はじめに
さあ、キン肉マン新作アニメ『完璧超人始祖編』が、三か月のお休みから戻ってきました。待望のSeason2の始まりです! 今回もアニメを視聴した際の雑感や、気になった点をピックアップしていきたいと思います。
また、原作連載リアルタイム時の私の懐かしき感想『今週のキン肉マン』を引用しながら、当時の私の浅はかさを笑いつつ(笑)、アニメ版ならではの特徴を一緒に見出していきましょう。
ただしこのコンテンツは壮絶なネタバレとなりますので、
まずはアニメ最新話を視聴!!
してからにしてくださいね!
今回のお話
今回のお話は第19話『鋼鉄の不沈艦!!』。
原作でいうところの第60話~第62話終盤までとなります。ロビンマスクvsネメシスの途中までが、まるまるパッケージングされています。
今回の内容は以下の予告編動画をご覧いただけると、よりよく分かるかと思われます。
それでは今回の気になった点、行ってみましょう!
今回の気になった点
エクストラパワーの萌芽
強烈な『ネメシスドライバー』を食らいながらも、KOを免れ立ち上がってきたロビンマスク。
その原動力となったのが、体を発光させて湧きあがる内なる力。いわゆる『火事場のクソ力』に代表される、下等超人の持つエクストラパワーです。
これについては前々回、バッファローマンがグリムリパーの過度な挑発により派手に光りましたが、あれはどちらかというと無理やり潜在能力を呼び覚ませられた感じでの発光現象でした。
しかし今回のロビンのそれは、自身が窮地に追い込まれた時に、奥の手のように自然発生するという形です。 どちらかというとこの形でのパワーの萌芽こそが、本来のエクストラパワーの発生法のような気がします。
そして私が記憶する限り、このパターンでの発光表現が新作アニメで現れるのって、これが最初なんじゃないかな…?
そしてこの発光エクストラパワーが常識的にはイレギュラーであるからこそ、ネメシスは

こ…この力は…
と驚愕したわけですし、事実、それがその後のストーリー展開に大きく関係してくるわけです。よってロビンのこの発光現象は、作品においてもかなり重要なシーンなんですよ。
この描写について、原作連載時に私がどう感じたかというと、
今回は攻めるネメシス、受けるロビンといった展開でした。
強敵相手に序盤有利だとたいてい敗北するパターンなので、受けの展開はロビンにとってはまだ安心かなあといったところです。だからといってネメシスが敗北するとも思えないのですが…。
安心のもう一つの要因が、ロビンがメイルストロームパワーをすかしっ屁のようにプシュプシュと放出している点です。これが出ている間はまずやられないと思いますから。でもキン肉族の血が流れていそうなネメシスも、火事場のクソ力的なパワーを持っていると思われます。ですので、メイルストロームパワーの上からそれをかぶせられてフタをされた時に、ロビンの敗北が濃厚になるのでしょう。
旧オレ流ホームページ:2013年6月3日記事より
このように、ロビンのエクストラパワーを『メイルストロームパワー』と認識しています。
このあたり、当時は連載が終了しつつもまだまだ『キン肉マンⅡ世』の匂いが色濃く残っていたことを如実に表していますね。懐かしいなあ。ただ“すかしっ屁”表現はなんとかならなかったのか(苦笑)。
そしてこのエクストラパワーの発生に安心をもらいながらも、

ネメシスはそれを上回るパワーで被せてくる可能性があるぞ…
と考察しています。底の見えないネメシスへの警戒心が、ヒシヒシと感じられますね。
ほぼノーカットのロビンvsネメシス
さて、ここから二人の闘いはより激しくなっていくのですが、この第19回はほぼ原作通りのノーカットです。
これまで大きな影響がないシーンやセリフについては、見事なカットを施して尺調整をしてきたアニメスタッフだけに、逆に「おおっ」となりましたね。裏を返せば今回の原作が、カットできないくらい重要シーンのてんこ盛り、ということなのでしょう。
というのも、今回は攻防の激しさもさることながら、ネメシスが驚異した正義超人のエクストラパワーの源泉と、それに伴う正義超人としてのプライドを、ロビンの半生を通じて大いに語ったシーンだからです。
つまり正義超人の矜持を表現することにおいて、彼の言動にオミットすべき点が見当たらなかったことになります。それくらい彼の体験談と発言には価値があったわけですね。
そしてこのノーカット処理と、のちの述べるイレギュラーな放送形態は、この重要なシーンを一気に見せ切ることにつながりました。
それはロビンの熱い想いを視聴者の心に刻み込むことを第一義に置いた、アニメスタッフの英断だったと思いますね。
質が高すぎる回想シーン
そしてそれらをより効果的にするためにアニメスタッフが施した演出が、

質が高すぎる回想シーン!
です。いや…これが…すごかった。
いつだったか私、回想シーンが前作をリメイクしてくれているようで嬉しい、と書きましたが、その最たるものが今回の回想シーンだったように感じます。
もうね、コミックス3巻から9巻までの初期キン肉マンを、総ざらいしてくれたような感じですよ。皆さんも観ていて

あっ、あのシーン!

うおお~っ、ナツい!
と、心躍らせたのではないでしょうか。では思いつく限りのポイントを列挙しますね(笑)。
- ダイナマイト・パイパー!
- 3巻のテリーマンの髪型!
- スグルが潜った地下鉄は宝町駅(笑)!
- バトルロイヤル入場時の、翼コスチューム!
- カレクック戦! ラーメンマン戦!
- レフェリーがナチグロン! そうだった、そうだった(笑)!
- ヘイ! ゴング(笑)!
- メキシカン・ローリング・クラッチホールド!
- シ…シーク星人! ス、ス、ス、スカルボーズさん!
- バラクーダ! カツラはマスクの上から大胆に(笑)!
- ウォーズマン! パロスペシャル! 火の輪くぐり(笑)!
- 初キン肉バスター! 最近の読切『キン肉バスター誕生秘話!!』を思い出す!
- 試合内容では私の完敗だ…!
- 親父のことは忘れろ。そうすればお前は強くなる…!
- バッファローマン! テリーマン! ネプチューンマン!
- 友情のトライアングル!
わ、すごい…こんなにたくさんのリアクションポイントが(笑)。もちろん原作でもこれらを使用した回想シーンが登場しましたが、それに前後の動きと音声が加わるともう全然別物です。
ホント、完全に前作のリメイクですよ、コレ。そしてアニメスタッフのすごいところは、ここに追加演出を加えてきたことなんです。
特にアメリカ遠征編においては、ロビンが超人同盟に利用されるくだりが、スピンオフ作品のごとく挿入されているんです。もうね、誰が令和の時代にしゃべるシーク星人とスカル・ボーズを想像できたことか! これだけで完全にお宝映像となりましたよ、この回想シーン(笑)。
いやあ、ご飯がすすむなあ(笑)。
カッコイイのう、ロビン!
そんな力の入った回想シーンに心奪われてしまいましたが、実は大事なのはこの映像の上に被せられているロビンのモノローグなんですよね。ここに彼の思想変遷と、それを経た上での現在の矜持が集約されているんです。これがもう聞かせる、聞かせる。
栄光からの挫折、再チャレンジ、再びの挫折。そこに生じたリスペクトという恨みを超えた感情。そしてそれにより新たに得た力とプライド。
それを包み隠さず告白し、高い使命感をもって誇り高く闘うロビンを見たら、そりゃあ

カッコイイのう、ロビンってやつは!
ってなりますよ、スグルでなくとも。
このアニメの流れを思うに、今回アニメスタッフが第一に目指したことは、前述した
ロビンの熱い想いを視聴者の心に刻み込む
ことはもちろん、実はその先の
いかにロビンをカッコよく描くか
にあったのではないかな、なんて思いましたね。

いいかお前ら、今回はとにかくロビンをカッコよくだ!
わかったな!!

おおーっ!!
みたいな(笑)。
ちなみにこの名場面について、原作連載当時の私の感想がこれです。
今週はロビンの昔話でした。
選民思想のネメシスが、若いころの自分とダブってみえるとの告白。おごり高ぶっていた天狗の鼻を、ダメ超人であったスグルがへし折ってくれたおかげで、もっと大事なことに気づくことができたとのお話。
コミックス3巻の冒頭を別角度から描いてくれたようで、おもしろいアプローチだと思います。プライドを何度も傷つけられ、話すのもはばかられる過去を客観的に他人に話せるロビンを見ていると、彼の器の大きさや超人的成熟度を感じずにはいられません。スグルが涙を流して
なんであいつはあんなにカッコイイんだ
と称賛していましたが、まさしくその通りで、また株が上がっちゃったなあといった感じです。
しかも今回の自分を当時のスグルになぞらえ、ダメ超人のランクに己の身を置くなど、非の打ちどころがないカッコよさです。大人じゃ~ん、て感じで。害虫上等(笑)!
こういったアングルが確立された以上、なんかロビンの勝利もなくはないかな、なんて気になってきました。害虫の金星、期待しております。
その他気になった点は
旧オレ流ホームページ:2013年6月10日記事より
・いい話だったけど、喧嘩男の存在がスルーされているような…
・スグルのプラカード嬢がしっかりとブスい女になってる。再現率高いなあ(笑)。
・グランドキャニオン戦後、「二度とリングに立てない体」から「当面はリングに立てない体」とステイタスがこっそり変わってます。
やはり回想シーンを使ってモノローグを被せ、180度立場が変わったからこその、彼の精神的成長を描いた演出方法に唸っていますね。“大人じゃ~ん”でテキストの品格をすべて台無しにしていますが…(苦笑)。
あとその他気になった点のネプについては、アニメでは少しだけ改善してましたね。ブスいプラカード女子がオミットされたのは、とても残念です(笑)。
マスク変形!
ネメシスのマスク変形、動画で観るとまた印象深いですね。シャキィィン! って音がまたカッコよくて。
そして出ました、肉のカーテンの源流たる『パーフェクトディフェンダー』! これもまた原作連載時で見たときはびっくりでしたよ。と同時に
今回はネメシスのキン肉族血統を示唆させる描写があり、前回のロビンがアピールした勇壮さがトーンダウンした感じでした。
ああ、せっかく上昇したロビンの「勝てるかもポイント」があっという間にノーポイントに・・・(泣)。
今回ネメシスが開放したキン肉族的ムーブは、タラコ唇をガードで覆う「キン肉族戦闘スタイル」、そしてロビンのパンチ攻撃をさえぎる「肉のカーテン」の2つ。これからも彼の出生や属性の秘密を小出しに展開していくとなると、やはり長く残るキャラなんだろうなあ…つまりロビンの負けなわけで…。
旧オレ流ホームページ:2013年6月17日記事より
と、ロビンにわずかに射した光が、小出しにされるネメシスの謎によってあっさりと消し去られる展開に意気消沈していますね。
やはりここまで男気とカッコよさを出してもらったロビンが散るという展開は、なかなか受け入れられないぞ、という気持ちが文章にもあふれていますね。
さりげないおもてなし
そしてネメシスはなかなか倒れないロビンに対し、

オレが気にくわないのはその鎧だよ!
と指摘。しかも

その鎧はお前の力をセーブするものだろう
と、鎧の効能を口にしています。これ、原作よりもわかりやすい形にセリフがアレンジされているんですよね。
これもおそらくは初見さんにむけた、親切な解説なんだと思われます。要は

この鎧は防御というよりは、自らに科したハンデなんだよ
という、ファンでなければ知らない細かな設定を、豆知識として与えてあげているんですね。いつもながらさりげないおもてなしが上手だよなあ、アニメスタッフさん。
いつもと違う尺使い
最後に今回の放送で一番気になったことが、作品の構成がいつもとまったく違ったことです。普段であれば
- プロローグ
- OP
- 前半
- 後半
- ED
- 次回予告
という構成であり、3、4においては尺の長さが同じはずなのですが、今回は
- プロローグ
- OP
- 前半(かなり長め)
- 後半(ストーリー終盤にスタッフクレジットを挿入)
と不均衡であり、かつ5と6が完全にカットされていたんです。そして4のクレジット挿入も、今までの形態をみればかなり強引ですよね。
この構成の理由を端的に言えば

1秒でも本編の尺がほしい
という、アニメスタッフの切なる願望をであったことは間違いがなく、裏を返せば

中盤のピークを脇目もふらず一気に表現するにはこれしかない!
という、これまでの様式を度外視した内容重視方針の一環だったわけです。
いや、これ、たしかにやろうと思えばいくらでもできることですけど、様式や決めたルールを覆すってけっこう抵抗あるし、イレギュラーが多ければ多いほど生産効率が落ちるので、やりたくないのが実情だと思うんですよ。
しかし今回のアニメスタッフはそれをやった。もうね、すごいなあと。おかげで

いいところでCMいれんなや!
という興ざめ感なしに、この名場面を堪能することができました。いや~、その覚悟と実行力には頭が下がる思いです。素晴らしい。
次回予告!
こんな感じなので、なんと次回予告はありまへん(笑)。代わりに今、肉界隈をザワつかせている『カップヌードルPRO』のコラボCM動画を載せておきましょうかね(笑)。
キン肉マンのオヤジ化もさることながら、やはりテリーの振り切ったおっさんぶりが衝撃的です。特に頭のあたりが…テリーファンは腰から砕け落ちているかもしれません(苦笑)。
でも実はテリー、禿化はこれが初めてではないんですよね。スカルプロのコラボCMでも、キッドも巻き込んで豪快にやらかしてました(笑)。

ただこれらを見て思うのは、

おそらくこれ、ドリーファンクJr.意識かな?
ですかね。似てません?

もしそうだとしたら、さすがとしか言いようがないですね(笑)。
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それでは次週、またお会いしましょう。



コメント
ED削ってまでロビン回想に厚み持たせるんだからスタッフの本気具合は半端ないですね
新規ファンへのフォローを兼ねているとはいえ最新作画で旧アニメ部分が見れるとは…長生きはするものです
次回で多分決着がつくんでしょうけど今のアニメのペースで行くと復活まで2~3年かかっちゃんじゃないんですかねロビン
uzukiさん、こんにちは。
いや~、今回の構成にはうならされました。尺、ほしいために様式を壊すかぁって。それくらい本気ってことですもんね。ホント、長生きはするものです。
そしてロビン、間違いなく数年の不在期間が訪れそうですね。