天地を喰らう/本宮ひろ志/1983年(昭和58年)第27号

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1983年第27号天地を喰らう

解   説

『三国志』を本宮流に少年誌アレンジした作品『天地を喰らう』です。

歴史スペクタクル漫画のカテゴリーに入るとは思うのですが、序盤は天上界がどうの、龍がどうのと、かなりファンタジー色が強いです。

しかしそれ以降は随所にアレンジが入るものの、ある程度『三国志(演義)』を踏襲していたように思います。

3週連続の巻頭カラー、31ページのオールグラビアといった破格のスタートを鑑みるに、本宮ひろ志はおそらくこの作品をライフワークにしようとしていたんじゃないかなあと勝手に思っています。

まあ長い話ですからね。横山光輝の『三国志』並みに長くやる覚悟はあったんじゃないですかね。

しかし哀しいかな、チビっ子読者にはまだまだ話が難しすぎたようです。作者・編集部の意気込みとはうらはらに、中途半端な連載終了を迎えてしまいました。

当時の私も『三国志』自体をあまり知らなかったので、いまいちのめり込めなかった記憶があります。

しかし数年後、吉川英治の『三国志』を読むと、いきなりこの作品の評価が変わります。

歴史物語の概要を理解してから読み返すと

おもしれえ!

となるわけで。

これ続いてたらすごい作品になってたんじゃないの?

と、今さらながらあの中途半端な打ち切りが、とてももったいなく思えてくるんですよ。

その後ゲーム等のメディアも手伝って、『三国志』は安定した商品コンテンツにラインナップされます。

そしてそれらの制作において、ビジュアル面で大きな影響を与えた作品なのではないかと、密かに思っています。

だってねえ、『真三国無双』の趙雲なんてねえ、もうまんまですし(笑)。

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