前回は“ふるさと納税とはなんぞや”ということを、かなり損得勘定視点でざっくりと書いてみました。
ただ文章だけだと総務省のサイトと同様にわかりづらいと思いますので、ミートくんとスグルの会話形式で復習してみます(笑)。ではどうぞ。
ミートよ、今日の昼も牛丼を作ってくれ。
はい、王子。あっ! 大変です! お米がもうありません!
なんだと。ではすぐに買ってきなさい。
わかりました。そういえば近所のマッスル・スーパーで特売をしていたはずです。1袋5㎏で1,500円なので、10袋まとめ買いしましょう。どうせ王子はたくさん食べるんですから。ですので15,000円ください。
15,000円とな? けっこう痛いではないか。
でもどうせ食べますしね。安いときに買った方が…あっ、そうだ。“ふるさと納税”を利用してお米をいただいてみますか? そっちの方がお得かも知れません。
フルサトノーゼ? なんじゃ、フェニックスの新必殺技か?
違いますよ。応援したい自治体に寄附をすると、返礼品をいただける制度です。
…何を言っているかサッパリわからんぞ。きちんと日本語を使いなさい。
使ってます! いいですか、王子。このふるさと納税ができるサイトを見てください。例えばこの明和町に16,000円の寄附をすると、コシヒカリ20㎏がお礼としていただけるんです。
なんと! それはすごい!…いや、待ちなさい。落ち着いて考えてみると、16,000円寄附して20㎏では…5㎏換算すると
16,000 ÷ 4 = 4,000
で、5㎏を4,000円で買ったことになるではないか! これならマッスル・スーパーの1,500円の方が全然安い。やめ!(ルービックキューブをいじり始める)
単純計算ではそうですが、違うんですよ。16,000円のうち14,000円は、あとで戻ってくるんです。
戻る!? どういうことだ?
ふるさと納税を利用し、確定申告をルール通り行えば、自治体に寄附した額から2,000円を引いた額が、来年の税金から控除されるんです。
…まったく意味がわからんぞ。
すごく簡単にいうと、来年王子が収めるべき税金(所得税および住民税)から14,000円が免除される、ということです。
免除じゃと! 税金を納めなくていいのか? う~む、超人オリンピックの予選は前チャンピオンという肩書きがあっても免除されなかったのにのう。
納めなくていい、というわけではなく、もう明和町に納めた、とみなされるわけです。税金を先払いしたイメージですかね。その代わり…
その代わり…?
われわれが実際に住んでいる田園調布…つまり大田区や東京都には、王子が納めるはずだった14,000円が納税されないということになります。
私が納税を大田区ではなく、明和町に納めることを選んだから、ということかな?
そういうことです。ですので、実質は自己負担額の2,000円で、20㎏のお米を手にしたことになるんです。1,500円で5㎏、2,000円で20㎏、どちらがお得ですか?
バカにするでない! そりゃ2,000円で20㎏に決まっておるだろうが! ちなみにその自己負担額の2,000円とはなんだ?
まあ、ふるさと納税を利用するエントリー料みたいなものと考えてください。その代わり一度負担すれば、その年内でまたふるさと納税をしても、2,000円は負担する必要はありません。
ではいただいたお米20㎏がなくなって、また明和町に16,000円を寄附すれば…
はい。今度は20㎏のお米を実質タダで手にすることができます。もう2,000円は引かれないので。
なんと! ではこれからずっとお米はタダで手に入るな!
そういうわけにはいきません。寄附金には限度額があるんです。
なぬ? 限度額とな?
はい。その人の昨年年収をもとに、公式に当てはめて限度額が設定されるんです。例えば世帯年収が500万円で、奥さんが扶養家族ならば5万円まで、みたいなカンジです。
なるほど。なかなかうまいことはいかんのう。
そりゃそうですよ。でもその5万円の限度額まで寄附をして、返礼品の総額が2,000円を上回れば、かなりお得だといえますよね。
そうじゃのう。5万円限度だとすれば、この16,000円の寄附は3回できるから、20㎏ × 3回で、60㎏ものお米を2,000円でいただくことができるってわけだな。
ご明察! その通りです。
よし、ではミートよ、さっそくウチもふるさと納税を始めなさい。
わかりました。でも…
なんだ?
返礼品が届くまで少し時間がかかるので、それまでは牛丼はおあずけでお願いします。
なんてことだ!
いかがでしょうか(笑)。
これを見てふるさと納税に興味を持った方は、ちょっとチャレンジしてみてはどうでしょうか。“楽天ふるさと納税”など、手軽に参加できるサイトがたくさんあります。
次回は実際にふるさと納税を取り扱っているサイトから、実際に手続きをしてみたいと思います。ではまた。
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