今週のキン肉マン第404話-至高のバックドロップ!!

今週のキン肉マン
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対戦相手への敬意もなく、殺すことに躊躇がないマグニフィセントの技を真っ向から否定するキン肉マン。カメハメから受け継いだ「殺人技」の正しさを証明するため、バックドロップで反撃開始!!

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美しき哲学問答

 相手への敬意がないマグニフィセントに怒りのバックドロップを食らわすキン肉マン。思わず

これも48の殺人技のひとつ

キラウエア落とし!

と、気合の入った咆哮をします。

 う~む、あのバックドロップも実は“48の殺人技”のひとつだったのか…知らなんだ~。

 しかも専用の別名があったとは…『キン肉バスター』の別名が『五所蹂躙絡ごところじゅうりんがらみ』と言うようなものかな?

 そしてこの技が一番好きなミートは諸手をあげて大絶賛です。彼がそれを賞賛するたびに、あのミキサー大帝との激闘がよみがえってきますね。

 ただ今現在スグルが使うバックドロップが『キラウエア落とし』だとすると、ロビンマスクに決めて

やった~、私にもフィニッシュホールドができた~

と踊りまくって喜んでいた時のバックドロップ(笑)とは、似て非なるものなのでしょうかね?

 そんな感じでふと脳裏に浮かんだその疑問は

マグニフィセント
マグニフィセント

ムハムハムハ

そんなのただのバックドロップじゃないか

と、マグニフィセントもすぐに口にします。

 でもそれに対するスグルの反論がいいんですよ。

ただのバックドロップだが

そこには師匠の確かな技術、

雅やかな所作

何よりもお前にはない

対戦者への敬意

あらゆる要素を込めた

至高のバックドロップだっ

ゆえに特別な名をつけ大事にしようと考えた

それが48の殺人技

師匠の遺した理想の格闘技者へと近づくための道標である!

 もうね、読者が疑問に感じた点を即答ですよ。そしてその回答の一言一句が、説得力にあふれている…。

 この話のくだりというのは、いわゆる“哲学問答”に属するわけですよ。もしくは“イデオロギー論争”でしょうか。

 ゆえにいかに自分が信ずる観念や思想を魅力的に、かつ納得させられるように上手くプレゼンできるか…要は相手に自分の思想を“腹落ち”させることが重要なわけです。

 今回の相手は当然マグニフィセントなのですが、その先には全国の読者がいるわけです。そしてその読者の一人である私は…

…なんと美しきかな…

と、素直に感じてしまいました。腑に落ちているんですよ。

 第二シーズンの『キン肉マン』は、この“哲学問答”に対する理論武装が飛躍的に高度化していると思います。みなさん、それは同意してくださると思うんですけどね。

 第一シーズンで顕著であった“行き当たりばったり(失礼)”の論理と比較すると、雲泥の差があるんですよね…まあ“行き当たりばったり”の論理も、それはそれで『キン肉マン』らしくて、ある意味魅力的なんですけど(苦笑)。

斬新? 同義語人間ドラマ

 思うんですけど、“ある技に二つの名前がある”なんていう設定は、サラッと流されてもいい事象なんですよ。『キン肉マンⅡ世』ではけっこう多かったですよね、技の別名。ですので

ああ、お得意の異名ね。

こっちの名前もいいじゃない

てな感じで終わってもいいわけで。

 ただ今回はその二つの名称の間に、壮大なドラマを挿入してきたわけです。そしてそのドラマが高尚で道義心にあふれていて深い。それが私を腹落ちさせた要因なんです。

 例えるならば「本」と「書物」、「病気」と「やまい」といった表現の違いに、人間ドラマを設定したようなものなんですよ。この表現技法、新しくないですか?

たしかに“病気”だが

そこには患者の治そうとする意志、

治らないかもしれないという不安、

そしてそれを応援するご家族の願い

彼らを取り巻くその想いを込めて“やまい”と呼ぶのだ!

みたいな? かつて同義語にこんなドラマを挿入したマンガってあったかな…?

 ですので、まるで今回は

  1. 哲学問答に対する腹落ち感
  2. ゆで先生の新しい表現技法

のツープラトン攻撃を食らったようで、ボク完全にKOです(笑)。

 しかし…この2については、今後も応用できる技法だと思いますね…いやはや、サラッとぶっこんでくるな、ゆで先生(汗)。

ミート大爆発!

 とまあ、こんな感じで感心しきりだったんですけど、問題のお相手であるマグニフィセントさんに響いたかというと…

マグニフィセント
マグニフィセント

御高説は勝手だが、神に説く道じゃないね

と、まるで響かず(笑)! お構いなしにエルボーの雨あられ!

 いい。いいですね~このドライなスタンス。キレキレで逆にホレボレします(苦笑)。この論点の基礎始点がすでにズレているという感覚? 読んでいて感情移入が進んでいき、たまりません…ドМなのかな(苦笑)?

 ただここでスグルが落ち着いているんですよ。冷静に肉のカーテンで対処です。このあたりの安定感、さすがはV2チャンプとホレボレです。しかし本当に成長著しいな、スグル。

 とはいえ相手はさすがの超神サマ、スグルのドロップキックを捕えてからの強烈な『ワイルドボー・ボム』を炸裂。AJスタイルズの『スタイルズクラッシュ』の超神版ですね。

 序盤に大技を3つも繰り出し

マグニフィセント
マグニフィセント

これで立ち上がれまい

と自信たっぷりのマグニフィセントに対し、なんとスグルはテリーマンばりの“指立てチッチッチ”で

へのつっぱりは…いらんですよ!

と三度立ち上がります。これは読んでいる方も

さすがにタフすぎやしないか…?

と思うのですが、その疑問に対してもゆで先生、ミートの口を借りて即答ですよ。これがまた腑に落ちる理論で。

 まず予想される読者のツッコミポイントを、すべてミートに語らせるんですよ。

相手の一撃は殺す技だよね?

ミスすることなく完璧に決まっているし

それでも立ち上がるって…

さすがに無理でしょ

(=都合よすぎない?)

 これ全部読者の代弁です。そしてそれらの疑問点を一度ホワイトボードに書き込んだあと(笑)に

王子は無意識にマグニフィセントの動きのクセを見抜いているのでは?

だってカメハメはマグニフィセントがルーツだから、遺伝子レベルでそのクセも受け継がれる

そのカメハメの指導をうけた王子ですからね

と、読者の疑問を根こそぎまとめての一網打尽です。やってくれるぜ、ゆで先生! 物語としての辻褄は十分に合いますよ。

大開放? 新たなる殺人技

 そしてこの流れるようなミートの仮説を表現することで、彼の頭の良さとセコンドとしての能力の高さを同時に表現しているんですね。

やはりミートが側にいると違うな!

と思いますもんね。大したもんですよ。その思いはスグルも同じで

やはりお前は最高のセコンドだ!

と、身内を大絶賛です。

 でもこのミートの助言のおかげで、スグルは苦手モードがチャンスモードになるというメンタルのプラス転換ができたわけだから、身内びいきとは言えないですよね。まっとうな評価だと思います。

 そしてスグルはニールキックを放ってきたマグニフィセントを捕えて、肩に担ぎあげてからのデスバレーボム。一瞬バックフリップかと思っちゃいましたよ(苦笑)。

 そしてラストはスカイマンの『フライング魚雷』を思わせる新たな48の殺人技である『コークスクリューロケット』を食らわせて次回に続く、です。

 これ…知られざる48の殺人技の、大開放モード始まっちゃったかな? この調子であと3、4つ、我々に見せてほしいですよね。

 なんかゲームとかでよくある、ミッションクリア後の特典グラフィックが開放されたような気分です。これにマグニフィセントがハマって、やっきになってくれたら面白いな(笑)。

マグニフィセント
マグニフィセント

風林火山も欲しいな

マグニフィセント
マグニフィセント

キン肉壊体固め、なかなか出ないんだよな…くそっ!

みたいな(笑)。

▲超神もハマる48の殺人技収集(笑)。

その他気になった点

 その他気になった点は

  • ミートくん、ホントにバックドロップが好きなんだな。
  • マグニフィセントの“少年セコンド”発言は、“少年探偵団”を思い起こさせ、少し昭和なほっこりさがよみがえる(笑)。
  • スグルのチャランボは、『キックボクサーマモル』を思い出すなあ。
  • マスクがはがれる、はがれないのイベントが、今回はあるのかな?
  • スグル余裕の『肉のカーテン』は、見ていて痛快。
  • あの指さばきには、本当にテリーマンの姿が見えた。
  • セコンドとの会話がひと段落するまでじっと待っていてくれる、意外と優しい洞察の神(笑)。
  • いや、ぜったいにバックフリップだと思った。
  • 『フライング魚雷』にもみえるが『こけし』にも見える(笑)。

 こんなところでしょうか。いや~、48の殺人技の開放モードが楽しみ過ぎる…!! こりゃカメハメのテキストBOOK復刻作業もはかどりそうですね、学研さん(笑)! ではまた。

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コメント

  1. MK より:

    キン肉マン、マグニフィセンドへの対応方法一つ見つけましたね!
    マグニフィセンドはミートくん召還で余裕を見せすぎたでしょうか?
    全く別の話ですがゆで先生、大分御高齢ですが始祖編、オメガ編も素晴らしかったですし、本シリーズも描ききって欲しいです。

    • アキラ アキラ より:

      MKさん、こんにちは。

      キン肉マンの心に余裕が出てきたことが大きいですね。これはまさにミートの召喚を許したマグニフィセントの痛恨の一手だったかもしれません。

      そしてゆで先生の健康問題については、お二人のマンガを続けたいという熱意に賭けたいですね。それが強ければ自然と健康面についてはケアをすると思うし、そうしてくれると確信しています。

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