自動化や効率化追求によるリストラ格差社会を考える。

オレ流雑感
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よく訓練された珠玉のサービス

 先日、会社の健康診断があったんですよ。指定の病院で2時間くらい色々な検査をしたのですが、いつもながら思うのが、案内のスタッフさんがたくさん働いているなあ、ということです。

 これは多数の健診者を淀みなく合理的に捌くべく考え抜かれた末のフォーメーション、つまり人員配置だと思います。長年の改良・改善を積み重ね、到達した珠玉のシステムなんですね。

 事実、彼女たち(ほぼ女性でしたので)の働きのおかげで、50人~100人規模の健診者が、大きく待たされることなく検査を行っていました。とてもシステマチックで、よく訓練されていると感心してしまいます。

 例えはよくないかもしれませんが、流れ作業の工場みたいです。健診者が製造品で、スタッフさんが作業員という感じの(苦笑)。

主任さん
主任さん

ほら、うかうかしていると、ラインが止まっちゃうよ!

スミマセン! 主任!

みたいな(笑)。

 しかしながら「これは人件費もハンパないだろうな」とも感じました。と同時に「この案内スタッフも、ロボットをはじめとした機械的管理に置き換わる時代がそこまで来ているのかなあ」という連想もしてしまいました。

世のトレンド 自動化・効率化

 皆さんご存知の通り、世のトレンドは業務の自動化、効率化、機械化、無人化、AI化となっており、それによって“消える職業”なんてニュースがまことしやかに取り沙汰されています。

 企業は基本、利益の最大化を求めます。利益を生み出すには固定費の削減、とくに人件費の削減リストラが一番効果的です。残念ながら。

 そういった視点で考えると、20人で回していた案内スタッフを、仮に3人の監督と5台の高性能ロボットに置き換えられれば、企業としては利益を増やせる可能性がとても高いわけです。

 しかし現実にそれが行われてしまうと、リストラとなった17人の案内スタッフは職を失うことになります。もしその17人が再就職できなければ、彼らの所得は0です。

 いやいや、再就職くらいできるでしょ、と思うかもしれませんが、自動化社会が一般化すれば、できない可能性は高いですよね。自動化で求人数じたいが少ない社会なのですから。

本格的格差社会が訪れる?

 一方、リストラによる固定費削減で利益を増大した企業は、その利益を株主や残った社員に分配します。その分配率は、以前の分配率より高いでしょう。以前より高い給料、高いボーナス、といった感じです。健全な会社ならですけど(苦笑)。

 ここで所得の格差が生じます。持つ者はさらに持つことができ、持たざる者はさらに持てなくなる。現在社会問題になっている“格差社会”ってやつですよ。それを思うと、

利益と効率のみを求めたドラスティックな業務革新は、本当に社会のためになるのか?

という疑問が湧いてきます。

自動化・効率化は幸せにつながるのか

 というのも、社会全体の幸福実現、功利主義的には“最大多数の最大幸福”といわれる考え方を善と仮定するならば、格差の幅を限りなく少なくすることこそが、それに近づくための条件だからです。しかしながら、上記の流れは明らかにここから離れていってしまうのです。

 自動化や効率化がもたらすリストラを『ドラえもん』で例えるならば、

空を自由に飛びたいな

ハイ! タケコプター!

世界旅行に行きたいな

ハイ! どこでもドアー!

ドラえもんもいちいちボクの願いに付き合っていたら大変だし、効率も悪いだろうから、四次元ポケットそのものを貸してよ

ハイ! 四次元ポケットー!

ありがとう…もう未来の国へ帰ってもいいよ⁉

こんな感じでしょうか。のび太こええ~(苦笑)。

止まらない、止められないトレンド

 しかしながら、世の中の動向である自動化、効率化、機械化、無人化、AI化は、おそらく避けて通ることはできないと思います。一度ベクトルが決まったイノベーション・トレンドを覆すことがほぼ不可能に近いことは、今までの歴史が証明しています。

 そして今後所得の格差がより大きくなる社会が訪れることは間違いありません。なかなかに厳しい世の中が待っている感じですが、このトレンドでも“最大多数の最大幸福”は可能なのでしょうか。

 かなり大それたテーマですが、私の浅はかな知識を総動員し、次回は“富の再分配”について考えてみます。ではまた。

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