2月15日から始まった、各チームのニューマシンお披露目会。10チームすべて出そろったので、まとめということでご紹介していきます。初戦のバーレーンGPも差し迫ってきました。視聴はスカパーのフジテレビNEXTからできます。

発表会ではカラーリングと車体がどう変わったかを見るのが基本なのですが、最近は車体の変化を各チームが隠す傾向にあります。要は馬鹿正直にすべてをさらけ出すと、すぐにめぼしい部分をコピーされ、自チームの優位性が崩れるのを懸念しているわけです。
ですので車体やエアロパーツについては、あまり参考にならないことが多いです。極端な話、昨年のマシンに新カラーリングをして発表しているのに近いチームもありましたから(苦笑)。というわけで、主にカラーリングの変化を楽しみたいと思います。ではいってみましょうか。
メルセデス W12
最強王者、メルセデス。今シーズンも人種差別に問題提起するというスタンスの、ブラックベースでカラーリングです。ちなみに昨シーズンはこんな感じ。
フロントウイングのネオングリーンの面積が増えているんですね。あとインダクションポッド部を中心に、スポンサーであるINEOSのレッドと、エンジンカバー部にメルセデスもともとにチームカラーであるシルバーが施されています。
ネオングリーンは好きなんですけど、黒との掛け合わせはあまりいいとは思えないです。できれば早めに以前のシルバーアローに戻ってほしいですね。
レッドブル・ホンダ RB16B
打倒メルセデスを今シーズンこそは果たしたいレッドブル・ホンダ。特にパワーユニット担当であるホンダが今シーズンでF1撤退を発表しているだけに、その集大成としてぜひとも年間チャンプになってほしいものです。
昨年と見比べると、カラーリングのパターンは変わっていません。ただし、メインスポンサーであったアストンマーティンが自チームをもったためスポンサーから撤退しており、ホンダのロゴが入れ替わるように配置されています。ノーズ先とリアウイングの部分がわかりやすいですね。特にリアウイングは目立っていいですね~。
このレンダリング画像を見ると、リヤエンドの絞り込みがすごいですね。この攻めの姿勢が吉と出るかどうか。楽しみです。
マクラーレン MCL35M
いの一番で新車をお披露目したマクラーレンです。カラーリングは昨年同様伝統のパパイヤオレンジをベースに、ブルーを掛け合わせています。このツートンカラー、個人的にはカッコよくて好きですね。ちなみに昨年はこんな感じです。
全然変わっていないようにも見えますね(苦笑)。あ、でも今シーズンはノーズの先端部にもブルーが入ったんですね。ノーズ脇にもブルーの縁が入ったのかな? どのみちカラーリングはかなり昨年踏襲です。
今シーズンはパワーユニットをメルセデスに変更し、さらなる飛躍を目指します。まあもともとメルセデスエンジンユーザーだったのが、元サヤに戻っただけなんですけどね(笑)。途中ホンダ、ルノーと渡り歩いて。
ただ前シーズンに確実なステップアップをしたので、今シーズンもその上昇曲線の継続を狙っていきたいところだと思います。
アストンマーティン AMR21
フォース・インディア改め、レーシング・ポイント改め、アストンマーティンです。ここ5年の間に2回チーム名が変わったのでややこしいです。
このチームは昨年まで派手なピンクカラーをしていましたが、アストンマーチンとなった今シーズンは、噂通りアストンの伝統色であるブリティッシュ・グリーンをメインカラーにしてきました。昨年はこんな感じです。
だいぶ落ち着いた感じになりました(笑)。まあピンクも悪くはないですけどね。ただピンクをコーポレートカラーにしているBWTのスポンサードは継続しているので、差し色でピンクを施しています。
個人的にグリーン × ピンクは…どうかな…? って感じです(苦笑)。あとグリーンはもう少しメタリック感があればいいのにな、とも思います。でもF1では久々の全面グリーンマシンです。楽しみですね。
アルピーヌ A521
ルノーからチーム名をアルピーヌに変更してきました。アルピーヌはルノー内の、主にモータースポーツに関連するブランドだそうです。ル・マンで有名な、世界耐久選手権(WEC)や、バイクレースのmotoGPでは有名なブランドらしいですね。
そのブランドが満を持してモータースポーツの最高峰であるF1に進出してきたわけです。今シーズンはレーシングディレクターにmotoGPのスズキで実績を出した人物をあてがい、心機一転を狙っています。
個人的には前チーム代表のシリルさんが失脚したのは多少残念なんですけどね。ビッグマウスでトラブルメーカーで面白かったんですけど。ネタを振りまいてくれて(笑)。
チームカラーはアルピーヌ伝統のトリコロールです。WECマシンのカラーリングをそのままF1にリファインした感じですね。ちなみにWECマシンのカラーリングはこんな感じです。
そして前シーズンはこちら。
イエロー × ブラックから大幅に変わりました。メタリックブルー基調で、なかなかカッコいいですね。個人的には“おおっ”と思ってしまいました。
すごくフランス感がありますよね。サーキットの彩を増すこと間違いなしです。
フェラーリ SF21
昨シーズンはまさかの低迷を経験し、今シーズンの復活を果たしたいフェラーリ。送り出された新車を見ると、「ノーズ太いままだな」という第一印象です。ちなみに昨年はこんな感じです。
もちろん発表会用のリリースであり、形状はまた変わるのかもしれません。3/12から行われるバーレーンテストでは、しっかりと細ノーズになっている可能性は十分にあります。
カラーリングは昨シーズンと大差ないような気がしますが、エンジンカバー部のロゴが鮮やかなライトグリーンになり、一際目につくようになりました。
さらにリヤの絞り込み(コークボトル)部分から、ワインレッドにグラデーションがかかっています。これは過去のフェラーリの車体カラーを彷彿とさせます。新車にその歴史を少し刻んだという感じでしょうか。
パワーユニットも大幅にアップグレードしてきたとのニュースもあり、どれくらい失ったものを取り返せているのか、興味深いです。
アルファタウリ・ホンダ AT02
アルファタウリ・ホンダとしては、2シーズン目の車体です。前シーズン同様、ネイビー × ホワイトのカラーリングですが、ノーズからフロントウィング部分のカラー比率を逆転してきました。今シーズンはネイビーをメインにしてきましたね。ちなみに前シーズンはこんな感じです。
グッとしまった感じですね。ただ車体に関しては、実際はここから大きく変貌していたようです。まずノーズはもっと細くなっていました。流行りの“細ノーズ”を採用してきた形です。その他このレンダリング画像とは似つかない実態があり、ブラインド処理を大幅にしてきた感じですね。
目を引くのはホワイトのホイールです。フロント部分がネイビーメインになったので、このホイールのホワイトが引き立ちます。目立ちますね、これは。あとレッドブル・ホンダ同様、リアウイングに大きなホンダのロゴが。いいですね。
今シーズンは久々の日本人ドライバーである角田裕毅がこのAT02を駆ります。新人離れした大活躍を期待しています。
アルファロメオ C41
フェラーリ製パワーユニットの不振で、昨シーズンは厳しい結果となったアルファロメオ。開発をフロントに費やし、ノーズを流行りの“細ノーズ”に変更してきました。昨シーズンはこんな感じです。
カラーリングは赤の配置が若干変更になっているでしょうか。形状ではノーズ先端の、エアインテークの形状が大きく変わっています。
横から見ると、リザーブドライバーに就任したロバート・クビサのスポンサーであるORLENのロゴ面積がかなり増えているようです。けっこうお金を突っ込んでいるんでしょうね。ホワイト × レッドのバランスがよい、なかなかカッコいいマシンだと思います。
ハース VF-21
ハースもアルファロメオ同様、フェラーリ製パワーユニットの不振と、開発をほぼ凍結したという理由でレースのお尻を争う羽目になりました。今シーズンも開発はあまりせず、そのリソースをレギュレーションが大きく変わる次シーズン(2022)に集中することを選択しているので、今年も厳しい戦いを強いられることが予想されます。
カラーリングは昨年と比べて、完全に変えてきました。ロシア国旗を元にしたカラーリングです。これは今シーズンからレギュラードライバーに就任したニキータ・マゼピンの、親父さんの会社(ウラルカリ)がハースのメインスポンサーとなったからです。ロシアの会社なんですよ。ちなみに昨年はこんな感じです。
ホワイトが基調なのは一緒なんですけど、完全に別物カラーリングです。カッコよくは…ないかな(苦笑)。あまりグッとくるものがありません。申し訳ありませんが。
ただルーキードライバーのマゼピン、悪童気質があるので、けっこう注目のドライバーです(笑)。また、相方にはF1の皇帝・ミハエル・シューマッハの長男であるミック・シューマッハが就任。こちらもルーキーで、しかも伝説の男の二世なので、ドライバーラインナップで大きく注目を浴びるチームですね。
ウィリアムズ FW43B
ここ数年、最下位に沈んでいる名門・ウィリアムズ。昨シーズンの途中でメインスポンサーであったROKiTが撤退し、資金調達に苦しんだウィリアムズ家が運営を手放し、ファミリーチームという個性が完全になくなりました。
このように体制一新したウィリアムズ、カラーリングは大幅に変えてきました。フロントはホワイト、全体的にはライトブルーを基調とし、差し色にイエローを効かせています。昨年がけっこう地味だったので、ポップで明るくなった感じですね。ちなみに昨年はこんな感じです。
個人的には可もなく不可もなく、といった感想ですかね。昨年よりはいいと思います。走っていて目立つと思いますよ。
こう比べるとだいぶ違いがわかりますね。今シーズンはちょっとオモチャ感もあるかな? ポップな色合いがそうさせているんでしょうけど。頑張って欲しいですね。
さあ、こんなカンジで10チームすべてが出そろいました。個人的なベストドレッサー賞は…アルピーヌです。メタリック・ブルーがとても艶っぽくてイカしています。早くサーキットで走る姿を見たいですね。
ただ年間チャンピオンはレッドブル・ホンダでお願いしたいです。なんとか有終の美、飾らせてあげたいものです。ではまた。

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