アタルの忠告に対し「ザ・マンへの恨みを捨てることは…できない」と、頑なに拒否をするアリステラ。そして「お前たちは簡単に言う。だがザ・マンへの恨みはオレたちからすればそれはもはや“文化”であり“伝統”だ。これを撤回することは何千万年もこの問題を申し送り事項にしてきた我らの先祖に申し訳が立たん。お前たちがそれを“呪い”と呼ぶのなら…その“呪い”こそがオメガの誇りだ」と、長い歴史に刻み込まれた思想をそう簡単に覆せないことを断言。
大将の確固たる意志を聞いたマリキータマンは「了解した! お前が行くと決めたのなら、どれほど呪われた道でもオレはお前についていく…どこまでもな」と呼応し、アリステラの上にジャンプ。アリステラはマリキータマンをリフトアップで持ち上げ、「お前は本当に頼もしいヤツだ。ああ行こう! なんと言われようが“業火”の火種は確かにもらった。ならばそれを燃やす新たな“力”の発露法を…オレたちは“呪い”の中から見つけるしかない。宿命とはそういうものだと、次はオレがお前に教えてやる」と思想を切り替え、持ち上げたマリキータマンをアタルめがけて投げつけます。
投げられたマリキータマンがミミックニードルを背中から突き出し、アタルへダメージを与えようとした刹那、ブロッケンJr.が間に入って身代わりに。そして大流血しながらも「それじゃあダメだって言ってるのがなんでわからねぇんだーっ!」とオメガ・グロリアスの二人に一喝します。
そして「いや…わかんねえって言うのもわかるけど…でもほんとはわかってんのもわかんだよ。オレにはお前の気持ちが。なんとなくだがよ!」と、禅問答のようなニュアンスの気持ちを投げかけると、体に刺さったマリキータマンを抜き取ります。さらに「このままじゃお前不幸になっちまう。だから素直に…わかってくれよ!」と、オメガの二人を説き伏せようとします。
それに対しアリステラが「今の技に耐え切れたのもその力のなせる業だと…お前はオレにそう言うのか?」と言うと、マリキータマンは「何がわかるのだ! お前なんかにアリステラのことがわかってたまるかーっ」と、激高して再度ミミックニードルでブロッケンに突撃。しかしこれもなんとかブロッケンははねのけると、アタルが「ブロッケン、まだやれるか?」と、腕組仁王立ち状態で問いかけます。すると「当然だ。ここはオレにやらせてくれ」とブロッケンは即答。その耐久力に呆れるオメガの二人。
するとアリステラは「マリキータ、たびたび不安にさせてスマン。だが大丈夫だ。信頼しろ。オレたち二人に後退という選択肢はもはやない。今はまずヤツらを潰す。考えるのはその後だ!」と気持ちを切り替えると、マリキータマンがアリステラの両足首をもって持ち上げ、それを仰ぐようにしてフィンガースプラッシュを食らわせるツープラトン『グロリアスグレイブヤードスプラッシュ』で、ブロッケンの胸を引き裂きます。
さらに先ほどアタルに敢行した『グロリアスエヴァンタイユ』でブロッケンを固め、ブロッケンは絶対絶命に。そしてマリキータマンは「お前のボスは薄情だな。さっきはすかさずお前がカットに入って救ったというのに、ヤツはそれすらもしようとしない。お前はもう見捨てられたんじゃないのか?」と囁き、精神的な揺さぶりもかけます。
それに対しブロッケンは「そんなことあるかよ、ソルジャー隊長は誰も見捨ててない! オレのことも…お前らのこともな!」と、アタルに対して絶大なる信頼を寄せているどころか、彼は敵であるオメガも見捨てていないと断言します。
それを聞いたマリキータマンは「キャミキャミ、オレたちも…だと? 笑わせるな! じゃあヤツが何を考えているか示してやるぜ。ロールシャッハ・ドット!」と、体の斑点模様を使った心理分析を開始。その結果現れたアタルの本心とは…なんと“L”の文字。それを見て「な…なんだこの形は…一体?」と理解不能な戸惑いを見せるマリキータマンをよそに、ブロッケンは「こ…この形は!」と何かに気づき次回に続く、です。
いや~、根深いですねオメガの恨み節は。まあ何千万年の恨みですからね。関ケ原で徳川に敗れた毛利家(長州藩)は、毎年新年に「今年は仕返ししてやるぞ」的な儀式をしていたらしいですが、実際に明治維新でそれを成し遂げたわけですが、それでも260年の恨み節ですからね…何千万年にはちょっと足りない(苦笑)。もうDNAに刻み込まれているレベルなんでしょう。
そして“火事場のクソ力”の発露法も、オメガ独特の方式を探ればいいと、独自の道を選んだようです。“恨み”という心理状態を、その力のスイッチとすることができるのか。今後注目ですね。そして盟主にとことんついていくことを明快に表明する右腕・マリキータマン。このあたりの関係性は、見ていて気持ちがいいもんですね。
そんなオメガの決意を見た上でも「それじゃあダメなんだ!」と、あらためて説得を試みたのがブロッケン。彼らを諭そうとしたセリフ回しが、とにかくブロッケンらしくていい感じです。「いや…わかんねえって言うのもわかるけど…でもほんとはわかってんのもわかんだよ。オレにはお前の気持ちが。なんとなくだがよ!」と、口下手ながらも、モヤモヤとした感情をなんとか表現しようとしている必死さがいい。それはラーメンマンに対して抱いた“恨み”からは成長できなかった体験があったからこそ出てきた想いなんでしょうね。まさに感情が絞り出されたような、このあたりのピュアさも彼らしいんだよな。これ意外と名言になるかもしれません。
結局この心のこもった助言もオメガの二人には届かず、それどころかマリキータマンは「お前なんかにアリステラのことがわかってたまるか」と逆に気分を害する始末。しかしねぇ、このマリキータマンの憤りもわかるのよ。一番アリステラのことをわかっているのはこのオレだぞと。ぽっと出のお前ごときがわかった顔すんじゃねぇよ、という感覚なんでしょうね。それくらいマリキータマンも主人思いだってことなんですよ。お互いいいヤツなのに、結果的にはわかり合えない。ひじょうに残念ですよねぇ。
そしてアタルはリング上をブロッケンに一任。ここからブロッケンVSオメガ・グロリアスとの2対1状態が続くのですが、アタルはまったく助けに入らない。これはブロッケンがこの場面をしのげると確信しているからで、つまりは乗り越えられると確約されたシーンであるとも言えます。よって安心して見ていられます(笑)。
そして最後にブロッケンがオメガの二人に言い放った言葉がまたすごい。「ソルジャー隊長は誰も見捨ててない! オレのことも…お前らのこともな!」ですからね。お前らまとめて救ってやるぜ、みたいな、ハンパない心の広さ。ソルジャー隊長、菩薩かよってな感じで(笑)。そんな隊長の心理状態は…出た! Lの陣形! 「最後まで望みを捨てずに戦え」ですよ!…この演出は神業だろ(笑)。まさか敵のスキルを借りてサインを出すとは…ゆで先生、脱帽です。オイラ脱帽です(笑)! 次回も楽しみっす!
その他気になった点は
- かなり長時間クソ力を発動しているフルメタルジャケッツ。
- 今回も眼がよく出てくるブロッケン。キメ台詞多かったからね(笑)。
- 愛情を持って厳しく弟子を送り出す師匠。
- それに当たり前のように応える弟子。会社にもこんな弟子がほしい(苦笑)。
- 今回一度も腕組みを解かなかったアタル兄さん。
こんなところですかねぇ。
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