アニメ化おめでとうございます!
2024年7月7日、とうとう待望のキン肉マン新作アニメが始まりました。第二シーズンである『完璧超人始祖編』ですね。昨年の3月の告知以来、待ちましたね~、1年と数か月。
まるで一日千秋の思いだったので、期待が高すぎて演出に関するアンケートを取り、それに関するテキストまで書いちゃいましたよ(笑)↓。
そして7月7日の七夕に、第一シーズンをギュッとまとめた第0話が放送され、そのクオリティの高さに狂喜乱舞した次第です。
その興奮冷めやらぬ中、今回とうとう新章の物語が開始。それを受け、アニメを視聴した際の雑感や、気になった点をピックアップしていきたいと思います。
また、原作連載リアルタイム時の私の懐かしき感想『今週のキン肉マン』を引用しながら、当時の私の浅はかさを笑いつつ(笑)、アニメ版ならではの特徴を見出していきましょう。
ただしこのコンテンツは壮絶なネタバレとなりますので、
まずはアニメ最新話を視聴!!
してからにしてくださいね!
今回のお話
今回のお話は、原作でいうところの第1話~第3話となります。完璧無量大数軍の襲来からジェロニモの袋叩き、そしてテリーの怒りのエルボー炸裂までですね。
今回だけで尺の割合を計るのは早計かもしれませんが、
アニメ1話分=原作3話分
と仮定すると、原作は全208話ですので、
208÷3≒70話
と、この『完璧超人始祖編』アニメ版は約70話程度になるかと思われます。
1年の放送枠が確保されていると仮定すると、さらに尺を詰めて40~50話にまとめる形となるのかもしれませんね。
それでは今回の気になった点、行ってみましょう!
今回の気になった点
超人の定義シーンの影絵
このシーンの演出、しょっぱなから良かったですね!
ザ・マン、ゴールドマンから始まる、影絵・切り絵調のイラスト。とても趣深い表現描写で、いきなり心を鷲掴みされちゃいましたよ(笑)。
この影絵、販売してくれないかなあ? 自分で切り抜いて、台紙に貼って上から透明のフィルムを張れば、お部屋に飾れるアートになりそうですよね。
アパッチのおたけびによる空間のゆがみ表現
新作の栄えある初登場超人はジェロニモ。竜巻を自身のフェイバリットである『アパッチのおたけび』で相殺するシーンですが、このおたけびの表現がアニメならではでよかったです。
“音”が空間を伝わり、共鳴して触れる物質を揺らす、歪ませるという表現が素晴らしく、見事な原作上位互換となっていたと思います。
ただこの竜巻がその後不可侵条約を締結するメンバーの一人の

竜巻地獄!
だったら、目も当てられないな、と思いました(笑)。
テリーの僧帽筋と広背筋
テリーの登場シーンは、名物となった電車を止めるシーン。
このときのテリーの僧帽筋と広背筋の表現が、とても力強く描かれています。電車というとんでもない推進力を止めるのに、どこのどんな筋肉が重要で、それがどれくらい力を込めなければいけないのか。
そんなリアリティを制作スタッフ様が加味しているなあと感じました。ちなみに線路に飛び出した犬のチロは、『新幹線アタック』で命を救われた犬と同じ名前です(笑)。
セリフの再編と効率化
原作と比較しながら観ていると、適宜セリフの取捨選択や、再割振りがあることに気づかされます。
今回は条約締結時のアシュラマンとネプチューンマンのセリフが印象深かったですね。原作時では

正義超人のブロッケンJr.とも組んで闘ったし、もはや争う理由もない…

破約した超人は属性にかかわらず永久追放とするか…なかなかよくできた条文じゃねえか

お互い完璧な力を追求するために切磋琢磨するなら、オレもイガみ合うことは良しとしない
となっていましたが、アニメ版では

もはや争う理由もない…破約した超人は属性にかかわらず永久追放とするか…なかなかよくできた条文じゃねえか

お互い完璧な力を追求するために切磋琢磨するなら、オレもイガみ合うことは良しとしない
と、ネプチューンマンのセリフを二分割するような割り当てとなっていました。
ちなみにこの条約締結について、原作連載当時の私は
この時点で彼らは全員正義超人に組み込まれていますからね。サインも何も…って感じですが。身内で条約結んだ、みたいなイメージが付きまといます。
旧オレ流ホームページ:2011年11月28日記事より
と、なかなかに塩対応な感想を述べていました(苦笑)。お前、殴られるぞ、今の私に(笑)。
親密度の高い三軍条約締結シーン
条約締結直後のシーンも、アニメ版ならではの構図がありました。テリーを中心に、アシュラマンとネプチューンマンが、テリーの肩に手を添えて条文を掲げたトリニティシーンですね。
これ、いいアレンジですね。原作では三超人の固い握手があり、それでもかなり印象的なシーンだったのですが、今回のアレンジにより、この三属性超人不可侵条約の親密度の高さがより強く演出されたと思います。
まあ…ちょっとだけ、卒業式をネプ母、アシュ父に祝ってもらっているテリー少年の記念写真のようにも見えるのですが(苦笑)、はい、忘れます、そんな想像は(笑)。

迫力あふれる襲来
終始目が血走った、怒りの形相のストロング・ザ・武道をはじめ、完璧無量大数軍の第一陣がお披露目。原作と違い、出場キャラクターが確定しているので、まんべんなくカメラが各キャラを抜いてますね。
各超人のカラーリングも違和感がなく、ビジュアルを観ているだけでも楽しめますね。ちなみに原作連載当時の私は
個人的にはこの武道は敵のボスではないような気がします。おそらく真の悪がまだいて、彼は噛ませ犬なのではないでしょうか。
旧オレ流ホームページ:2011年11月28日記事より
う~ん、かませ臭がプンプンしますよ(笑)。彼らは「ネプキンやネプは、完璧超人の先遣隊だった」といいますが、このシリーズの先遣隊はまさに彼らのような気がします。
旧オレ流ホームページ:2011年12月5日記事より
と初見感想を述べています…笑止なり、アキラ(笑)。
栄えある?初被害者スペシャルマン!
飛来した武道のファーストアタックを豪快に食らったのは、なんとスペシャルマン!
その後伝説的なシリーズとなるこの『完璧超人始祖編』の格闘的幕開けの大任を任されたのは、実はスペシャルマンだったんですよ。これって名誉なことなんじゃない(笑)? 今頃

あの伝説の大戦のオープニングは、実はボクなんだぜ!
と、周りに吹聴しているかもしれませんね(笑)。
ジェロニモの若々しい声
声優さんの印象としては、ジェロニモの若々しい声がとてもマッチしていると思いました。
少年っぽいあどけなさが少し残っていて、かつ経験値の少ない未熟さも混在している青年って感じでとても似合っています。

ウラウラウラウラウラ~ッ!
の掛け声も抜群のクオリティ! 声優は小野賢章さんという方なんですね。素晴らしいです。
ジェロニモ、ピザ生地に
…とキャラをホメた途端、ジェロニモのリンチが(泣)。知ってはいたけど、アニメーションで観ると痛さ倍増ですね。
ターボメンのリボルバー・フィンによってグルグル回転させられる様は原作から大きく誇張されていて、完全に空飛ぶ円盤と化していました。
それを行うターボメンは、まるで生地を伸ばすピザ職人かのようです(笑)。海老一染之助・染太郎師匠がそばにいたならば、間違いなく

いつもより余計に回しております!!
と叫んでいたことでしょう(笑)。

でも原作で一番残酷だった、武道の口内ストレートパンチが喉を斬る薙ぎ払いチョップに変更されていたのは、アニメ制作スタッフの温情を感じましたね。さすがに歯がボロボロは可哀想すぎますもんね。
ちなみに原作連載当時の私は、このジェロニモの扱いに対して
かませ臭漂う相手にパンチ一発で迎撃されたジェロニモはさらに哀れです。かませのかませと化してしまいました。今シリーズもジェロニモさんの扱いが厳しいですね、ゆで先生(苦笑)。彼が何か悪いことをしたんですか(笑)?
旧オレ流ホームページ:2011年12月5日記事より
と、ゆで先生に苦言を呈しています。
ただアパッチのおたけび前に、大胸筋が大きく膨らむ動きは躍動感があると思いました。
数字の単位のカウントアップ

我らは完璧無量大数軍!
と名乗った際の、ミートくんの数字の単位の解説において、算用数字と漢数字がどんどんカウントアップしていく演出はよかったです。彼らの途方もないスケールをうまく表現していますよね。ちょっとマトリックスを思い出しました。

ちなみにどんどん桁が上がっていく算用数字が、なんの数値を表しているかはわかりませんでした。一瞬円周率かとも思ったのですが、あれ小数ですからね。違うなと。
ラジアルでかすぎん?
完璧無量大数軍がズラリと並んで描写されるシーンがあるんですけど、ラジアルさんが突出してデカいんですよ。
巨躯を誇るストロング・ザ・武道と比較してもあんなにデカいって、ちょっとびっくりです。そんな相手と次回、テリーは闘うんだなあ。う~ん、さすがは巨漢ハンター。
オイルマンかわいい
緊迫した空気の中で、一服の清涼剤。オイルマンかわいい(笑)。あ、お隣のチエの輪マンもかなりね。
カナスペ仕事の流儀
そして…お約束タイム、ビッグボンバーズことカナスペのお仕事の時間ですよ。
スペシャルマンさんに関しては、先ほど一撃を武道から食らってウォーミングアップは万全です(笑)。そして勇壮なセリフからの…

グワァァァァ~ッ!
お見事! もはや伝統芸能です。超人国宝です。今度NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』に出演も決定したとかしないとか(笑)。

♪ずっと探して~た~
♫理想の自分て~
ほら、スガシカオさんの歌声が彼らの背後から聴こえてきませんか?

タイヤから滴り落ちる血…
カナスペさんの惨劇が終了した後、ラジアルのタイヤから滴り落ちる血が…生々しくて臨場感にあふれています。この演出、原作ではありませんでしたね。秀逸だと思います。
タイルマンの陶器音たまらん
テリーマンの代わりにリングに上がったタイルマン。その時に発する“擦れる陶器の音”のエフェクトが、たまらなくお気に入りです。
作品には様々な効果音が入っていますが、個人的にはこれが今回のSE大賞です。
零の悲劇のあぁあぁあぁぁ~
原作発表時にかなり大きな衝撃を受けたシーンですね。わかって観ても、新鮮な驚きがありました。特にタイルマンの

う、うおおおお~…あぁあぁあぁぁ~…
と、断末魔の声がだんだんとひっくり返って弱々しくなっていく様子に、大きな臨場感を感じましたね。声優さん、素晴らしいです。
その後に続いたカレクック、ベンキマンも悲惨な目にあっています。ちなみに原作連載当時の私は、この『零の悲劇』に対して
続いて躍りかかったカレクックとベンキマンの、頭に何か載せてるコンビも武道にパワーを吸い取られ人間化。二人の人間になった姿も注目ですが、それ以上にマットに転がったカレーとウンコがシュール。
ウンコ味のカレーと、カレー味のウンコ、どっちなら食べられる?
なんて究極の選択が頭をよぎります(笑)。
旧オレ流ホームページ:2011年12月12日記事より
と記載。…バカバカ、オレのバカ(苦笑)。
お邪魔キャラのいない演出
今回の新作アニメは、前作のようなギャグパートは皆無です。つまりキン骨マンやイワオ、五分刈警部といったドタバタキャラは存在しません。
前作において彼らはちびっ子を笑わせつつ、原作にアニメが追いつかないよう尺稼ぎをする役割を担っていました。
ですが今回の『完璧超人始祖編』はすでに完結しているシリーズなので、アニメが原作に追いつくことを心配をする必要がありません。結果、彼らの存在は必要ないわけです。
こう書くと、まるでリストラされたキャラのようで少々かわいそうなのですが、そのおかげで我々は原作に忠実な『キン肉マン』のアニメを、生まれて初めて観ることができました。
前作のアニメ放送当時

キン骨マンうぜぇ!

余計な脱線、腹立つ!

超人のデザインが変わりすぎ!

色が原作と同じじゃない!
と、大きな不満を抱いていた“原作至上主義”の方々にとっては、40年を経てとうとう手にした理想の作品といえるのではないでしょうか。それくらい今作は原作にかなり忠実だと思います。
個人的には前作のドタバタも面白いと思っているので、一抹の寂しさも感じますが、このクオリティを見せつけられては、とことん“原作忠実+原作を上位互換する演出”路線を突っ走っていただきたいと感じました。
次回予告!
次回、第2話は『恐怖の完裂地獄!!』
正義超人代表として、テリーマンが完裂・マックスラジアルと対戦! テキサスブロンコ魂あふれる彼の意地のファイトとジャイアントキラーぶりを堪能しよう!
アニメの感想に続き、原作の感想も読んでみたいと感じた方は、こちらもどうぞ↓。
サグラダファミリアで激戦を繰り広げているネメシスの成長について熱く、そして時には面白く語っております。
個々の超人についての深堀り考察に興味がある方は、超人批評をどうぞ。最新批評はこちら↓、真ソルジャーチームとなっております。
実は『キン肉星王位争奪編』において、あのビッグボディチームよりも不憫だった伝説のチームについて、その哀愁と笑いを交えて考察しております。
テキスト後半には40年ぶりにメンバーが再会する、『真ソルジャーチーム夢の同窓会』も掲載されていますので、ご興味でた方はぜひ。
先日発表された、『超人総選挙2024』の結果分析なども書いてみました。各キャラの順位をカテゴリー別に並べ直したりして、さまざまな相関性や気づきについて書いております。
ご興味わきましたらば、ぜひどうぞ。
キン肉マン以外でも興味深いコンテンツを探している方はこちら↓なんていかがでしょうか。
先日発売41周年を迎えたファミコンについての思い出話です。80年代のちびっ子に大きなカルチャーショックを与えたファミコンがとうとう我が家に! その時の興奮を記載しております。

懐かしいな…
と感じられた方、どうぞご覧くださいませ。
というわけで皆様、次回お会いしましょう。ではまた。


コメント
アキラさんのレビューを究極の超人タッグ編から読んでる者です。当時の感想をを見て、
2世〜新章ぐらいのときは、
「パンツドライバーはもういいよ…」とか割と厳しい意見も多かったこと、色々思い出しました…!(笑)
キン肉マンは今も最高に面白いですが、ゆで先生に忖度をしない忌憚なきレビューもまた楽しみにしておらず!
アブストラクトフェニックスさん、こんにちは。
昔からレビューをお読みいただき、本当にありがとうございます。そうですね、二世は「ちょっと…」という展開も多かったので、辛口な面もありますね。でも新章からは本当に面白く、そして構成も素晴らしいので、唸ることだらけなんですよ。
そしてゆで先生への尊敬の念がより強くなってしまったので、苦言が少ないのかもしれませんね。でも「さすがにこれは…」という展開には、また苦言を呈しますよ!
楽しみにしておらず!
→楽しみにしております!
失礼しました。