人気絶頂で連載を終了した『鬼滅の刃』ですが、現在でもその熱はとどまることを知りません。そしてなんと、このほどキャラクターが身につけていた羽織の柄模様が、集英社によって商標登録されたようです。
う~む、なんか予想外の所にまで影響が出るものなんですね。こんなことになった理由は、これらの柄を勝手に使い、オフィシャルでないグッズを販売して荒稼ぎしている連中を牽制する必要があるから、といった感じのようです。
まあ人気コンテンツにあやかって、非公式グッズで稼ぐというのは、昔からず~っと行われてきた、鉄板のビジネスモデル? ですからね。これからも永遠になくならないと思いますが(苦笑)。
とはいえ、ですよ。これを野放しにすることは、オリジナルコンテンツを制作した作者、およびその関係者からそのブランドを無許可で利用し、利益を横取りしていく様を、ただただ見逃していることになります。
例えるならば、Aくんが友人Bくんに貸したファミコンカセットが、無許可でCくんに有料で又貸しされたようなものです。

あれ? Cくんのそのカセット、オレのじゃね?

いや? これBくんから1週間100円で借りたやつなんだけど。

Bくん、これどういうことなの?

え? あ、あれはAくんのじゃないよ。オ、オレが買ったカセットのほうだから。同じゲームを…(汗)。

…ぜったいウソだろ…
みたいな(笑)。だから今度からカセットの裏にAという名前を刻んで対処(商標登録)しよう、といった感じでしょうか。
これによって、AくんはBくんにまた同じことをされたとしても、
- 名前が入っているので、明確に抗議できる
- Bくんの又貸しレンタル業をストップするよう要求できる
- 逆にBくんにレンタル業権を譲渡し、見返りとして譲渡金を得ることができる
といったような対策がたてやすくなります。
そうとはわかっていても、このニュースを見てまず頭に浮かんだのが、「なんか集英社がめついな」でした。いや、企業としてこういった対策を講じるのは当然で、それでいいと思います。その行動を否定はしません。
ですがなんていうのかな、巨大な存在は、下の方でコソコソとこぼれ落ちた蜜を吸っている人たちの行動なんて、気にしない、動じないという懐の深さを持っていてほしいと、私のロマンがそんな気持ちにさせてしまうんですよ。
でも大ざっぱな昭和の時代ならまだしも、データですべてがセグメントされる令和の時代では、そうもいかないんでしょうね。
おそらく下の方でコソコソやっている人たちのツールが高度になり、さらには安くそれを用意できる環境となったため、パチもの範囲を上のレベルで逸脱した商品が多くなり、看過できる状態ではなくなってきたのでしょう。オリジナルのブランドを侵食されないよう、真贋をハッキリとさせる必要があるわけです。
もう一つ感じたのが、「え? ただの柄模様だぜ?」でした。「柄模様って、いくらでも偶然に被る可能性があるから、難しいんじゃないの?」という理由で、そう感じたわけですね。でも商標登録って、そういった図柄を扱うのは普通なんだそうです。
とはいえ、今回商標登録となった鬼滅模様3パターンの中で、特に煉獄さんの“炎模様”なんていくらでも被りそうだなと。鬼滅をまったく知らない人でも、偶然にデザインしちゃいそうな模様に感じます。どこかのアパレル企業が

え? このデザイン、販売するのに許可が必要なんすか?
なんて事態に陥る様が、見えてしまいました(苦笑)。
でも炭次郎の模様は商標登録を却下されたようですね。あの黒×緑の模様が、古来伝統の市松模様であるから、ということらしいです。
このあたり、「この柄はもうみんなのものだよね」という線引きがあるようですね。どこで線を引くのか、すげー難しいと思うんだけど(苦笑)。
でも今後もこういったプロテクト行動は、小さなレベルでも行われていく世の中になるんだろうなあ。ではまた。

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