【富の再分配】ベーシックインカムのデメリットとは何かを考える。

オレ流雑感
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 前回はリストラ格差社会を是正する施策の一つである“富の再分配”について、その反対意見やデメリットについて考察してみました。

 そして富の再分配の方法として昔から議題に上がっているのが“ベーシックインカム”です。

 これは“政府が国民一人一人に最低下の生活が送れる程度の現金を定期的に支給する”という夢のような施策なのですが、デメリットはないのでしょうか。

 今回はそんなベーシックインカムに対するデメリットを考えてみましょう。

ベーシックインカムのデメリット

 ベーシックインカムのデメリットとしては、以下のようなものがあるでしょうか。

  1. 健康保険、年金、生活保護といった現行の社会保障制度がなくなる
  2. ハンパない財源が必要となる
  3. 一世帯人数によって、最低限度の生活に差が出る
  4. お金の使い方は自己責任となる

 ではひとつずつ見ていきましょう。

1.健康保険、年金、生活保護といった現行の社会保障制度がなくなる

 ベーシックインカムは、主に衣食住医療に充てるお金を包括して支給する社会保障制度です。つまり今までの

  • 健康保険制度
  • 年金制度
  • 介護保険制度

といった、シーンごとに紐づいた社会保障制度はなくなるので、状況に特化した手厚さはなくなります。

 例えば風邪をひいて病院に行ったとすると、

診察代とお薬代で5,000円となります

え? 高くないすか⁉

3割負担ではなく、10割負担となりましたので…治療代はベーシックインカムとご自身の収入とでうまくお支払いください

(今までは 5,000円 × 0.3 = 1,500円で済んでたのに…!!)

という光景が生まれるわけです。

 こうなると、持病があり常に病院にかかっているような人たちは、医療費の自己負担額がベーシックインカム支給前と比べて如実に高くなると思われます。つまり身体的弱者に鞭を打つような制度になりかねない恐れがあるわけです。

 言ってみれば、ベーシックインカムは国民皆保険制度の解体を意味しています。ですので、結局は急病や事故など不測の事態に備えた、民間の医療保険に入らざるを得なくなるかもしれませんね。

 そこでまた保険料を掛けることになので

だったら健康保険制度のままでいいじゃん

という、“ふりだしに戻る”状態な意見が出るかもしれません。

2.ハンパない財源が必要となる

 仮に日本国民全員に、月25万円ほどのベーシックインカムを支給するとなると、年換算で

1.2億人 × 25万円 × 12ヶ月 = 360兆円

の財源が必要となります。ちょっと途方もない数字ですよね(苦笑)。

 ちなみに2020年度は社会保障の財源として、税金と借金で50兆円、社会保険料から74兆円の、合計124兆円を計上したそうです。

 これをまるっとベーシックインカムにスライドしたとすると、日本政府が国民に支給できる月額は

124兆円 ÷ 1.2億人 ÷ 12ヶ月 ≒ 8.6万円

という計算となり、ひと月に約8.6万円の支給、ということになります。

 この8.6万円と個人収入で、健康保険、年金、介護保険相当を対処しなさい、ということですね。今のところこれがわが国では限界のようです。

 さらに言えば、今後も少子化の加速で現役世代の人口が減り、社会保険料の徴収総額が減ることを考えると、8.6万円という数字も今後はどんどん下がっていく可能性の方が高いとみるべきでしょう。

 これは総人口が減るスピードよりも、現役世代人口が減るスピードの方が緩くなるまで続くことになります。

 少子高齢化が今後続いていく以上、これを打開するためには、現役世代の社会保険料の料率を上げていくしかないと考えられます。

3.一世帯人数によって、最低限度の生活に差が出る

 ベーシックインカムは国民一人一人に同額を支給する、というのが基本なので、80歳のおじいちゃんも、0歳の赤ちゃんも、等しい額が支給されることになります。

 仮に毎月のベーシックインカムが8万円だとすると、一人暮らしの世帯は8万円、4人家族の世帯は32万円の支給となります。

 そして両世帯ともそれ以外の収入がないとした場合、直感的にも一人暮らしの世帯はやりくりが難しそうで、4人家族の世帯はなんとかなりそうな気がしませんか?

 もちろん住んでいる地域、物価等で差は出てきますが、標準的な消費生活をするというイメージならば、手取り額が32万円あれば、病気等をしない限りいけそうです。

 やはり衣食住およびインフラに関しては、集団で生活をした方が単価が安くなります。ですので、ベーシックインカムは独居老人などには不利なシステムかもしれません。これは他の収入がない場合は、都心に住むことは難しいことを示唆しているともいえます。

 そう考えると、今まで以上にシェアハウス等の、血縁関係以外のルームシェアスタイルが増えるかもしれませんね。

4.お金の使い方は自己責任となる

 これは一番のメリットであり、デメリットでもあるかと思います。ベーシックインカムとは、早い話“最後のセーフティネット”です。この政策が、国と国民との間で結ばれた唯一無二の社会保障契約となるわけです。裏を返すと

政府
政府

国はこれ以上お金を出しませんよ

と宣言しているのに等しいです。

 支給されたお金をどのように消費するかは国民一人一人に委ねられるので、とどのつまり、それをうまく使えなかった人は人生が詰んでしまう可能性があります。

 極端な例でいえば、ベーシックインカムを過度な酒・タバコ・ギャンブル・その他浪費に費やし、蓄えをなくした人は、いざ大病をしたときに医療にかかることができません。

毎月お金をくれるなんて最高だな!
マンガも欲しいし、プラモデルも欲しいし。あ、ラジコンも買っちゃおう!

支給されたお金は
・医療費 ・教育費
を毎月貯蓄しておこう。残りを住宅費に充てれば、月々のやりくりも余裕がでるな

ケガしてもお金がなくて治療費が払えないよ~っ!

無駄遣いするんじゃなかった…

いや~医療費を積み立てておいてよかった…

盲腸でも治療費を気にすることなく治せたよ

わかりやすい例ですが、笑い事ではないかもしれません。

 また、親によって管理能力のない赤ん坊や子どもの分まで自分のお金と勘違いされ、浪費に費やされた場合、その子どもたちに待っている不幸は想像を絶します。

 しかしベーシックインカムは“最後のセーフティネット”なので、その管理能力のなさで苦しむ人は“自己責任”ということで、

政府
政府

国としてはもう何も支援できませんね…

と放っておくしかないのです。その先は完全に野垂れ死にです(苦笑)。

ベーシックインカムはパンドラの箱か

 以上のように、ベーシックインカムは夢のシステムに見えるものの、危険性も孕んでいる政策であるといえます。個人的には“最終手段”や“奥の手”、もしくは“禁じ手”というイメージがありますね(笑)。

 とはいえ、企業の自動化、無人化、AI化による人的リストラ格差社会が迫っている世の中においては、選択せざるを得ない可能性が高い政策だとも思います。

 というわけで、次回は前述したベーシックインカムのデメリットを一つでもクリアする手はないものなのか、頼まれていませんが(笑)考えてみましょう。ではまた。

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