『キン肉マン』507話では、いよいよテリーマンvsエンデマンが本格化! ジェロニモへの想い、新技コンドルランチャー、そして“根性>物理”な頭突き合戦など、ツッコミどころも燃えどころも山盛り。今週も笑って熱くなれる感想&考察をどうぞ!
今週の注目ポイント
この記事にはキン肉マン週プレ最新話507(2025年9月29日配信分)の感想が記載されています。つまりネタバレ確実なため、十分ご注意ください。
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今週のキン肉マン第507話「巨漢ハンターの宿命!!」感想と考察
前回までのあらすじ
「危ない時はいつでも駆けつける」と約束し、サグラダファミリアに向かうグレートを見送ったキン肉マン。これで五大刻との闘いはテリーマンvsエンデマン戦を残すのみになった――!!
前回の感想は☞https://oreryu.site/kinnikuman15-93/
テリーマンの使命感―ジェロニモへのアンサー試合
スリランカのシーギリヤロックのリングにて、巨漢のエンデマンからテイクダウンを奪ったテリーマン。

どんなにデカイ相手でもこうして寝かせてしまえば、互角以上に闘えるってもんだ~っ!
と、その流れで得意のスピニング・トウホールドへ移行。
このテリーマンの物言い、往年のカール・ゴッチの言葉

大男も寝かせてしまえば、単なる大きなウ○コと変わらない
を思い出しますね…ってゴッチさん、もう少し品のあるお言葉でお願いします(苦笑)。

いずれにせよ、巨漢超人の相手はお手の物であるテリーにとても似合う極意というか、これ以上それをわかっている人はいないという説得力にあふれています。
そんな勢いで対戦相手の右足を絞りあげると、

バゴア~~ッ
と呻き声をあげるエンデマン。あれ…? 少しどこぞの恐怖の将のような…(苦笑)?
そしてテリーはモニター越しにマッスル・ブラザーズⅢの勝利を祝福。その流れで

これで対抗戦は二勝二敗!

そうなると勝ち越しはミーの試合結果如何に委ねられたってことだーっ
と、この試合が雌雄を決する重要な試合に昇格したことを認識するとともに、

見ているか、ジェロニモよ!

先のバベルの塔の闘いでオレの代わりに行ってもらった結果、お前は自ら封印の鍵となり動けない体となってしまった!
と、愛弟子・ジェロニモへの想いも再確認しました。
…そうか、そうだよなあ。この試合、テリーにとってはジェロニモに対するアンサー試合でもあるんだよなあ。
ジェロニモはテリーマンの名代として超神と闘い、勝利という結果をもぎ取った。しかし地上と天界の崩壊を一時的に食い止めるため、自らカピラリア砲の一部となり仮死状態に至った…。
そんなジェロニモの献身に応えるために、テリーはこの試合に勝つしかない。でないと、ジェロニモへのアンサーが成立しないんですよね…。そして刻の神の野望を阻止しない限り、彼は戻ってこられない。
そう考えると、この一戦は単に対抗戦の総合勝利を決めるだけではない、より重要な意味合いを持つ一戦であることがわかります。
…でもゴメン、ジェロニモのことちょっと忘れてたっ(苦笑)! 許してテヘペロ。

ココバットvs根性バット―根性>物理という公式
そんな使命感でさらにエンジンがかかったテリーは、ホールドをさらに回転。しかしエンデマンは悲鳴をあげながらも

調子にのるなよ、旧式めが

我らはモノが違う。
ヤワな関節技など1億パワーの前では…ホールドとは呼べぬわ~っ!
と、この伝家の宝刀を強靭な足の力だけで跳ね返します。このあたり、五大刻の看板に偽りなしの豪快さ。
そして宙に浮かせたテリーの両肩をガッシリと掴んだエンデマンは、テリーの額へ強烈なヘッドバット『エンデココバット』をお見舞い。あまりの衝撃に額から流血するテリー。
これ、単純ですけど、痛そうですね~。エンデマンがゴリゴリの建造物超人なので、コンクリートブロックを頭に叩きつけられたような感覚で読んでしまいます。
ちなみに技名の“ココバット”とは、力道山とも対戦したことのある名レスラー、ボボ・ブラジルの必殺技からの命名ですね。
ブラジルはヘッドバットが得意で、その頭の硬さがココナッツくらい硬い、という比喩でつけられたそうです。でもエンデマンのフォルムを見る限り、とてもしっくりくる技名ですよね。

ただここですごいのが、テリーが二発目を狙うエンデマンの腕をはねのけて

二度もくらうかーっ!
と、逆にヘッドバットを返していくんです。このムーブがね、いかにもテリーマンらしくてたまらんのですよ。
だってテリーマン、自分の頭が特別硬いなんてプロフィール、ないですからね(苦笑)。フツーのノーマル頭なのに、あえて自分からコンクリートブロックに激突していくんです。
しかもそれを一発ではなく、二発、三発と連打するという無茶行動。つまりここにはテリーのトンパチぶりがとても色濃く描写されているんですよ。
その行動の根源となっているのは、
相手にナメられるのは大嫌い
という、彼の矜持そのものなんですね。はい、テキサスブロンコです。
つまり彼にとっては
どちらの頭が物質的に硬いか柔らかいか?
という物理的優位差は関係ないんですよ。仮に自分の方が柔らかかったとしても、そこは意地と精神と根性でカバーするんです。それがテリーの頭突き“根性バット”なんです。
このね~、非科学的な根性論がまかり通るキャラこそが、テリーマンという男の真骨頂であり、底知れぬ魅力なんですよね~。

その結果、あんなに巨大で堅そうなエンデマンがグラついてしまうという。そして自分の何倍もある相手に対して

素直にダウンしたほうがよっぽど楽だぜ
ですからね。いや~、痛快この上ないです。
巨漢超人の必殺技はシンプルにして豪快―エンデマンの個性
しかしエンデマンもやられっぱなしではありません。一瞬のスキをつき、巨体に似合わないドロップキックを発射。この予想外な巨砲を浴び、思わずダウンを喫するテリーマン。
試合の主導権を奪い返したエンデマンは

バコバコ、確かにお前の攻撃はなかなかのものだ

しかし朝日のような攻撃もそろそろ宵闇の刻…つまりはダークネスゾーンてわけさ
と、倒れるテリーを見下ろしながら近づいていきます。
う~む、なかなか詩的な発言をするじゃないですか、エンデマン。というか“宵闇の刻”という、時間帯を切り取った五大刻の二つ名の存在、すっかり忘れてました。
ダメだな、ジェロニモの人身御供も忘れているし…私もそろそろ始まっちゃったかな、認…(苦笑)。
そしてダウンしたテリーの首元をむんずとつかむと、そのまま持ち上げて吊り上げる『ダークネスゾーン・ネックハンギング』で、相手の頸動脈をジワジワと絞めつけるエンデマン。
そんなここまでの彼の必殺技ですが、ヘッドバット、ネックハンギングと、いわゆる通常のプロレス技が多いですよね。それに“エンデ”とか“ダークネスゾーン”という飾り言葉をつけているだけにも見えます(苦笑)。
でもこれはあえてそうしているのかな、とも感じられますね。というのも、彼は巨大で豪快な体躯が売りの超人なので、通常技がそのまま規格外の必殺技になるからです。
ほら、ジャイアント馬場さんがそうだったじゃないですか。
- コブラツイスト⇒ジャイアントコブラ
- DDT⇒ジャイアントDDT
のように、既存技がすべて“ジャイアント”の冠つきの必殺技に昇格してしまうという…つまり
という“巨体フィルター”を通すだけで、シンプルな技が必殺技になっちゃうんですよ。

そんなナチュラルな個性がある場合、技に妙な小細工を入れて個性を出そうとすると、逆にスケールダウンになりかねないんですね。そういった意味で、彼の技はシンプルなのかな、と感じました。
…とはいえ、テリーは巨体じゃないのに既存技が多いですけどね…スピニング・トウホールドとか、ブレーンバスターとか…(汗)。あかん、自分で自分の考察を打ち消してもうた(苦笑)。
ただ闘っている二人が既存技多めで共通しているというのは、妙な因縁を感じさせますけどね。
ジャイアントハンターのプライド―テリーの新技登場
そして一転ピンチとなったテリーマンは、ここでもお得意の反抗心を燃え上がらせます。

よく聞け…オレはお前のような体躯に恵まれた超人を打倒し続け…いつしか付けられた二つ名がある…

それは…ジャイアントハンターだ~~っ!
と叫び、自身の首を絞めつけるエンデマンの両手を跳ねのけるテリーマン。
おお~、言ったね~、言いよったね~。でもその看板に偽りなし、なんだよなあ。回想シーンではキング・ザ・100トンとマックス・ラジアルが登場したけど、ここに魔雲天も追加されますからね。また、タッグ対戦だけど、サンシャインも追加していいと思うし。
そして起死回生の一撃は、上空からの『テキサス・コンドルキック』! ところがそれを読んでクロスアームガードにて完全防御するエンデマン。相手の動きをかなり研究してきたかのような動きです。
しかしテリーは動じる素振りもなく

フッ、お前たち相手にこれは防がれると思い、コイツを用意した
と言うや、新調した左足の義足をグイっと伸ばし、コンドルキックからのコンボ膝蹴りである『テキサス・コンドルランチャー』をエンデマンの顔面に豪快に炸裂させて次回に続く、です。
出ました、テリーの新技。形状的には武藤敬司の『シャイニング・ウィザード』を空中で発動させた感じでしょうか。
そして単体フェイバリットの開発ではなく、既存フェイバリットにプラスαした連続技の開発、というのがまた渋いんですよね。微妙に地味な開発方法がいかにもテリーらしいというか(苦笑)。
ただここで彼は、キン骨マンが作ってくれた義足の方の足で、思いっきり膝蹴りをしているんですよ。そこに義足が順調に機能していること、信頼に足る働きをしている様子が見えて嬉しくなります。
ですので、もしこれでテリーが大事なくエンデマンから勝利することができたら、キン骨マンの禊は完全に終了したことになりそうですね。そうなったらキン骨マン、たぶん泣いちゃうだろうな。

一進一退の攻防―絶望感を緩和する演出考察
今回の攻防を見ていると、

一進一退だな
というイメージが強いです。要はそこまで「五大刻は手に負えない」という絶望感がないんですね。
これは刻の神編が始まった初期-特にパピヨンマンvsマリポーサ戦の頃の、絶望的な実力差表現が緩和されてきたことに他なりません。それは
- ノーダメージ表現の減少
- 超回復の封印
という点が大きく影響していると思われます。
強さのバランス調整―ゆで先生のチューニング技術
1については今回のエンデマンもそうですが、
- エンデマン…バゴア
- エクサベーター…ザッカ~ッ
- パピヨンマン…リガガ
- ペシミマン…ニギャア~ッ
- ファナティック…ニャガラ~ッ
と、マン軍戦士の攻撃で五大刻が素直に悲鳴をあげている点に、如実に表れています。これについては

五大刻、けっこうつけいる隙あるじゃん

言うほど強いわけじゃないかも…
というイメージを想起させることになり、圧倒的強者描写ができないデメリットがあるものの

なんだよ、ずっと五大刻のターンじゃん

何やっても効かない。ストレスたまるな
という、読者にシラケ感を与えるような描写を回避できるので、なかなかよい塩梅なのではないかと個人的には感じています。
ぶっちゃけ五大刻には、もう少し強者描写をさせる余裕があるかな…とすら思えるくらいです。まあこのレンジについては受け取る人によって違いがあるので、ゆで先生がさじ加減で一番ご苦労されている部分かもしれませんがね。

超回復スキルの行方―今後の制約と再登場の可能性
あとは何といっても2が大きいです。エル・ドミノス(エル・カイト&ドミネーター)が超回復を派手に公開して以来、

時間超人にどんなにダメージを与えてもなあ…安心できんのよ
という、試合展開に対する慢性的な失望感がつきまとっていたのは事実です。
それがMAXになったのがネメシスvsファナティックで、

これはズルいよ…
と、そのチート能力に辟易としたものです。
しかしそれ以降、ペシミマン、パピヨンマン、エクサベーターと、超回復の“ちょ”の字も登場せずに試合は終了しています。
さすがに三戦連続でこのようなことが起きると、

時間超人にどんなにダメージを与えてもなあ…安心できんのよ
という失望感は薄れてきましたね。事実、今現在のテリーマンvsエンデマンでは、その心配をせずに試合を鑑賞していますからね。
この精神状態は観る側としてはとてもストレスが少なく、純粋に作品を楽しめる好循環を生み出しています。裏を返せば
超回復スキル設定は悪手
であることが、ありありとわかるわけです。そしてゆで先生はそれを危惧したからこそ、超回復をフェードアウトさせているのかもしれません。
ただ一度設定してしまった能力をシレっと闇に葬るわけにもいかないので、どこかでまたこの能力は登場するでしょう。
願わくば、その発動に厳しい条件と制約を課してほしいですね。個人的にはその方向で先生も考えてらっしゃるのではないかな、と感じています。なんとなくですけどね。

第507話感想まとめ
以上、今回の感想と考察をまとめると
といったところでしょうか。
そして今回は惜しくもピックアップできなかったポイントが、まだまだあります。それらについては一言雑感ですが、次の項をご参照ください!
507話の小ネタ感想―気になったシーンピックアップ
その他気になった点は
- 中井先生、関節怪しい超人を描くの、本当にお手の物だな(笑)。
- エンデマンの脚よりも身長が低いテリー。
- エンデマン、サンシャインよりデカい?
- エンデマンの悲鳴を聞くと、どうしてもバゴアバゴアを思い出す(苦笑)。
- エンデマンって、犬顔だと思う。
- 目の仕組みがどうなっているのか知りたい。
- 空中に浮くモニターの怪(笑)。
- ノックのダウンカウントは、相変わらずしゃがれ声だな(笑)。
こんなところでしょうか。次回、エンデマンがどんな隠された能力を発揮するのかに注目ですね。
そして朗報です。TVアニメ「キン肉マン」完璧超人始祖編 Season3の制作が決定だそうです。やってくれるとは思っていましたが、こうやって公式に発表されると安心しますね~。
みなさんも今回感じたことやその後の展開予想などを、よかったらXやコメント欄に書いてくださいね!
お知らせ
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