序盤からリヴァイアサンに押される苦しい展開のネプチューンマン。だが、ロビンマスクのアドバイスで喧嘩男だったころの闘い方を思い出すと、『ターンオーバー喧嘩ボンバー』で反撃の狼煙を上げた!!
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とばっちりのファイティング・コンピュータ
“救援依頼癖”という、やや恥ずかしい行動指摘を受けたネプチューンマン。しかしロビンマスクの激もあり、シングルプレイヤーとしての動きを取り戻します。
そして押され気味だったペースを、攻めに転換。『ターンオーバー喧嘩ボンバー』からの『ダブルレッグ・スープレックス』と、惜しみなくフェイバリットを繰り出していきます。
しかし…リヴァイアサンにはほとんど効いていませんね…。『ダブルレッグ・スープレックス』からの『クロス・ボンバー』という、ほぼ同じムーブで死亡に至ったファイティング・コンピュータと比較すると、彼のひ弱さ加減が目立って涙が止まりません(苦笑)。
“死に体”理論から思うこと
そしてネプチューンマンは、『ダブルレッグ・スープレックス』に入る前に
試合中に背を見せるなと言ったのはお前だ!
と、チクリと皮肉を挟んでリヴァイアサンにやり返しています。けっこう根に持つタイプなのでしょうか(笑)。
このあたりから、“敵に背を見せるな”という教えのルーツである、ザ・マンの昔話が挿入されます。リヴァイアサンの
「それは死に体だ」とザ・マンは口酸っぱく言っていた
という昔話を聞いたとき、まず頭に浮かんだのがザ・マンのアビスマンに対する体罰指導ですね。あの時の逸話が、ザ・マンの“死に体理論”を一番具体的に示しているんですよね。
あれで痛い目にあったアビスマンは、『アビスガーディアン』という特殊防御を身につけるに至ったわけです。
リヴァイアサンの口ぶりだと、あのような修行の一コマが、ザ・マンとリヴァイアサンとの間にもあったようですね。
そう考えると、“敵に背を見せるな”という教えは、
という時系列で教えられたことになります。
その末端に位置するネプチューンマンからそれを指摘されるというシチュエーションに、リヴァイアサンがついつい
こんな愉快なことはない
と漏らしてしまう気持ちはひじょうによく理解できますね(笑)。悠久の時を超えたダメ出しですから。ブーメランの距離の長さに思わず笑ってしまったのでしょう(笑)。
例えるならば柳生新陰流を学んだ令和の剣士が、時を超えて開祖の柳生宗厳と対峙し、さらに彼が開祖だと気づかずにダメ出しをするという感覚でしょうか。たしかに愉快です(苦笑)。
リヴァイアサンは“完璧の理念”の理解者か
ここから二人はイギリスの伝統的なレスリングである、『キャッチ・アズ・キャッチ・キャン』で流れるようなテクニック合戦を見せます。
特にリヴァイアサンが倒立でヘッドシザースから頭を抜く様は、タイガーマスクのライバルでイギリスの名選手だったスティーブ・ライトの動きを彷彿とさせます。
そしてその闘いの最中で交わされた話題は、ザ・マンが唱えた“完璧の教え”に言及されていきます。
体勢も時間もスキは少ない方がいい
という発言ですね。
これはリヴァイアサンが、ザ・マンを通じてその理念をよく聞かされていたことの表れであり、彼とザ・マンとの関係性がより深いことを意味しています。
“敵に背を見せるな”の話題でもうっすらとそれを開示していましたが、二人はザ・マンが慈悲の神であった時代から、共にスパーリングを繰り返した仲なのでしょう。
さらに言うと、ザ・マンが己の格闘理念“完璧の教え”を構築するにおいて、リヴァイアサンはよき相談相手になっていたのかもしれません。それはザ・マンに対する“アドバイザー”と言い換えてもいいでしょう。
つまりもし『完璧の理念』というザ・マンの著書があったとすれば、そこに“協力・リヴァイアサン”という一文が書き添えられていた可能性もある、ということです(笑)。
となると…ネプチューンマンはザ・マンに近しい男と闘っていることになりますね。それこそ柳生新陰流でいうのならば、開祖の宗厳の側近と闘っているような感覚です。やりにくい相手であることは間違いないですね(苦笑)。
日の目を見なかった必殺技
以上のように、半ば“近親流派”での闘いの様相を呈してきた中で、ネプチューンマンは久々の『喧嘩スペシャル』を繰り出します。いや~、久しぶりで心躍りますね。
ネプチューンマンの代名詞となるべく派手に登場した技のわりには、その威力を見せつけたのは制裁を科したケンダマンだけという、まさに幻の必殺技(笑)。本人も作中で
タッグマッチではカットされるので、この技はなかなか出せない
とのたまっているように、久々のシングルマッチでやっと日の目を見た感じです。
このネプのセリフは、ゆで先生の気持ちそのものの代弁なんだろうな、なんて思います。おそらくゆで先生は、この技に関してず~~っとそう感じていたのでしょう。
ネプチューンマンのデビューに強烈なインパクトを与えるために用意した『喧嘩スペシャル』。しかし予想に反して
…あれ? 意外とこの技、使い勝手悪いぞ…?
と思ったに違いありません。
動きが止まってしまう関節技のフェイバリットは、タッグマッチでは恐ろしく相性が悪かったんですね。そこで「しまった~~っ」と、忸怩たる思いをしたのでしょう。
そんな心のどこかに引っかかっていたモヤモヤが、なんと35年以上を経て解消されるというドラマ。相当気持ちよかったと思いますね。中井画伯の一枚絵も、素晴らしい出来栄えです。
ちなみにこの素晴らしい一枚絵の制作風景が動画でアップされています。ぜひともご覧あれ。
しかしながら、そんなドラマがあったフェイバリットですが、恐ろしいくらいあっさりとリヴァイアサンに脱出されます。
えっ…? あんなに満を持して繰り出した技のなのに…!?
と、己の目を疑いましたよ(苦笑)。
でもゆで先生はこの辺、ドライなんですよね。プロの冷酷な判断といいますか、懐かしさよりも現在の物語のテンポをあっさりと選択するんです。そこにしびれる、あこがれるぅっ(笑)。
肩のギミックも試運転開始
そして試合はまたもやリヴァイアサンの攻勢に。謎の肩の噴出口も、その機能を発揮し始めました。ブースト的な推進力を利用して、技の威力を増すような仕掛けです。
最後はその肩当を肘までずらし、ネプチューンマンのお株を奪う『ボルケーノボンバー』をくらわして次回に続く、です。
あの肩のギミックは肩当だったんですね。ということは、先天的な能力ではなく、後づけのアタッチメントだったわけです。機器に頼っている分、やや興ざめかな…?
今後の展開について
ともあれ個人的にはその試合展開を見るに、ザ・マンの教えの原点を再確認する、極めて教育的スパーリングのようなイメージを持ちました。
言ってしまえばリヴァイアサンが指導者という立場で、後輩のネプチューンマンに稽古をつけている、という感じです。
これはある意味ネプチューンマンにとっては舐められているとも取れるし、リヴァイアサンは余裕しゃくしゃくであるとも取れます。そう考えると、まずはリヴァイアサンの余裕を剥ぎ取るところから始めなければなりませんね。
そしてその過程で現代完璧超人の進化を披露し、原点に位置する大先輩に一泡吹かせる、そんな試合展開となるのかな、と思いました。
その他気になった点
その他気になった点は
- 「お前ならそれくらいはやるさ」というロビンマスクのつれないお言葉。
- しかしその態度が最大の賛辞となっている(笑)。
- “超神さま”と呼ぶネプチューンマン。小ばかにしてるなあ(笑)。でもいいぞ、ネプ(笑)。
- リヴァイアサンの一人称は“某”。渋すぎるだろ(笑)。
- やたらとタワーブリッジ的技を繰り出すリヴァイアサン。やはりロビン一族に何か関係が…?
- 両肩が喜んでいるらしいので、一応相手としてネプのことは認めているようです、リヴァイアサン。
- 両肩に意志があるのかな? マーベラスの双龍的な?
- サラリとザ・マンを高評価するネプチューンマン。
こんなところですかね。そうそう、2022年1月4日に最新刊77巻が発売だそうですよ。
コメント
今回の技の応酬、肩のやつも今の所それ程ギミック染みていないので、個人的にはリヴァイアサンはここまで評価高めです。
どっかのバハーさんに比べれば(笑)
リヴァイアサン、実はザ・マン側の穏健派の神だったりしないかなぁとか期待してたりします。
下天したみんな調和派じゃあちょっとつまらんですし…。
肩当動くんかい!しかもジェット噴射みたいなことできるんかい!
とますますガンダム=ロボっぽくなってきましたね
個人的にはやっぱりオーバーボディでそれを剥いで本気出させるとかないかなあと
今回で個人的にツボにはまったのは、ロビンとネプの(今回も)大人の会話ですね。突き放しているようで、信頼し合っている感じがしてとても好きです。
……ただロビンも「奇行子」とよばれる行動に走ったり、ネプも「ウホホー」とか叫び出すこともあるので、この理知的な雰囲気がいつまで続くか心配ですが……(笑)。
ボルケーノ・ボンバー、悪魔将軍のジェネラル・ディスコスも動いたし、動かせる体の一部という事では?
みなさん、こんにちは。
そして明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
たしかに装飾物が肘サポーターになること、多いですね(笑)。将軍サマもそうだし、バッファローマンもそうでした。
私も「ウホホ~」は勘弁です(苦笑)。同時にバッファローマンの「ドォ~ッドッドッドッドォ!」も御免こうむります(笑)。