今週のキン肉マン第319話-強力の鉄砲玉!!

今週のキン肉マン
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 超神・ランペイジマンの『カシードラルボンバー』を食らって完全KOされたゴーレムマン。これにてビッグボディを護るべく現れた3超人はあえなく横たわり、リーダーであるビッグボディは「お前たち~~っ!」と、悲痛な叫び声をあげます。

 すると余裕のランペイジマンは、倒れたゴーレムマンの頭を踏みつけながら

「他愛もない。初めて手合わせしてみたが、これが超神と超人の差だというのなら、カピラリアを使うまでもないのではないか? なあ、調和の神よ」

と侮蔑的な発言をし、調和の神の方へ振り返ります。それに対して無言の調和の神。続けて

「なあキン肉マンビッグボディよ! 汝は理解しているのだろう? 我々がなぜここへ来たか? 全部なあ!」

と詰問すると、「さ…さあな、いったいなんのことだか」と目が泳ぐビッグボディ。

 それを見て「下手な芝居だ。では思い出させてやろう。これの話をしているのだよ」と、ランペイジマンが右太ももの×印からカピラリアの欠片ピースを取り出すと、

「そ…それはカピラリアの欠片! な…なぜお前が既にそれを…どうやって手に入れた?」

と、あからさまに動揺するビッグボディ。

 その反応にランペイジマンが

「テ~トテトテト。なんだ、やはり知っているではないかーっ! 慌てたな? だが安心しろ。これは汝の預かったものではない」

と言うと、「しまった、慌ててつい…そうか…」と、ランペイジマンの誘導尋問に引っかかったことに気づいたビッグボディ。

 するとランペイジマンは

「そうだとも。これは“戒律の神”である私が、元から所持しているもの。私も神なのだから、持っていて当然だ」とそれをしまい、

「だがこれでよくわかった。やはり汝はすべて知っている。では白状させてやろう。それも超人らしく。この舞台の上でなあ」

と、両手を軽く上に向けると同時に兵馬俑に地響きが走り、突如地中からリングが出現。そして

「今の3人のようにこの場で拷問して吐かせてやってもよいのだが、汝はあの強力の神が選んだ超人だというではないか。ヤツと私は古い仲でな。あれがどれほどのレベルの者を気に入ったのか、興味がある。だから自ら闘ってやろうというのだ。この新たに手に入れた実体の慣らし運転を兼ねてな。それにリングの上で立てた誓いは必ず守る、それが超人だというからな」

と、リング上でファイティングポーズをとるランペイジマン。さらに

「そしてこれがその誓いの条件だ。私が勝てばもちろん汝にはカピラリアの欠片について知っていることを洗いざらい吐いてもらう。だがもし万が一にも私が負ければ…汝は無罪放免!」

と、この闘いの条件を提示すると、他の神々からは「ヤツめ。また下らぬ遊びを」「フフフ、多少興味があるがな」という反応が出ます。そして

「さてどうする、キン肉マンビッグボディ! このリングに上がるか否か、すべてはお前の決断次第!」と詰め寄ると、

「確かにこれは千載一遇のチャンスだ。だが本物の神に…今の傷を負ったこのオレが勝てるのか、自信はない…だがやるしかない!」と、意を決するビッグボディ。

 その瞬間、「このお方を守る兵隊は、まだここにひとりいるーっ!」という叫び声とともに兵馬俑の人形の一体がひび割れ、中から一人の超人が飛び出します。その超人は…なんとビッグボディチーム次鋒のレオパルドン!

「ビッグボディチームのしんがりは、この私めにお任せを~~っ!!」と、勇ましくリングインします。それを見て「お…お前もいたのか…レオパルドン!」と、思わず叫ぶビッグボディ。

 突然のレオパルドンの乱入に、「なんだ、こやつは?」と漏らすランペイジマン。超神に立ち塞がったメンバーに対し、

「いたなら見ていただろう? ゴーレムたちがどうなったかを! ここはオレが出る、お前は下がれ」と、気遣いを見せて叫ぶビッグボディ。

 それに対し「なりません!」と断固拒否するレオパルドン。そして

「かつて私は栄誉あるあなたのチームの一員として、キン肉星王位争奪戦に出場させていただきました。しかし一秒すらも持たず敗北。こんな屈辱が超人の歴史の中であったでしょうか? いや! ない!」

と、マンモスマンに瞬殺された過去の屈辱を口にします。そして

「しかし己の名誉などいいのです。私の罪は…ビッグボディ様そして、チームの名誉を傷つけてしまったこと…それが…ずっと私は、私は…許せず…だからお願いです。ここは私にいかせてください」

とランペイジマンとの闘いを直訴すると、

「ならん! これ以上仲間に迷惑をかけるわけにいくものか!」と、みすみす仲間が苦しい目に合うことを許さないビッグボディ。

 しかしそれでも「迷惑をかけたのは私なんです!」と、過去の禊に断固たる決意を持つレオパルドンは、闘いを志願。その気迫に打たれるビッグボディ。続けてレオパルドンは

「だからお願いです! あの時の号令を再び私に…後生ですから…私にもう一度ご指示をください」と、悲壮な決意を持った表情で闘いを懇願します。

 それを見て「なんだこの男は? ビッグボディよ、コイツはいいから早くリングに上がってこい。せっかくのチャンスを逃したいのか?」

と、レオパルドンなど眼中にないと言わんばかりの、冷たい対応をするランペイジマン。

 しかしビッグボディはレオパルドンの心意気を汲み、リングサイドから「つぎ次鋒でろ!」と、あの時と同じように号令をかけます。

 するとレオパルドンは「次鋒レオパルドン、いきます!!」という名言を叫び、勇躍してランペイジマンに向かっていき次号に続く、です。

 やはり…予想通りの神回となりました。まさか令和の時代になって「次鋒レオパルドン、いきます!!」の掛け声が聞けるとは…幸せだなあ、ボクは。本当に幸せだ(笑)。レビューもはやる気持ちを抑えきれませんが、順番にいきましょうか(笑)。

 今回は久々の超人募集発表が見開きでありました。未来の超神がここにいるかも、なんて思うと、目を皿のようにして見てしまいます。

 個人的にはスタイリッシュな超人が好きなので、ジ・オルカ、CULLMANカルマンSOL MANソルマン、モールスあたりがカッコいいと思います。

 中でもSOL MANはシンプルでいいですね。神々しさもあるので、超神としての登場もありかな、なんて思います。

 イロモノ系ではロープマンかな? 独特の怪しさを持つ出で立ちがいいです。ホッチキスマンで思い出すのは、『ゆうれい小僧がやってきた!』に登場した捕血豈棲ホッチキスですね。

 あれもホッチキスをモチーフにした妖怪なんですけど、記憶する限り元々は『キン肉マン』連載終期に行われた超人募集発表で選ばれた超人だったような気がします。

 ですので四半世紀を超えた、偶然のリファインのような気分になってしまいます(笑)。

 あと最近のお約束、芸能人枠ではサンドウィッチマンの富澤と、長州力の超人が選ばれていますね。長州力は確か嶋田先生とYouTubeでコラボしてたので、その時のやつかな? まだ観てないのでよくわからないのですが。

 気になるのは、超人募集の常連さんであるケン・広島さんや、石井健一さんの作品がないことですかね。今回は選出されなかったのか、そもそも投稿してなかったのか。

 お二人の作品がないことに、違和感というか、さびしさを感じている自分がいることにびっくりです(笑)。

 うわ、超人募集発表だけでこんなに書いちゃった(苦笑)。そろそろ本編に移りましょうか。ゴーレムマンも無事に(?)お陀仏となり、役割を果たしたビッグボディチームの3人。この3人のステイタスがKOなのか、死亡なのかが気になるところです。

 見た感じ、ペンチマンとゴーレムマンは死亡フラグでもおかしくないんだけど、キャノン・ボーラーは…あれで死亡はちょっと…。だからひょっとしたらまだ3人ともご存命なのかも、なんて思ったりしちゃいます。

 というのも、最近はフェニックスといい、マリキータマンといい、ゼブラといい、完全に死んだと思っていたのに、実は虫の息で生きていた、ということが多いからです。ゆで先生の作風が変化してきたというか、簡単に超人を死なせなくなってきているのかな、なんて感じています。

 そんな後に、ランペイジマンが超人の技量を見下すシーンがありますが、勇敢に立ち向かったゴーレムマンを踏みつける行動に、彼の冷酷さと残忍性が垣間見られます。また、相手に対する敬意のかけらもないのかな、なんて思いますね。美しくはない行動だと思います。

 こちらからしたら、超人の中でも最弱メンツ(失礼)をのしたことでドヤ顔されてもな…という滑稽さもあります。神様なのに、こんな勘違いで思い上がっちゃうんだな、みたいな。そこに彼の短絡性というか、思慮の浅さを感じてしまい、キャラの高貴さや重厚さを損なっています。

 そのあたりを感じたのか、調和の神は彼の問いかけをシカトしましたね。この対比により、思慮深い調和の神と、浅はかな戒律の神、という図式が生じてしまいます。

 そしてカピラリアの欠片のくだりですが、ここでビッグボディらしさが爆発していますね。誘導尋問に簡単に引っかかるという(笑)。彼のキャラクターである“頭の悪さ”が存分に発揮されています。あ、失礼か(苦笑)。

 でもこの辺のやりとりでは、いかに仮面とプロテクターに身を包もうとも、素のストロングマンが見え隠れして楽しいです。「いったいなんのことだか」としらを切る演技が棒すぎるのも、彼らしくてとてもいい(笑)。

 また、「なぜお前が既にそれを」とすぐに口走っちゃうあたりなど、根が素直なんだろうなあ、ストロングマンは、なんてしみじみ感じちゃいます。

 そしてランペイジマンが地中からリングを出現させるシーンですが、私はここで「すわ、レオパルドン登場か!」と、フライングして前のめりになってしまいました。

 だって地響きがして、地中から円筒の先端がでてきたら、そりゃあの人が背中に背負っているアレだと思うじゃないですか。

 これ、私と同様にフライングした人いないのかなあ? だって今回の話は、全員が「いつレオパルドンが登場するのか」の一点に集中して読んでいるわけじゃないですか。その中でこんな描写をされたら、けっこうな人が騙されると思うんですけど。私だけですかね(苦笑)?

 いや、これ私が思うに、ゆで先生が読者に仕掛けたフェイクだと思うんですけどね。先走った読者いじりとでもいいましょうか。ある意味ゆで先生のいたずらに踊らされたというか。「してやられた~」って感じですよ(苦笑)。

 もしそうだとしたら、これってなかなか高度な演出ですよね。相手(読者)がよく見えている。相手のはやる気持ちを、見事な手綱さばきでコントロールする感じとでもいいましょうか。ゆで先生、こういった仕掛けで楽しんでいるのかな、なんて(笑)。

 そして、戒律の神と強力の神が古い仲であることも判明しました。ビッグボディとランペイジマンとの闘いを盛り上げるための後付け設定でしょうけど(笑)、そのエピソードも今後の闘いに影響しそうです。

 さらに、ランペイジマンは実体化した肩慣らしに相手をしてやる、その勝敗によってはチャンスをやる、という上から目線の提案をしてきます。このあたり、過去の完璧超人の立ち位置を継承していますね。

 そんな流れに待ったをかける形で、とうとう出ました、我らがレオパルドン!! 兵馬俑の人形がピキピキした瞬間、世界中のキン肉マンフリークの血圧は急上昇したはずです。おそらくその瞬間、人類の平均血圧は少なくとも10は上がったに違いありません(笑)。真打ち登場、いよっ! 待ってました! ってな感じでしょうか。

 登場シーンにページの3/4を使った、考えられないほどの好待遇ですよ。そして全世界の読者が注目した一点が、「はたして6コマ以上持つのか」でしょう。読みながらコマ数を数えていた方も多いのではないでしょうか。私は数えました(笑)。

 とりあえず出オチのような瞬殺劇はありませんでした。それどころか、レオパルドンしゃべる、しゃべる(笑)。その言動のひとつひとつに、当時では計り知れなかった彼のキャラクター性を存分に見てとれました。そして感じたことは…「彼は誇り高き男だ」ということです。

 35年間もの間、イロモノ超人の汚名を浴び、嘲笑され、蔑まされてきたその超人は、実は爽快な誇り、もしくは矜持をしっかりと持っている、誇り高き超人だったのです。自身の情けなさを顧みて、反語まで使ってましたからね。「いや! ない!」って(笑)。

 さらには自分の名誉よりも、仲間の名誉を傷つけたことを悔恨する、実に仲間想いの超人であったことも判明しました。

 これはもうトップレベルの精神性を持つ超人ですよ。正義超人の中でも、ここまでの誇りをもった超人がいるかどうか。

 そんなレオパルドンに対し、ランペイジマンは眼中にない、ぞんざいな扱いをしますが、その“歯牙にもかけない傲慢さ”が、実はランペイジマン苦戦の伏線なのではないかとすら感じてきました。眼中にない相手に足元をすくわれるという展開は、大きな共感を呼ぶストーリーじゃないですか。

 とはいえ、相手は超神一発目ですから、レオパルドンの勝ち目はほぼ0%だと思います。

 しかし思い出してください、皆さん。あの完璧超人始祖の一発目、ペインマンはどうなりましたでしょうか? 100%噛ませ犬だと思われていたジャンクマンに、不覚をとっているんですよ。

 そう考えると、レオパルドンの勝利も0.0001%くらいはあるのかなと(笑)。自分で数字打ってて辛いけど(苦笑)。

 でももしそうなったら、最強と目された者が、最弱のレッテルを与えられた者に負けるという、今世紀最大のカタルシスが発生するわけです。

 これはこれで伝説じゃないですか? 今世紀がはじまってまだ20年目ですが、もしそうなったら、あと80年残っていても、今世紀最大のカタルシスの座は譲らないと思いますよ(笑)。

 そんな読者の野望を察したか、ビッグボディさんは意を決して高らかにあの伝説の号令をかけるわけです。それに反応したレオパルドンの「次鋒レオパルドン、いきます!!」への流れ。最高に胸を打ちますよね。

 そしてまた最後のページのレオパルドンがカッコいいんだ。まさかこんな1枚絵を描いてもらえる時代が彼にこようとは…涙ちょちょ切れる(苦笑)。

 ただね、気を付けなければならないことがありますね。相手はゆで先生ですから、次回何かかましてくる可能性があります。私が今心配しているのは、今回のやりとりが、次回結末への壮大な“フリ”なのではないのか、という懸念です。

 ぶっちゃけここまで盛り上げておいて、次回始まって6コマで散らす、というギャグが可能なんですよ(笑)。嶋田先生はお笑い芸人になろうかと思った経歴がある方だけに、このあたりのセンスが優れています。ですので、“開始6コマオチ”の誘惑にかられるのではないかと(苦笑)。

 正直言って、それは諸刃の剣ですね。実行したら確実に伝説になるけど、同じくらい炎上する可能性がある。といいつつ、それを見てみたい自分も確実にいる(苦笑)。

 う~ん、でもどうかなぁ、個人的には“今世紀最大のカタルシス”を見てみたいかな~。悩むな~。もう次回が待ちきれないです。

 ちなみにレオパルドンの復習をされたい方は、こちらもどうぞ。

 その他気になった点は

  • 嘘をつくと視線が泳ぐ、という反応に素直なビッグボディさん。
  • 四次元ポケットと化しているランペイジマンの×印。
  • ランペイジマンの「無罪放免」発言に、ジャスティスマンを感じた。
  • なんでレオパルドンだけ最後まで待っていたんだろう?
  • 前回慌てて突撃して瞬殺されたことに対する反省からかな(笑)?
  • だとしても、今度は待ちすぎです(笑)。
  • 「しんがり」発言をしたのに、気持ちは「次鋒」のまま(笑)。
  • マンモスマンのノーズフェンシングで付いた傷が痛々しい。
  • あれ…? 裸足じゃなくなってる…?
  • 少しお痩せになられましたかね?
  • 回想シーンではきちんとずんぐりむっくりしている。
  • ここら辺、中井画伯の描き分けへのこだわりを感じます。
  • ビッグボディさんはしっかりリーダーしてるな。成長したなぁ。
  • 今回も最後のアオリが秀逸で効いている。
  • 「相手はマンモスマンの数倍強いぞ…」って…キャラに忠告文を出すアオリは、「ヘイルマン、後ろ、後ろ~っ!」以来かな(笑)?

 こんなところですかね。

 さて、9/4に最新刊の72巻が発売されるようですね。サタンさんの末路をみんなで楽しみましょう(笑)。また、私の著書もよろしかったらどうぞ。

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コメント

  1. 柩幸 より:

    私はあの円筒が出てきたとき……
    ゲェー、キングザ100t!?と100tの頭が出てきたかと思いました(笑)
    ソルマン、個人的にはスーパーマンロードの神が下天した時の姿とかになって欲しいかなと思ってます。
    カルマンは(気が早すぎますが)もし次のシリーズがあるなら新時代の悪魔超人として採用されて欲しいです(笑)
    ザナットーのなかの納豆顔が超人の神に見えるので複数の超人の神を取り込んでる……とか封印してる……とか妄想します……(笑)

  2. 空色の帽子 より:

    はい、私もフライング組です。あの「棒」はレオパルドンの…と思いましたね。後で確かめると形が全然ちがうのですが…。
     これは絶対にゆで先生の策略ですね。「みんな、間違うぞー!」って思いながら描いたのだと思います。こんな風に騙されたのって、前回の完璧始祖編で、ニンジャの番だと思ったらサンシャインだった以来ですかね?
     さあ、来週はどうなるのか?アキラさんが言うように、いろんなパターンが考えられて、全部見たいですよね。でも、さすがに『瞬殺』はないと思います。
     負けると分かっていても、レオパルドンがどんな試合をして、どんな必殺技を持っているのか楽しみです。

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