今週のキン肉マン第292話-鉄壁たれ、キン肉王家!!

今週のキン肉マン
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 『肉のカーテン』でアリステラの『フォーフィンガースプラッシュ』を完全に防御したアタル。キン肉王家の血を引く超人であることをまざまざと見せつけます。「王族の証明…そうだ、まさにそれこそオレがお前に求め欲していることだーっ!」と、アリステラは怯むことなく今度はオメガハンドの平手打ちでラッシュ。

 それでもアタルの『肉のカーテン』は後退はするものの、崩れることなくその堅牢さを堅持。「フォ~フォフォフォ、こいつは本物だ、素晴らしい! もっと見たい! その肉のカーテンだけでなく、キン肉族特有のその不思議な力の全てをなァ!」と、アリステラはアタルのポテンシャルに高揚し、「左右からの攻撃もだめなら中央突破だーっ!」と、オメガハンドを手刀突きの形でガードの間に差し込むと、アタルの両腕を左右にこじ開けていきます。そして空間ができた部分にすかさず頭突きを食らわせると、さすがによろめくアタル。

 『肉のカーテン』を打ち破ったアリステラは「お前もさらなるキン肉族特有の力を見せるがいい。火事場のクソ力を…さぁ早く」と、アタルにリクエスト。しかしアタルが下からのドロップキックを仕掛けると「オレが見たいのはそんなもんじゃないーっ」と、アリステラは迎撃の体当たりでアタルを上空に突き上げ、空中でキャッチしてのパワーボムを敢行。

 するとアタルはアリステラの頭を両足で挟み込み、フライングヘッドシザーズでリングに放り投げると、落下したアリステラの上から『肉の制圧(サプレッション)』という謎の関節技に固めます。そして「キン肉族特有の力は何も火事場のクソ力だけではない。その真髄は確かな技術に裏打ちされた、王者の見せる王道レスリングの中にこそある。それをまずは思い知るがいいーっ」と啖呵を切ると、「何が王者か。お前は王家を捨てた男だろうがーっ」と、アリステラはアタルの過去の痛いところをついて、強引に関節技から脱出。

 そしてビッグブーツでアタルの顔面を狙うと、アタルはそれをキャッチし「確かにオレは王家を捨てた。だがその王家が長年研鑽してきた格闘哲学、そこへの敬意まで捨ててはいないーっ」と、アリステラの下半身を抱え上げてそのまま反り投げる『肉の豪雨(グランボア)』で、豪快にマットに叩きつけます。その姿はまさに王者の貫禄で、王家は捨てても品格は失わないという、彼のアイデンティティを色濃く表現しているかのようです。

 「なるほど、指揮官としての用兵術だけではない。実際に組んでみた感想として個の力もなかなか大したもの。それでこそこの試合を受けた甲斐がある。さぁもう一度だ、来るがいい!」と、アリステラは感嘆してアタルを呼び込むと、アタルも「いい覚悟だ!」とそれを受け入れ、両雄は再びリング中央でロックアップ…かと思いきや、アリステラはジャンプしてそれをかわすと、目標を失ったアタルは相手コーナーにいるマリキータマンの旋回蹴りを食らうハメに。

 「だがな…その王者のレスリングとかいうご高説に、オレたちは一切興味はないんだ」とアリステラが言うと、マリキータマンはアタルの両腕を絡めたまま上空まで滑空。そしてある程度の高さで逆さになって落下すると、その背後にアリステラがまわり、マリキータマンをジャーマンの要領で掴み、落下スピードを増します。

 そして「オレたちの興味は…あくまでお前の王族としての“特殊性”のみにある。即ちそれは、火事場のクソ力を出させることだーっ!」とアリステラが叫ぶと、3人でリングに猛然と急降下。そしてそのまま『グロリアスサンクションクラッシュ』で、アタルの脳天をリングに叩きつけて次回に続く、です。

 今回はアタルの王族たるプライドが強調された回でした。まずはキン肉族伝統の奥義であるパーフェクトディフェンダーこと、『肉のカーテン』。これを使いこなすことで、アタルの王族ステイタスがいやがおうにも確立されます。また、アタルはいわゆる“シンボル的な技”以外でも、“確かな技術に裏打ちされた、王者の見せる王道レスリング”こそがキン肉王家の真髄だと、ある意味地味な部分での心構えも主張することで、派手さと地味さの両面から王族ステイタスを強調していきます。

 このあたり、アタルの性格がよくでていますね。「派手さじゃないんだよ、地味な心構えの積み重ねなんだよ」と彼は言いたいわけです。こんなところが成熟した人格者たるキャラクターを彼に与えています。悪く言えば説教臭い(苦笑)。それにアリステラが反応して「そんな説教は興味ない」と返し、「火事場のクソ力のような、派手なシンボルが欲しいんだ」と、基礎をおろそかにして、一足飛びで大きな成果を望む若者のような振る舞いをします。このあたり、両者の対比が両極で大変興味深いですね。

 そして人格者先生に反抗する不良のような立場になった(笑)アリステラは、「つっても先生、偉そうにしてるけど、過去には責任放棄して逃げてるじゃないスか」と、一番触れてはいけない部分に果敢に突っ込むも、アタルは「物理的には逃げたかもしれないけどな、プライドを捨てたことは一度もなかったよ」と、青少年にはちょっと理解が難しい大人の理論でこれを論破(笑)。さらには夕日をバックに1ページをまるまる使用して、とんでもない大人の演出を醸し出します(笑)。いや~、これはカッコいいわ。たしかにこれじゃあ人気投票1位獲っちゃうよね(笑)。

 それでも不良オメガグループは先生への攻撃をやめません。怖いもの知らずの生徒二人の強烈なツープラトンで先生大ピンチです。構図としては、理性的な先生を不良が挑発して挑発して、奥底に眠る本性を暴きだしてやろう、といった感じですかね。そしてまんまと炙り出された本性を掠め取ってやろう、というところでしょうか。もしシナリオがその流れで動き、まんまとキン肉王家のパワーの使い方をコピーされたら、フルメタルジャケッツは黄色信号かもしれませんね。

 その他気になった点は

  • ガードからのぞくアタルの眼光がまたカッコいいんじゃ。
  • オメガハンドの平手打ちは衝撃の光景。
  • 手首のあたり、どうなってんだろ(笑)?
  • 爪は誰が手入れしてるのかな? アリステラがプッチンプッチンしてあげてるのかな(笑)?
  • 『肉の制圧』は、『ORAP』の掛け手を逆にしたようだ。
  • 『肉のカーテン』『肉の制圧』『肉の豪雨』。今回は肉多めでお送りしています(笑)。

 こんなところでしょうかね。

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