アーケード版『パワードリフト』の思い出。

オレ流ゲームレビュー
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セガ体感筐体の一本

 当時『アウトラン』や『アフターバーナー』等、ムービングシートを使った体感筐体ゲームを精力的にリリースしていたセガ。

 この『パワードリフト』もそれらの流れにのった体感レースゲームです。

 今回のコンセプトは、バギーカーを使ったオフロードレースで、アップダウンやコーナーの振り幅が激しい、ジェットコースターのような演出が特徴的でした。

 とても単純明快なゲームだったので、難しいことを考えずに楽しめた記憶がありますね。よく友人たちとレースをして遊んでいました(笑)。

▲ムービング筐体です。

ポリゴン以前の高度技術

 しかしながら、ゲーム自体ではかなり難しい処理をしていたようです。難しいことを考えずにプレイしていたのが申し訳なるくらいに(苦笑)。

 ある意味3Dゲームにポリゴンが導入される前の、疑似3D表現の最高峰なのではないかと思われます。

 動画を見ていただければわかると思うのですが、あれだけの高低表現や遠近表現を、あのゲームスピードを担保しながら処理するという技術力。圧巻ですよね。

 これらはすべて無数のスプライトで処理されているからこそできる表現であるらしく、まさに

ゲーム基板にとことんスプライト処理能力を増設してやれ!

といったような、ある種ドーピングにドーピングを重ねたような技術でこれらを表現していたともいえるでしょう(笑)。

 その結果、ポリゴンを利用しなくても滑らかな拡大縮小処理が伴った3D表現を実現しています。

臨場感を高める演出

 個人的に臨場感アップに貢献しているのは、“左右の斜め落ち込み表現”だと感じています。

 これがドリフト時にかかる横Gを見事に表現し、『パワードリフト』というタイトル名を嘘偽りないものにしていると思うんですよね。

▲この落ち込みが臨場感を増しています。

 また、丸太のガタガタ感を感じさせる表現が何とも言えないオフロード感を生み出し、

無茶な走りをしてもいいんだぜ

という、ラフで自由なドライビングの爽快感をプレイヤーに提供していたと思います。

 そしてこの表現が色濃く受け継がれているのが『マリオカート』なのではないかな~と、密かに思っているのですが、皆さんはいかがでしょうか?

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