第27回 マンモスマン

オレ流超人批評
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フェニックスのために誰よりもかいがいしく働いた、まさに働き者超人。その働きっぷりはもはや『王位争奪編』の象徴か?。
出身 ユーラシア大陸
超人強度 7800万パワー
必殺技 ビッグ・タスク
ノーズ・フェンシング
アイス・ロック・ジャイロ
主な戦績 ペンチマン○
レオパルドン○
ゴーレムマン○
キャノンボーラー△
(片八百長)
バッファローマン△
ウォーズマン○(闇討ち)
ロビンマスク●

その後の活躍を期待させる登場シーン

 マンモスマンは、『キン肉星王位争奪サバイバルマッチ』のフェニックスチームの一員として初登場しました。

 フェニックスに襲いかかるキン肉マンを弾き飛ばし、3段ぶち抜きのやや下方から見上げたアングルで登場という迫力あるデビューでしたね。

 今後彼をフェニックスの右腕とし、このシリーズの核となる超人として活躍させようという、ゆで先生の意気込みを感じさせるのに充分な登場シーンでした。

 事実、『キン肉星王位争奪編』を象徴する超人は誰かと問われると、マンモスマンの名前を挙げる方は多いのではないでしょうか。

 かくいう私も、このシリーズでの彼の活躍ぶりはロビンマスクと双璧をなしていると評価しています。というより

よく働いたよ、キミは

なーんて、肩をポーンと叩いてあげたくなる印象が強いですね(笑)。

 主のフェニックスのために、誰よりもつくしたというかいがいしさを強く感じるんですよ。

 なんかこう書くと、マンモスというよりは犬みたいなんですけどね。今回はそんな彼のかいがいしい働きぶりを考察していこうかと思います。

かいがいしき働き者超人

対ビッグボディチーム

 フェニックス(知性)チームの緒戦の相手は、ビッグボディ(強力)チームです。ここで先鋒として登場した彼は事実上の4人抜きを敢行し、はやくも読者にその“働き者”ぶりを披露してくれます。

 両手がペンチで日常生活が難しそうなペンチマンを豪快なバックブリーカーで葬ると、“グオゴゴゴ”という謎の掛け声で一世を風靡した(笑)レオパルドンをその長い鼻で瞬殺。

 その次は

歯ごたえが違うぜ

と多少評価の高かった、気持ち受け口のゴーレムマンも、キン肉マンチームが3人抜きをするタイミングとあわせるようにねじり首葬。

 最後は“ハアハアハア”という息遣いのみが唯一のセリフ? だった、よく見ると二重まぶたのキャノンボーラーを、フェニックスの指示に従い片八百長で引き分けに。

 その芝居っぷりも主人のフェニックスに高評価を得た彼のファイトは、常に強者の余裕と計算を感じさせ、読者に“マンモスマン強し”の印象を強く与えるに至りました。

 また、命令ならば勝てる試合すら引き分けに持ち込むという、自身のプライドを押し殺した行動にも、彼が主人であるフェニックスに対する忠実なしもべであることを方々にアピールする結果となりました。

 並みの超人であれば、あんな“ハアハアハア”しかセリフのない二重まぶたのキャノンボーラーと「引き分け」という公式記録が残ること自体、プライドが許さないと思います(笑)。

 このあたり、マンモスマンの徹底した仕事人ぶりを感じずにはいられません。

対ソルジャーチーム

 ただしこのビッグボディチームはあくまで噛ませ犬であることは明白だったので、彼の実力の真価が問われるのは準決勝におけるソルジャーチーム戦でした。

 しかしここでも彼は馬車馬のような働きでその実力をいかんなく発揮し、与えられた以上の仕事をこなしています。

 ブロッケンJr.をいびり倒し、バッファローマンとの野獣対決では優位に試合を進めていました。ビッグ・タスクという個性も開花し、バッファローマンのロングホーンと並び称されるほどに認知された感があります。

 フェニックスがソルジャー(アタル)のナパームストレッチに捕らえられた時にも、キャンバスをはがしてビッグ・タスクに装着したインスタントうちわの風圧にて見事ご主人を救出。挙句の果てには

よくも美しいフェニックスさまの肉体を傷つけてくれたな~

と、アタルの胸にお返しの傷までつけています。

 こんなにも忠実なる部下を持ったフェニックスこそ幸せ者といえるでしょうか。正直いって、小悪党・フェニックスの、どこにここまで忠義を尽くす気にさせるカリスマ性があったのかは、いまだに理解不能ですが(笑)。

 しかもバッファローマンから超人預言書を奪うために、キャノンボーラー戦でみせた“死んだフリ”を再度披露しています。

 その超人預言書が超人の運命を左右するほどの貴重なアイテムであったこと、アタルを始末する上での大きな力になったことなどを考えると、フェニックスにとって彼の功績は計り知れないものがあったと思われます。

サラリーマン超人・マンモスマン

 以上のような行動を見ていると、彼はまるでサラリーマン超人のようです。社長・フェニックスの元で働く忠実な幹部サラリーマンといったところでしょうか。

 幹部サラリーマンたるもの、与えられた仕事をするだけではありません。自分で仕事をみつけて処理するのが幹部たる所以でしょう。

 ウォーズマンが特訓によりビッグ・タスク攻略法を見出すやいなや、彼は命令される前に闇討ちを行うべく行動を開始しています。

 「パオーン」という掛け声でウォーズマンの元へ猪突猛進するあたり、ちょっと頭は悪そうですが、その行動力には社長であるフェニックスも目を細めて喜んだことでしょう。

 そんなサラリーマン超人・マンモスマンですが、こんなに尽くした社長に最後は裏切られてしまいます。

 決勝のキン肉マンチーム戦で、彼はロビンマスクと一進一退の攻防を繰り広げますが、ロビンマスクに精神力の弱さという弱点を突かれ、自身のビッグ・タスクで自らを貫いてしまいます。

 そこで超合理主義経営者であるフェニックス社長は、今までさんざんこき使ってきた彼のリストラを断行。マンモスマン消滅を助長する行動をとります。

 たしかにマンモスマンは悪さばかりしてきましたし、犠牲になった超人のことを思えば同情する必要もないかと思うんです。

 でもそれはすべてフェニックスが戴冠するための手段じゃないですか。それをねえ、 必要なくなったからといって切り捨てるなんて、あまりにも哀れですよ。

 しかしマンモスマンもやられっぱなしではありません。悪徳社長に反乱を起こし、奥の手の技であった『アイス・ロック・ジャイロ』をフェニックスに食らわせます。

 そして真剣勝負の醍醐味を知り、心ゆくまでロビンマスクと闘いたくなったこと、今までの悪さはフェニックスのために泣く泣くやっていたことなどをカミングアウトします。

 その姿はまさに証人喚問で

社長に命令されてやった

と告白する幹部サラリーマンでした。ただし消滅という運命が決定していた彼の抵抗もここまでで、残念ながらその最期を迎えることとなりました。

おわりに

 長い間、誰よりもフェニックスのために働いたマンモスマン。最後の最後で押し殺していた自分を開放し、思うがままに闘い消滅していったマンモスマン。

 私はそんな彼に、シリーズMVPの称号をそっと捧げたいと思います。

※今回は中村さん、やっちさんほか、たくさんの方からリクエストをいただきました。ありがとうございました。

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