第97回 ターボメン

オレ流超人批評
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前作の完璧モブ超人テイストをプンプンさせたロボ超人。ターボチャージャーを利した戦闘マシーンとして冷酷に闘う独特なスタイルは、その設定や環境からもう一人のロボ超人をもプンプンさせる?
出身 シリア
超人強度

4000万パワー

必殺技

コンプリート・スティング
リボルバーフィン
アースクラッシュ

主な戦績 ステカセキング○
ディアボロス●(ジョン・ドウズ)

デジャヴなキャラ

 キン肉マン・スーパーフェニックスとの激闘の後、いがみ合う必要がなくなった正義・悪魔・完璧の三属性間で結ばれた『三属性不可侵条約』。

 しかしこれに異を唱えて天から降ってきた一団が完璧超人軍の急進派組織である『完璧・無量対数軍パーフェクト・ラージナンバーズ』であり、ターボメンはその一員として初登場しました。

 ただ彼を一目見た瞬間に、妙な既視感を抱いた方は多かったのではないでしょうか。それもそのはず、彼は第一シリーズでちょいちょい完璧超人サイドのモブキャラとして登場した

…ザ・ターボマン…?

にそっくりだったからです。

▲反応せずにはいられません(笑)。

 ですので、この新勢力のメンバーの中でまず気になった超人というのは、ビッグ・ザ・武道ネプチューン・キングとの関係性が色濃そうなストロング・ザ・武道を除けば、ザ・ターボマンと既視感を感じさせるターボメンだった方も多かったのではないでしょうか。

 そしていざ彼が名を名乗るシーンが訪れるのですが、これがまた微妙で。というのも、我々読者が

…ターボマン…?

といぶかしんでいるさなかに本人が

“完遂”ことターボメン!

なんて一文字違いの名を名乗るものだから、

メン…!? 複数形になってる意味は…?

これじゃあターボマンと関係があるのかないのか、微妙にわからない…

モヤモヤする…すっごくモヤモヤする…!!

と、読者の皆さん頭が大混乱ですよ(苦笑)。

 そして結論から言うと、彼がターボマンと関係のあるキャラだったのかどうかは、ついぞ本編では明らかになりませんでした。ですので、これについてはまだモヤモヤしたままです(苦笑)。

 ただその後発売された学研の図鑑『キン肉マン「超人」』において

ターボメンが複数形の名を名乗るのはザ・ターボマンの量産型だからである。

学研の図鑑『キン肉マン「超人」』より引用

という豆知識が記載されたため、これをオフィシャルとすると、彼とターボマンは

血縁意識が皆無の兄弟

とも言えそうです。これはおそらく彼らがロボ超人にカテゴライズされているという理屈から生まれた設定なのでしょう。

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 つまり彼らはどちらかというと生物よりは機械寄りの精神性を持っており、兄弟という関係性ではなく、改良版やアップデート版の関係性、という側面が顕著に表れているのだと思われます。

 ですので、彼らにとっては物理的には兄弟と呼んでも差し支えない関係性なのに

そんなこと考えたこともねえよ

といった感じの、完全にそれ遮断した自我を持っているのではないでしょうか。

 このように考えると、フォルムや名前が似通っているというだけで彼らに血肉や情の通った関係性を求めるというのは、彼らからすればナンセンスこの上ないことなのかもしれませんね。

なぜ彼はリファイン登場したのか

 ではなぜザ・ターボマンの影がちらつく彼が、完璧無量大数軍の一人として登場したのでしょうか。私は以下の3つの仮説を立てたいと思います。

  1. 新勢力と旧勢力のイメージリンクがしたかった
  2. メンバーに一人、ロボ超人を入れたかった
  3. ゆで先生がターボマンを気に入っていた

 では一つずつ考察していきましょう。

新勢力と旧勢力のイメージリンクがしたかった

 彼ら完璧無量大数軍が舞い降りた際、テリーは彼らを

ヘルミッショネルズ優勝後に地球を攻めようとしていた完璧超人軍の本隊

と解釈しています。つまり彼は完璧無量大数軍を、ネプチューン・キングの1000人の弟子たちと認識したんですね。

 それについてはターボメン自身が

あいつはそう吹聴していたようだが、やつらは先遣部隊で私たちこそ本隊!

と、ネプキンの弟子設定を即座に否定していますが、それでも多くの読者は

弟子ではないけど、彼らは宇宙に散らばっていたあの1000人に属する超人なんだ…

と誤認したに違いありません。だって…“完璧超人のホントの根城=超人墓場”なんてトップシークレット、この時点では知る由もないですからね、我々は。

 だからといって序盤からそれを公開するわけにはいかないじゃないですか(苦笑)。ですので必然的に彼らは、テリーを含め我々の誤認については否定できなかったんですね。

 ただあの時点では、そう誤認される方が実は都合がよかったのだと、個人的には推測しています。というのも、天から降ってきた瞬間の彼らにとって一番重要だったのは、

完璧無量大数軍は完璧超人に属している

いう読者に対するイメージづくり、および紐づけだったと思うからです。

 なぜならば、まったく新しい超人軍団が現れました、彼らは自分たちが完璧超人の本隊だと言っています、という状況下において、読者に

ダメ。全然完璧超人っぽくない

と思われるよりは

なるほど、確かに彼らは完璧超人っぽいな

というイメージを持ってもらった方が、その後の展開がスムーズに進みますからね。

 ですので、この時点では彼らは自分たちの所属の正確さよりも、“宇宙に散らばる1000人の完璧超人たち”という誤認を、完璧超人としてのイメージづけを優先するためにあえて黙認したわけです。

 さらに彼らは、自分たちが“いかにも完璧超人に属する超人である”という説得力を増すために、ビジュアル面においても“完璧超人的リンク”を

  • メインキャラ
  • モブキャラ

の両面においてアプローチしました。

 具体的には前作のメインキャラであったビッグ・ザ・武道の剣道コスチュームを、新勢力の中心であるストロング・ザ・武道にまとわせます。

 この旧完璧超人の象徴のようなビジュアルを新完璧超人に紐づけることで、ゆで先生は一番効率的かつ効果的な、新旧勢力のリンク作業を行ったわけです。

 これだけでもイメージのリンクとしては十分だとは思うのですが、ゆで先生はさらにピンポイントな部分でのリンクをも試みました。その白羽の矢が立ったのがザ・ターボマンだったわけです。

 このちょいちょいモブキャラとして登場した“その他の完璧超人の代表”たるターボマンを登場させることで、サブキャラ層の旧勢力においても、見事なリンクがなされたんですね。

 そしてこのビジュアルによる紐づけは、前述した“宇宙に散らばる1000人の完璧超人たち”という誤認をさらに助長することにつながり、初期段階の大命題である

完璧無量大数軍は完璧超人に属している

というイメージを、読者に広く認知させることに成功したのです。

▲左の集団ではイマイチピンときません(苦笑)。

 個人的にこのリンク作業は、マンガ技法の面においてもかなり重要なポイントだったと思っています。

 というのも、これがあったからこそ読者はスムーズに彼らを完璧超人にカテゴライズできましたし、感情移入の速度も早まったと感じているからです。

 そしてこの基礎固めは、その後のシリーズの盛り上がりに大きな貢献をしたと思うんですよね。

メンバーに一人、ロボ超人を入れたかった

 新たに登場させる完璧無量大数軍をどんなメンバーにしようか考える際、パワー系、テクニック系、ギミック系と系統を選出していくうちに

一人はロボ超人系、入れたいなあ

と、ゆで先生が画策したのは想像に難くありません。そんな中、先ほど書いたように旧勢力とのイメージリンクが容易であるザ・ターボマンは、まさに適任だったのではないでしょうか。

 ただしターボマンは『キン肉マンⅡ世』において、ネプチューンマンを甦らせた慈悲ある完璧超人の一人であった、という設定を付加されていました。

 これはネプチューンマンを“裏切り者”と私刑を加えた完璧無量大数軍の行動と矛盾するので、ザ・ターボマンをそのまま登場させると関係性がややこしくなります。

 ですので、ザ・ターボマンをリファインした別超人という体で、ターボメンを登場させたのではないかと感じています。

 そして彼を完璧超人サイドのウォーズマン的なポジションに置くことで、正義超人軍と完璧超人軍を比較表現できるような(実際に比較表現する、しないは別として)環境を整えたのではないでしょうか。

ゆで先生がターボマンを気に入っていた

 あとは何といっても

ザ・ターボマン、好きなんだよね

という、ゆで先生の好みがあったのではないでしょうか。これはどちらかというと、嶋田先生よりも

ザ・ターボマン、好きなんだよね

という、中井先生サイドの好みだったような気がします(笑)。

 というのも、前述した通り彼は前シリーズにおいて“その他の完璧超人の代表”と感じるくらい、モブキャラとしての登場頻度が極めて高いからです。これはね~、相当好きですよ、中井先生(笑)。

▲中井先生からの熱いオファーがあった?

 そしてターボメンのデザインって、実はターボメンとしてではなく、

ウォーズマンの新コスチューム案

として投稿されたらしいんですよ。ですので、投稿されたイラスト自体はウォーズマンだったらしいんですね。

 それを気に入ったゆで先生が、その首から下のデザインを採用し、ザ・ターボマンの顔をのせることでターボメンが誕生したそうなんです。

 そんないきさつがあった中で、上にのせる顔にターボマンを選ぶこと自体、相当に彼を気に入っていた証拠だと思うんですよね(笑)。

フォルム

 彼はウォーズマンの別コスチュームアイデアが元となった超人なので、そのシルエットは基本、ウォーズマンラインとなっています。丸みを帯びた肩のラインなどにそれが顕著に表れていますね。

 そして一番目を引くのが両椀に装着された、リボルバー型のニードル『リボルバーフィン』でしょう。

 六連弾倉の薬室部分から飛び出る鋭利なニードルは、彼の個性として強烈な印象を与えますが、これはもちろんウォーズマンの『ベアクロー』の発展型装身武具です。

 このアップデートデザインを見るだけでも、彼がウォーズマン基調ベースの超人だということがわかります。

▲左のウォーズマンとはかなり相関性が感じられます。

 そして身にまとう衣服はSWATやSATなどの特殊部隊の制服を連想させ、彼が戦闘のプロフェッショナルかつ、感情を抑制した任務遂行型の超人であるイメージを強調しています。

 このフォルムはロボ超人である彼との相性が抜群だといえ、感情に左右されることを悪とする完璧超人の教えとも見事に合致しており、彼のアイデンティティを強く押し出す結果となったといえるでしょう。

 顔は前作に登場したザ・ターボマンを踏襲しています。動力パイプがオミットされ、口の形状が三角形から台形に変わったくらいでしょうか。

 基本的に幾何学図形を数点組み合わせただけのシンプルなビジュアルであり、ゆえに表情を読みづらい能面のような不気味さを伴っています。

 また、口が排気口という機能面を重視したようなデザインは、合理性、機能性という血の通うイメージの少ない機械寄りの印象を強く与え、冷酷な任務遂行型のロボ超人というイメージをさらに押し上げたと思われます。

 このように、彼はそのフォルムからも自身の二つ名である“完遂”の称号を見事に表現していたといえるでしょう。

ファイトスタイル

 彼のファイトスタイルでの一番の個性は、相手の攻撃を受けてパワーを蓄え、それをターボチャージャーで増幅して相手に還すことで、許容量を超えたパワーを受けた相手が自壊するという『アースクラッシュ』です。

 “ターボ”という名を冠している彼にとって、このギミックは彼のアイデンティティそのものであり、その特長を自らのパワーアップではなく、相手へパワーを過剰供給することで自壊を促す方向に振った点が、かなりユニークだといえるでしょう。

 ある意味それは変化球の個性ともいえ、直球ではない分、回りくどいフェイバリットの印象を受けます。少年ジャンプで連載していた当時ならば、

分かりづらい

と、おそらくは採用されなかった個性でしょう。

 そして“一度相手の技を受ける”という手順は、その間に相手にKOされるリスクが高く、防御力や打たれ強さにおいて相当な自信がないと実現できないファイトスタイルだともいえます。

 実際の話、彼はステカセキングが放った、キン肉族三大奥義の一つである『マッスル・インフェルノ』を食らってもケロッとしていました。

 もちろんステカセキングが本家の技を再現しきれていなかった可能性もありますが、そのタフネスさが常軌を逸していたことに変わりはありません。またこのタフさを担保にすることで、彼はこのフェイバリットを実現していたわけです。

 そしてこのフェイバリットによってステカセキングは体が耐え切れずに半壊し、スプリングマンは弾性喪失から体が硬化して崩壊。ともに命を落としました。

 この特殊なフェイバリット『アースクラッシュ』を伴う彼のファイトスタイルの利点は、攻撃時に相手に与える通常ダメージに加えて、相手から受けたダメージをも後々利子をつけて返せるという、

結果どちらに転んでも相手を痛めつける

という特性でしょう。

 攻防、どちらのダメージもすべて相手に与えることができるため、ある意味無敵のファイトスタイルだとも言えそうです(苦笑)。

▲攻防どちらでも相手を攻めることが可能です。

 その他、関節落下技である『コンプリート・スティング』と、『ベアクロー』のアップデート技である『リボルバーフィン』というフェイバリットを所有しています。

 ただ『アースクラッシュ』が実行されれば戦局はほぼ決定的となるため、これらのフェイバリットは念押しのフィニッシュに近しいです。

 つまり彼はメインアビリティとダメ押し攻撃スキルとの二段構えで相手を葬るタイプの超人である、といえるのかもしれません。

オマージュ超人?

 そんな彼を見て感じることは、やはり

ほのかにウォーズマンの香りがする超人

ですかね~。

 それは前述した通り、彼が“ウォーズマンの別コスチューム案”から生まれた超人であり、

  • シルエットのアウトライン
  • 武具の系統

と、フォルムの面で共通項が多いことが、それをにおわす一番の原因なのかもしれません。

 ただ彼の登場当時はそのような事情など知る由もなかったので、外見面を抜きにしてもそう感じさせる要因があったわけです。

 個人的には彼の置かれた立場や設定、そして表現法が、どことなくウォーズマンのそれとリンクする部分が顕著だからだと感じています。具体的には以下の4点を挙げたいですね。

ロボ超人設定と呼吸音

 特に説明がなくても、彼がロボ超人に属する超人だということは、その外見から容易に想像できます。

 このカテゴライズにおいて、ウォーズマンとの大まかなリンクがなされた彼は、

ボシュー

という呼吸音においても

コーホー

というウォーズマンの呼吸音を連想させる表現が付与されました。この設定は

ロボ超人×呼吸音

という条件で検索した場合、彼ら二人の名がその結果として現れるのはないかと想像するほどの共通性だと言えるのではないでしょうか。

 そしてそんな想像は、彼らがとても近しい個性を持った超人だということをイメージさせる要因となっていると思います。

▲こんな感じで検索結果が出ちゃう(笑)?

決闘場所がソ連

 彼は下等超人との対抗戦が勃発したときに、その対戦場所をソ連クレムリンの赤の広場に設定しました。

 これは彼が対戦相手にウォーズマンを指名していることを如実に示しており、その“ロボ超人対決”願望が色濃い自己主張は、彼が

オレとお前は似ているよな

どちらが優れたロボ超人か、白黒つけようぜ

と意思表示したことと同義だと感じています。

 このように、キャラクター自身が対象者にシンパシーを感じているのではないかと思われる舞台設定や展開に、やはり彼はウォーズマンとのリンクが強い超人であるとの印象を受けてしまうんですね。

地獄のシンフォニーの被害者

 そんな彼は赤の広場でウォーズマンの到来を待っていたのですが、そこに現れたのはなんとステカセキングでした。

 ターボメンの不意を突いてリングインした彼は、両足のヘッドホンをターボメンの両耳にセットするや否や

すばらしいミュージックを聴かせてやるぜ~~~っ

と、10万ホーンの大音量を浴びせる『地獄のシンフォニー』で先制攻撃。それは全国のキン肉マンファンをアッといわせた、歴史的奇襲でした。

 正直いって、作品の中でも五本の指に入る屈指の名シーンだと思います。

 そしてこのステカセキングのムーブは、かつて彼がウォーズマンに放ったムーブのオマージュであることは、誰の目にも明らかでした。

 つまり彼のオマージュムーブを通して、被害者という点でターボメンとウォーズマンの共通性を強く感じることができるんですよね。

 そんな赤の広場での闘いは、言うてステカセなので少々スケールダウンした“ロボ超人対決”とはなりましたが(苦笑)、ターボメンが要望したウォーズマン戦は疑似的ながらも実現したことになります。

 そこで彼はステカセ・ウォーズマンを相手に、ロボ超人ならではの淡々として無慈悲な攻撃を繰り出し、まるで超人オリンピック時におけるウォーズマンのような冷たいファイトを展開しました。

 ここでも彼は、対戦相手がウォーズマン(モドキ)、闘い方もウォーズマン風と、とてもウォーズマンの香りが色濃い印象を読者に与えたと思います。

▲ステカセを経由したリンク。

人面疽の位置

 そして私に最も彼とウォーズマンとの共通性を感じさせた演出が、プラネットマンによる人面疽です。

 プラネットマンはサイコマン戦で窮地に陥り、その打開策として死亡間もない完璧無量大数軍の人面疽を人質として体に設置する必殺技『人面プラネット』を発動しました。

 そのときにターボメンが配置された場所が、ちょうどプラネットマンの心臓の上であり、それは前作で正義超人が人面疽となったときに、ウォーズマンが配置された場所だったんですね。

 そして彼はプラネットマンの心臓の上で、対戦相手であるサイコマンと今際いまわの会話をするんです。これが当時は謎だったストロング・ザ・武道の正体に迫る際どい会話で、かなりの緊張感を伴った印象深いシーンとなるんですね。

 つまり彼はシリーズの大きな転換点を促し、読者に大きな情報を提供したという点において、かなり重要な役割をはたしたキャラだといえるわけです。

 そして前作におけるウォーズマンもまた、プラネットマンの心臓の上で重要な役割をはたしています。

 皆さんもご存じの通り、彼はスグルに己の顔面と共にプラネットマンの心臓を貫くよう指示し、プラネットマンを葬り去る最大の機会を提供しています。

 さらにはその直後、彼の体内にて悪魔騎士との対抗戦が行われるという、設定を含めた物語の大きな転換点を作ることにも寄与しています。

▲人面疽配置位置での共通性。

 このように、ターボメンとウォーズマンは共に

  • 心臓の真上に配置される
  • シリーズの転換点を誘発する
  • それによってドラマチックな展開を促す

という点で、恐ろしく近しい役割をはたしていることに気づかされるのです。

 以上の点から、私は彼に対して

ほのかにウォーズマンの香りがする超人

という、あたかもウォーズマンの“オマージュ超人”といった印象すら受けるんですよね。

ウォーズマンのif世界?

 そして私は彼がウォーズマンのオマージュ超人だという思想の延長線上に、

彼はウォーズマンのもう一つの未来だったのかもしれない

という可能性すら想像してしまいました。

 というのも、ウォーズマンが現在のような熱い友情と正義感を持った超人に成長したのは、ロビンマスクやキン肉マンとの出会いがあったからこそで、実はそれは奇跡に近いレアケースだったのではないかと感じたからです。

 ロボ超人という特性上、彼らは効率的かつ効果的な戦闘技術を身に着けることの優先度が高いわけです。特に軍事利用を見越して開発された場合には、優しさや愛情を育むことがそれを上回ることは決してないでしょう。

 そのような理念から生まれた彼らの最高到達点の一人が彼、ターボメンだったのではないでしょうか。そして不幸にも彼にはロビンマスクやキン肉マンとの出会いに近しい出会いがなかった。

 それは裏を返すと、一歩間違えればウォーズマンもそのような人生を歩んでいたかもしれない、ということです。そう考えると、ターボメンはウォーズマンの“オマージュ超人”であり、かつ“if超人”だったともいえるのではないでしょうか。

▲出会いによって分かれる未来。

おわりに

 以上、ターボメンに関する考察でした。

 ロボ超人本来の性質を維持して成長した彼は、感情の少ない兵器としての人生を歩んだ分、その冷たさが強調された超人だったと思います。

 しかしそんな彼の生き様が、最終的には故障して捨てられた機械のような、あまりにも即物的でみじめな冷たい最期を招いてしまったようにも思えます。

 特にグリムリパー(サイコマン)によってアースユニットだけを抜き取られ、再利用されてしまった描写は、まるでジャンク機器からの部品取りを彷彿とさせ、その機器的な冷たい演出に拍車をかけました。

 それはまさに“死人に鞭打つ”という残酷さで我々に大きな衝撃を与えると同時に、完璧無量大数軍の強烈なシビアさを再確認するに至ったと思われます。

 そんな機械的な彼ですが、一度だけ“恐怖”を表に出したことがあります。そう、プラネットマンの『人面プラネット』が発動され、彼が物語の核心に迫った時です。

 ストロング・ザ・武道の正体を論理的に予想するまでの彼は、生来の冷静さと分析力でロボ超人としての個性を発揮していましたが、その事実に気づいた瞬間、突然見たこともないような焦燥とした表情を見せるのです。

 それは武道の中の大いなる存在に気づいてしまったからであり、彼に焦燥、恐怖といった“感情”というものが存在していたことを、満天下に示したともいえます。

 そしてその事実は、もし彼の周りにもウォーズマンにとってのロビン、そしてスグルたちのような存在がいれば、

彼もまたウォーズマンのような、熱い感情を持った超人に成長できたのかもなあ…

という想像をかきたてる、大きな可能性だったとはいえないでしょうか。

▲実は表裏一体の超人?

 さらにそのような考え方は、先のウォーズマンのifストーリーと正反対のものであることを気づかせ、その観点で見れば

ターボメンとウォーズマンは、表裏一体の側面があるキャラだった

という結論も導けるのでないかと感じました。

 皆様はどうお感じになられましたか? ではまた。

※今回は阿部さん、カイゼンZさん、TDBさん、アースバスユニットさん、モトフジさん、ローガンさん、痛恨の一撃さんほか、たくさんの方からリクエストをいただきました。ありがとうございました。

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コメント

  1. たけF より:

    アキラさん、こんにちは。
    そうですね、以前ーーテレビシリーズのレビューへのコメントでしたかーー書き込んだように、やはり私もターボメンは正義超人にならず完璧な戦闘機械だった(ifの世界の)もう1人のウォーズマンなのではと思いました。特に無量大数軍との戦いでウォーズマン対ポーラマン戦のラストとディアボロス対ジョンドゥズ戦のターボメンの最期を重ね合わせた時にそのように思えた記憶が残っています(読み返していないので、なぜそう思ったかは記憶の彼方ですが)。
    ターボメンは生身の身体に対するコンプレックスなどぜんぜんなさそうですね。でもウォーズマンの一番の人間臭さというのはそのコンプレックスにある訳で、そうであるからこそキン肉マンの優しさに心打たれたわけですよね。彼の弱さが仲間へと導き、さらなる成長や幸福へと導いたかと思うと個人としての完璧な強さを求める完璧超人とどちらが超人(あるいは人間)にとってよいのだろうかと考えてしまいますね。

    • アキラ アキラ より:

      たけFさん、こんにちは。

      先日のたけFさんの書き込みを読んだときには、同じような観点の方がいらしてびっくりしたと同時に、ああ、私の感性はそんなに間違っていなかったんだと少し安心しました。
      ただ超人批評としてテキストを書き終え、アップする前でしたので、タイミング的にはまずいな、かぶってるなと(苦笑)。

      まあそれはさておき、コンプレックスの差が二人の差、というのも素晴らしい考察だと思います。そしてそのコンプレックスがあったからこそ今のウォーズマンの成長がある。深いお考えで敬服いたしました。

  2. アトール より:

    アキラさんこんにちは!

    初掲載時はターボマンだったのと人面疽の位置が同じなのは今回初めて知りました。そしてターボメンとウォーズマンがリンクしまくっているのも驚きました!ここまでリンクしてるなら武道の正体に気づいた時に「アワワ…」って言ってほしかったですね(笑)
    そして「アースクラッシュ」と「飽和状態」の部分を読んでいたときにスニゲーターの超人強度の謎を1つ解き明かせるのでは?って思いました(笑)それは以前アキラさんがおっしゃっていた本来は400万パワーだけど容量は4000万パワー理論を解明できるのではないかと。「アースクラッシュ」でパワーを送り込まれても飽和状態にならなければ容量は4000万パワー理論が正しかったことの証明になってスニゲーター研究が一歩前進するんじゃないかと思います(笑)

    • アキラ アキラ より:

      アトールさん、こんにちは。

      すこしこじつけがあるかもしれませんが、彼とウォーズマンはけっこうリンクしていると思うんですよね~。
      そしてアースクラッシュ、飽和状態からスニゲーターの超人強度の謎を思い出すとは…さすがです(笑)。私、書いてましたね、そんなこと。ということは、もしターボメンがスニゲーター教官と闘っていたら、4000万パワーの謎が解明されていたかもしれませんね(笑)。

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