第56回 ティーパックマン

オレ流超人批評
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かわいさあふれる紅茶超人! 子どもに忖度を教えてくれた彼が、平成の世で起こしたセンセーション!!
出身 スリランカ
超人強度 25万パワー
必殺技 ティーバッグウィップ
死のティータイム
主な戦績 ウォーズマン●
ヘイルマン●

少年に“忖度”を意識させる超人

 彼は第二回超人オリンピックで初登場しました。最終予選である『50km耐久ローラーゲーム』において初めてその存在が確認されるも、けっこう地味な、“しれ~っ”とした感じでの初登場でした。

 それこそ茂木先生の“アハ体験”くらい徐々に現れたというか、読者にセンセーショナルな記憶を植えつけることなく、じわ~っとした登場をしたキャラだともいえます(笑)。

 しかしトーナメント表の対戦相手抽選あたりからその存在感を現し始め、読者の認知度が上がっていきます。ただそこでちびっ子たちがまず感じたのが、

あいつ…頭に紅茶のってんぞ

という違和感です。

 それは“液体はこぼれる”と、誰しもが直感する事象であり、それを頭にのせるということは、“紅茶をこぼさないような慎重な動きを強いられる”、という連想が不可避となります。つまり重力に対する漠然とした疑問が生じる、ということですね。

 しかしながら、彼は我々に生じさせた疑問をまったく意に介していないかのごとく、日常生活を送っている(苦笑)。これは類まれなるバランス感覚がそうさせるのか、それともゆで先生がそんなことをまるで気にしていないのか。

 ただ頭載物の先輩であるカレクックを見ていると

きっと後者なんだろうな

と、子ども心にゆで先生に忖度したものです。これが“初めての忖度経験”であった人も多かったのではないでしょうか(笑)。

ウォーズマンの引き立て役

 彼はオリンピック一回戦、ウォーズマンと闘います。のちのファイナリストであるウォーズマンと初戦で相対するのは、彼にとって大きな不幸であったといえるでしょう。

 当然彼は、ウォーズマンのポテンシャルのお披露目に利用されることとなり、その後数多くの超人を震え上がらせることになる『スクリュードライバー』の最初の犠牲者となっています。

 さらにその後、首を引きちぎられ、彼のアイデンティティである頭の紅茶を飲み干されるというむごい仕打ちまでを受けています。ある意味彼にとっては救いのない、厳しい結末だったといえるでしょう。

 しかしながらこの一連のやれっぷりにより、ウォーズマンのキャラクターは俄然注目を浴びることに成功しました。そう考えると、彼は彼の役割を十分に果たしたともいえますね。

 また、のちにウォーズマンは“ウォーズマンスマイル”という表情を披露しますが、正直いって誰もが

これは無理があるな~

と、突然仮面にあらわれる口にゴリゴリの違和感を感じました。しかし実はその前に、この“紅茶飲み干し事件”でジャブは打っていたんですよね、ゆで先生。

 あのときの紅茶をゴクゴクするというパフォーマンスがあったので、

あ、そういえば紅茶飲んでたな、ウォーズマン

と、仮面に口が開くという違和感をなんとか消化した思い出があります。まあこれも相当な忖度ですけどね(苦笑)。ただあの頭の紅茶、その後はタザハマさんに引き継がれて、けっこうしつこく飲まれていましたね(笑)。

発想が前衛的な超人

 このようにさんざんな扱いを受けた彼ですが、そのフォルムはかなり個性的です。まず冒頭に書いたように、頭がティーカップそのままであり、紅茶がなみなみと注がれています。

 彼をデザインしたちびっ子が、なにゆえこのような発想をしたのかはまったくの謎ですが、かなり前衛的な発想であることは間違いありません。

 ひょっとしたら投稿者は、英国上流階級の文化である“アフタヌーン・ティー”を、常日頃からたしなんでいたおぼっちゃんだったのかもしれませんね(笑)。

このティーカップ…いけるかも…!!

な~んて午後3時にお菓子を頬張りながら、ひらめいたのでしょうか。そして

あんなくだらないマンガを読むのはおよしなさい。

なんてママに叱られながらも、いつも蔭で味方をしてくれるお抱え執事のセバスチャン(誰だよ)が

おぼっちゃま、私めが取り計らいますので…

と、こっそり作品を超人募集に応募してくれていたのかもしれません。そう考えると、なかなかに感慨深い超人に感じてきましたね(笑)。

妙なかわいらしさを持つ超人

幼児な小生意気さがかわいい

 そして全体を見ると、頭でっかちのアンバランスさが際立ちます。とても不安定な頭部を持つ割に腕は細いし、足腰も貧弱。お世辞にも“強そう”とは言えないフォルムです。

 しかしそのアンバランスさが、妙なかわいらしさを醸し出しているんですよ。まるで頭でっかちの幼児とでもいいましょうか、その危うさに手を差し伸べたくなるような愛情が湧いてくるんです。

 そんな気持ちを助長させるのが、やや吊り上がった楕円形の眼でしょうか。少しいきがった生意気さを感じさせる眼をしているのですが、根底に幼さを感じさせる生意気さなので、愛らしいんですよね。

 ちなみにスプリングマンも同じ系統の眼をしており、やはりかわいいです(笑)。

言動がかわいい

 そして彼の言動もちょっとかわいいんですよね。ベンキマンのサポーターが投げ入れるウンコを本気で嫌がっている表情とか(笑)、

ウォーズマンがなんだ!

と扉絵で強がる様なんて、かわいいです。

 あとはなんといっても、自分の武器であるティーバッグの紐に、自分のミスでぐるぐる巻きにされちゃう様なんて、なんともおっちょこちょいでほっこりします。その時に彼は

ひぇ…ひ~~~

なんて、情けない声を思わず漏らしてしまうんですよ。子どもの頃は

カッコ悪いなあ…

と思ったのですが、大人になった今見てみると、なんともかわいらしい。

 こんな感じで、どことなくかわいさがあふれている、憎めない超人という印象がありますね。

衝撃が走った再登場

 誰もが彼は一見いちげん超人だと認識し、記憶からその姿を消していったと思われるのですが、なんと予想外の再登場を果たします。

 オメガケンタウリの六鎗客を迎え撃つ正義超人のメンバーとして、カナディアンマン、ベンキマン、カレクック、ウルフマンと共に選出されるのです。これは大抜擢だったといっていいでしょう。

 その再登場シーンは、全世界のキン肉マンファンに衝撃を走らせました。サグラダファミリアのお宝を狙い、急襲してきたオメガケンタウリの六鎗客。

 それを防ぐため、5対1の不利な闘いを強いられそうになっていたウルフマンに加勢すべく、ヘイルマンの侵攻を止めたのは一筋のティーバッグ。

 それが登場した際、誰もが

…うそ…まさかのティーパックマン? いやいやいや、ないない

と、頭に浮かんだ彼の姿をすぐに打ち消したと思うんです。それくらい彼の再登場というのは、あり得ないことだったんですよ。

 しかし彼は登場してしまった。しかもページをめくった先の、1ページをまるまる使うという破格の扱いで。

 40年前の初登場時には、茂木先生の“アハ体験”登場をしたくらい控えめだった彼が、なんとマンモスマンのデビューよりも大きなスペースで、センセーショナルに再登場してしまったんです。

 この二つの登場シーンのギャップたるや、高低差ありすぎて耳がキーンなりますよ、ホント(笑)。

 しかも『七人の悪魔超人編』にて、テリーマンやアイドル超人が闘いに名乗りを上げた際の

正義の超人はお前だけじゃないぜ!

という名言を、ティーパックマンが叫ぶ(おそらく)というサプライズ。

 この時点で彼は、キャラクターが光り輝く最大瞬間風速でテリーマンに肉薄するという、とんでもない記録を樹立したわけです(笑)。

 さらに言うと、この登場は予告やヒントが事前にまるでなかったために、全世界の読者が純粋に驚愕するくらいの衝撃を与えることに成功しました。

 個人的にはインパクトという点においては、『完璧無量大数軍パーフェクト・ラージナンバーズ編』での悪魔超人の登場や、『調和の神編』でのレオパルドンの登場以上だったのではないかと評価しております。その最大瞬間風速は…あ、もういいですか、この例え(笑)。

 そんな衝撃の再登場を果たした彼は、華奢だったその肉体を見事にビルドアップし、頼もしい闘いぶりを披露してくれます。特にウォーズマンに引きちぎられた首は、弱点補強のために毎日のようにハンマーで叩いて鍛えるという熱の入れようです。

 そのハンマーを振るう後輩たちが、そろいもそろって頭にティーカップを載せていたのはご愛敬でした(笑)。この表現こそ“ゆでイズム”の真骨頂ですよね。でもなんで頭に紅茶を載せて闘う必要があるんだろう…(苦笑)?

 そして幼少期の

紅茶をこぼさず動くのは、ずいぶんとバランス感覚がないと難しそうだな…

でもゆで先生はそんなことは気にしていないのだろうな…

という忖度については(笑)、本人からはっきりと

オレは常に頭に紅茶を満たしたまま闘ってきた超人。そのためにはどれだけの平衡感覚がいることか。

という言質がとれました。それを見るに

ああ、ゆで先生、40年前のオレたちの忖度を、この一言で詫びてくれたんだ…!!

と、なにか40年近く胸につかえていた物が取れた気分です(笑)。

 ただその後、絶対に紅茶がこぼれるはずの体勢になっても、まったくそれがこぼれないファイトを披露されるにつれ

…あれ…? 平衡感覚、本当に必要なのかな?

と誰しもが感じたことは、全員の胸にしまっておくことにしましょう。そうだよ、これが40年をかけて成長したオレたちの、大人の忖度ってもんだぜ、みんな(笑)。

 そんな興奮を我々に呼び覚まさせてくれた彼ですが、残念ながらヘイルマンに勝つことはできず、またもや斬首されるという皮肉な結末を迎えてしまいます。

 そこでは40年間熟成された、C級超人の大逆転という野望溢れる一戦に奇蹟は起きませんでした。とても残念でしたね~。

おわりに

 しかしこの試合で彼が示した正義超人としての責任感や意地は、とてもカッコよかったと思います。そしてその闘いぶりは、彼が非力ながらも彼なりの全力を尽くしたことを、とてもよく表していました。

 それは“かわいらしさから凛々しさへの脱皮”を感じさせるものであり、個人的にはその成長を心から評価してあげたいですね。

 そして幼少期の我々に“忖度”を教えてくれた彼に、感謝の言葉を送りたいと思います。ありがとう、キミのおかげで僕たちは大人になれましたよ(笑)。

※今回はアクメ将軍さん、午後の紅茶さん、yamashitaさん、春のウグイスさん、シャインマスカットさんほか、たくさんの方からリクエストをいただきました。ありがとうございました。

コメント

  1. 柩幸 より:

    私が無知なだけですが……
    スリランカが紅茶の名産地と教えてくれた超人です(笑)
    何かでティーパックマンの出身地がスリランカと知って……紅茶とスリランカ……?と、思って
    スリランカ 紅茶と検索したんです(笑)
    すると、セイロンティーと言う紅茶の名産地でスリランカはセイロン国とも呼ばれる程だと知りました……。
    超人の出身地って何気に面白いんですよね。

    • アキラ より:

      柩幸さん、こんにちは。

      マンガでいろいろな知識を得るというのは、よくあることですよね。私も幼少期にキン肉マン読んで、いろいろ教えてもらいましたよ。

      こち亀でもかなりいろいろ学びましたけどね(笑)。

  2. より:

    久しぶりの書き込み(旧サイト以来)失礼します。

    私もアキラさんが感じた通り飛来するティーパックを見たときに「まさか!?」
    と思いました。完璧無量大数軍編からの新シリーズは一見超人と思われていたキャラにスポットが当たるので、ゆで先生のチョイスは見逃せない展開の一つになりました。

    ところで子供時代からの疑問なのですが、「ティーパックマン」が正解なんですよね?そうなると手に持っている奴が本体?「ティーカップマン」ならストレートに・・いやケンダマンの例もあるし、それとも・・

    変な疑問失礼しました。

    • アキラ より:

      卍さん、こんにちは。

      確かに顔の形状で判断すれば、ティーカップマンですよね。しかもどう考えてもそちらの方が体積も大きく、目立っていますし(苦笑)。

      おそらく主武器に名前の視点をおいたという解釈なのでしょう。それでいくと、ウォーズマンは“ベアクローマン”ですけどね(笑)。

      ただそもそも論で、“ティーパック”ではなく、“ティーバッグ”が正式らしいので、その時点でも間違っているのですが…ただ和製英語ということで、“ティーパック”も絶対的な間違いではないそうなのですけど。

      そう考えると、女性下着の“ティーバック”にならなかっただけ良しとした方がよさそうですね(苦笑)。

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