今週のキン肉マン第301話-“L”と“望み”!!

今週のキン肉マン
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 『ロールシャッハ・ドット』で生じた“Lの文字”に戸惑うマリキータマン。「わからないんだ、これが何を示してしるのか…こんな不思議な図形はこれまで一度も現れたことがない!」と言うと、ブロッケンJr.は「へへっ…ならば教えてやるぜ。それはオレたち超人血盟軍のサイン「L」の陣形、その意味は『最後まで望みを捨てずに闘え』だ!」と、したり顔で疑問に答えます。

 あっさりと秘密のサインを自らバラすブロッケンを小ばかにしつつ、マリキータマンが「それだとまるでもうやられていくだけの仲間に送る、最後の言葉のようではないか。やはりお前はもう見捨てたって腹か」と憎まれ口をたたくと、「違う。お前は何もわかっちゃいない。隊長のサインは“勝負”を捨てるなじゃない。“望み”を捨てるなだ! そして今やオレと隊長の望みはこの試合に勝つなんてケチなもんじゃねぇ。それは恨みに生きる虚しさを…お前たちに気づいてもらうことなんだよ!」と、ブロッケンは懐の深い闘いのテーマをキッパリと宣言します。

 それに対して「それはできないと言ったはずだ!」と、マリキータマンが頑なな態度をとると、「オレもよく知っているやつに父親を殺された。ブロッケンという名門の家督を継ぐために邁進してきたオレの気持ちはズタズタにされた。だがよぉ、あろうことかその親父を殺した張本人に、オレは初めて教わったんだ。そんなものだけで生きていちゃ…オレ自身の未来はない。そしてオレの未来がなければ一族の未来もないってな…」と、ブロッケンはラーメンマンとの因縁をオメガの二人に語ります。

 さらに「だからオレは聞きてぇんだ。こんなんでずっと生きててよぉ…お前自身の未来はホントにそこにあるのかってなぁ!!」と啖呵を切ると、体が発光して“火事場のクソ力”的な力が発生。「な…なんだ、こいつのこの力は!?」「こんなザコ野郎のどこに…これほどの?」と驚愕するオメガ・グロリアスを尻目に「これが恨みを捨てた超人の…力なんだよ。それをお前らに見せつけること…それが今のオレに課せられた最大の仕事なんだからなぁーっ!」と、自身の今やるべきミッションを叫ぶと同時に、ブロッケンは力尽くでエヴァンタイユから両腕を抜き、オメガの二人を同時にジャーマン。

 しかしマリキータマンはすぐに立ち上がり、『天道羽根抜刀』でブロッケンに襲いかかると、ここでブロッケンはそれを『ベルリンの赤い雨』で迎撃。マリキータマンの命ともいえるさや羽根を片方切断することに成功します。「ふ…不覚。まさかあの状態からこんな技に持ち込む力が…」とマリキータマンが言うと、アリステラはブロッケンをロメロスペシャルの体勢に捕え「だがオレたちも倒れるわけにはいかん。これはオメガの誇りをかけた闘い。オレたちの敗北は…即ちオメガの教えの敗北だ。その正しさを証明するために…オレたちは立ち上がるんだ! 何度でも!!」と、ロメロスペシャルとマリキータマンのラリアットのツープラトン『ブレーンズシャットダウンボンバー』を敢行。

 ダウンしたブロッケンに対しアタルが「ここまでよくやってくれたブロッケン!!」と声をかけると、「ヘッ、おかげて最高に充実している。こちらも辛いが…ヤツらのダメージも大きい!」と不撓不屈の精神で立ち上がってくるブロッケン。これを見たオメガの二人は「あの野郎、どこまでしぶといんだ~っ」と辟易しながらも、もう一度『グロリアスグレイブヤードスプラッシュ』の体勢に。

 これに対しアタルは「ウム、あとひと押しだ。アレをやるぞ」とブロッケンになにやら指示。「あの時使えなかったあの技を…ここで!?」とブロッケンが答えると、「やれるな」とアタル。「もちろん了解だ。行くぜ隊長!」とブロッケン。二人のコミュニケーションが整うと、まずはアタルが『肉のカーテン』で『グロリアスグレイブヤードスプラッシュ』をガードして阻止。そしてオメガハンドをはねのけ、アタルは下段のマリキータマンにタックルしながら上昇し、グロリアスを分断します。

 それを見たブロッケンはアタルに追従してジャンプすると、上空でマリキータマンを『ナパームストレッチ』に捕らえたアタルと合体。よりマリキータマンを深くロックする体勢となった、言うなれば二人がかりの『ナパームストレッチ』にマリキータマンを固めて次回に続く、です。

 アタルの心理から出た“L”の文字。これはブロッケンに向けられたエールだと思ったのですが、ブロッケンはさらなる大きな視点でそのメッセージを受け取ったようですね。“望みを捨てるな”とは、試合に勝利するというミニマムな望みではなく、恨みに生きることが虚しいことだと気づき、マイナス思想からプラス思想に転換する望みを捨てるな、という、かなり懐の深い、マクロな意味を持つメッセージであると。

 この敵方すらも救済するという、いわば“あなたの敵を愛しなさい”と唱える聖書的な思想が出てくるところに、アタルというキャラの大きさを感じずにはいられません。「聖人か! 聖人なのか!」とツッコミたくなるくらい(苦笑)の度量の広さ。これをやられちゃうと、他はすべて小物に見えてきますね。

 そんなアタルの思想をツーカーで理解できるブロッケンも一歩抜き出ているというか、さすがに「お前はこの世で誰よりもオレの思想を理解している」という理由でタッグパートナーに選ばれただけのことはあると、この段階で期せずして証明した形となります。やるじゃん、ブロッケン。コーナーにたたずむアタルも「ウムウム」と、物分かりのよい弟子に頷いているよ、きっと(笑)。

 そんな高尚な使命感を再確認することでエクストラパワーが発動し、オメガのツープラトンを力づくで破ってしまうのだからたいしたもんです。さらに自身の経験談(ラーメンマンによる父親惨殺)を話し、そこから得た境地が「こんなんでずっと生きて、お前自身の未来はホントにそこにあるのか?」という思想。もう精神的成長がオメガの二人よりも一枚も二枚も上です。若僧と舐められながらも、実はその点の思想においては遥か彼方に大人。このギャップがカッコいい。直球的な物言いも彼らしくて非常に魅力的ですね。

 となると、オメガ・グロリアスは思想的に押されてきましたねぇ。こうなってしまうと彼らの意地は小さく見えます。最近思うのは、彼らの目的が“打倒、ザ・マン”に偏りすぎているなぁということ。彼らの目的はもう一つあって、崩壊寸前の母星を救うことなんですが、目的の高尚さで考えると断然後者の方が聞こえがいいですよね。だから彼らはもう一度“オメガの星を救う”という目的を第一義において行動すべきなんじゃないかなぁと思います。

 そして最後には、フルメタルジャケッツ幻のツープラトンへの序曲です。彼らの会話を聞く限り、これフェニックスチーム戦で出したかったようですね。『ナパームストレッチ』をより強固にしたツープラトンのようですが、アリステラが自由に動ける以上、身を挺してカバーすれば致命傷は避けれらるのではないかと。ですんで、まだ決まらないと思います。

 その他気になった点は

  • 『グロリアスエヴァンタイユ』は、アリステラとマリキータマンが綱引きをしているようにも見える(笑)。
  • “L”の文字を“不思議な図形”と認識する、マリキータマンのアルファベットバージンぶり(笑)。
  • もしマリキータマンが字・アルファベットと対峙したら、不思議な図形だらけ(笑)。
  • 今回のブロッケン、いつも以上に目が見えがち。
  • ブロッケンはプラス思考だなあ。
  • ブロッケンの「未来はホントにそこにあるのか」発言で、あんちゃんを思い出した。あ、『ひとつ屋根の下』のね。「そこに愛はあるのかい?」by江口洋介。

 こんなところでしょうかね。

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