オメガのツープラトンを食らったアタル。あまりの衝撃にダウンしそうになるも、アリステラは「フン、この程度でダウンできると思うな」と、マリキータマンと共に追い打ちのダブル脇固め。すると締めあげているアタルの左腕からは、キン肉王家を出奔したときについた古傷が浮き上がってきます。「古傷だろうがなんだろうが容赦はしない。オレはお前に火事場のクソ力を出させるためなら…なんだってやってやるさーっ!」と、アリステラは脇固めから変形卍固めの『プリズンアームロック』へ移行。古傷のある左腕をさらに締めあげていきます。
すると「そこまでだ」という声と共にブロッケンJr.がリングイン。アリステラの頭上で倒立し「それ以上オレの隊長を傷つけるマネさせられるかよ!」と、『ハンブルグの黒い霧』でアリステラをアタルから蹴り放ちます。さらに「まだまだだーっ!」と、アリステラをヘッドロックに捕え、マリキータマンの頭を両足で挟むと、オメガグロリアスを同時にホイップし、華麗にリーダーの危機を救います。
パートナーの機転に「すまぬブロッケン、助けられた」と礼をいうアタル。「何を言ってやがる。当たり前のことじゃねぇか! さっきはオレが助けられた。今度はオレが助ける番だーっ!」と、ブロッケンは興奮して地団駄パフォーマンス。そして「さぁ来い! アリステラ!」と啖呵を切ります。
攻勢をそがれたアリステラは「フン、若僧がしゃしゃり出てきやがって。だがむしろ好都合だ。ヤツはどんなに痛めつけられようと、なかなか我らの求める力を見せようとはしなかった。しかしもしその攻撃対象がお前に移ったらどうかな?」と、攻撃対象の変更を示唆。「仲間の危機のために発揮する、そういうこともあるだろう? そもそもオレたちがタッグマッチという形式を了承したのは…そういう可能性も考えてのことなんだからなァ」と、フォーフィンガースプラッシュをブロッケンに敢行。
ブロッケンは「そうは行くか」とそれをバック転でかわすと、その後のオメガハンドの攻撃をすべて避けていきます。するとアリステラが「調子に乗るな。誘導にハマっているとも知らず!」と言うや、背後からマリキータマンがブロッケンをスリーパーに捕え、身動きできなくなったところでアリステラの右ハイキックが強烈にヒット。ブロッケンはダウン。
そして「マリキータ、あれをやるぞ!」とアリステラが飛び上がると、マリキータマンがそれに追従し、上空でアリステラの両足を掴みます。長いトレイン状態になったグロリアスは、そこから錐揉み状に回転してブロッケンに向けて降下を開始。「お前のどてっ腹に大きな風穴を開けてやるやるぜ」と、スクリューキッド&ケンダマンの『地獄のネジ回し』を彷彿とさせる二つ目のツープラトン『アンセンションギムレット』を放って次回に続く、です。
穴のないアタルからようやく攻撃を決め、優位に立ったオメガグロリアスでしたが、ここで出てきましたね、若僧が。なかなか派手な立ち回りでの活躍で、ブロッケンファンも満足なのではないでしょうか。ただテリー・ザ・キッドがよくやる『地団駄パフォーマンス』はいらなかったかな…あれダサいから(苦笑)、それまでの流麗な救出劇が台無しになっちゃう。
このような危機を打開する技として顕著なのが『ハンブルグの黒い霧』ですね。たしか『王位争奪編』のときに、フェニックスに食らわせてペースを変えたのもこれでした。見栄えが派手で、相手を突き放すという特性が使いやすいんですかね、ゆで先生的には。ただこれであの技は完全にブロッケンの“チェンジ・オブ・ペース”技の代名詞となりそうですね。
そしてアタルの弱点として、王家出奔の際についた“古傷”がクローズアップ。この古傷が試合全体に影響を及ぼすものなのか、今回の起伏づくりのためだけのものなのか難しいところですが、おそらく後者なのではないかと。試合を左右するほどの弱点かといわれるとそこまでではないし、ブロッケン活躍の場を提供するためのものだと思います。そもそもあの傷って、宮殿のドアにぶつけてできた傷ですからね…そんなに深刻な傷でもないと思うんですけど(苦笑)。
するとアリステラは戦法をチェンジ。アタルが埒あかないと判断するや、攻撃対象をブロッケンにスイッチ。“自分がやられるより、仲間をやられる方が効く”理論に基づいた戦法(笑)に切り替えます。このあたりの柔軟さは彼のクレバーな面をよく表していますね。一方向に固執しないというか、より目的に早く近づくための方法を即座に選ぶという、優れた経営者的な考え方です。そういったところも、新たなリーダー像という個性なのかな、なんて思います。
そして生贄指定された若僧に襲いかかったツープラトンが、過去のトラウマにそっくりな技で。サグラダ・ファミリアで試合を観ているウルフマンも思わず腰を上げていることでしょう(笑)。ただこれもブロッケンの汚名返上のための、ゆで先生の優しさのような気がします。過去の恥を今回で雪ぐといいますか、これを乗り越えてまたひとつ成長を遂げたというポイントにしたいのでしょう。ですんでこれは回避できると思いますよ。でもあれだな、ゆで先生ブロッケンの贔屓が最近強いな(苦笑)。
その他気になった点は
- 皮を剥がすとその下から傷が出てくるという独自システム。バッファローマンもこれ。
- ちなみにハンブルグには本当に黒い霧が出るのか?
- 地団駄パフォーマンスの出所はサムソン冬木だったかな。
こんなところです。
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