今週のキン肉マン第425話-振り回せ!“完球”!!

今週のキン肉マン
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バッファローマン、ロビンマスク、アシュラマンがザ・ワン陣営に参加表明。リアル・ディールズは完全に分かれて各々で動き始める。一方、任務偵察中のケンダマンは謎の超人に追い詰められていた…。

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完璧無量大数軍としての誇り

 ちぎれた鎖を結び直し、時間超人の尖兵とおぼしき二超人相手に臨戦態勢をとったケンダマン。

完璧超人を甘くみるな!

二人まとめて地獄へ落としてやる!

と啖呵を切ります。おおっ、勇ましいじゃあないですか、ケンダマン! しかしフードの超人は

一人しかおらんのに寝ぼけたことを

と、まったく意に介しません。数の論理が解消されていないのに猛っている彼が理解できない、という感じです。

 それを受けたケンダマンは

いや、違う!

これはオレたちの作戦だ

相棒のキッドはオレの実力を認めているからこそ、この場をオレに任せたのだ

その信頼に完璧に応えるがゆえの“完璧・無量大数軍”だーーーっ!

と、啖呵を切れる理由を口にし、鉄球攻撃です。

 う~む、この言動を見る限り、彼は完璧無量大数軍という軍団に対して、えらく誇りを持っていることがうかがえますね。

 おそらくですが、完璧超人に属する超人にとって完璧無量大数軍は、航空自衛隊におけるブルーインパルスのような、選ばれし花形部隊なのでしょう。

▲こんな掲示物で向上心を啓蒙?

 そしてそこに昇格した証としての“完”の一字を使った通称は、それこそ自身の名誉・栄誉として、承認欲求を大きく満たすものなのかもしれません。

登場! シン時間超人!!

 そんなブルーインパルスメンバー(笑)ケンダマンの渾身の一球は、あえなくフードの超人にはよけられ、

やる気なら仕方ないな

と、彼らはフードを取り去り臨戦態勢へ。とうとう刻の神軍の記念すべき超人が2体、初お披露目です!! その名は“怒涛の刻”ドミネーター、“疾風の刻”エル・カイト!

 これを見るに、刻の神軍の超人には、完璧無量大数軍同様、通称が一人一人ついているようですね。 

 超神にもこの通称は採用されていたので、この“実名+通称”の組み合わせは、ゆで先生の最近のトレンドなのかもしれません。

 そしてドミネーターとは“支配者”を意味するようで、力で相手を押さえつけるキャラクターのような感じがします。

 フォルムについては、両肩の球形肩当が印象的です。個人的に目を引くのがそこに刻まれた「楔形くさびがた文字」で、メソポタミア文明な感じのこのギミックが、はたして彼にどのような特殊能力を授けるのか…?

 ただちょっとだけラーメン屋や街中華等によく置いてあった、球形の星占いおみくじが両肩についているようにも見えますけどね(笑)。

 一方エル・カイトの方は、凧をモチーフにした超人です。“ゲイラカイト”を模した顔立ちが、我々団塊ジュニア世代の懐古センサーをおおいに刺激しますね(笑)。

 フォルムはスマートなイカ型です。力はなさそうですが、スピードが早そうです。異名は“疾風の刻”ですからね。

 ですので、もしこの二人のコンビでタッグマッチが行われるならば、力のドミネーター、早さのエル・カイト、となりそうです。

 そしてどちらにも感じるほのかな昭和臭…ノスタルジストにとってはたまりませんね(笑)。

▲シン時間超人に漂う濃厚な昭和臭。

 また、時間超人のアイデンティティともいえる魔時角は…今のところ見当たりません。この辺の設定は何か意図があるのかどうか。今後の展開までお預けですね。

エグい新技、ケンダマン

 そんな感じでとうとう開戦した新章第一戦ですが、状況的には1対2のハンディキャップマッチです。そんな不利な状況でケンダマンはドミネーターのショルダータックルを食らいますが、なんとここから反撃を開始。

 ドミネーターを鉄球で打ちあげると、落下した彼をアルゼンチン・バックブリーカーの体勢でキャッチ。ここでえげつないのが、彼の鋭利な首? のトゲを敵のどてっ腹に貫通させていること。

うっわ、えっぐ!!

と思っちゃいました。というか、相手がもしザコキャラだったらこの一撃でKOだったとしても、かなり説得力があります。さすがは昇格したての完球様だと思っていたら、

まだ終わっちゃいない

と頭の鉄球をドコォ! と首に戻してドミネーターをサンドイッチする『カップアンドキャノン』という新技披露です!

 これはなかなかインパクトのある新技ですね。けん玉という彼の特性を活かした、見栄え的にも威力的にも上手くやったなあ、と感嘆するフェイバリットです。

 もしこれが『宇宙超人タッグトーナメント』で披露されて、それで開いた腹にスクリュー・キッドが足をねじ込んでの『地獄のネジ回し』をやられたら、見ているだけで痛々しいですね(汗)。

 しかしこの強烈な技を食らってもなんのその、そこから脱出したドミネーターは、

ドミネーター
ドミネーター

この無防備な鉄球こそが最大の弱点

と、エル・カイトの上からの圧を加えたエルボーをケンダマンの首元に叩き込む強烈なツープラトン。一気に攻守逆転します。

 このツープラトン、名前はないのですが、原理的には少し悪魔将軍の『地獄の断頭台』に似ている感じがしましたね。

 特にエル・カイトが上から荷重を足している点は、将軍サマが自分の足で上からロックをした改良版『神威の断頭台』っぽくも感じました。

 さらにエル・カイトの体操選手のようなポーズは、ほのかなライトニング臭も感じましたね。なにやら時間超人の闘いの記憶がふつふつとよみがえってきましたよ(笑)。

過去キャラへの敬意

 これで鉄球にヒビが入り、動きが止まったケンダマン。形勢逆転で大ピンチも、ドミネーターとエル・カイトの二人は

ドミネーター
ドミネーター

口だけかと思ったが、そうでもないな

エル・カイト
エル・カイト

実際のリングだったら足元をすくわれた可能性もある

と、ケンダマンに対して一定の評価を与えます。

 このような先輩キャラを立てるセリフ、ありがたいですね。このあたり

キャラを使い捨てにはしません!

という、ゆで先生の昨今の姿勢が見えて嬉しくなります。

 つまりゆで先生は、読者層が40年前の興奮をよみがえらせて現在の作品を楽しんでいるという現状を、しっかりとわかってらっしゃるんですよね。

 そして過去に活躍したキャラに敬意を払うことこそが、大半の読者層の深層心理で鎮座している基本ニーズだということをご理解されているんです。

 ですので、仮に過去キャラが噛ませ犬の役割をあてがわれ、ひどいやられっぷりを披露したとしても、彼らの誇りを傷つけない配慮がなされているんですね。それがこのシーンでは

ドミネーター
ドミネーター

口だけかと思ったが、そうでもないな

エル・カイト
エル・カイト

実際のリングだったら足元をすくわれた可能性もある

という会話に如実に表れていると思うんです。これがあればこそ、ケンダマンが散ったとしても、読者はその現実を飲み込むことができるんですよ。

シン時間超人三態

 …っていかんいかん、すっかりケンダマンが噛ませ犬になることを考えちゃってる(苦笑)。ダメだよ、ケンダマンの噛ませ犬化は断固阻止する気構えで応援しなきゃ(笑)。

 そんな中、刻の神軍の二人が

エル・カイト
エル・カイト

油断は禁物。

いい勉強になったぜ

ドミネーター
ドミネーター

まあオレたちはこの世に生を受けたばかり。

もっと学ぶことがあるってことさ

と、気になる一言を口にするんですね。

 この会話を聞く限り、彼らは製造間もない超人であることがわかります。以前ザ・ワンが

ザ・ワン
ザ・ワン

神による超人製造術を、刻の神が復活させた

と語りましたが、その製造工場が目下フル回転中であることが、彼ら二人のセリフからも想像できるってものです。

 となると、今後登場する時間超人は、生まれたてホヤホヤの超人が多いのかもしれません。もしそうならば、闘いの経験値という点では慈調同盟に分がありそうです。

 ただ太古の時代に神々が超人をそれぞれ製造していた頃に、刻の神が生み出した時間超人もいると思うので、そこから連綿と遺伝子を受け継いできた時間超人もいるのでしょう。

 さらには、数億年前に生まれた時間超人や、逆に未来に生まれた時間超人がタイムスリップをして現代に現れることも考えられるので、今後出てくる時間超人は

  1. 生まれたての時間超人
  2. 時間超人の遺伝子を引き継いだ現役時間超人
  3. タイムスリップしてくる時間超人

の3種に分かれるのかな~という気がします。

 そして1はほぼ刻の神軍なんでしょうけど、2、3は場合によっては慈調のいずれかに付く場合もあるかもしれません。それこそ前回日本中に衝撃を与えた彼なんて、その可能性が高いですよね。

驚きの助っ人、見参!!

 いずれにせよ、ケンダマンがこのまま新超人の餌食となってしまうのか否か。そんな状況にハラハラしていると…

そこまでだ!

と、時間超人の腕を逆関節に捕えるシルエットの超人が二人!

助っ人キターーーーッ!!

キッドか? ブーか?

と、待ってましたとばかりの大喝采ですよ! 「志村か? 高木ブーか?」みたいになっちゃったけど(笑)。

 はたして助っ人の正体は誰なのか。次のページをめくるまでのわずかな時間で、そのシルエット、そして敵を絡めとる体勢をヒントに、複数の超人を頭の中でスロットのリールように回してしまうのが、キン肉マンファンの性ってもんですよね(笑)。

 実はこの時私、前回の究タつながりインパクトによるバイアスがかかりすぎちゃって、頭の中のリールにⅡ世超人も出てきちゃったんですよ(笑)。

 しかも腕を逆関節に持っていく様子と、ドミネーターとカイトの二人が前かがみで苦しむ体勢を見て

え? え? これってOLAP?

…ってことはまさかのケビ…

という、とんでもなく突き抜けた想像をもしてしまいました。その間、わずか0.5秒(苦笑)。

▲脳内でスロットが回ります(笑)。

 もうね、前回のショックで“時空を超えて超人が登場する”という事態を、脳が受け入れる体制が整っちゃっているんですよ。

時空移動超人ノウケイレOKデス

といった感じで。ウォームアップ終了、みたいな(笑)。いやはや、お恥ずかしい(苦笑)。

 そんな感じで興奮しながら読み進めていくと、ケンダマンは

なぜ…お前らが…ここに?

と、意外な人物の登場を示唆。え? 身内じゃない? ってことは…ケビ…

お前らか?

“時間超人”とかいうヤツらは!

 私の妄想を一瞬で蹴飛ばした(笑)、ゴッドセレクテッドじゃない方の二人の王子キターーーーッ!! そして次回に続く、です。

つかみと引きの美学

 いや~ここでゼブマリ技翔コンビを出すかあ。この人選はかなりの予想外でした。これはタッグマッチの線が濃厚になってきましたね…。

 しかしまあ、ここ数回の“誰が出るかなスロット”すごいな、ゆで先生。もうね、毎回の引きがインパクトありすぎなんですよ。

 スグル第二シリーズになって顕著に感じることは、ゆで先生が

①新章に巨大爆弾投下

②各話の引きを最重要視

の二点について、かなりの力を注いでいるということなんですね。

 ①については『完璧超人始祖編』では悪魔超人の登場だし、『オメガケンタウリの六鎗客編』では正義の五本槍の登場だし、『調和の神編』ならばレオパルドンを筆頭とするビッグボディチームの登場だし。

 そして今回の『刻の神編』においては…前回のワチキさんになるわけです。もうね、序盤のつかみが

オッケー中のオッケー!

といった感じで、とにかく凄まじい。すべてがお祭り状態になるくらいのインパクトなんです。

 そして②については、今回の技翔コンビの登場のような、読者をアッと言わせる状況を演出して次回につなげる…その繰り返しのクオリティの高さこそが、

キン肉マンは今が全盛期!

と言われる状態を作り出しているのは、間違いがないかと思われます。

 そしてそれを可能にしている理由の一つが、40年間という長い年月で培われた豊富なキャラクター群だと思うんですね。要は

出したらみんなビックリ!

というキャラクターをたくさん抱えているという、いわば“キャラクターバンク”における預金残が豊富だという状況が、大きな強みとなっていると思うのです。

 もちろん“初期インパクト&強烈な引き”という手法は、ジャンプ時代からも行っていた手法だとは思うのですが、第二シリーズの方が洗練されていると思います。

 しかも“ストーリーが先々まできちんと練られた上でのインパクト”という点で、初代との違いが顕著に表れているなあと感じますね。

 ではその引きのインパクトを創出した技翔コンビですが、彼らの行動目的は何なのか。ケンダマンを救ったことを思うに、刻の神軍とは敵対関係であることがわかります。

 ただあの二人が一体どこに所属して行動をしているのか、という謎があります。可能性としてはザ・マンとの協力体制が濃厚なのですが、彼らの上位神である邪悪神の指令である可能性も捨てきれないわけです。

 もし後者だとすると、邪悪神の狙いは何なのか。そして彼らと縁を切りたい四王子が、いまだ彼らに従わなければならない理由は何なのか。いろいろと想像が膨らんでしまいますね。

 …そしていろいろと想像が膨らんでしまうこんな状況を作り出すことこそが、今のゆで先生の“引きの強さ”なんですね。いや~、素晴らしいですな。

その他気になった点

 その他気になった点は

  • 新生ケンダマンは、目線がわかりやすい。
  • しかも目で語る感も強い。
  • その目のおかげで、私の中の「カワイイ超人カテゴリー」に足を踏み入れている(笑)。
  • 『逃走中』のハンターから逃げるような姿勢のスクリュー・キッド(笑)。
  • エル・カイトはウルトラの母にも見える。
  • ケンダマンの首の円錐、けっこう伸びるんだな。
  • うまく鉄球が円錐に入らなくても、技の威力の減退はなさそうだ(笑)。
  • 実はけん玉が下手くそだったらどうしよう、ケンダマン(笑)。
  • ゼブラは回復できたのかな?

 こんなところですかねぇ。次回、ゼブマリ技翔コンビの参戦理由等、楽しみですね。その前に彼らの復習をされたいかたは、こちらをどうぞ。

 完球さんについても、もしよろしかったらどうぞ。

 また、超人批評の最新版を読みたい方は、こちらのケビンマスクーその5もどうぞ。ケビンマスクの“無敗伝説”という特別なる格闘ステイタスについて考察しております。

 そして最新刊『キン肉マン82巻』が絶賛発売中です。まだご購入されていない方はぜひ! ではまた。

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コメント

  1. uzuki より:

    さすがに雷電コンビではありませんでしたね
    しかし「~の刻」は“とき”と読まないんですね
    刻の神の系譜なんだから「~のとき」の方がいい気がするんですが

    技翔コンビは間違いなく邪悪神の意図を汲んで動いてるんでしょうけど
    さすがに第4勢力になることはないでしょうね
    これ以上派閥が増えてもこんがらがりそうだし

    直近のバトルで勝ってるマリポーサと負けているゼブラ
    これは勝敗の予想がつけづらい
    せっかく出てきた新時間超人をゆで先生があっさり使い捨てるとも思えないから
    この戦いは痛み分けになるのかなぁ

    • アキラ アキラ より:

      uzukiさん、こんにちは。

      たしかに“刻”は“こく”と読んでいましたね。このあたり、単純な誤植なのか、あえてなのか。でもどうせなら“とき”がいいですよね~。
      技翔コンビはどんな技がでるか想像がつきづらいコンビですよね。考えもしなかったタッグ、楽しみたいですね。

  2. キムラ ヒデ より:

    ケンダマンのやられっぷりはティーカップマンを思い出させて辛かった。
    ゼブラは今度こそ初勝利なるといいですね。マリポーサのアステカセメタリーとゼブラのマッスルインフェルノがゴッツンコするような合体技がみたいですね。

    • アキラ アキラ より:

      キムラさん、こんにちは。

      ケンダマン、一人ラージナンバーズで頑張っていましたよね。助っ人はくるとは思っていたのですが、まさか技翔コンビとは…。
      これを予想できた人はいなかったでしょうね~。ゴッドブレス・リベンジャーを超えるツープラトンにも期待ですね。

  3. MK より:

    刻の神は超人を生み出しているところのようですね。刻も12個あるので12人は出てくるでしょうか。
    最初の時間超人が足元をすくわれると言ってましたのでケンダマン健闘しましたね。また生き残りそうで良かったです。
    ゼブラとマリポーサのコンビも意外でした。でも技巧と飛翔なのでマスカラス兄弟のように上手く組合わさると面白そうですね。

    • アキラ アキラ より:

      MKさん、こんにちは。

      なるほど、刻が12ある、という関連性から12人という発想は素晴らしいですね。納得しやすい設定です。ケンダマンは闘いそうもないですが、とりあえず生き残ってくれそうで嬉しいですよね。

      そして技翔コンビがマスカラスブラザーズ…おお~、言い得て妙で、とても納得いたしました!

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