“業火のクソ力”を発動し、アリステラをコーナーへ放り投げたアタル。しかしアリステラは「まだまだこんなもの!」と、体を反転させてジャンピングニーパッドを放ちます。アタルはそれを冷静に見切り、アリステラが出したヒザをステップにして、顔面に強烈な膝蹴り、いわゆるシャイニング・ウィザードを強烈にヒット。そして間髪入れずの垂直落下式ブレーンバスターで、アリステラを攻め立てます。これにはさすがのアリステラもダウン。
リーダーのピンチに「アリステラ~ッ、お前やはり…その指の負傷は!!」と気遣うマリキータマン。それに対しアリステラは「心配するなマリキータ。だがしかし…なぜコイツにはこの力が通用しない。オレは新たな力を得たはず…なのに…」と、萌芽しかけた“火事場のクソ力”が思うように通用しないことに疑問を抱きます。
そんなアリステラに対し、アタルはアリステラを複雑なサブミッションに捕え「言っただろう。お前の願いは“呪い”だと。それは“火事場のクソ力”とは最も相性の悪いもの。その思いが強まるほどその力は無と化していく。なぜなら我らキン肉族の力の源泉は“慈悲の心”にあるのだから」と、その疑問に対する答えを告げます。
それに対し「慈悲…」とつぶやくアリステラ。アタルは「それが理解できない以上、お前がその力を使いこなすのは不可能に近いと思うがいいーっ」と、さらにダメ出しをした上でアリステラを絞り上げます。これにはたまらずマリキータマンがリングインしてカット。
すると自軍に飛ばされたアタルの背中をタッチしてブロッケンJr.がリングインし、マリキータマンに襲いかかります。しかしマリキータマンはそれを冷静に避け、後ろ羽でブロッケンを包んで一度上昇し、落下しながらフェイバリットの『マリキータデッドリーライド』を敢行。血を吐いてダウンするブロッケン。マリキータマンはフルメタルジャケッツの二人に対し、「何も知らないお前らごときがアリステラをこれ以上罵るなーっ」と啖呵をきります。
このマリキータマンの攻撃はノータッチのため無効であると、ダウンカウントを取らない裁定を下す委員会。一時試合が中断される形となり、その隙にマリキータマンはアリステラを介抱します。しかしアリステラは「オレは…神に近づいたはずだった…なのにどういうことだ、マリキータ? 一度は異常なまでに跳ね上がった力が、己でも気づかぬうちに安定を無くし…今やその勢いは完全に失われている…これは神をも超える無敵の力ではなかった…のか…?」と、その身に起きている現実を受け入れることに抵抗を示します。
すると大の字になっていたブロッケンが「へへへ…そんな都合のいいもんなんてあるかよ」と、オメガの仮説を悪態をつくように否定すると、続けてアタルが「慈悲の心とは友情に始まりやがてはあらゆる他者を認めるに至る心。今のお前たちのただひたすらに排他的な思想では、その真髄に至ることは決してない。そう…オメガが“呪い”を捨てない限りな!」と、オメガの問題点をバッサリと切り捨てます。
そんな厳しい指摘を受けたアリステラが「お前たちもやはり恨みを捨てろというのか。ザ・マンに対する恨みを捨てる。それ以外にオメガを救う道はないと?」と尋ねると、無言でうなづくフルメタルジャケッツ。それを見たアリステラはしばし熟考したものの、「わかってはいても無理だ!」と宣言し次回に続く、です。

今回はフルメタルジャケッツの反撃回でしたね。アリステラが“火事場のクソ力”をラーニングしたことで、こりゃ手がつけられなくなるかな…と思われたのですが、その力をうまく使いこなせない、という関門が待っていました。例えるならば、ハイスペックなスマホを購入するも、その機能を存分に使いこなす知識や技能が追いつきません、てな感じですかね。まだCメールしか打てません、みたいな(苦笑)。実際に発動した力が時間とともに消えていく様に、アリステラはかなりとまどいを感じています。まるで機能を発揮できないうちに、どんどんと充電が切れていくスマホのように。
そして機能を存分に使いこなすための条件は、“呪い”ではなく“慈悲の心”だと、アタル兄さんはハッキリと言い切りました。やはりでてきましたか、“慈悲の心”。ネメシス戦の焼き直しですね。バックにはそのネメシス(サダハル)を含めた、キン肉宗家の面々が。なんかこれだけで歴史の重みというか、「そう簡単には発動できないんだぜ」的な特別感を感じさせますよね。
そんな感じでアリステラをこき下ろした感じになりますが、ここで介入してきたのがマリキータマンです。この介入の理由がね、いいんですよ。「何も知らないお前らごときがアリステラをこれ以上罵るなーっ」ですからね。忠臣ですよ。オレの大将をバカにしやがったら許さねぇぞ、みたいな。おそらく自分自身が罵られるよりも、強い怒りを発しているところを見るに、ホント、アリステラは慕われているなあと。それだけにオメガの絆にも不快感を持てないんだよな。
でもアリステラは今回の一件で、今までで一番弱気な表情を見せましたね。これは意外というか、かなりのレアシーンだと思います。それくらいこの力の修得に希望を燃やしていたのでしょう。そんな彼に、フルメタルジャケッツはその力を使いこなすヒントをバンバン与えてくれます(笑)。ある意味正直といいましょうか、お人よしといいましょうか、天然といいましょうか…まあ、それが彼らのいいところなんですけどね(苦笑)。
その処方箋は「ザ・マンに対する恨みを捨てる」ことだそうです。ここまで教えてあげたのに…アリステラの答えはNO。求める力と積年の恨みを天秤にかけると、後者が勝ってしまうようなんですね。それくらい「ザ・マン憎し」なんですね。まあ星を追われるくらいのひどい侵略を受けたので、気持ちはわかるんですけど。
これで論理的には、アリステラは“火事場のクソ力”は使えないということになります。これが彼の弱点となるのか、それとも…“呪い”を持ちつつも、その力を発動できるように変異するのか。このパターンもありそうですよねぇ…。“呪いのクソ力”なんて新たなパワーの開祖となるかもしれないわけですよ。
でもなあ、なんか惜しいなあ。彼らとは仲良くなれる要素がてんこ盛りなのになあ。まあ簡単に仲良くなったら物語が終わっちゃうんだけど(苦笑)。
その他気になった点は
- シャイニング・ウィザードは、時代的に先取り過ぎだなあ。
- アタルのストレッチ技は、何がどうなっているのか、もうわけわからん(苦笑)。
- 中井画伯にはどう伝えるんだろうか。
- 冷静な判断をする委員長。ちゃんと仕事してるじゃん(笑)。
- 火事場のクソ力をラーニングするのも、なかなか大変なんだな。
- でもウォーズマンはあっさりとラーニングしたよな(笑)。
こんなところでしょうかね。
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