断崖絶壁の落下をかろうじて防いだスグル。岸壁にへばりつき「負けられない…私は…負けちゃいけないんだ…」と、リングに戻ろうとよじ登ります。それを確認したパイレートマンは「忌々しいやつめ…ならば! とっとと落ちろーっ!」と自らダイブし、落下しながらスグルの手に蹴りを食らわせます。
それでも意地で手を離さないスグル。「なぜだーっ、お前の力はもう吾輩には通用しないーっ!」とパイレートマンはニードロップ。それでも岩から手を離さないスグル。「いい加減その中途半端な力を見せるのはやめにしろーっ!」とパイレートマンは二度、三度とニードロップをスグルの手に浴びせます。
するとスグルの掴んでいる岩が破壊され、とうとうスグルは落下。それでもまた左腕を伸ばし、今度はパイレートマンの右足首を掴みます。
「やめるものか…お前の知らない奇蹟の逆転ファイターの真骨頂…まだまだここから拝ませてやるさ!」と、スグルはへらず口とも言えるセリフをはくと、パイレートマンのイライラはピークに達し、「これで終わらせてやるーっ!」と、スグルの肩口に乗って首をクラッチして上昇、リングに舞い戻りカナディアンマンを破ったフェイバリットである『セントエルモスファイヤー』の体勢に。
「何が奇蹟だ!? そんな不確かなものを頼みにオメガが救えるかーっ、もう時間がないんだ。これ以上お前にかかずらっているヒマはない。我らは一刻も早くここから離れ、新たな希望の力を探しに行かねばならぬ!」と、スグルをきつく締め上げます。 そんな攻撃的な体勢になりながらも「だがそんな希望は…これ以上…どこを探せば…!」とふと弱気になるパイレートマン。
すると「あ…あるさ…私はこのまま負けはしない。負けて…たまるか…だってこのままじゃ…誰も救えない。宇宙の平和も…お前たちに倒され散っていった友たちも…そして…お前たちオメガの星も、未来も…哀しみも…! 何も…救えない」と、スグルはあきらめません。それを聞いたパイレートマンが「救えるものなら救ってみろーっ!」と渾身の力で絞り上げると、スグルは腹が裂けていき絶体絶命に。
しかしここでスグルは再度“火事場のクソ力”を発動。すると「なんだと!? これ以上…技が入らん!」と、スグルのパワーにより技が押し返されていき、とうとう両足首を掴んでいたクラッチが外れます。その瞬間にスグルは首を挟んでいたパイレートマンの両足をこじ開け体勢を反転、「火事場のクソ力ァァ~~!」と、ブリッジの威力でパイレートマンを宙に舞わして次回に続く、です。

今回はスグルの粘り腰というか、しつこいまでのしぶとさが発揮された回でしたね。絶体絶命のぶら下がり状態を執拗に攻撃されても落ちそうで落ちない(苦笑)。その原動力は宇宙の平和、散っていった友への弔い、オメガの救済。もうあらゆる問題、難題、要望をすべて包み込んで救済したいという果てしない奉仕の心です。ある意味欲張りすぎるてんこ盛りな志ですが、すべてを網羅して解決するというのが主人公たるゆえんなのでしょう。
そんなスグルの志もすごいのですが、今回一番の衝撃は、パイレートマンが追撃のために自ら断崖にダイブしたことです。今までリング下に落ちる、落ちない、で緊迫した試合を演出していたのに、まさかのセルフダイブ(笑)。今までの緊迫感はなんだったんだ、ってな感じです。
また、パイレートマンが宙に浮いている時間があまりにも長く、ある程度の物理的逸脱も許容する私の“マンガ脳”も、さすがにアラートを発動。「宙に浮いている時間がさすがに長すぎます」という文字が脳内に表示されながら頁をめくるという状態に(苦笑)。それでも「ニードロップを打ちつけた反動で再度上昇している」という仮説を無理やり提示し、脳内アラートと真っ向勝負させます。
しかしながら、最終的にパイレートマンがスグルもろとも上昇した時点でその仮説も瓦解。どうしよう、どうしよう、もう辻褄があわないぞと悩んでいるうちに(笑)物語は先へ進み、スグルの奇蹟の逆転ムーブへ。こうなったらもうどうしようもありません。ボクの“マンガ脳”は考えることをやめました(笑)。いいぞ、スグル~っ、いってまえ~(笑)!
で、最期のムーブはおそらく『マッスル・スパーク』へのプレリュード。シルバーマンをして「最高の完成形」と言わしめたそのフェイバリットでどうやら決着がつきそうです。また、スグルの“活人”の極意で、パイレートマンは死なずに済むのでしょう。生きてパイレートマンの荒んだ気持ちが変わることを期待します。
その他気になった点は
- パイレートマンはダイブ後にどうやってリングに戻るつもりだったんだろう?
- 空中上昇できるから大丈夫なのかな?
- そもそもスグルも飛べるんだけどね(苦笑)。
- 『セントエルモスファイヤー』も、中井画伯は「嶋田くん、無理だよこれ~」と言ったと思います(笑)。
こんなところです。
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