試合開始早々、ランペイジマンも驚くラフファイトで序盤から一気に攻め立てるロビンマスク。最初は面食らったランペイジマンも、体勢を立て直し反撃! 互いに譲らない攻防を繰り広げる―!!
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戒律の神、思わずブックマーク!
序盤からお互い譲らない攻防で早くも肩で息をする両者。でもそれくらい両者共にエンジンの出力をあげている表われですよね。
今回もその流れは続いている感じで、前半はランペイジマン、後半はロビンマスクの攻撃が目立った、そんな展開です。
しかし…ランペイジマンはロビンを相当お気に入りですね。

テクニックOK
ラフファイトOK
不遜な態度…OK!

私好みの逸材!
みたいな感じで、セリフの一つ一つが弾んでいるのがわかりますから(笑)。
そしてこの“私好み”という表現については、2通りの解釈ができるんですよ。
- 叩き潰すのに十分な手応えがある実力者というサド的“私好み”
- 才能や素質ある者を本能的に愛でるという能力嗜好的“私好み”
こんな解釈ですね。
で、ランペイジマンがどちらの心境で“私好み”と口にしているのかというと、個人的には後者だと思っています。
というのも、前回も書いたのですが、明らかにランペイジマンはロビンの実力を査定しているわけです。それが神の空席に超人をあてがう、新たな神創出オーディションであることは明白です。
そしてその“審査”は…バベルの塔の最上階で見えた風景、もしくはネジケン調査団が見てきた風景に対抗する人材の採用とリンクしているのではないでしょうか。
でもっていざオーディションを開催してみると

滅ぼしてもいっか
と思っていた超人に、思いのほかその“採用基準”をクリアしている者が多い。マンモスマンしかり、ロビンマスクしかり。
さらに言うと、ランペイジマンはそれ以上に

神が創った超人という種の成長が、素直に嬉しい
という気持ちが強いような気がしてならないんですよ。
そしてそのような気持ちがあるからこそ

ロビンマスクをお気に入りにブックマーク!
という結果となっているのではないでしょうか。
信頼感ありきの闘い?
ただその“嬉しい気持ち”を表現する方法が手厚すぎる…(苦笑)。
- 危険な脳天杭打ち
- 超人サーフィン
- 脳天魚雷
- 裏投げ
と怒涛の攻勢です。
特に超人サーフィンはノリノリで、

イエ~イ!!
という声が聞こえてきそうです(笑)。
ただこの手痛い攻勢は

お前なら耐えられるだろ?
という信頼感がその根底にあるようにも見えて、何か清々しいんですよ。
それこそ手が合うレスラー同士が己の技をガシガシ決め合うのに似ているでしょうか。そう、名勝負数え唄時代の長州vs藤波、全日本の四天王プロレスなどの、相手への信頼感ありきの闘いです。
そしてもしランペイジマンがロビンに対して“信頼感”を感じているとしたら…その時点でもう絆ができているとも言えます。

…なんかアイツとはウマが合うんだよね…
というような、漠然とした好感です。そんな気分の高揚感がそうさせたのか

どちらが本当の乱暴者か決めようぜ
というセリフまで口にする始末。まるで

どっちがマリオうまいか勝負しようぜ
と微笑ましい争いをする中学生のような展開です(笑)。

リペアマン・ロビン
そんな中、激しい衝撃でロビンのひさしに“ピリピリ”と見たことがあるヒビが発生。あれっ? これはあのトレードマークの復活か?
あの額の傷は、楽勝だと思われていたキン肉スグル戦でつけられた、想定外の裂傷。一時期はそのままの姿で闘っていましたよね。
その理由は

油断の象徴であり自身への戒めの証
だと思われ、もしこれがパックリと開くとなると、さらに彼が初心に返るフラグとなりそうです。
というのも、ロビンは超人オリンピックでのスグル戦において、この額の傷をつけられてさらに猛々しさのスイッチが入ったんですよね。
この試合のロビンが当時の闘いを彷彿とさせているだけに、この額の傷が完全に開いたら

死んでもらいます!
と叫んで、ランペイジマンに死のコースをふるまったらなかなかに胸熱だなあ。
でも…ロビンって仮面のひさしごとパーツ交換していないのね。パテか何かであの傷を埋めているのかなあ(笑)?
休日とかに部屋でコネコネしながら

う~む、もう少し厚みが必要か…
なんていう補修作業を行っているんですかね(笑)。
ロビン先生の講義
そしてロビンはランペイジマンのフェイバリットである『パニッシュメント・エングレイバー』を見事に封殺。その理論が“ロビン戦法”や“超人博士”ぶりを存分に発揮していて、とても“らしい”です。

その技は等比級数的に威力を増す

ならそうなる前に防げばいい
こんな感じで、闘いながら相手の技をきちんと分析しているところが“博士”っぽいんですよ。
このあたりの分析表現は、謎の数式を操る(笑)フェニックスでもしっくりくるし、鎧の重さを増して『ロビンスペシャル』を返したネプチューンマンの冷静さにも通ずる表現です。
ただロビンのそれには“先生”や“学者”を思わせるイメージ濃厚にあり、読者は

なるほど、なるほど
と、まるで大学の講義でも聞いているかのような気分になるのが不思議ですね。
…ヘラクレス・ファクトリーの生徒もこんな気分で授業を受けていたのかな(笑)?
乱暴者合戦
そしてその講義を機にロビンの反撃が始まるのですが、使用する技は頭突きオンリーというシンプルさ。
テクニシャンとは程遠い、荒々しい原始的な技をガシガシ繰り出す彼を見ると、

今回の闘いは、本当に見てくれとか関係ないんだな
というメッセージを、強烈に伝えてくれます。
ただそのガムシャラ加減に彼の今回の試合にかける覚悟と

乱暴者を競うというのは、こういうことだろ
という意地を感じますね。
しかし…激しい。今回のロビンは本当に激しい。まさに“狂乱の貴公子”です。ある意味“きれいにまとまった”ロビン像を、大きく覆しているだけに、とても新鮮に思えます。
しかもその荒々しさが、まだまだ玉砕的なそれではないんですよ。要は一時的なパワーアップで、その後の失速がチラつくヤケクソ加減ではないというか。
言うならば“ナチュラルな荒々しさ”を発揮しているように見えるので、見ていて安心なんですよね。
しかしさすがは超神サマ、超人ごときが調子に乗る前に、その勢いをシャットアウトする頭突き返しで対抗ですよ。
これがまた大迫力です。両者ともに角は生えていないんですけど(ロビンの突起は置いといて)、雄牛同士が闘う闘牛を見ているような錯覚を覚えます。
なにやらバッファローマンvsガンマンの、ガシガシした感じもオーバーラップしましたね。
ただこのロビンの荒々しさに、ランペイジマンも

期待以上の乱暴者だね、キミ
と大絶賛。先ほどのマリオで争う中学生で例えるならば、

お前、マリオめちゃうめーじゃん!
といった感じでしょうか。とても微笑ましいです(笑)。
裂傷フラグ
そしてそのマリオ攻防により、とうとうパテで埋められていた(笑)裂傷部分が露出。
これをランペイジマンが

乱暴すぎて額が傷ついてるぞ
と指摘する様は、まるで

マリオやりすぎて指にタコができてるぞ
とロビンにつっこんでいるようです…え? もうマリオのくだり、いらない(苦笑)?
いずれにせよ、このランペイジマンの指摘ぶりが私には

お前、ムチャなやっちゃな~
といったニュアンスに感じられました。
ただそれは裏を返すと

ロビン、お前ホントいい。
最高。
とロビンを評価してくれているようで、勝手に喜んでいます(笑)。
そしてそれに対するロビンの返しがまたカッコいいんですよ。

この傷跡が開くと思いだす。
私が闘い続ける意味を…な
ですからね。もう

〽夏が来れば思い出す~
遥かな尾瀬、遠い空~♪
状態ですよ。あ、ごめんなさい、カッコいいところを茶化してしまった💦
最後の引きでね、しかも超神サマを目の前にして、この凄味を感じさせる胆力というか、貫禄にウットリなんですよ。
前回の引きも

その覚悟で来ているのさ
というイカした引きだったじゃないですか。もうね、この引きの力強さで、

ロビンは負けない
という安心感を、全国の読者に届けているんですよね。それくらい力強いです。
そして前述したように、この“額の裂傷”フラグがロビンにどのようなスイッチを入れるのか。“死のコース”たる、より荒々しいファイトになるのか。
さらに彼の言う“闘い続ける意味”とは何なのか。それが

油断した自身への戒めであり、キン肉スグルを倒すモチベーションの維持
である可能性は高いです。
というのも、リアル・ディールズは一度空中分解しているじゃないですか。神の空席椅子取りゲームの件で。
まあロビンは神になりたいわけではなくて、キン肉スグルと闘える舞台がそこにありそうだったからこそ、あんなつれない態度をしたわけです。
そしてそこにはまごうことなき

キン肉マンとの3度目の闘い
という願望を見据えているのでしょう。
そしてその“戒め”という点が、“戒律の神”たるランペイジマンの“戒め”とどうリンクするのかも、個人的には注目しています。
…もしそんな展開になったら、の話ですけどね。
その他気になった点
その他気になった点は
- 左後ろからのランペイジマンとかすごく難しい図柄だと思う。
- でもバランスよくてカッコいい。中井画伯さすが。
- ランペイジマンのドライバーは、『みちのくドライバーⅡ』かな?
- 顔面サーフィンは『マッスル・インフェルノ』を思い出す。
- 「よいしょ」的な使い方の「テト!」がかわいい戒律の神(笑)。
- ロビンの額の補修技術は素晴らしい。継ぎ目の境が見えない。
- がんばってヤスってるんだろうな(笑)。
- 頭突きを迎撃するランペイジマン、ロビンの突起が垂直に刺さったらどうするんだろう?
- 額をこすり付け合ってにらみ合う構図、たまんないな。
- ロビンの「フン」は明朝系で、ランペイジマンの「フン」はゴシック系。
- 金属に対して“古傷”と表現するロビンのポエマーぶりが素敵だ。
こんなところでしょうか。そして学研の図鑑、キン肉マン「技」、好評発売中です。400P超の大ボリュームは、読み応え十分ですよ!


コメント
毎回 独自な考察を楽しませて頂いています
やっぱり パイルドライバー系の技
みちのくドライバー2ですよね
魔神風車固めを披露したり
プロレス技を多様したので
レオパルドンに
「レスリングをしろ」と発言したのを思い出します
最後にワタシの妄想全開の考察ですが
ランペイジマンの
カシードラルボンバー
技の掛けての位置をずらしたら
ビッグベンエッジっぽく見えてきました
オニキスマンの胸のパーツがケビンマスクのヨロイにも見えますし
二世の世界に繋がったら面白いかなと思っています
少し言葉が足りませんでした
カシードラルボンバーをヒントに
ビッグベンエッジの完成形を産み出した
的に感じました
つかささん、こんにちは。
カシードラルボンバーがヒントになって、ビッグベンが完成したら…って展開、いいですね。たしかにカシードラルボンバー、似ています。
仰る通り、オニキスマンの胸パーツ云々については、ゆで先生も「Ⅱ世へのつながりを少しずつ考えている」とおっしゃっていたので、ビッグベンもあるかもしれません。
パニッシュメント・エングレイバー掴めたんかいと
てっきりビーム的な物かと…
それはそれとして
ランペイジマンは何となくですけど親目線で見てるんじゃないかなと
子供の成長ぶりがうれしい親的な
その割に一切容赦しないスパルタっぷりでもありますが
uzukiさん、こんにちは。
そうですね、エングレイバーは物理攻撃であることがよくわかる描写でしたよね。ランペイジの親目線、おもしろい考察ですね。たしかに神にとって超人は子どもでしょうからね。そしてスパルタ教育は同意です(笑)。
ランペイジマンの大技4連続、なかなか厳しくて良いですね。また二度めのバニッシュメントエンクレイバーが出ましたがこの技にもこだわりがあるのかな?と思いましたね。
ここを止めた時ジャンクマンのジャンククラッシュを止めた時が過りました。またここでロビンマスクから等比較数が出るとは思いませんでした。
仮面の傷が復活してキン肉マンとの戦いのエピソードもあるかも知れませんがロビン戦法も次回出るかも知れないですね。
MKさん、こんにちは。
ジャンククラッシュを止めたくだりと似ている、というご意見、たしかにと思いました。あの瞬間まるで時が止まったような肌感覚を思わせるのも似ていますよね。