今週のキン肉マン第298話-オメガの猛攻!!

今週のキン肉マン
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 アリステラの『ジャイガンテグローブカッター』をまともに食らってダウンするアタルを見て、コーナーから必死に手を伸ばすブロッケンJr.。オメガのクソ力を使ってフェイバリットを決めたアリステラは、「傷は大丈夫か?」と気づかうマリキータマンに対し「気にするな。指のダメージは確かにあるが、代わりに得たこの力の充足感のほうがよほど大きい」と、自身の進化に満足げな返答をします。

 そして「それに今の技も指の負傷の影響はない。完璧に決まったはず…」とアタルの方を振り返ると、「オレはまだまだ…この通り闘えるぞ。オメガのクソ力とやらは…この程度のものなのか?」と、アタルは渾身の力を振り絞って立ち上がってきました。アタルの憎まれ口に対して「フン! 死にぞこないが偉そうな口を叩くなーっ!」と、エルボーを食らわすアリステラ。しかしアタルは踏みとどまり、「これが死にぞこないに見えるなら…気が済むまで思う存分殴り続けてオレを倒してみるがいい。新たに得たその“力”でな!」とアリステラを挑発し、肉のカーテンでガードを固めます。

 そんなアタルの物言いに「なんだその余裕は…なんなんだ、お前のその余裕はーっ!」と、苛立ちながらパンチを連打するアリステラ。さらに「なぜお前がそんな口をきけるか教えてやろうか! それはお前がなんの使命も背負わず、王家から逃げ出したような無責任なヤツだからだ! だってそうだろう!? 責任のないヤツはなんとでも言える。何も背負ってないんだからなァ! そりゃ余裕もできるわけだ。荷物が軽けりゃ誰だって心の余裕はできて当然! だがな、オレは違うーっ! オレはオメガのために苦悩し! オメガのために憤りっ! オメガのために邁進して生きてきたーっ!」とアタルの立場を批判しまくり、何発もの拳と蹴りを繰り出します。しかしアタルはそれを鉄壁ガード。

 そんな二人の攻防を見ていたブロッケンは、防御に徹して反撃をしないアタルが何かを意図していると気づき、なぜか懐かしい感覚にかられて涙を流します。そして「そうだ、アリステラは…かつてのオレ自身だ!」と、父を惨殺された復讐をラーメンマンに行っていた自分とアリステラをダブらせ、涙を流した理由を理解しました。そして「ソルジャー隊長は最初からそれに気付いて…だからオレをここに!?」と、パートナーに選ばれた理由を推察し、ラーメンマンの「オヤジのことは忘れろ。そうすればお前は強くなる」という言葉を思い出します。

 攻撃をしても埒があかないと悟ったアリステラは、「かくなる上は…!」とアタルの左腕をとり、捻りながら背後に向かってジャンプ。マリキータマンも飛び出してアタルの右腕に同じ事をすると、ツープラトンのパロスペシャルのような『グロリアスエヴァンタイユ』に固めます。これにはブロッケンも「させるかーっ!」とカットに入り、マリキータマンをフライングクロスチョップで吹き飛ばすと、「隊長! あんたのやりたいことはよーくわかった! その邪魔はオレがさせない! 思う存分に示してやってくれ! あんたの示す道標を…そのアリステラに!!」と、アタルに檄を飛ばします。

 それにうなづいたアタルは技をほどき、アリステラを一本背負い。しかし回転して着地するアリステラ。すると両雄はリング中央で額を押し付け合い、今度はアタルが「アリステラよ、お前は自分とスグルが似ていると言ったな。だがオレに言わせれば全く違う。お前たちが似ているのはとてつもない願いの大きさ、それだけだ。だが願いにはふたつの種類がある。スグルの願いが“祈り”であるのに対し、お前の願いは“呪い”だ」と、アリステラをスグルと似て非なるものだと批判。さらに「そしてこのふたつの差が…火事場のクソ力の威力の最大の決め手となるーっ!!」と、業火のクソ力を燃やしてアリステラをかんぬきスープレックスに捕え次回に続く、です。

 今回はアリステラとアタルのディスり合戦でしたね(苦笑)。先攻・アリステラ、後攻・アタル、で行われた「青年の主張」といった感じです(笑)。まず先攻のアリステラさん主張ですが、なかなかに痛いところを突いてきます。正論です。聞いていて「もっともだ」と思ってしまいました(苦笑)。一族の期待、運命を逃げずに一身に背負ってきたアリステラからしてみれば、アタルは現実逃避をした弱虫です。まさにおっしゃる通り。

 これはアタル兄さん、ぐうの音も出ないなあ、なんて思っていたのですが、そこは生粋の世捨て人(笑)、そんな批判には慣れっこのようです。自己嫌悪の時期はとうに過ぎ去ったとでも言いたげな感じで、精神的ダメージは全くといっていいほど見受けられません。逆にアリステラは終始イラついています。そして後攻のアタル兄さんは「アリステラとスグルは似て非なるもの」というテーマに論点をすりかえて(笑)、“呪い”による大願成就を否定しました。これにより、この神経戦はアタルに軍配が上がった感じがしますね。

 そしてアタルの意見こそが、今回の闘いの重要なキーポイントになるような気がします。願いに対するアプローチの違い。スグルを陽性とすると、アリステラは陰性ということになります。要は「恨みツラミといったような怨念パワーではいい結果が生まれないよ」とアタルは言いたいわけです。確かにこれは一理あるかなあ。今回はその“呪い”の前例に、ブロッケンJr.とラーメンマンの関係性を例にしていましたね。ただ私としては、前シリーズで闘ったスグルとネメシスの立場を思い出してしまいました。同じ『マッスル・スパーク』を使いつつも、“慈悲の心”があるかないかの違いで大きく意味合いが違ってしまったあれです。これと近いニュアンスで、アリステラはスグルに敗北するのかもしれません。その流れでいくと、アタル兄さんは負けちゃうことになるんだけど(泣)。

 といいつつも、アタルは窮地を脱出し、攻撃のフェーズには入れたようですね。ただお節介にも、アリステラに思想矯正をも行おうと画策しているようです。いや、すごく正義超人らしくていいんだけどさ、そんな余裕あるのかな? 相手の間違いを理解させた上で、なおかつ勝利をするわけでしょ? 難儀だなあ(苦笑)。

 その他気になった点は

  • “エヴァンタイユ”とは、フランス語で“扇”の意味らしいです。
  • “扇”だけに“奥義”だったらシャレが効いているのにな(笑)。
  • 組体操の“扇”も“エヴァンタイユ”と言ったらカッコいいかも(笑)。
  • 額を付き合わせての問答はいい絵面だな。意地の真っ向勝負みたいで。
  • ゆで先生はかんぬきスープレックス好きだよな。

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