ジェロニモの活躍で無事最初の試練を突破。だが神の真の目的が、空きのままの神の座につかせる「新たな神の創造」だという衝撃の事実を聞かされ、リアル・ディールズ(真の男たち)にも動揺が走る!
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敵の価値観を認めるスタンス

ザ・マンは椅子に座るべき候補を作りすぎた
という、まさかのダメ出しをした調和の神(笑)。これ…ザ・マンにしてみれば、

…なんで?
って感じですよね(苦笑)。言ってみれば、売上目標の倍額を稼いできた営業マンに、部長が

お前、稼ぎすぎだぞ!
と注意するみたいなものです。理不尽だよなあ(苦笑)。
そしてエクスキューショナーは、調和の神はいうほど狭量ではなく、ザ・マンの思想を否定するどころか、認めてさえいる、と語ります。
このあたり、最近のゆで先生のストーリー設定のスタンスがよく表れています。要は“違う思想にも、一定の理解を示す”というスタンスです。
これは『完璧超人始祖編』や『オメガ・ケンタウリの六鎗客編』でも表れていました。完全な二元論の対立ではなく、対立をしつつも聞く耳を持つ、という姿勢です。
おそらくそれは読者層が我々大人にシフトしたがゆえのストーリーテリングなのだと思われます。勧善懲悪にするよりも、物語に深みが出て、逆に読者に受け入れられるのでしょう。
その目的は“選抜”と“殲滅”
そしてエクスキューショナーは調和の神の目的を

粛清ではなく、選抜
とハッキリと語りました。
今現在行われている“バベルの塔の試練”も、空席の神の椅子に座るべき超人を探すのが目的、ということらしいです。要は“神様選抜オーディション”ですよ。48人枠じゃない、108人枠の(笑)。超神(choshin)だから、CSN108かな?
つまりリアル・ディールズは、その補充メンバー選抜オーディションの、最終選考に残った方々ということになります。
もう一つ、並行して行われることが

“調和”を乱す可能性を持つすべてを滅ぼす
ことだそうです。こちらは穏やかではないですね~。
その滅ぼす対象がリアル・ディールズに限られているのか、その他大勢の超人も含めるということなのか、よくわかりません。極論を言えば、

選抜合格者2名以外の超人は、すべて皆殺し
という結果も考えられます。
たしかに超人を創った目的が“新たな神を創る”ことによる、“神の完全性の証明”であるならば、欠員を補充できれば、目的は達成なんですよ。つまり残りの失敗作は不要なんです。
そう考えると、上記の予測も十分に成り立つわけで。論理的には至極当然なんですよね。ただ超人に肩入れし過ぎたザ・マンが、それに対してどう反応するか、というのが注目です。
“選抜”による大きな問題
そして話が“補充メンバー選抜オーディション”に変わってしまったことにより、大きな問題が発生しているんですよ。
それは同じ目的に向かって一致団結していたチームが、知らぬ間に競争相手になってしまったということなんです。
その問題は作中で如実にあらわれてしまいました。“神の椅子”というニンジンをぶら下げられ、スグル以外のディールズが不穏な感じになっちゃうんですよ(苦笑)。
さらにエクスキューショナーは不穏な空気となったリアル・ディールズに、競争や争いを好むのが超人の性であり、それを含めて君たちがどう対応していくのか、それもまた試練だと追加します。
このように大きな爆弾を投下したエクスキューショナーは、審査合格のジェロニモを従えてさっさと最上階へワープしてしまいます。ザワつかせるだけザワつかせておいて、意外とあっさりと消え去っちゃうんですね(苦笑)。
リアル・ディールズ、空中分解
はぐれ悪魔コンビのケース
そんなニンジンに、いの一番に反応したのはアシュラマンです。まあ一番そうさせやすいキャラですよね、この中では。もう悪い顔してるもん(笑)。
思わず『キン肉マンⅡ世』において、コンプリート・バルブの誘惑に野望を抱き、悪行リターンしたスカーフェイスを思い出しちゃいましたよ。
それに呼応してサンシャインも“椅子取りゲーム”に意欲ありありです。そして早々にはぐれ悪魔コンビが

私たちふたりは、この先独自の判断で行かせてもらう。
と、単独行動を決行。
一応悪魔のよしみでバッファローマンも誘われますが、煮え切らない態度でやんわりとそれを拒否。このあたり、バッファローマンの方がまだ正義超人化率が高い、といえそうです。
ロビンマスクのケース
そして次に、意外な男がそのニンジンに反応してしまいます。元正義超人リーダーのロビンマスクです。彼もまたアシュラマンと同じく、単独行動を主張。これが今回一番のサプライズでしたね。
彼の主張する理由をまとめると

これはキン肉マンに挑める最後の機会だから、やってみたい!
という、一格闘者としての本能のようです。これもまた、“バベルの塔の試練”が“補充メンバー選抜オーディション”に変わってしまったがための現象といえそうです。

あいつに勝ちたい!
という単純な本能に、理性が勝てなかったんですね。
それを分別わきまえたるロビンが言い放ったもんだから、そのザワつきは最大級ですよ。正義超人リーダーという管理職はウォーズマンに譲ったので、残りの余生は好きなことをして過ごすんだ、みたいな感じといえばよいのでしょうか。
だからあんなやさぐれケープを纏ったままなんでしょうかね? バベルの塔に入ってからも、妙に言葉数が少なかったのも気になっていたんですよ。おそらく己のセカンドライフについて、いろいろと考えていたのかもしれません。
そしてそのタイミングで、こんなチャンス(彼にとっての)が訪れてしまった。それでスイッチが入っちゃったのかなあ?
ネプチューンマンのケース
そしてちゃっかりとロビンの尻馬に乗り、

気が合うな! 一緒に行こう!
と行動を共にしたネプチューンマン。あんたも相当ニンジンにつられてるな(苦笑)。期せずして『ユニオン・ジャックス』の誕生です。
このタッグ名は、プレステソフトの『キン肉マン ジェネレーションズ』にて命名されたやつですね。知る人ぞ知る、というタッグチーム名です。
というわけで、あっという間にリアル・ディールズは空中分解をしてしまいました。けっこう接着剤、弱かったなあ(笑)。
『夢の超人タッグ編』との既視感
これを見て感じたのは、『夢の超人タッグ編』における正義超人軍の空中分解と似ているな、ということです。あの時もスグルだけは

みんな仲良く平和に暮らせばいいんじゃ
と、平和主義を主張したものの、仲間は競争を求めて離れていきました。
今回はそのきっかけが“友情人形の操作”から、“神の椅子の争奪”に変わっただけです。つまり高みを求めて競争をしたい、という願望は、超人の本能なんですね。スグルだけが飛びぬけてそれが希薄というか。
そして次のステージに進む道は3つです。その2つを早々に取られた以上、もうスグル、ウォーズマン、バッファローマンのチームで進むしかありません。ウォーズマンだけややスグルに理解を示していることが救いでしょうか。
今後のシナリオについて
このような展開になると、今後どのようなシナリオになるのかがさっぱりわかりません(苦笑)。エクスキューショナーの話を聞く限りだと、
というシステムのようにも思えます。
それが正しいとすると、久々の主要キャラ同士の対戦が勃発することになります。仮に8人が全員認められれば、おそらくは最上階で8人のトーナメントです。これって…超人オリンピックですよね?
ただその予選が“超神に勝利すること”なので、予選のハードルが恐ろしく高い超人オリンピックになります(笑)。ジャンケンどころの話じゃないですよ(笑)。
一番の個人的不安
そしてこの状況で私が最も心配なのは、『超人師弟コンビ』の復活が遠のいた、ということです。
だってねえ、皆さん何を一番期待しているかって、バベルの塔における『タワー・オブ・バベル』の原作デビューでしょ? あれ? 違う(笑)?
でも個人的にはこれは今やらないと、もう二度とチャンスはないかと。固有名詞のダジャレにもなっている機会なんて、ホント天文的な偶然に近いと考えた方がいいですよ。76年に一度のチャンス、みたいな。ハレー彗星みたいになっちゃってますけど(笑)。
だからロビンもスグルと闘う最後のチャンス、なんて言ってないで、もっとこちらのチャンスに目を向けてくださいよ(苦笑)。こちらを実現して超神を蹴散らしたあと、ゆっくりとスグルと闘ってくださいな。
ちなみに『タワー・オブ・バベル』がよくわからない方のために、画像を貼っておきますね。
どうですか。『タワー・ブリッジ』と『パロ・スペシャル』が合体した、“超人師弟コンビ版マッスル・ドッキング”なんですよ。まあこれもゲーム由来の技なんですけどね。
でもセンスがめちゃくちゃいいでしょ? これ…ぜひ原作で実現してほしいんだよなあ。ファンが求めたスーパーマンロードの神(エクスキューショナー)とジェロニモの対戦も実現したんだから、このリクエストも実現してほしいなあ、ゆで先生。
個人的な宣伝
え~、細々とamazonで出版していた私の本『今週のキン肉マン-キン肉マンを読み終えた人が読む本-』の、最新刊第6巻が発売となりました。
しかしながら…第5巻の発刊からまるまる2年の月日が空いてしまいました。

アキラも随分と中途ハンパなヤツだな!
と呆れた方も多いでしょう(苦笑)。でもスキマ時間をなんとか見つけながら進めていたら、こんなに時間が経っちゃったんですよ(泣)。
もし続きが気になっていたという優しい方がいらしたら、手に取ってみてください。今回は『完璧超人始祖編』のスグルVSネメシスの感想を、この『今週のキン肉マン』テイストで重厚に書き下ろしています。
そして特別付録は超人批評・ネメシスとなっております。次期完璧超人軍の総帥候補といわれるネメシスを、濃厚に考察しておりますので、超人批評ファンの方もぜひどうぞ。
さらに! 第6巻発売を記念して、2021年11月13日まで
を行います。『完璧超人始祖編』の頭からこの『今週のキン肉マン』を読みたい方は、この機会にぜひまとめ読みを。
ちなみにそれぞれの巻の付録の超人批評は
となっております。どれもこれも、丹精込めて書き下ろしました。ぜひ読んでいただけると嬉しいです。
そしてこのシリーズは、次巻の第7巻で完結する予定です。いつ発売になるかは私もさっぱりわからないのですが(笑)、最後の悪魔将軍VSストロング・ザ・武道、ご期待ください。
その他気になった点
その他気になった点は
- 話の流れを理解するのが早い、賢いネプ。
- 皆殺しを考えていないのなら、カピラリアの照射は必要ないのでは…?
- となると、地上のピースを狙う必要もなくなるけど…?
- まあいいか(笑)。
- “調和を乱す可能性”とは、どんな有様を言っているのだろうか?
- スグルの「どったの?」は、植物化したラーメンマンに声をかけたとき以来か。
- “我が系譜を継ぐもの”という最大級の評価を受けたジェロニモ。
- そして“神の候補”となるミラクル(笑)!
- エクスキューショナーは死ななくていいみたいだな。よかった。
- アシュラマンの目…(笑)。
- バッファローマンは、少し優柔不断キャラになった?
- ここでもウォーズマンの冷静さが光る。
- キミだけだよ、スグルの理解者は(笑)。
- 今回のロビンは、超人同盟に拾われたころの彼を思い出す。
- まあ悪意があるわけではないんだけどね。
- ネプも野心家ぐせが抜けないな(苦笑)。
- 「お前と気が合う日が来るとは」というセリフは、なかなかニクいな。
こんなところでございます。


コメント
いやはや予想だにしない展開になってきました。アキラさんの言う通り
私もタッグトーナメント編を思い出しましたね。
私が気になったのは残った扉に3人とも入るのか?という疑念です。
もしかしたらスグルだけ残り、バッファローマンとウォーズマンのみが
入るのもあるかなと思いました(かつての対戦者コンビタッグとかなら
超燃えます!)そして隠されていた4番目の扉が・・とか。
今後の展開がますますとても楽しみです!
まあスグルはキン肉星の大王ですからね
他の超人よりは上昇志向が薄いのは分からなくもないんですが
というかこの空中分解は調和の神的に無しなんじゃないですかね?
神の座が賭かったとたん結束崩れるような連中って
なんというか俗すぎると思うんですよね
最上階で「お前ら俗っぽいから無し」とか言い出したりなんかして
とはいえ俗どころか邪悪な例の5柱も神様なわけで
神様的にはそこらへん気にしないのかな?
多くの読者が究極タッグ編の悪夢を思い出したようです(苦笑)
まあ私もですが…
今後の展開、嫌な予感しかしない…(大汗)
おひさしぶりです。
恐らくバッファローマンは、優柔不断ってよりも
え?将軍様通り越して神になるとかって…で躊躇してるんじゃないでしょうか?
スグルも似た感情で神とか別にならなくて良いしみんなで楽しく出来たら良いって感情で。ウォーズもそんな欲なさそうで。
最も神にふさわしい金、銀、ジャスを通り越すのも何か変な感じです。
更新ありがとうございます
はぐれ超人コンビや超人師弟コンビ、ロビンとネプのタッグ等観たいタッグが沢山ありますが、イデアとノトーリアスが「超神はシングルに特化してる」「我らはタッグで最強」と話していたので、タッグ戦の可能性は薄いと感じました。
355話でのザ・マンの眼差しが気になっていたのですが、超人達のこの空中分解や、超人達の闘争本能を危惧していたものの様な気がしてきました。
ロビンマスクが王位争奪編でもう一度お前と戦いたかったと言っているのを思い出し、当時は個人的に確かに三どめのロビンとすぐるの真剣勝負が見てみたいと思っていたのでちょっと嬉しいものがあります。
バッファローマンがすぐるよりなのは、彼が正義入りしてからもすぐると
は敵対する立場が多かったのでそこもかなり嬉しいです。
この展開ならテリーマンにも、すぐるの最大のライバルとして参戦して欲しかったです。
神の椅子が2つなんですが12人が下天した時点で14ほど空いてる気がするのは私だけ?100歩譲ってもバイコーン、コーカサスマン、マイティハーキュリーズの4つ分の椅子は確実に空いてますよね…
やはりタッグトーナメント編を思い出した方々は多いようですね!!
でも、この神の椅子がかかっているからといって、欲望むき出しにしちゃうような超人たちはまず不合格なのでは?……芥川龍之介の「蜘蛛の糸」の昔から。
また、超人に敗れた超神たちの分は神の椅子は空いていると考えると、結構空席があるような気がするのですが、それはどうするのでしょうかね?(トロリータさんがすでに指摘していますね)。
このパターンだと、このシリーズの最終回は神にノミネートされたスグルが「いや、私は超人として生きていきたい」といって神の椅子を辞退して終わりになる最終回かなぁ〜と予想しました。
ヒールロビンが意外なところで登場しましたね。でもロビンも考えての決断という面がありますので再びわかり合えるか、注目していこうと思います。
今回は元々まとまりのないメンバーだったので分解も自然でしたね。それぞれ懐かしいはぐれ悪魔超人コンビ、新たなユニオンジャックス結成も魅力があります。スグル達のグループも余りとはいえ豪華ですので。
一方で調和の神のこれまでの行動は超人に対する行動前の神の選別のようにも見えますね。神の座も増えているし、超人を交えて新たな調和を作ろうとしているのでしょうか。ここも今後注目しようと思います。
みなさん、こんにちは。
たしかにニンジンをぶら下げられたら、その気になっちゃうのも、神の品性としてどうなんだろう? って思いますよね(苦笑)。
あとみなさんおっしゃるように、超神って神の椅子を捨てた神ですよね…ということは、たしかにその椅子は空席になった、と考えるのが正しいかもしれません。
“神⇒超神”の属性変更は、不可逆ですもんね…。よくわからんです。