火事場のクソ力でさえ、自身の星の危機を救う力となり得ないことがわかり落胆するパイレートマン。「ディクシアが見つけた最後の希望…お前の秘めたその力の可能性に我らの願いの全てを託して…ここまでやってきたのだ! それなのに…その結果がこれとは…あまりにもむごすぎる!」と肩を落とします。
そんなパイレートマンを見てよろよろとスグルが近づくと、パイレートマンは突然強烈なスピアー。そして片手でスグルの首根っこをつかみ、チョークスラムでマットに叩きつけると、「もうすべてわかった。もうたくさんだ。もうお前に…用はないーっ!」と厳しい言葉を浴びせます。
スグルは意識が薄れゆく中、「こなくそーっ」とパイレートマンの腕をつかみ反撃を試みようとしますが、「その弱々しい目でこっちを見るな、このポンコツがーっ! オメガを救える力を持つ者と信じ、礼を尽くして応対していたが、お前にその力のないことはよくわかった。さんざん我らの期待を煽り振り回しおって! 全宇宙を股にかけたこのクソ詐欺師がぁーっ!」と、さらに辛辣に罵倒すると、“敗北か死か”を選択させるジョリー・ロジャーの儀式に。
しかしスグルに対しては「嘘の希望の光を掲げてさんざんたぶらかした」という理由から“リング上で血まみれになって死ぬか、下の海に叩き落とされて死ぬか”の二者択一となり、首相撲からのヒザ蹴りの雨あられ。
もはや拷問もしくは死刑執行状態となったスグルですが、攻撃を受けながらも「この男の根元にある感情は怒りではない…哀しみだ。私を攻め立てていながら心の中で泣いている。今の私の無力さが…この男を追い詰めてしまったのだ!」と己の無力さを痛感してパイレートマンの哀しみを理解します。
そしてスグルはパイレートマンの膝蹴りをキャッチすると「すまないな…私が弱いばっかりにお前にここまでの哀しみを背負わせてしまった…!」と謝罪。それを聞いたパイレートマンは「今さら何を言ってももう遅いーっ!」とハイキックを食らわすと、「すべては終わった。もはやお前の言葉になんの価値も見出せない」と、スグルの腕を交差させてつかむと、そのまま反り投げる『ブラッドオーシャンスプラッシュ』。スグルは眼下の海面に放り投げられました。
しかしなんとか岩壁にへばりつき、「負けられない…この闘い何があろうとも絶対に私が負けるわけにはいかんのだ…」と決意を新たにし、次回に続く、です。

今回はパイレートマンの落胆からくる、スグルへの怒りの矛先転換と、それもやむなしと受け入れてしまうスグルのお人好しぶりが表現された回でした。
ただパイレートマンの精神状態については、スグルにしてみたらいい迷惑だと思いますね。だって勝手に期待して、その期待にそぐわないと見るや罵倒して敵視し、使い物にならんから殺してしまえ、という理屈ですからね。自己中も甚だしいというか、あまりにも自分勝手すぎる。
まあそれくらい自分のミッション達成が切羽詰っているともいえるのですが、スグルはちょっとかわいそうです。例えるならば、「あのアイドルはすごくタイプで魅力的だ。あんなかわいい娘がトイレになんていくはずがない」と期待し、実際トイレに入っていると知るや「オレの期待を裏切りやがって! この詐欺師が! 殺してやる!」と言っているようなものでしょ(苦笑)。
ただそれを受けるスグルもスグルで、「私が無力だからいけないのだ。申し訳ない」ですからね。人が好すぎるでしょ。でもこの精神構造こそ王たる人物の責任感なのかもしれませんね。「私がトイレにいくからいけないのだ。ウ○コしてすみません」とアイドルが謝るようなもんですよ(笑)。
まあ六鎗客側の立場をおもんばかれば、もう余裕がないんだよね、時間がないんだよね、背に腹は変えられないんだよね、という同情の視点で彼らを見ることもできなくもない。でもこんな受け止め方をするなんて、神対応だよね。ちなみに彼らはその神々にも喧嘩を売っていますけどね(笑)。
話の流れで「ゴメンね」状態になってしまったスグルですが、最後はここからの打開策に移る雰囲気になりました。「何があろうとも絶対に負けられない」とふんどしを締めなおしたその心は、散っていった仲間たちのためなのか。もしくは一度は“期待はずれ”と失った汚名を返上するためなのか。どちらなんでしょうかね。
その他気になった点は
- 「もう」「もう」「もう」が多いパイレートマン。
- 「ポンコツ」「クソ詐欺師」「嘘の希望の光」。あらためてひどい言い草だな。
こんなところです。
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