今週のキン肉マン第306話-真の裁定者!!

今週のキン肉マン
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 サタンの制裁技を食らったアリステラを、その身を投じて救ったアタル。しかしダメージは大きく、両者ともダウン状態に。その様を見たサタンは「ゲギョゲギョ、無駄な努力を。私の制裁を止めることなど…できようはずがないのに、実に愚かだ…超人という生き物はな」と、ダウンした二人に皮肉を浴びせます。

 瀕死の状態のアリステラが振り絞るような声で「キ…キン肉アタル! なぜ…お前そこまでオレを!?」とたずねると、「決まっている。お前を…ここで死なせるわけには…いかん。だからオレはここに来たと…さっきも…そう言ったはずだ」と、アタルは答えながら身を起そうとしますが、またもや吐血してしまいます。それでも片膝をついた状態までアタルが起き上がるのを見ると、アリステラは「しかしお前だって…さっきの闘いのダメージはあるだろう! 丈夫そうに振る舞っているがその身体は…もはや限界に近いはずだ」と指摘。しかし「それでもお前よりはマシだ。今ここを止められるのもオレだけだ。ならオレがやる。相手がたとえ神であろうと悪魔であろうと関係ない!」と、アタルは毅然とした眼差しでサタンをにらみつけます。そんな姿を見て「キ…キン肉アタル…お前ってヤツは…」と、アタルの男気に心打たれるアリステラ。

 そんな悲壮な勇者からの宣戦布告に対し、「ゲギョゲギョ、邪魔立てする者は死あるのみ。さっきの虫けらといい、お前といい、愚かの極み。ならばお前も一緒に処刑してやろう。むごたらしくな」とサタンが処刑宣告をすると、サッとファイティングポーズをとるアタル。そんな一触即発な状態の空間に、「待て。その者の相手はお前たちではない」という声が天から響き渡り、一筋の光明から浮遊リングに向かって降り立った超人は…なんと完璧超人始祖“完璧・陸式”ジャスティスマン!! この意外な超人の登場に唖然とするアタル、アリステラ、そしてスグル。オメガの六鎗客の一人であるパイレートマンは「あれが…オメガを地球から追い出した張本人…完璧超人始祖!」と口にします。

 ジャスティスマンを目の前にし「ほほう、これは面白いヤツが現れたものだ」と、予想外の来訪者に感嘆するサタン。ジャスティスマンはアタルに対して「こんなものが出てきた以上、お前たちの出る幕ではない。今こそ我々の出番だ。ここは私に任せるがいい」と、サタン退治を買って出ます。するとアタルは「完璧超人始祖ジャスティスマン…その存在は知っている。しかし先のスグルと悪魔将軍たちとの対戦の中では“闘い”を放棄したとも聞いた。それが…なぜここへ?」と、漠然とした疑問を投げかけます。

 それに対してジャスティスマンは「我が同胞シルバーマンの子孫キン肉アタルよ。私は確かに前の試合を放棄した。だがそれは“闘い”そのものを否定したわけではない。私が否定したのは新たな超人世代との闘いだ。そこに我らが干渉する時代はもはや過ぎ去った。私にそう認めさせたテリーマンに敬意を表し、私は身を引く決意を固めたのだ」と、現時点での自分の心理的立ち位置を説明します。

 さらにジャスティスマンは続けて「だが…今は違う。なぜならこやつは我らと同じ旧世代の遺物。なかでも最低の部類に属するような代物だ。後世にそんな“負の遺産”をのさばらせてはいけない。本来はそういう手合いを始末するのが、我ら完璧超人始祖の任務なのだから」と語り、毅然とした態度でその象徴である裁きの天秤をサタンに対して突きつけます。

 それを受けたサタンが「ゲギョゲギョ、これはずいぶんな言い方をしてくれるな。元は下界の一超人にすぎなかったはずのザ・マンの手下ごときが」と悪態をつくと、「黙れゴミ屑」とジャスティスマンは一喝し、「とにかくここは私に任せろ。お前は傷ついたその男を連れてこのリングから降りるがいい。それにお前とてろくに闘える身体ではないはずだ」と、アタルとアリステラを逃がそうとします。

 それを聞いたアリステラは「ま…待て、ジャスティスマン。我らオメガにとってお前たち完璧超人始祖は先祖代々の…仇敵! そのお前がなぜ…オメガのオレを救うようなことをする。お前は我々を殲滅しようとしたヤツらだろう。それがなぜっ!?」と、ジャスティスマンの行動に疑問を感じ、それをぶつけます。

 それに対してジャスティスマンは「単純なこと。お前の先祖は罪を犯した。だから裁いた。だが罪人の子孫は罪人ではない。伝統の名の下に、その罪を引き継がんとしているなら話は別だが。今のお前にその気配は感じられない。ならば裁く道理はない。これが答えだ。他には何か?」と、理路整然とアリステラの問いかけに答えます。それを受けてアリステラが「聞きたいことは山ほどあるが…今はそれで十分だ」といったんは引く構えを見せ、「後でまた“話”がしたい…構わないか?」と願い出ると、「ああ、もちろん。心ゆくまで」と快諾するジャスティスマン。

 するとアタルはアリステラを抱え上げ、「ではジャスティスマンよ、言葉に甘えてここはいったん退かせてもらう。恩に着る」と告げるとリングから脱出。しかしサタンは激高し、「勝手なことを! 誰が生かして逃がすものかーっ!」と彼らを捉えようと手を出すと、ジャスティスマンが「誰が? 決まっているだろう、この私が逃がすのだ。“正義”の名の下に!」と、その手を後ろ手に捉えて次回に続く、です。

 …来たねぇ、ヤツが。颯爽と。ちょっと興奮冷めやらぬ感じなんですが(笑)、先走らず順番に行きましょうか。まずはアタルとアリステラですが、両者ステイタス的には瀕死状態です。それでも責任感からサタン戦を買って出るアタル兄さんには頭が下がりますね。己の決めた信念に対し、ブレずに実行していくところが彼らしくてカッコいい反面、勝てんなぁ~この人には、といった劣等感を植えつけてくれます(苦笑)。

 そして強大な敵を前にしても「相手がたとえ神であろうと悪魔であろうと関係ない!」という勇壮なセリフ。ちょっと小島よしおチックな感じもしますが(苦笑)、シビれるじゃぁないですか。そしてこのセリフで完全にアリステラは心をアタルに持っていかれましたね。「お前ってヤツは…」と感激で打ち震えていましたから。この反応、第一回超人オリンピックでロビンが決勝に出場する権利をテリーマンに譲ったときの、テリーマンにのセリフを思い出しました。「おお…キミってヤツは…」というアレです。懐かしいな(笑)。

 この時点でアタル兄さん連戦の流れになってきて、サタンの生贄第一号かと危惧されたのですが、ここで冒頭に話したヤツのかっこよすぎる登場です。誰だ? 誰だ? てな感じで、複数の超人のイメージが頭の中を駆け巡りましたね。皆さんもそうでしょ(笑)? そしてその声が、アタルが降臨したワームホールから出ていたので、まずザ・マンのイメージが浮かびましたね。ほら、あのワームホールって超人墓場とつながっているという設定だったじゃないですか。でもそれってアタルが潰したよな? なんて思いつつ、じゃあ誰なんだ? なんて思い返し、そうだ、オレ前回、サタンの相手はジャスティスマンがくさいと思ってたんだ、と思い返し、ページをめくると…ビンゴ。見覚えのある裁きの天秤のシルエットが、ヤツの来訪を教えてくれましたよ。

 そしてヤツはバッサバッサと鳥のように悠然と着陸し、その勇ましい姿を1ページまるまる使ってデーン! と御開帳。たまらん。カッコいい(笑)。こんな大ピンチに、こんな頼りがいのあるヤツが来てくれるなんて。アタルといい、ジャスティスマンといい、ここんところ空から降臨するゲストさんのクオリティが高すぎますぜ、ゆで先生(笑)! 個人的には悪魔将軍、ザ・マンと並んで、特Aランクの超人だと思っていますから、彼。

 そしてなぜ彼がサタン退治に乗り出したのかの理由がまたカッコいい。「後世の超人のために、負の遺産をのさばらせてはならない。それこそが完璧超人始祖の任務」だとのたまいます。ようは「新世代の発展を邪魔する、過去の権威はオレが掃除してやるから気にせず進め」ということです。あかん、ホレる(笑)。若人が存分にそのポテンシャルを発揮できる環境を、旧世代を自覚した実力者が裏方になって整備してあげるという構図。イカすなあ。

 そんなイカしたフェロモンを出しまくるジャスティスマンに、アリステラはどうしても聞きたいことが。そりゃそうだよね、彼らの星の歴史では、とても許せない仇敵の一員なんだからさ。ただちょっとこみあった感じの質問にも、よどむところなく理路整然と回答するジャスティスマン。そしてその言葉の中には人格者としての一面があり、説得力抜群です。ただ少し気になる点が、ジャスティスマンにとって、オメガの先祖は罪人認識だということ。このあたり、過去の詳しい説明が必要ですね。それはアリステラが「後でまた話したい」と、読者の気持ちも代弁してくれています。太古の真相がわかるときが楽しみですね。

 そしてアタルとアリステラを逃がした後、ジャスティスマンVSサタンが開戦。どんな試合になるのでしょうか。やはり心配なのが、サタンの初戦の相手は生贄確率がめちゃくちゃ高いということです。ある意味この試合に志願する超人は玉砕覚悟になってしまうため、ジャスティスマンは実力で散るという醜態を見せてしまうかもしれません…でも個人的にそれは許せないなあ(苦笑)。彼は特Aクラスなんですよ。特Aクラスはやはり圧倒的強さを持って勝ってもらわないと。

 ここで思うのが、実はサタンってラスボスじゃないんじゃね? という希望的観測です(笑)。ラスボス的登場をしたからこそ、我々は彼は途方もなく強いと勝手に気おされているだけで、実は影のボスの手先クラスや捨て駒クラスなのではないかと。というのも、どうもこのシリーズ、超人の神々が見え隠れするんですよ。真の敵はそっちにいるんじゃないの? なんてうっすらと思っているんです。

 だからサタンはジャスティスマンに退治され、それこそ瀕死の状態の時にさらに上位の敵に無残にも制裁されるのではないかと。自分がアリステラにやろうとしたことの報いをそのまま自分が受けるという感じで。つまり…ジャスティスマンの、特Aステイタスを維持したままの勝利劇もあるのではないかと予想しています。やっぱりねー、ジャスティスマンが負ける姿ってのが想像できないわけですよ。というか見たくない(苦笑)。そして最終的にはこのシリーズを裏で動かしていたフィクサー達との全面対抗戦が始まるという。今回は正義・悪魔・完璧連合軍VS神々、みたいな…当たるかな(笑)?

 また、ジャスティスマン所属の完璧超人始祖と、サタンとの因縁設定も面白そうです。現状わかっているのは、どちらも古くからのキャラクターで(ジャスティスマンいわく“旧世代の遺物”)、完璧超人始祖サイドとしては、サタンの存在を忌み嫌っているということです。ジャスティスマンが「最低の部類に属する代物」「負の遺産」「ゴミ屑」と、容赦のない発言をしていることからも、その嫌悪感、推して知るべしって感じです。だからそんな「ゴミ屑」呼ばわりした相手にジャスティスマンが負けるものかね? と思ってしまうんですね。前の話に戻っちゃいますけど(苦笑)。もうね…ジャスティスマン、とにかく勝ってくれ~(笑)。

 その他気になった点は

  • “虫けら”呼ばわりされたマリキータマン。ま、たしかに虫なんだけどさ(苦笑)。
  • 串刺し磔(はりつけ)になったままのマリキータマンは、絵面的に厳しいな。早く下ろしてあげたい。
  • ジャスティスマンの登場はコウモリにも見える。
  • 何気にジャスティスマンも、見た目はサタンサイド(笑)。
  • 二人とも顔が左右に広がっているのも似ている。
  • ジャスティスマンとアタルのサシの会話というのもご馳走シーンだな。特Aランクキャラ同志の会話という意味で。
  • サタンに対しては、“ギルティ? オアノットギルティ?”の儀式は不要かも。1000%ギルティだから(笑)。
  • マリキータマンは磔のままなのかな…(泣)?

 こんなところです。次回も楽しみだ。

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