注)この論文は1994年のものです。
第七節 友情・努力・勝利 ~3大テーマを取り込むパターンの分析~
図28 格闘マンガストーリー進行パターン図
図28は、『ジャンプ』格闘マンガに多く見られるストーリー進行パターン図を表したものである。図29では、これを使って3大テーマを取り入れた「パターン」を解説していこうと思う(図の丸数字と文章の丸数字が対応しています)。
図29-1 ある強敵(ライバル)との戦闘
主人公はまず誰かと闘いをする。それは侵略者でも、技量を競うライバルでも構わない。ここでは「勝利」がテーマとなる。
図29-2 友情の芽生え
力の限り闘った両者は、お互いを認め合い、友情が芽生えることがある。当然ここでは「友情」がテーマになる。
図29-3 新たな強敵の出現
①の戦闘が終わると、さらに強い敵が登場する。主人公よりもはるかに強そうな表現で登場することが多い。
図29-4 新たな敵を倒すために共闘、友情の芽生え
③の敵を倒すため、主人公の①の敵(ライバル)が共闘をする。この時点で主人公と、①のキャラクターに大きな友情が芽生えていることもあるし(②)、お互い反目しあいながらも目的を同じくし、共闘をすることで奇妙な友情が芽生えることもある。
読者心理的には、①で闘ったあの強い敵が味方になるということで、その夢の合体にわくわくする。ここでのテーマは「友情」である。
また、新たな敵を倒すための特訓、つまり「努力」をテーマにすることも同時に可能である。
図29-5 仲間の敗北、死
新たな敵との闘いで、味方になった①のキャラクターや、主人公の身内が倒されることは多い。これは“あの強かった①のキャラクターが負けるとは”という現実を突きつけることで、新しい敵③の強さをより強烈に読者に印象づけるわけである。
図29-6 ある強敵(ライバル)との戦闘
①のキャラクターや身内が倒されたり死亡したりすると、主人公の怒りは頂点に達し、物語はクライマックスを迎える。
この「怒り」という表現は非常にポピュラーであり、主人公の限界能力の発揮や、飛躍的な戦闘力の上昇をもたらすポイントとなる。そして主人公はなんとか③の新たな強敵に勝利する。テーマは当然「勝利」である。
図29-7 ある強敵(ライバル)との戦闘
場合によっては③の敵とも友情が芽生え、味方にしてしまうこともある。
この場合、③の敵は①の敵の場合と同等の扱いになり、物語は②からまたループしていく。この方式だと、主人公はどんどん強い敵を味方にし、その勢力を大きくしていくことになる。
以上が基本的な格闘マンガの「パターン」である。多少の違いはあるが、ほぼこれに沿っているといえよう。
図30、31は『ドラゴンボール』と『北斗の拳』にこのパターンを当てはめたものである。闘いを中心に、「友情」「努力」をうまく取り込んでいることがわかるだろう。
図30 ドラゴンボールの例
図31 北斗の拳の例

描きたい!!を信じる 少年ジャンプがどうしても伝えたいマンガの描き方
週刊少年ジャンプ編集部(著)



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