呂敷が大きすぎないかな?
と思いましたから(笑)。
そういえばファミコン雑誌の『ハイスコア』はこのソフトとタイアップをしていたのか、強くプッシュして連載マンガまで掲載していましたね。
おわりに
クリアは無事にできました。そして大言壮語なニュアンスを感じさせた広告(笑)に対しても、結果的には大きく逸脱しない範囲で収まっていた、名作にカテゴライズされるに恥じないタイトルだったと思います。
その後、対戦型格闘ゲームというものは、『ストⅡ』に代表されるように、自分のタイミングで攻撃、防御をするシステムが定番となるのですが、“スキの可視化”というこの“心眼システム”も、個人的には捨てがたいシステムでしたね。
それだけにこのシステムが現在では廃れてしまったのはとても残念でして、進化の過程で駆逐されてしまったイメージがあります。
同じヒト型ほ乳類でありながら、ホモ・サピエンスに敗れたネアンデルタール人、といったところでしょうかね(苦笑)。
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