今週のキン肉マン第302話-マリキータマンの胸が示すもの!!

今週のキン肉マン
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 マリキータマンを『ナパームストレッチ』が進化した姿に捕らえたフルメタルジャケッツ。「オレのナパームストレッチはもう一人の手が加わり、ツープラトンとなることでより強力な技へと進化する! 行くぞ、ブロッケン!」というアタルの掛け声にブロッケンが「ああ…準備完了! いざっ!!」と答えると、フルメタルジャケッツは激しく縦回転しながら落下。方向感覚を失ったマリキータマンは何も抵抗ができません。

 そんなマリキータマンの胸は風圧でAとBの形に裂けていきます。パートナーの窮地に「させるかー!」とカットに入ったアリステラですが、その回転は止められず、逆にはじかれてしまいます。これを見たアタルが「このツープラトンにカットは通用しない! そこまで計算してあみ出した技だーっ!」とその技にかけた思いを告げると、「くらうがいい、これぞフルメタルジャケッツ至高のツープラトン! 『ナパームコンビネゾン』!!」と、強烈にマリキータマンの胸を鉄柱に叩きつけることに成功。

 技が決まりしばしの沈黙の後、マリキータマンは「たまるか…オレが…アリステラの足手まといになってたまるか。すまんアリステラ…タ…タッチを受けてくれるか?」と掠れるような声を出すも、タッチを行うことはできずに立方体リングから落下。最後に「後は…お前に託した…オ…オメガのための最善の判断…全てはお前の心のままに」とオメガの使命を自軍の大将に託すと、そのまま地面に激突して絶命。ここでマリキータマンはリタイアとなりました。

 大きな信頼を抱いていた右腕の離脱に、その名前を大声で叫ぶアリステラ。その感情の高ぶりは、正義超人軍が味方を失ったときとなんら変わりはありませんでした。すると今度はフルメタルジャケッツのブロッケンJr.が「へへ…すまねえぇ、オレもそろそろ限界の…ようだ…」と、蓄積されたダメージによって動けなくなります。

 限界を超える闘いを見せてくれた相方に対し、アタルは「本当にここまでよくやってくれた! オレの想定していた期待を遥かに上回る十二分の働きをお前はここまで見せつけてくれた! 成長したんだな…ブロッケン」と、多大なる賛辞をブロッケンに送ります。

 するとブロッケンは「へへへ…よせやい。アンタにそう言われると…調子に乗っちまう。求められた仕事をしたまでのこと…あとは…頼んだぜ、隊長!」と自身の慢心を戒め、アタルと手を握ったあと、エプロン再度に転がって戦闘不能状態に。これによってリング上は奇しくもアタルVSアリステラの一騎打ちの様相を呈してきます。

 盟友を失いワナワナと打ち震えるアリステラが「これで1対1…だがこんな形は予想していなかった。マリキータまで失い…こんなやりようのない気持ちでお前と相対するとは…」と言うと、アタルは「お前がもはや自分で引けないのはわかっている。それが宿命だと自分に言い聞かせている。だが自分の間違いにも気付いている。お前は決してバカではない。その板挟みの中でもがき苦しんでいる。そんなお前を救う道は…倒すこと以外にないとオレは心得た。だから今ここにオレは…立っている」と、相手の立場も加味した上での自分の立ち位置を語り、ファイティングポーズをとります。

 そんなアタルに対しアリステラは「ほざけーっ! 散々犠牲にしてきた! 家族も、故郷も、仲間も、親友も、オレ自身の人生すらも。でもそれでいい! それでいいんだ! オレは…このためだけに、このためだけにーっ」と、やるせない気持ちを怒涛の打撃攻撃でぶちまけ、最終的には最大のフェイバリットである『Ωハルマゲドンアベンジャー』の体勢に捕らえます。そして「これで…決める! これは我が親友マリキータマンへの弔いの一撃だーっ!」とリングに向かって急降下。

 絶対絶命のアタルですが「苦労をした者にしかわからぬ痛みがあるのはわかる。その痛みが仲間への想い、お前の根底にある優しさに繋がっているのもわかる。だがその燃料を適正に燃やす術をお前は知らん。そしてそれを知った暁には…その時に起こる業火こそが…お前たちとわかりあえる希望の火となることもまたわかるーっ!!」と、エクストラパワーである業火のクソ力を発動。腕のロックを抜き、両足でアリステラの頭を挟んで反撃に移るところで次回に続く、です。

 …マリキータマン、散りましたね。前回自信満々で「これはカットで逃れるでしょう」と予想した私でしたが、完全に外しました。いやあ、お恥ずかしい(苦笑)。安定の“アキラクオリティ”の予想でしたね(笑)。運命の4王子とオメガ六鎗客との対抗戦カード予想が一つも当たらなかった時と同じくらい背中に汗かいています。

 そんな破壊力抜群な『ナパームコンビネゾン』ですが、みなさんが“?”となったのが、“コンビネゾン”というフレーズだと思います。どうやらフランス語らしいのですが、英語でいうところの“コンビネーション”らしいです。ここでゆで先生がなぜにフランス語をぶっこんできたのかはよくわかりません(笑)。フランス関係者、いないはずなんだけどな。まあつまるところアシュラマン&サンシャインの『地獄のコンビネーション』と系統は一緒だということです。だからはぐれ悪魔コンビがその気になれば「地獄のコンビネゾンPart1!」なんていってロメロスペシャルをはちあわせることも可能だということです(笑)。

 そしてこのツープラトンのもう一つのツッコミどころが、胸に刻まれる文字が増えるということです。そもそも論で、単体『ナパームストレッチ』でも胸に“A”の文字が刻まれる理論に、中学生ながらも「理屈に合わない…」と密かに感じていたのですが、それは脳内の遠い隅っこにあえて密封保管していました(笑)。このように、技の基本的立ち位置がただでさえ不安定なのに、ここにきて追加の“B”ですよ。これはさすがに脳内がざわつきましたね。30年ぶりに密封保管していた気持ちを開放せざるを得なくなったと同時に、「ますます理屈に合わない」と、開封直後にさらなるアップデートもなされる結果となりました。30年後の上書き保存ですよ(笑)。そして今回も上書き後はもとの遠い隅っこに密封保管しなおすことにしました。

 まあ脳内で起きたせめぎあいは置いといて(笑)、“A”はアタルの“A”で、“B”はブロッケンの“B”なわけですよね? おそらく。結果“AB”とアルファベット順になっているので、すわりは抜群です。これ、もしアタルのパートナーがザ・ニンジャだったら、“AN”だったのかな? アシュラマンだったら“AA”となり、バッファローマンだと同じ“AB”となる。もしもゆで先生がこの演出まで先に思いついていて、すわりのよい“AB”ありきでアタルのパートナーを考えていたとしたらすごいよね。「バビブベボから始まる名前の超人は誰がいるか探せ~っ!」なんつって。「先生、ブルドーザーマンなんてどうですか!?」なんて声があって、「なるほど、真ソルジャーチームの一員が、偽ソルジャーのアタルとまさかのタッグ結成! こりゃバズり確定だな!」なんてさ(笑)。残虐の神が開けた穴から引きずり出したのがブルドーザーマンだったら、日本中がひっくりこけてただろうね(笑)。

 冗談はさておき、このツープラトンが発動し、当然のごとくカットに入ったアリステラがあっさりと弾き飛ばされたところ、マリキータマンが打ち付けられた場所が、鉄柱の先というエグイ場所だったこと、この2つの表現で「あ、ひょっとしてこれは素直にきまっちゃうかも」と思う説得力がありましたね。そしてその通り、マリキータマンは無念さを口にしてリタイヤです。しかも…死亡ですよね、これ。う~ん…デザイン性も抜群で、義憤あふれるよきキャラに成長してきていただけに惜しいよな。散り際のセリフなんて、なかなかシビれるのになあ。ということで、オメガで生き残ったのはとうとうアリステラとパイレートマンの二人のみとなってしまいました。

 これで2対1の、フルメタルジャケッツ圧倒的有利になったかと思ったのですが…ブロッケンのまさかの戦線離脱(苦笑)。なんか…苦労してマリキータマンを仕留めたのに、意味ないじゃん、という興ざめ感がわいてしまったのは否めません。結局プラマイゼロか…みたいな失望感がありますね。まあ最後は大将同士の一騎打ちにした方がわかりやすいし、話も作りやすいので仕方ないとは思うんですけどね。

 そんなブロッケンの離脱を肯定するかのように、アタルが彼に対して大賛辞を送っています。これに対してブロッケンは謙虚に「仕事だよ」と答えますが、彼は闘いを“仕事”と表現することが板についてきました。キャラの背景に職業軍人という面があるので、そういった表現がしっくりくるんでしょうね。でもこれが彼のダンディズムというか、渋さをより演出していてなかなかにカッコいいです。ゴルゴ13チックなんですよね。若僧なのに(笑)。

 ここから怒りに震えるアリステラと、より広い視点から敵を諭すアタルとの、精神性を含めた一騎打ちです。ただし現時点では何枚もアタルが上ですね。思いは深くて高尚なのに、視野が狭いアリステラと、それをすべて受け入れ、さらに高い位置から俯瞰して行動をするアタル。人生における経験値の違いといいますか、完全に教える方、教わる方という図式になってしまいました。そんな余裕のない中で繰り出されたアリステラのフェイバリットは…やはり通用しないですね。技を受けながらも、近視眼的なアリステラに教えを施すアタル、この両者の余裕差は歴然です。このままアタルの業火のクソ力によって素直に勝負が決まるのか。それとも、アリステラが急速に“燃料を適正に燃やす術”をマスターするのか。はたまた“恨み”のパワーから燃焼される、新たなエクストラパワーを開発するのか。個人的には…新たなエクストラパワーの開発でひと悶着ありそうな気がしますね。

 その他気になった点は

  • マリキータマンの断末魔は「キャビホーッ」。こういうの、ゆで先生はすっと出てくるのかな(笑)?
  • 翅を持っているのに落下で息絶える昆虫超人。これもギャップのひとつなのだろうか。皮肉だ。
  • 瀕死の割にはエプロンに転がる様が妙に軽快なブロッケン(笑)。ゴロゴロ。
  • 「相手を倒す」という、格闘では当たり前の結論に千思万考して到達するアタルに、人としての気高さを感じる。
  • 同じ“倒す”でも、質が違うことをゆで先生は見事に表現している。
  • アタルはとにかく大人だな。

 こんなところです。

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