エア取引経済で、不況を食い止めることはできないのか。

オレ流雑感
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 新型コロナウィルスの爆発的流行対策により、今週末関東一円には不要不急の外出自粛要請が発令されました。行政のこんな要請、生まれて初めての経験です。普通じゃない日常が現実となり、先行きに不安感を漂わせます。

 こんな状態であるので、東京オリンピック・パラリンピックの開催延期を筆頭に、大小さまざまなイベントや会合が軒並みキャンセルになっているのは、皆さん実感されていることでしょう。

 ここで困るのが、あるはずだったものがなくなったことによる、経済の鈍化です。そう、つまり○○ショックといわれるような、世界的恐慌の引き金が引かれる直前に今、我々がさらされているということです。

 なんとかこういった落ち込みを回避できないものかなあと夢想したのですが、それがタイトルにある“エア取引経済”です。

 いや、ホントに荒唐無稽なアイデアなんで、現実味がないことは重々承知しているし、いろいろとツッコミや反論を受けることは承知の上で、どんなものかを書いてみますね。

 簡単に言うと、あるはずだった商取引を、あったことにして金銭を回してしまおう、というアイデアです。不況というのはすごく簡単にいうと、世の中に十分なお金が循環しなくなるから発生するわけですよね? だったら無理やり回しちまえばいいんじゃないかと。

 妄想のストーリー例を挙げますね。私の大好きなF1GPの初戦、オーストラリアGPが中止になりました。普通であれば損失が甚大なわけですよ。ただし世界的な恐慌への懸念を示したG20の会議により、2020年は「エア経済年とする」との発令が起きたと仮定します。

 それが発令された場合、問答無用で以下の支払いが発生するわけです。現実では実施されていなくても、されていた(エア)ことにして、物理的にお金の流通をしてしまうんです。

  • 開催料
  • テレビ放映料
  • 観戦料
  • グッズ購入費用
  • 渡航費用
  • 各種準備費用
  • 宿泊費用
  • 飲食費用
  • etc…

 例えば開催料であれば、招致側のオーストラリアイベント団体が、テレビ放映料であれば、テレビ会社や映像会社が、いったん F1運営組織に支払いをするんです。現実にはイベントやっていないけど。もちろん大損です。でもF1運営組織は潤います。

 そのイベントを観戦する予定だった観戦者も、チケット代金や番組観戦料を支払うんです。実際には観ていないけど。払い戻しという概念がないから、もちろん観戦予定者も大損です。でもイベント主催者やテレビ放映会社は潤います。

 F1各チームは、渡航費用を航空会社等に予定額支払います。渡航していないけど。宿泊費用もホテルに支払います。宿泊していないけど。もちろんF1各チームは大損です。でも航空会社やホテル会社は潤います。F1各チームも損したように見えますが、イベントが開催されたというエア経済が回っているので、F1運営組織から分配金をもらうことができて潤います。

 こんな感じで、かかるはずだった予定額を、そのまま払ってしまうんです。それが回りまわっていくことで、結果的に自分たちにも還元がされ、経済的な損失と不況を防止する、というアイデアです。

 もっと平たく言うと、各セクションとも、年初から予算計上している財源を、順繰りで回していけば、実体がなくても経済上は回るじゃん、それで不況や恐慌が少しでも阻止できるなら、その辺をみんなで我慢すればいいじゃん、という考え方です。

 もちろんこの例での一番の被害者はF1ファンです。そのほかのセクションは、一応お金が回りまわってきますが、ファンは「イベントの体験」という対価を手にすることができません。でもね、ここはみんなで我慢しない? って感じで(苦笑)。みんなが少しずつ我慢することで、経済が下落しなかったことによる間接的な利益で、きっとその損失を上回ることができるよ、と。

 何を言っているかというと、仮に10万円のF1チケットが、エア経済の実施で無になったとします。個人的には10万円のマイナスですよ。この上なく腹立たしいですよね。

 でもエア経済のおかげで景気下落が回避されて、そのおかげで勤めていた会社の業績も上々で、ボーナスできちんと補填されたと。50万円のボーナスが、景気が安定したおかげで60万になった、という考え方です。

 逆にエア経済をしていなかったら、世界的な大恐慌が生じてリストラの憂き目にあい、再就職もままならずに貯金の切り崩しが▲50万円を突破しました、F1チケットの10万円の損失どころじゃないです、みたいな未来が待っていたかもしれないのです。

 そう考えると、経済を凋落させないための10万だったと思えばいいじゃないですか、消費者が少しずつ損をして、それを我慢することで、相対的に全員が得をする可能性が高くなるという未来に支払ったということでいいじゃないですか、ということです。

 …すみません、いろいろと理論に穴がありますよね。経済に明るい方が見たら、ちゃんちゃらおかしい考えですよね。でもキャッシュレス経済が実現・確立していく世において、デジタル経済という手法で安易にできそうな気もするんですけどね。

 さらに言うと、キャッシュレスによる消費行動のデータ化によって、飲食等の“エア経済”もできると思うんですよね。イベント中止や外出自粛要請による、飲食店等の撃沈を救えると思うんです。

  何を言っているかというと、 例えばAさんは消費行動データから、お酒が好きだというセグメントができたとします。平均すると、月に2万円は居酒屋に消費している、なんてデータです。

 そういったセグメントに入っている人たちから、エアのお酒代を徴収をするんです。居酒屋に行った体での徴収です。

 そして集まったお金を、打撃を受けている飲食業に配布するわけです。「うちは例年だと3月の売上は300万円なんです。でも今月は150万円しかなくて」なんてお店に、その徴収額から150万円を給付するんです。

 お酒に限らず、様々なジャンルで同様のことをします。だから誰しもがエアで徴収されるというわけです。人によって凸凹はあるかもしれませんが、公平な徴収です。まあ浪費している人は負担が大きいし、仙人みたいな生活をしている人は負担が少ないかもしれませんが、消費行動データに基づいているのでしょうがないですよね(苦笑)。

 もちろんこれは消費行動データという個人情報を、行政ががっつりのぞき見するという政策になるので、個人情報保護法の観点から無理でしょうけど。でももう技術的には実現可能なレベルなんじゃないのかな、なんて思ったりしています。

 いろいろな夢想をしましたけど、なんとか乗り切りたいですね、ホント。

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