今週のキン肉マン第289話-栄光と弾丸の開戦!!

今週のキン肉マン
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 関ヶ原立体浮遊リングで対峙するオメガチームとフルメタルジャケッツ。「ヘッ、もう一度…あのリングで闘える日が来るたァな」とブロッケンJr.がつぶやくと、「ああ、これだから世の中は面白い」とアタルは返します。そしてブロッケンが「なあソルジャー、あそこで闘う以上、これはオレたちフルメタルジャケッツの闘いであると同時に、あの超人血盟軍の闘いでもあるとオレは思っている。だから…ここに来られないアイツらのためにも…オレはこの闘い絶対に…」と、チームとして忌まわしい過去のあるリングでの雪辱に意気込みと、「あまり気負いすぎるなブロッケン。想いはオレも同じだ。同じ場所で二度は負けられん。しかしそこに囚われすぎてもまたいけない。確かに場所は同じだが、過去は過去。今は今の状況がある。やるべき仕事もまた違う」と血気はやる相棒をたしなめるアタル。そのうえで「それを理解してお前の最大の持ち味を発揮してもらいたい。お前の自由な発想で、今日という日を存分に闘え! それがオレからお前に与える指示だ。わかったな」とブロッケンの肩に手を置くと、ブロッケンは「イエッサ!」とそれを了承。そして両者ともにジャンプをして「待たせたな」とリングに着地。

 正義超人チームを目の前にアリステラは「フルメタルジャケッツ…いい名だ。ならばオレたちはさしずめオメガ・グロリアスとでも名乗っておくか」とチーム名を決定すると、「悪くない、それでいこう」と同意するマリキータマン。それを聞くや「じゃあいくぜ~~っ、オメガ・グロリアスのおふたりさんよ」と戦闘態勢に入るブロッケン。ここでサグラダ・ファミリアにいた委員長が一度待ったをかけ、遠距離ではあるがこの試合も宇宙超人委員会がレフェリングを務めたいと提案すると、両チームはこれを快諾。オメガ・グロリアスの先発はマリキータマン、フルメタルジャケッツは先発を務めようとするアタルをブロッケンが押しのけ志願し、「目にもの見せてやる!」と血気盛んにリングインしたところでゴングが打ち鳴らされます。

 まずは嵐のように猛然と手刀を振り回すブロッケン。しかしマリキータマンはそれを巧みにかわしていきます。「オレの覚悟をナメんな、食らえベルリンの赤い…」とブロッケンが早くもフェイバリットを繰り出そうとすると、マリキータマンはそれを白刃取りのような形でキャッチ。「小僧、覚えておきな。打撃ってのは…こうやるんだーっ!!」と、首相撲からの膝蹴りの連打。そしてローリングソバットでブロッケンを突き放す余裕の立ち上がり。やや焦り気味のブロッケンに対し、経験豊かで冷静な試合運びを見せつけます。

 序盤に強烈な一撃を食らいながらも、ブロッケンは「こ…こんなもんで倒れるかよ! オレはソルジャー隊長に選ばれたんだ! 血盟軍の…名誉のためにも…仲間の顔に泥を塗るような闘いは…絶対に…」と、己の責任感と使命感を口にします。すると後ろのコーナーから「ブロッケンよ」と声を掛けられ、ブロッケンが振り返ると、なんとソルジャーから強烈なビンタが飛んできました。

 何事かと一瞬面食らったブロッケンでしたが、アタルの眼を見るとその意図を理解し「そうだな、この大一番でオレは力み過ぎていた。おかげでようやく目が覚めたぜ」と、体中を支配していた気負いを取り去り、リラックスした状態となって次回に続く、です。

 立体浮遊リングにノスタルジーを感じているフルメタルジャケッツ。チームとしては敗北を喫した場所だけに、ゲンが悪いリングだといえるでしょう。しかしそれだけにその場所で雪辱を果たしたいという気持ちも強いらしく、特にブロッケンの方が気負いすぎて前のめりな感じなので、アタルが年長者の落ち着きでそれを御している感じです。

 このあたり、ブロッケンの若さを強調したいのかな、という感じですね。数ある実力者の中から選ばれたこと、超人血盟軍の絆を背負っていること、そして正義超人として落とせない一戦であること、これらの状況が多大なプレッシャーとなって彼の双肩に重くのしかかっている感じですね。それは今回のブロッケンの表情のほとんどに汗が描写されていることでわかります。これ初っぱなから気になりましたからね。「ずっとアセってるな、ブロッケン」て。

 そんなブロッケンに対し、アタルは「お前の自由な発想で、今日という日を存分に闘え!」と、若者の背中をドンっと押すような心強いエール。このあたり、年長者、人格者、そして教育者ともいえる彼のキャラクターが存分にあらわれています。『部下をやる気にさせるモチベーションアップ術』(対象:管理職)みたいなセミナーの講師でもできそうな勢いです(笑)。でもこんな勇壮な言葉をかけられたら、これは勝利の元本保証をされたのかな? なんて思いたくなりますよね。サイコマン戦のときみたく。それだけにまだまだ信用しちゃいけないな(苦笑)。

 アリステラは“フルメタルジャケッツ”を「いい名だ」と称賛。このあたり、ものすごく素直なんですよね、彼(笑)。敵方のことでも、いいと感じたことにはきちんと反応する様に、「やはり根はいい人なのかなあ?」なんて思ってしまうんですよ。でもって、触発された彼は自分たちのチーム名を“オメガ・グロリアス”と名乗りました。このあたりもね、妙に彼のかわいらしさが見え隠れするんですよ。「あ、あいつらいいチーム名つけやがったな。よ~し、オレたちだって…う~ん、そうだなあ…まず“オメガ”はマストで入れたいよな。あとは…何かオレたちの未来や繁栄が象徴されるものが欲しいな…繁栄…栄光…そうだ“グロリアス”だ! “オメガ・グロリアス”でいこう!」みたいな(笑)。かわいいな、あんな顔してるくせに(笑)。

 相手方のブロッケンも負けずに純粋です。即興で作られたチーム名に「じゃあいくぜ~~っ、オメガ・グロリアスのおふたりさんよ」と、素直に反応。付けた名前、すぐに使ってくれます(笑)。これにはオメガの二人もご満悦でしょう。「あいつ…嬉しいことしてくれるじゃん」みたいな(笑)。

 そして決戦の火蓋は切られ、まずはブロッケンとマリキータマンが先発。ここでもブロッケンの“気負い”は必要以上に強調されていて、当然立ち上がりはマリキータマンが有利に。まあ彼の汗描写を見ていれば、これは想定の範疇です。ではこの“気負い”がどうやって解除されるのかな? と思っていたら…なんと見開き大ゴマでの、アタルの強烈なビンタ! 隊長と隊員、上司と部下、年長者と若者、師匠と弟子。こういったすべての上下関係を強烈に主張した一撃をアタルは放ちました。そして語ることなく、眼でその理由を語る様に、アタルの「語ることがすべてではない」という“真・友情パワー”の真髄を垣間見ることができました。

 これで完全にブロッケンはリセット完了。眼で語る隊長に、隊員もきちんと反応するところにこのチームの信頼関係の強さを見て取れます。さて仕切り直しの序盤戦、どうなるでしょうかね。

 その他気になった点は

  • 「イエッサ!」というところにブロッケンの軍人気質が濃厚に感じられる。
  • マリキータマンの№2キャラの成熟にも期待だな。

 こんなところです。

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