【キン肉マン503話】ではスグルが鉄壁の肉のカーテンで産業革命コンビを止め、グレートⅢは正体自白級のキング・ジャーマンを解禁。返事は「ハイハイサ」のアットホームな二人に対し、次回はいよいよマッスル・ドッキングへ──。
そんな最新話を、考察と笑いを交えて徹底レビューします!
今週の注目ポイント
この記事にはキン肉マン週プレ最新話503(2025年8月25日配信分)の感想が記載されています。つまりネタバレ確実なため、十分ご注意ください。
また、著作権保護の見地から
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②紙媒体
等でオリジナルの作品を事前に読むことを強くお勧めいたします。
今週のキン肉マン第503話「剝がせ! グレートマスク狩り!!」感想と考察
前回までのあらすじ
グレートの側頭部に浮かび上がった鍵穴のようなアザを見たエクサベーターは、グレートが太古の時間超人の生き残りではないかと推測。その正体を暴かんとグレートを標的に定めた――!!
前回の感想は☞https://oreryu.site/kinnikuman15-89/
産業革命もストップ―鉄壁の肉のカーテン
パッと見『タッグフォーメーションA』的な形で回転をし、エクサベーターのショベルでグレートⅢのマスクを剥ごうと画策するインダストリアル・レボリューションズ(以下、産業革命コンビ)。

見えたぜ、肌の色が
とエクサの旦那が叫ぶも、一撃目はかすった程度。すかさず二撃目を繰り出す産業革命コンビ。狙いは当然グレートⅢのマスク。
そんなグレートⅢの大ピンチに割って入ったのが、我らがキン肉スグル。伝家の宝刀『肉のカーテン』により、相手の殺人ゴマをしっかりとシャットアウトします。
う~ん、前回はWドロップキックから身を挺してグレートⅢをかばい、今回は肉のカーテンで相棒をがっちりとガード。スグルのカッコよさがほとばしっていますね。
しかもここで肉のカーテンをチョイスする点がたまらんです。構図的にも鉄壁感が伝わり、相手の勢いを止める説得力も段違いです。
そしてスグルが

ここまでお前に散々助けてもらった。
ここからは私がお前の盾になる番だ
と、その行動が恩返しであることを口にすると、

キン肉マン!
と声をあげるグレートⅢ。お互いがお互いを補い合うという、タッグチームならではの進化が垣間見えて心地よいです。

一方、勢いを止められた産業革命コンビは、

ええいガストマン、このまま回転続行だ!

そんな使い古しの盾などお前の7700万パワーで弾き飛ばしてやれーっ!
という上司からの力押しの指示を

イエッサ!
と、軍隊的な小気味よさで部下がそれを忠実に実行。
そんな暴風のような激しい攻撃に対し

ぬおお、負けはせん!
と、肉のカーテンに“火事場のクソ力”を注入して真向防御するスグル。
ここで高出力のマシンパワーと、気合を注入したエクストラパワーという、同じ超人パワーなのに、性質的に相反するパワーのぶつかり合いが描写されるのも面白いです。
その姿はまさに、怒涛の技術革新たる産業革命に立ち塞がる未知なる生命の脅威、といったところでしょうか。

これを直感した解説のジェシー・メイビアが、思わず

この超人パワー合戦の行方は…見物だぞ!
と口にしてしまうのもうなずけますね。
しかし古式ゆかりのド根性パワーを体感してなお、エクサベーターは

旧式の王家のクソ力など、新たな王となるべき時間超人の敵ではないわ~っ!
と、“あくまで新しい物のほうが優れている”という新式マウントの姿勢を崩しません。このあたり、彼も他の五大刻同様、選民的な蔑み思想が強いようです。
正体自白!?―グレートⅢのスイッチオン!
しかしこの暴言を聞いて妙なスイッチが入り

違う、そうじゃない!

お前らの時間超人観は間違っているーっ
と激昂しながら駆け出し、殺人ゴマの背後に回るグレートⅢ。かなりシリアスなシーンなので、鈴木雅之さんの

違う違う、そうじゃ、そうじゃな~い~♪
というイジりはやめておきますね(苦笑)。

ここで注目したいのが、グレートⅢが

時間超人観は間違っている
と口にしたことです。要はエクサの旦那が口にした“時間超人かくあるべき”という定義について物申す、という点で、彼のスイッチが入ったわけです。
それは裏を返せば彼には彼なりの“時間超人かくあるべき”という定義や信念がある、ということになります。つまり彼は
時間超人という種族に誇りを持っている
キャラクターであり、ひいては時間超人そのものである可能性が大いにあるキャラだと言わざるを得ません。
そしてスイッチが入ったグレートⅢは、殺人ゴマの軸であるガストマンの背後から腕を差し込み、腹の上でクラッチすると、そのまま二人まとめて持ち上げながら上空にジャンプをするという、恐るべき膂力を見せます。すると

コイツ、超重量級のオレたちを持ち上げやがった~っ!
と、素直な驚きを口にするガストマン。さすがは生まれたてのピュア超人、驚きや感動についてウソがつけません(笑)。
そんな敵のピュアな感想に対して

できるともさ、お前たちのような不埒な時間超人どもを懲らしめるため、研鑽してきたこの技があれば~っ
と叫ぶグレートⅢ。
…研鑽してきたこの技? ひょっとして…あれが…あの技がとうとう解禁ですか…!?

これこそオレの受けてきた教え! 真なる“オレたち”の力の使い方…

キング・ジャーマンだーっ!
やはり出たーーーっ! このフェイバリット発動は、正体を隠したスグルが『キン肉バスター』を出すようなもの。つまりグレートⅢの正体が彼であることを自白したも同然です!
そんな風に心の中でヤンヤの歓声をあげていると、グレートⅢに続いて

そうだ、新時代を開くのはお前たち時間超人じゃない!
と、Adoの『新時代』がバックに聞こえんがばかりの勢いで上空に飛び上がるスグル。
そしてグレートⅢの背中をガッチリとクラッチすると、

ああ、オレたち!

マッスル・ブラザーズⅢだーーっ!
と叫び、ダブルジャーマンの形で産業革命コンビを豪快に原爆固め葬。これにはヘリ内のメイビアも、思わず

やった!
とガッツポーズ…って、解説者は中立でないとダメだって、何度も釘を刺したはずなんですがね、ジェシーさんには(苦笑)。
ぜひとも彼には、超人オリンピックで思わずウォーズマンを応援してしまったビビンバのごとく、

どうしちゃったんだろ、あたし
と照れてほしいです(笑)。

旦那と愛犬!?―ブリーダーという関係性
強烈なツープラトンを食らったエクサベーターは、技のダメージよりも

な…なぜお前が時間超人観を語る! お前は何者なんだ~っ
と、グレートⅢの言動のほうが気になる模様。そして

ガスト、あれだ!
と左腕を上にあげると、

イエッサ!
と旦那の左前腕部にその大きな体を球状にしてしがみつくガストマン。
するとそれを振り回し、マッスル・ブラザーズⅢ(以下、MBros.Ⅲ)に激突させて吹っ飛ばす『ヘルズキッチンボンバー』で反撃をする産業革命コンビ。
このツープラトン、いわゆるはぐれ悪魔超人コンビの『キャノンボール』、さらにはヘル・イクスパンションズの『ヘッジホッグボール』と同系統の技ですよね。
ただ旦那の手に必死にしがみつく、コアラのようなガストマンの微笑ましさに、どうしても心を鷲掴みにされてしまいます。いちいちカワいいのよ、ガストマン(笑)。


ガスト、あれだ!
の一言でひょいっと旦那に飛びついちゃうってことは、条件反射となるくらい、何度も何度も繰り返し練習したってことじゃないですか。
そのたびにこんなデカブツ二人がホッコリとさせるフォルムを生み出していたかと思うと、もう苦笑いしかなくて。
そう思うともうね、ガストマンの動きが完全に“旦那の愛犬状態”なんですよ。ひょっとして旦那はブリーダーでもあるのかな、みたいな。
ですので他にも

ガスト、ステイ!

ガスト、ゴー!

ガスト、カム!
といった指示でキビキビと動くガストマンを想像してしまい、一人で笑ってしまいました(笑)。

返事はハイハイサ!―新番組『エクサボカン』
そんなブリーダー攻撃でまたもや攻守逆転をした産業革命コンビは、そのままの体勢で上空高くジャンプ。旦那の

いくぞ、ガストマン
の掛け声に

ハイハイサ、旦那ーっ
と軽快に応答するガストマン…ハイハイサ!? 今、ハイハイサって言った?
ダメだ、とてもスルーできないよ、ハイハイサ(笑)。どうしたのよ、ガストマン。今までは上官には絶対服従の返答である

イエッサーッ!
だったじゃないの。なのに何で突然『タイムボカン』シリーズの

アラホラサッサー!
みたくなっちゃうのよ(笑)。
ただこれによって、旦那とガストの関係性には絶対服従以外の
ややくだけたコミュニケーションのあそび域が存在する
ということがわかりました。だってねえ、軍隊で「ハイハイサ」言ったら、秒で鉄拳制裁ですもんね(笑)。
それをエクサの旦那がやらないということは、

…少しだけならイジってもいいんだぜ
と、コミュニケーションの緩衝地帯があることを、如実に表しているわけです。
この硬軟織り交ぜた部下操作法。さすがは“理想の上司ランキング”で赤丸急上昇中のエクサベーターです。ガストマン、本当にいい上司に恵まれたなあ(笑)。

そんなハイサッサでキレイ好きコンビ…じゃない、産業革命コンビは、リング上に並んでダウンするMBros.Ⅲめがけ、

今度こそ決める!

最大出力でいくぜ、旦那~~っ!
と、二度目の『アンセンション・オペレイション』で爆速急降下。MBros.Ⅲ、絶体絶命のピンチです。
しかしこんなピンチを目の前にして

ピンチの中にチャンスあり。
今こそ絶好のあれの仕掛け時が訪れた

ああ、あれのな…
と、ここからの大逆転を、最小限の会話で確かめ合うMBros.Ⅲの二人。そして大逆転を可能にする“あれ”の解として

マッスル・ドッキングだ!!
と叫び次回に続く、です。
出ました、マッスル・ドッキング! もうね、“あれ”の時点で予想できましたよね。でもわかっていても、実際に言葉になって出てきたときの高揚感はすごいです。やはり作品内のベスト・オブ・ツープラトンですね。
いや~、クライマックス、近づいてきました。ひょっとしたら次回、素直に決着かもしれませんね。
グレートⅢ探偵俱楽部─彼の継続参戦はあるのか?
さて、今回の『グレートⅢ探偵倶楽部』ですが、もうグレートⅢの正体を探るという点では、一区切りしたと見てよいでしょうか。
- 時間超人観を持っている
- キング・ジャーマンを出した
この2点が今回描写された以上、やはり正体は彼なのでしょう。つまりこれについては変なひっかけや、どんでん返しはなさそうだ、ということです。
あとは彼が『究極の超人タッグ編』(以下、究タ編)における彼と、どのくらい同一体なのか。はたまたいつの時代、どの次元の彼なのか。
そして究タ編では滅ぼされてしまったあの一族は、いまだ健在なのか。このあたりの謎の究明がメインになってきますね。
ただ私は仮にこの試合にMBros.Ⅲが勝利したとしても、グレートⅢがそのまま継続参戦する保証はない、と考えています。
というのも、私はグレートⅢが颯爽と登場した時に口にした

今日この日オレは…アンタの助っ人のために…ここへやってきたんだ
というセリフの中の、“今日この日”の意味について、以下のように考察したからなんですね。
- 今日この日を境に助っ人行動を開始するという意味(継続的)
- 助っ人行動は今日この日しかできないという意味(限定的)
この二つの考察のうち、2の限定的パターンもかなりの確率であるのではないかと。要は『完璧超人始祖編』における、シルバーマンのようなスポット参戦、という位置づけです。
なぜこのようなことを感じたかというと、仮にグレートⅢがタイムリープや時空間移動をしてここに到着したとすると、この“今日この日”という表現が多分に
ある条件を満たしたときに限定的にそれを可能にしたことを示唆している
ように感じたからなんですね。つまり彼が今現在モハーヴェ砂漠にいるためには、かなりの制約を伴う、という予想なんです。
ではなぜそのような制約を設定する必要があるかというと、
彼が居座ると他のキャラの光が消えるから
なんです。
わかりやすい例で言いましょうか。『完璧超人始祖編』にて降臨したシルバーマン。仮に彼がその後もあのシリーズで継続参戦して、そのままネメシスと闘ったとしたら、どうなっていたでしょう。
もちろん夢の対決で心躍るのですが、キン肉マンは活躍の場を失いかねないのです。だって闇落ちしたキン肉族であるネメシスを更生させる闘いなのに、それを一族の開祖であるシルバーマンにやられたら、もう何も言えないじゃないですか、スグルは。
つまり“開祖”というスペシャルすぎる設定を持つシルバーマンによって、スグルは活躍と成長の場を奪われてしまうのです。まさにそれが“キャラの光が消える”ということです。この大きなデメリットがあるからこその“シルバーマンのスポット参戦”だったわけで。

そう考えると、“時間超人”というスペシャルすぎる設定を持つグレートⅢは、あの時のシルバーマンと同じ立ち位置だともいえます。となると、

彼の次の試合はないのかな…
なんて思えてきちゃうんですよね。
そこで話を『グレートⅢ探偵倶楽部』に戻すと、以上のようなリスクがある彼だけに、真相に迫るヒントは一時お預けを食らう可能性があるのかな、なんて思ってしまうんですよね~。はたしてどうなることやら。
第503話の感想と考察のまとめ
以上、今回の感想と考察をまとめると
といったところでしょうか。
そして今回は惜しくもピックアップできなかったポイントが、まだまだあります。それらについては一言雑感ですが、次の項をご参照ください!
今回の“気になったシーン”ピックアップ
その他気になった点は
- 火事場のクソ力で発光した『肉のカーテン』、カッコいい。
- その後ろにいる観客の中に、江口寿史先生らしき人がいる(笑)。
- や、どうも(笑)!
- シルベスター鈴木アナ、久々の顔出し。
- ガストマンは本当に旦那に可愛がられているペットみたいだ。
- ヘルズキッチンとは(笑)?
- 倒れたMBros.Ⅲに被さる、産業革命コンビの影がいいなあ。
こんなところでしょうか。次回、MBros.Ⅲは目論見通り至高のツープラトンを繰り出せるのか。そして試合は決着するのか。楽しみですね。
そして朗報です。TVアニメ「キン肉マン」完璧超人始祖編 Season3の制作が決定だそうです。やってくれるとは思っていましたが、こうやって公式に発表されると安心しますね~。
みなさんも今回感じたことやその後の展開予想などを、よかったらXやコメント欄に書いてくださいね!
お知らせ
超人批評のご案内
超人批評では新作がアップされております。今回は記念すべき超人批評100回突破シリーズとして、第1回の批評超人でピックアップしたウォーズマンの再批評を数回に分けてアップしております。
今回はウォーズマン再批評その4として、第二シーズンの彼のファイトスタイルについて濃密に考察をしております。
第二シーズンの彼は、前作で地に落ちたステイタスを、コツコツとアップデートを繰り返すことで取り戻してきた点が印象的です。
また、そのアップデートは多分にデジタル的であり、彼の戦闘特性を著しく際立たせる結果となっておりました。 ご興味わいた方はぜひご一読を。
キン肉マン以外の雑文のご案内
キン肉マン以外でも興味深いコンテンツを探している方はこちら↓なんていかがでしょうか。
私がゲーセンで唯一ワンコインクリアを達成できたタイトル『ストライダー飛竜』の思い出エッセイです。悪党が動かす兵器に対し

きさまらにそんな玩具は必要ない
と、イカしたセリフを吐くA級ストライダー・飛竜が活躍するアクションゲーム。
そんなゲームにアキラがどのようにのめり込んでいったのかをお楽しみください。
新刊のご案内
そしてコミックスは7月4日発刊が予定されていた最新刊89巻が9月4日に延期され、そのかわり翌10月3日に90巻発売と、二か月連続の発刊予定となりました。
そして表紙カバーもとうとう公開。89巻がウォーズマンの“ファイナルトランスフォーメーション”、そして90巻がネプチューンマンvsパピヨンマン!
どちらもカッコよすぎます。今のうちに忘れずに予約しておきましょう! それではまた。




コメント
グレートⅢの正体発覚は先延ばし…だけど
マッスルドッキングが見れるかも!?という極上の引き…流石ゆで先生
マッスルドッキングの成否と正体発覚が同時に行われたらかなり熱い展開になりますが
素直に幕引きとなるのかまだバトルは継続するのか…次回も楽しみですね
uzukiさん、こんにちは。
マッスルドッキングの引きはさすがですよね。すでにα、β、どちらかな~なんて考えちゃってます(笑)。たしか彼はキン肉バスターを使えたから、βかな…とか。
技の価値を維持するためには、出したのであれば一撃決着してほしいですね。
アキラさんこんにちは
ガストマンの「ハイハイサ」(笑)なんでしょうかね、この返答(笑)キングジャーマンのダメージで少し性格が変わってしまったんでしょうかね?あとこのコンビ「探偵倶楽部」「はぐれ刑事純情派」「タイムボカン」といろんな番組ジャックしすぎでしょう(笑)おそらくこんなコンビ2度と出てこないんじゃないでしょうかね!
そして旦那のやたらと「7700万パワー」を持ち出すあたり昔のバッファローマンみたいだなぁって思いました。彼も昔は「1000万パワー」というワードを連発してましたからね。
そろそろ決着が着きそうですが、旦那とガスト生き残りそうな気がするんですよね。というか個人的に生き残ってほしいって思ってます!
スグルと対戦した相手って大体無事だったりしますし味方にならなくても敵対関係ではなくなったりしてますし(悪魔将軍とか)
なので新たな時間超人観を見つけて今後も登場してほしいと思ってます。
アトールさん、こんにちは。
いや~、ハイハイサの衝撃はすごかったですよ(笑)。おっしゃる通り、本当に番組ジャック状態です、産業革命コンビ(笑)。
たしかにこの二人、この試合だけでさようならはもったいないかもしれませんね。ガストマンもいい味を出してきているし、何かお役目を与えて活躍を続けてほしいですね。