今週のキン肉マン第296話-“希望”になった男!!

今週のキン肉マン
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 ロックアップの状態で自身の過去を話したアリステラ。「弟の持つような目に見える変身能力はオレにはなかった。その代わりオレには目に見えないメタモルフォーゼ、闘った相手の力を取り込み、己のものにするというより高次元な変身能力が備わっていたというワケさ。その恵みにオレは歓喜した。なぜならこの力があればようやくオレも…オメガの役に立てる! お前にはわからないだろう! 一族を背負う立場に生まれながら、何も出来ない無力な自分がどれほど情けなかったか!?」とアタルに叫びます。

 続けて「その日からオレはオメガの運命を背負う使命に目覚めた。それまでの日々を取り戻すかのように連日オレはオメガ屈指の強者との闘いに明け暮れ、その相手と同等の超人強度を手に入れ成長を遂げていった。そしてついにはオメガ最高の超人強度を持って生まれた弟ディクシアに並ぶまでにそのパワーを成熟させた。こうしてオレはオメガの“できそこない”から“希望”となった。そんな生い立ちだからこそ、お前の弟には余計シンパシーを感じてしまうのだ」と、六鎗客メンバーとの闘いや弟のディクシアとの闘いを経て成長してきたことを話し、スグルとの共通点を告白します。

 それに対してアタルが「スグルに?」と尋ねると、「そうだ。ダメ超人と蔑まれても腐らず今の地位にまで上り詰めたヤツの人生は…オレに似ているとな」と、アリステラは素直にスグルと自分を重ね合わせた共通点を口にします。それを聞いたスグルが「アリステラ…」とつぶやくと、「ああいうヤツなんだ。だからこそ…わかりあえると思っている」と、自軍のリーダーについて補足するパイレートマン。それに対して「ああ、そうだと信じたい」と答えるスグル。

 ロックアップは続きます。「先ほど闘い手にしたフェニックスの1億パワーはヤツにとっても暫定的なものだった。だからすぐに消え失せた。しかしお前のその力は違う。しっかりと地に足のついた確かな力だ。その“業火のクソ力”をオレはこの闘いで取り込みモノにする! 超人強度を爆発的に上昇させると思われるお前のその力があれば、今度こそ神に匹敵する1億パワーを恒久的に己のモノにできる。オレにとって…いや…オメガにとって、これはそのための闘いなのだーっ!」と、断固たる意思でアリステラはアタルの“業火のクソ力”の吸収を始めます。すると「そうはさせん。この試合でお前を負かせばそんな淡い期待も水の泡だ」とアタルは答え、ロックアップを解除。そして間髪入れずの片足タックルからマウント状態へ。そして馬乗りからの容赦ない肘打ちパウンドの雨あられ。

 しかしアリステラは不気味な笑いを浮かべるだけで、全く効いていないというそぶりをみせます。これを見たアタルはまたも技を解除。うつ伏せに体勢を入れ替えたアリステラに「ならば!」と、背後からのスリーパーを敢行。そして体を反転させ、完全なチョークの体勢に。

 俄然有利となったアタルは「さあ、早くギブアップしないと失神することになるぞ。気高いお前には一番許しがたいことだろう」と、アリステラに降伏勧告。しかしアリステラは「ギブアップだと!? フフフ、笑わせるな。せっかく待ち望んだ機会だぞ。誰がタップなどするものか。ここは意地でも耐え忍んで、お前の…その力を…わ…我がモノに!」と、我慢比べて耐え抜く決意を表明します。

 そんなアリステラを危険と見かねたマリキータマンがタッチを要請すると、「やめろ、マリキータ! 見てわからないか? こうして寝技で身体が密着していることで、少しずつだがコイツの力をオレなりにメタモルフォーゼできている」と、アリステラは“業火のクソ力”を順調に取り込んでいることを伝えます。そしてその言葉通り、アリステラの肉体は徐々に発光。さらに頭のオメガハンドがアタルの額をアイアンクローのようにつかみ、さらなるパワーの吸収を試みます。

 そして「オレがこの技の痛みに耐え続けられる限り、オレはこいつの力を吸収することができるのだ。ならこんな苦しみなど…たやすいもの。もう少しだ、もう少しでオレは本物の“オメガの至宝”となれるのだ」と自信たっぷりに言うと、危険を察知したのかまたもや技を解除するアタル。そして背後からアリステラを空中に蹴り上げます。すると「なぜだ、なぜ技を解除したーっ! お前がそうして力を取られることを拒むなら、オレから取りにいくまでだーっ!」と、アリステラは下降時にオメガハンドを尖らせ、突っ込んでいきます。それをアタルは飛び上がって迎撃姿勢に入り、オメガハンドの中指と小指を取ると「ならその前に勝負を決める!!」と、『ナパームストレッチ』の体勢に入って次回に続く、です。

 今回もアリステラの過去が露わになった回でしたね。闘えば闘うほどパワーをアップしていける特性を持つことに気づいてからは、六鎗客を含む強敵とさんざ闘ったようです。このシーンでギヤマスターやマリキータマン、パイレートマンとの闘いが1コマずつ描写されていましたが、このたった1コマにものすごいドラマが凝縮していたんでしょうね、実際は。それこそスグルが辿ってきた道と同様の、深~いドラマが。彼が闘ったギヤマスターは、スグルにとってのロビンだったのかもしれないし、マリキータマンはウォーズマンだったのかもしれない。パイレートマンはバッファローマンだったのかもしれないわけです。これらすべてがスピンオフとして成立できそうで、アリステラの外伝としてひじょうに興味がありますね。

 そして最終的に弟であるディクシアとの闘いがあったわけです。キン肉族に置き換えると、アタルVSスグルってことですよね。。オメガの星では一大決戦だったんでしょうね。ただこのような闘いを経てきても、対戦相手が仲間になったり、弟が忠実な右腕になったりしているところを見ると、アリステラはスグル同様、最後に分かり合う闘いをしてきたということになります。王位継承候補の二人が直接対決するなんて、派閥争いの最たるものだと思うのですが、そうはなっていない。ということは、アリステラとディクシアの間には、憎しみは皆無で純粋に力を競い合ったという、ひじょうに希有な精神状態での兄弟対決が行われたという証明になります。このあたり、アリステラの人格というか、人間性を否定できない一因ではありますね。

 そんな過去を持つアリステラは、スグルを自分に投影します。シンパシーってやつですね。「ヤツはオレに似ている」という一言で、スグルはアリステラに対してさらなる共感を得ます。この時にパイレートマンが入れるフォローがまたタイムリーで。「ああいうヤツなんだ」な~んて言われちゃったら、頭の中では「ああいうヤツ=実はいいヤツ」という変換がなされちゃいますよね(笑)。これでますます対立構造を維持するのが難しくなっちゃうんだけどさ。

 対するアタルは、業火のクソ力を吸収される寸前で技を解いてはかけ直すというムーブを見せます。そして力を吸い取られる前に勝負を決めようと繰り出した技は…『ナパームストレッチ』! ここで一つ目のフェイバリット発動です。まだ序盤なのでこれで決まることはないと思うのですが、どの程度ダメージを与えることができるのか。はたまたこれを利用されて逆に窮地に陥ることになるのか。ターニングポイントですね。

 その他気になった点は

  • ディクシアの活躍を木の陰からのぞき見するアリステラ。星明子か(笑)。
  • 幼少期にすでに『Ωカタストロフドロップ』をマスターしているディクシア。
  • 時代的にはまだオープンになっていなかった、総合格闘技のムーブが多いな、今回は。

 こんなところですかね。

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